○
説明員(矢橋有彦君) まず、衛生陶器、特に御指摘の水洗式の便器の
需給の
状況及びこれに対する
対策につきまして申し上げたいと思います。
まず
需給の現状でございますけれ
ども、出荷のほうは非常な勢いで伸びております。具体的に申し上げますと、ことしに入りまして一月には前年比で五二%ふえております。メーカーからの出荷でございます。それから二月には一二%増加しております。以上は通産省の行なっております雑貨統計に基づく公的な統計でございますが、その後のものにつきましては公的統計がございませんので、メーカーに対するヒヤリングを行ないました結果でございますが、三月以降も引き続き出荷は非常に旺盛でございまして、前年に対しまして三割以上の伸びを示しておる。そしてメーカーはフル
生産を行なっているという
事情でございます。他方、受注のほうはこの出荷を上回りまして非常に活発でございます。具体的には、最近の受注は前年に対しまして五割の増というふうに
考えられておる次第でございます。そして、それに伴いまして、在庫でございますが、メーカー
段階での在庫は、通常は
生産の二カ月分ぐらいが適正と
考えられているわけでございますが、現状では〇・七カ月分しかないということでございます。
なお、衛生陶器の流通は、メーカーから特約店、特約店から二次問屋、それから二次問屋から管工業
者等のいわゆる施工
業者といったルートをたどるわけでございますが、いま申し上げましたような
意味での流通
段階における在庫はほとんどないという
状況でございます。
そして、このような最近の
需要の強い伸びは何によってもたらされたかということでございますが、昨年秋以降
住宅の建築着工面積が非常に伸びております。二割ないし三割伸びておるわけでございますが、それらがちょうど完成の時期に差しかかっておるということが
原因かと
考えるわけでございます。
次に、これに対する
対策でございますが、この商品につきましては、原料はほとんど国産でございまして、その面からの
生産の制約要因はないわけでございますが、設備的に申しまして目下、先ほ
ども申し上げましたように、メーカーは全部フル
生産の
状況にあるわけでございます。したがいまして、これに対処する方策といたしましては二つしかないわけでございます。一つは、増設を促進することでございます。これは、しかしながら、設備投資の懐妊期間がございますので急にはまいりませんが、すでに予定されておりますところの増設計画を繰り早めるといったようなことを促進したいと
考えておるわけでございます。それからもう一つ、同じ衛生陶器と申しましても、水洗用の便器のようにきわめて
需給がタイトのものと、比較的そうでないものとあるわけでございまして、
需給上余裕のある品種からの
生産の転換を指導したい、このように
考えておる次第でございます。
それからいま一つ、蛇足かもわかりませんが、その間に
買い占めないしは
売り惜しみといったようなものがあったかなかったかということでございますが、まず
買い占めにつきまして申し上げますと、たとえば大手
商社等による大がかりな
買い占めといったものはないものと思っております。と申しますことは、先ほ
ども申し上げましたように、流通経路がメーカー、特約店、二次店、施工
業者といったルートをたどっておりまして、このルートが比較的固定をしております。したがいまして、たとえば大
商社等がこれに横から参入するというチャンスが少ないということと、いま一つは、商品の性格から申しまして、非常にかさばるものでもございますし、また破損といった心配もあるものでございますので、いわゆる
買い占めといったものはおそらくないんではなかろうかと、このように
考えておるわけでございます。
それからもう一つ、
売り惜しみにつきましてはどうかと。これもさだかでない点はございますけれ
ども、先ほ
ども申し上げましたように、特約店、二次店ともに在庫はほとんどないというのが実情のようでございます。これをもとにして
考えますと、
売り惜しみもないと言えるんではないかと思うわけでございますけれ
ども、ただ、先生御指摘のように、たとえばけさの新聞情報その他、あるいは
売り惜しみの事実があるんではないかというような論調も新聞に出ておるわけでございまして、その点につきましては、今後詳細に
調査をしたい。もしそのような事実があれば、先ほど申し上げました二つの
対策に加えまして、そういうものについての排除ということも
対策の一つとして加えなければならない、かように存じておる次第でございます。