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参考人(
田面剛君) 私、こういう
会議のルールをよく存じませんので、私のほうから発言を求めていいのかどうかわかりませんので控えておりましたけれ
ども、発言の機会をお与えいただきましたので、いままでいろいろと御指摘になりました点、一方的にいろいろ
お話がございました。それについて私
どもの率直な
意見を申し上げたいと思いますので、お聞き取りいただきたいと思います。
まず第一点の、私が、共同漁業権の停止等について、誓約書を取る、その取る事実の問題は別問題として、そういう事実がないというふうに申し上げましたけれ
ども、ただいま御指摘がございまして、散布に四十五年に共同漁業権を停止させたという事実があったとしますと、これは私の寡聞にして知らざる事実でございます。したがいまして、この問題は、帰りまして、私
どもも、これは組合のやった問題でございますけれ
ども、当然道漁連としての指導上の責任もございますので、帰りまして十二分に
調査をして、この事実
関係を明確にいたしたいと思いますが、あったとしますと、その問題は行き過ぎであろうと私は考えております。
それから佐山商店の問題でございますけれ
ども、これは私自身がこの大船組合との話し合いをした経験がございますので申し上げますけれ
ども、私
どもは、大船組合がどうしても全道の組合のそういう
コンブの中で、ことしにだけ限っては売りたくない、売らない。それはもっと高く売りたい。共販価格で、公正で妥当だと思われる価格を提示したわけですけれ
ども、どうしてもそれじゃ売れないということで、御
自分で売りたいということを何回も申して、私も説得をいたしました。しかし、これは
生産者が主体になっている組合でございますから、
生産物をおつくりになった組合が、どうしても売るというものについて私
どもは強制権もなければ強制すべき問題でもございません。私の説得の足らざることによりまして佐山商店に売られたということも事実でございます。
その間に私は、快く私の説得の足らざることをわびて、明年以降再度検討してほしいということを申し上げておいたわけでございますから、この大船組合に私
どもが特別なまた圧力をかけておるということをおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、そういう事実は毛頭ございませんということを私は明確に申し上げておきたいと思います。
ましていわんや、売り先がどこであるのか、これはなかなかっ
かまらないのが実態でございます。そういう形で売った
コンブでございますから、なるべくあまり大っぴらに売りたくない、批判の対象になりたくないということでございますから、佐山商店に行ったのかどうなのか、この事実
関係を私
どもはよくつ
かまえることができないということでございます。行ったのでしょう、おそらく。したがって、そういう実態でございますから、ましていわんや、佐山商店の
品物を買ってはならぬとか、買った者には荷割りしないとかいうことを、全道、
全国の
業者に
指示命令をする、そういうことはあり得ないことでございます。したがって、そういう点もひとつお聞き取りいただきたいと思うのでございます。
第三点の、長崎組合長、厚岸組合長の棹前の問題でございますが、多少詳しく申し上げます。
先ほど申しましたとおり、私
どもは漁民といえ
ども、漁業協同組合員である前に
日本の国民でございます。当然、生存をし営業を営む権利があることを十分承知をしております。したがって私
どもは、基本的人権を侵害するような、そういう措置をとることは、これは独禁法とかなんとかという問題ではなしに、憲法以前の問題でございまして、基本的人権にかかわる問題でございます。かって、そういう事態が相当前にございました。人権
委員会に提訴された方がおいでになります。明確に基本的人権違反である、こういう結果も出ておりますので、全道の組合長はそういう点を十二分に知っておると思います。
この厚岸の場合には、そういう前提がございますので、組合の決定なり漁民の切なる願いで、みんなの利益を高めよう、そのために共同運動をやろう、共同
販売をやろうときめた中で、やはり数の中には
自分だけの利益を守り、目先の利益だけをほしいという漁民がいることも事実でございます。そういう方が団結を乱して浜売りをする、それがまた相場を混乱させる、そういう実態がある中にあって、樟前昆布の
