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玉置和郎君 私は、前に沖繩の
開発政務次官をしておりまして、沖繩のことにはやはり大きな関心を持っております。そうしたときに、毎日新聞に「十二人、就学できず、住民票拒まれた自衛隊員の子弟」という見出しが出た。コザ市では仮入学手続をとった。まあこれは仮入学になったそうでありますが、テレビで入学式に参加できないあのがんぜない
子供を見まして胸痛むものがありました。そこで、私は私なりに沖繩の私
たちの同志に頼みまして、この入学を拒否した、そういう背景、またその関係者の意見、ことにその被害者的な
立場にありました自衛隊員の
気持ち、家族の心情、そういったものを中心にして収録をさしたのでありますが、きょうは
テープは聞かすことはできないというので、
テープは持ってきておりますが、その中で、特に三つばかり取り上げていま読み上げたいと思います。
これは、コザの入学を拒否された
子供の
母親というわけではありませんが、とにかく、この自衛隊員の奥さんの心況であります。
テープのまま読み上げます。
「沖繩へ来てから一日も安心して眠れない。主人は制服を着て町を歩くこともできない。家を借りることも、洗たく物を取りに来てくれることも、新聞を配達してくれることもない。この前はネズミの死骸を投げ込まれびっくりした。どうしてこんなことをするのか、ほんとうに困っている。一体沖繩の
人たちはどういうことを考えているのか。自衛隊員が国を守れるようにしてほしい。このごろノイローゼぎみです。」と、これが自衛隊員の奥さんの話です。
次に、この
学校にやっておりますPTAの
おとうさんの
ことばであります。
「自衛隊員の子弟入学拒否を先生方が堂々と組織の力で思想介入している感がある。公共の場である
学校内で自衛隊反対の立看板が立ち、明らかに思想介入である。
教育基本法の違反行動である。幼い
子供たちを思想介入の道具にしていると思う。児童は一日も早く入学させるべきである。」
次に、一市民のこれは声であります。
「自衛隊であろうがなかろうが住民登録拒否は言語同断である。入学は住民登録票を添えて手続さすそうだが、問題は、住民登録さえ受け付けてやっておけば問題にはならなかったのではないか。登録事務はごく簡単だし、時間がかかるものでないのに。」と、大体、この三つの意見をいま読み上げました。
さらに、こうしたものを収録した
人たちの感想であります。中南部において、父兄の方々は非常な怒りを持っている。その怒りはいろいろな方向に向かって今後問題が提起されるであろう。今回の現地の声は、住民登録問題、仮入学問題とかだけではなくて、その他の自衛隊員の声なき声、差別に対する怒りの声はもちろん、家族、当事者の声を聞けたらと思って動いてみた。残念なのは自衛隊の正式な中央連絡部を通しての手づるを求めたが、公式な面では表面取りつくろったものしか出てこなかった。そこで、非公式に当たれるだけ当たったが、たっての希望で自衛隊員は録音をしなかった。隊員は録音をしなかった。しかし、なまの声で聞けたことはたとえばこういうことであった。
ある奥さんが住民票を取りにいき、三枚くれるよう申請すると、そばに男の人が見ていて、なぜ三枚も必要ですか、おたくは自衛隊ですねと、周囲に聞こえるように言う。そうすると、自衛隊、自衛隊といって人が集まってきて騒ぐというふうな変な圧力を加え、役所へ書類をもらいに行きづらくなる。このようないやがらせが多々ある。
浦添の例では、住民登録の窓口では、受け付ける人が
あとの席にいる市の職労の活動家らしき人に聞こえるようにわざと大きな声で、自衛隊が登録にきたといい、皆を集める。多いときには二十人くらいの人に取り囲まれる。窓口ではなんだからといって隣りの売店に連れていかれて、表面上は説得だと公式発表されているが、自衛隊員のほうから見ると説得ではなくて脅迫であり、圧力である。あなたが浦添に住みたいなら、自衛隊の制服を脱ぎなさいと、つまり自衛隊員は登録しないとあからさまに言う。浦添のみならず那覇市の牧志にもこういうことがある。現在、公式的な表面上では住民登録という問題はなくなっているが、それは普通の
方法はいまもって拒否されている。すなわち、窓口ではしていないということであって、自衛隊員は係長、課長を通じてこっそりしている。なぜ堂々と窓口を通してできないのか、そこに問題がある。窓口の係員が言うには、
自分がここで印鑑を押したら背後にいる組織の幹部連中から
あとでつるし上げを食うから、それがこわいから受け付け印を押さない。組織の力で窓口の
個人を圧迫している。それで受付員はたらい回しにし、一週間
あとにくるようにというふうにして引き延ばしている。拒否ではなくて保留の形である。収録した声には出てこない隊員の
現実の声がたくさんある。自衛隊の問題は正式な窓口を通らない。これが尾を引いてまだまだ続く。
たとえば、印鑑証明をもらいにいった場合、いやみを言ってから渡したり、引き延ばし戦術にかかったりする。自衛隊員の公式な面では決して出ることのない声を、国会でも県会でも市会でももっと拾いあげ、力をかすように努力を続けていってほしいと結んでおります。
これだけ言いまして、次に
大臣にお聞きしますが、もうすでに
大臣御承知のとおり、七日の市内の小
中学校で行なわれた入学式と始業式に、自衛隊員の子弟が出席できないという事態が起こっております。現在、まあ仮入学になったということでありますが、これについてどのようにつかんでおられるかお聞きしたいと思います。