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塚田大願君 この問題は、私はやはり
漁業の基本的な問題とも関連すると思うのです。で、
漁民の皆さんは、とにかくもう絶対反対ということで、特に神奈川県などではもう今後一切こういう設置を認めないという方針をあえて発表しているところもございます。したがって、私はやはり
水産庁としてこういう点でははっきりした方針を持つ必要があるんではないかというふうに考えておるわけです。で、いま
長官おっしゃったように、
漁民ともっと接触を持って、相談をして解決しろと。こういう程度では私は話にならないんじゃないか、
漁民はとにかくこういうこの建設は絶対反対しておる。特にこの場合に、この
沿岸はシラス漁の解禁がちょうど四月−十月の間だそうでありますが、ヨットやボートの最盛期も七、八月という夏場に当たる。ちょうど時期が一致するわけでありまして、そういう
意味で吉田漁協などの場合は、シラスの水揚げ高が、全体の水揚げ高が五億七千万円でありますけれども、そのうちの九二%までがこのシラス漁である。こういう面からいって非常にこの
関係漁協は猛烈な反対をしております。いろいろと聞いてみますと、とにかく二の魚というものは非常に音に敏感だと。あの猛スピードで走るモーターボートなんかで走られたらもう一ぺんに魚は逃げてしまう、だから、少々の
補償なんかもらったって、とても合うものじゃない、こういうことで非常に反対をしているわけであります。
私は、やはりこの
漁民の生活を守るということを、あるいは日本のいま問題になっております
水産資源を守るということ、たん白質源を守るという
意味からいいましても、やはり、こういう問題に対しては、もっと明確な方針を
政府としては持つべきではないか。もちろん、
長官おっしゃったように、いまレジャー産業も盛んでございますし、またスポーツという点から見て、こういうヨットやモーターボートもけっこうでございますけれども、何も大事な漁場を荒らさなくたって、もっと遠くでもってしかるべき
地域を選定する
やり方は、私はたくさんあると思うのです。にもかかわらず、こういう非常に重要な漁場でこういう建設をやる。ちょうどこの間問題になりましたよううに、農地あるいは山林を乱開発をしてゴルフ場をつくっていくと、陸の場合に。これと私はやはり非常によく似たケースではないか。海の場合に、とにかく漁場をこういったマリーナで荒らしている。やはりこういう点では、レジャー産業もけっこうでありますし、スポーツもレクリエーションけっこうでありますけれども、やはり何といっても基本は、
農業、
漁業を守っていくという立場を明確にいたしませんと、いまスポーツ産業も大事だから、けっこうだから、これじゃ、私やはり日本の
漁業を守っていくことはできないだろうと思うのです。
現に
農林省が発表になりましたこの
漁業白書、これにしたって、ちゃんとそのことが書いてあるんですな。おたくの発表されましたのに。つまり
沿岸漁業の停滞というのは、やはり一つには、環境の悪化があると、そしてこれは六ページでありますけれども、その環境の悪化の中には、「臨海工業用地の造成」であるとか、いろいろございますが、その中で「レクリエーションなど、水域利用が多様化」してきていると、そういう
関係から、環境悪化しているということも、ちゃんと
指摘されているわけでありますから、そういう面では、私は、この
漁業を守るという立場から、
水産庁はもっと明確な方針を出すべきではないかと思うわけであります。
ついでに、もう一つ申し上げておきます。いま
長官からも話がありましたが、この運輸省との
関係でありますけれども、あの港湾法の改正で、マリーナ港区が新たに設定をされているわけであります。四十六年策定されました新港湾整備五カ年計画でも積極的にマリーナ建設に乗り出そうということを運輸省は考えておるわけでありますが、こういう点から見まして、今度のこの静岡のマリーナ建設の場合でも、この榛原港ですな、そのうちの一つであります榛原港なんですけれども、この場合、
事業費が、総工費が二十三億円のうち国が四十%
負担する、こういうことになっています。県が三五%、町が二五%。これほど国が
負担をしてこのマリーナを建設しておる。こういうふうに見ますと、やはりいま
水産庁がよっぽどしっかりしていただかないと、私はこういう形でどんどん事志と違った形で
漁業がどんどん破壊されていく、こういうことになるわけであります。そういう点で、私はもう一つ
水産庁としてもはっきりした行政指導をやっていただきたい、こういうふうに考えるわけでございますが、この辺につきましては、
長官並びに
大臣からも御意見を伺いたいと思います。