コンブの採取権につきましては、そういうものであっても、基本的人権にかかわるものであるから、全組合員にはどんな
事情があろうとも、一つだけの、一棹だけの採取権利は与える。ただし、現在の浜の状態からして、
数字をいまちょっとわきまえておりませんけれ
ども、かりに多少まだ着業の、資源的に見合った隻数が余裕があるという場合には、当然漁家の
生活の実態、家族数、そういうものによって二棹三棹与える場合がございます。
その決定は
理事会に総会でまかされているわけでございますが、そのときの一つの要件に、いままでやったものについてはよろしい、だけれ
ども、全体の利益とともに、もう二度と目先の利益にこだわらないようにやってほしい、そういうことのために、そういう方からただいまいったような誓約を取ったというふうに私は聞いております。
これは私は、それをたてにとって現実に棹前昆布の操業を禁止した場合には、これは明らかに何らかの法律に関連すると思いますけれ
ども、そういう指導の一環としたものである。ただし、ただいま田代先生から御指摘がありましたような、強権であるかのごとく、また、そういう点についての御指摘がございましたので、こういう点については、その表現の方法にしましても内容等についても十二分に検討いたして、御指摘にこたえたいと思うわけでございます。
それから乾燥機の問題でございますけれ
ども、私
どもは漁民が必要とする
生活資材をはじめとする漁業資材を、できるだけ安価に、できるだけ適正な価格で、できるだけ良質の
品物を供給する責任を持っております。したがって私
どもは、現在こういう形で公害問題が盛んになっている時代でございますから、一つの商品を扱うにしましても、しょうゆ一つ扱うにしましても、添加物が入っておらないか、有害食品が入っておらないかということで詳細に検討し、しかも、その価格はメーカーと十分に話し合いをし、不当な利益が含まれておらないかということも検討した結果に基づいて売ってまいります。したがって、乾燥機もその一例でございます。私
どもは私
どもなりの考え方、判断でヤンマーを調べ、ダイヤを調べ、クボタを調べ、いろいろな方と相談をしてまいります。そして、その中で最も適正であり、最も漁民に必要なものであり適格なものであるというものを、私
どもの推奨品として漁民に推奨をしております。
ただし、これを買わなければ棹前昆布をとめるとか、これを買わなければ金を貸さないとか、こういうことを私
どもは指導した覚えもございませんし、現に私
どもが推奨しております一メーカーについて申し上げますけれ
ども、あるメーカーについて推奨しておりますが、そのシェアは、やはり機械でございますから漁民の好みがございます。また慣例もございます。したがって、
各社にわたっての台数が出ておりまして、私
どもの扱いはわずか五〇%を切っております。これが実態でございます。したがって、そういう事実は私
どもはないと考えております。
それから最後の、道議会の
お話が出てまいりましたが、これは私
ども、そういう考え方で道ともいろいろ打ち合わせ、御指導をいただきながら、適切に
事業を実施してまいりたいと考えております。
最後に厚岸の
コンブの問題につきまして、いろいろと、どなたからお聞きになり、どういう方からの御
調査か存じませんけれ
ども、一つだけ御理解を賜わりたいと思いますことは、
コンブという商材は保存のきく商材でございますて非常に銘柄の多い商材ですし、等級格差の非常に多い、細分化してまいる商材でございます。したがって、それの
生産も約半年以上かかります。最初は一月か二月で済みますけれ
ども、これを製品にし市場に出すまでには、半年以上かかる
コンブもございます。それをお買いになった
業者の方々は、加工
業者の方々にまた一年かけて売ってまいるという仕組みのものでございますので、ともしますると、いま社会的に御指摘になっております思惑材料に最も適した商材でございます。全道合わせましても、たかだか百二十億の商材でございますから、思惑による価格の高騰を招くおそれがある、また、暴落を招くおそれがある商材でございますし、私
ども漁民は、その暴騰、暴落にたいへん迷惑をしました経験を持っております。
したがって私
どもの願いは、こいねがわくは、私
どもが取ったものを私
どもの手で売りたい、直接消費者の
皆さま方に差し上げたい、そして中間の経費を節約をしてできるだけ安く食べていただきたいというのが念願でございますけれ
ども、私
どもは
生産者でございます。商業機構というものを、長年の経験と
実績をお持ちの方々におまかせをする以外にはございませんので、こいねがわくは、中間における経費もできるだけ節約をしてほしい、思惑はやらないでほしい、そして私
どもの
生活を高めつつ、消費者の
皆さま方に少しでも安い
コンブを食べていただきたい、これがほんとうに心からの私
ども生産者の念願であるわけでございます。
今回取り行ないました厚岸の
コンブの
やり方も、従来はどちらかといいますと、いろんな形で値踏みが行なわれました、それからの段階で、一部商品が一割も二割もかけて売られたという事実も出てまいりました。加工屋さんから、あんな高い
コンブは買えないという反論も出てくる。しかし、私
ども生産者はそんな値段で売った覚えはない、こういう値段で売っているじゃないか、にもかかわらず二割も三割もかけて売られていく。こういう実態も、消費者の皆さん方に申しわけない、
生産者の手で何とか直せないであろうか、この切なる願いが共販運動の根本でございます。
したがって、この厚岸で行ないましたのも、従来そういう形で二十年もやっておりますと、こういう形の中で多少思惑が始まってくる。商社間の転売がある。その間で価格がどんどん上がる。こういう状態を直すためと、いま一つは、そういう形で、
生産者は何でもいいから高く売ればいいという考え方は持っておりません、ほんとうに適正な価格で消費者の方に食べていただくのならば、それはそれなりに私
どもは満足していきますけれ
ども、中間の思惑や投機によって価格が暴騰をされるということについては、
生活がきびしければきびしいほどに、経営が零細であればあるほどに、歯ぎしりするほどくやしいのでございます。したがって私
どもは、こういう形においてできるだけ安定した価格で売っていきたいということと、浜買いをして、団結を乱して、
自分さえよければいいという商社の方がいると困る。しかし、その人にも
生活権がございます。したがって、どうかわれわれと一緒にやってください、そのかわり、
皆さま方がお扱いになっている荷物と同じように集めたものからお分けしましょう、これが今回の改善の基本でございます。ただしそのときには、お分けするけれ
ども販売はひとつ公開をしてほしい、暴利を取らないようにお願いをしたいと。
したがって、いま先生御指摘になりました、それならば厚岸という
生産者が一〇%売って何するのだという
お話がございますけれ
ども、これは御理解をいただけないでしょうか。わずかでも
自分のとったものを、
コンブは、ほんとうに零細漁民が家族労働で夜なべで
コンブをつくります。それを売るときには、ほんとうに嫁にやるような気持ちで
コンブを売ります。その
コンブを
自分で売りたいという気持ちを持って、なぜ悪いのでございましょうか。それも、従来の商圏を乱してはならぬ、侵害してはならぬということで、どうぞひとつ皆さん一〇%だけは組合で売らしてくれないかという
お話をして、みんなで了解して、じゃ一〇%だけやってみなさい、しかしうまくいくかねと、こういうこともございました。
第三点。もう終わります。もう一点で終わります。
そこで、そういう意味もございますので、堀田さんがそういうことについて、先生のほうにどういう
お話があるのか存じませんけれ
ども、私
どものほうでは現在でも堀田さんに、誓約書を入れないからおまえには物を売らない、分荷しないと言った覚えはございません。これは組合も調べまして、担当者も調べてまいりました。ただ、私
どもが聞きました範囲内においては、組合で説得をしたけれ
ども、おれはこんな仕組みには入れない、したがって浜買いもやめられない、だからおれは帰ると言ってお帰りになったということでございます。お帰りになった方をどうかひとつとお引きとめして、浜買いされてもけっこうですから、どうぞ荷物を買ってくださいと言わなければならないのでございましょうか。しかも、私は現在でも堀田さんと話し合いをする気持ちはございます。組合長にもその旨を言っております。できるだけそういう方々とひざを突き合わせての懇談の中で、みんながよくなるような仕組み、みんなが利益をあげるような仕組みをつくっていきたい、これがいまの偽らざる心境でございますので、御指導を賜りたいと思います。