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村田秀三君
漁協組の
合併問題というのは事実上、非常にむずかしかろうとも私は思っております。思っておりますが、サケ・マスの場合は、実は一貫作業であるはずなんです。これを切り離してはならないはずであります。いま
水産庁は、これは県が調整をする、こういうことでありますが、もう少しやはりこの辺積極的にしないと
漁協組の
合併がかりに不可能だといたしましても、一貫
事業であるところの
事業の共同行為ですから、
経済的にも。私が聞きます限り、内水面
漁協組が申し入れをするのか、あるいは自主的に
沿岸漁協組がするのかわかりませんが、多少の寄付金
程度のものは、内水面
漁協組に出しておる例もわずかではあるが、存在する。こういうことを実は聞きました。しかし、その
程度で、どうも私は不十分だろうと思うのです。したがいまして、もう少しやはりその辺のところを、系統づけて
水産庁として積極的に
指導をおろしていかなければ、県にまかしてあるとか、県が調整するなどといっても、前進をしない。こう実は
考えておりますので、これから増殖問題について若干
質疑をいたしますけれども、それと関連をいたしましてもう少しやはり積極的な姿勢というものが望まれるのではないか、こう実は思います。
そこで
沿岸サケ・マス漁業振興対策について実はお伺いをいたしたいと思います。七月の一日の新聞であります。サケ・マスの宮古市場、岩手県の宮古市場の漁税について報道されておりましたが、サケは十キログラム九千四百円、昨年より二千百円高いということです。マス四千五百円、昨年より千八百円高いということであります。そうして、魚影は薄いようであるけれども、結果的には宮古だけで昨年より四億円
水揚げが上回るだろう、こういう報道がされておりました。
それから、これは六月二十七日の朝日でありますが、サケだけは人気急上昇、新宿の伊勢丹は売り上げが二倍強、池袋の西武においても二割から三割の売り上げが伸びておる、こういうことであります。これは汚染魚の影響であります。そう明らかに書いてある。そこで、何もこの新聞がありましたから申し上げるわけじゃございませんけれども、また、汚染魚は汚染魚のままでおいてよろしいということじゃございません。水域を回復する
努力は先般来もずいぶんと論議をいたしておりましたから、きょうは特に触れませんけれども、少なくともサケ・マスに関する限りは、確かに汚染問題とば切り離して
考えることができるだろう、こう思います。北海道の苫小牧あたりは、だいぶん最近よごれておるようでありますし、またむつ小河原湖あたりの開発がうわさどおりに展開されるとするならば、はたしてどうなるものやら、懸念されるものがないではございませんけれども、少なくともサケ・マスに関しては、汚染問題を
考える必要がない。少なくとも、親魚がのぼってきて、採卵をいたしまして、二、三カ月たって放流をするならば、
あとは四年間大洋、北洋、きれいな水の中で成長をして、そうして戻ってくるわけでありますから、これは
心配はないわけですね。そういう
意味からするならば、私自身が、あらためてそれを
考えておるということになるのかもしれませんが、もっと積極的にサケ・マス放流
事業というものを、展開をする必要があるんじゃないか。先ほども話ありました、とる漁業よりもつくる漁業、こういうことでありますけれども、いまさら私が申し上げるまでもないと思うのであります。
漁業白書によりますと、四十六年のサケ・マス類の生産は十三万九千トン、その際、日ソ漁業交渉の割り当ては九万五千トンであります。そうして、この十三万九千トンのうち四十六年には、サケ七・九万トン生産をされておることになっております。そうすると、その中で報告をされておりますのはサケ類の
沿岸定置網の漁獲高は二・三万トン、こう報告されている。サケ類とこうなっておりますから、はたしてこれはサケばかりであるかどうかは存じませんが、いずれにいたしましても、
水産庁からちょうだいいたしました
資料を見てまいりますると、四十六年は、サケ類の河川において捕獲いたしました数量と、
沿岸定置網で捕獲いたしました数量を見てまいりますと、大体二・六万トンの計算ができるのであります。そう
考えてみますと、北洋北洋、日ソ漁業交渉と、こう言いますけれども、実は北海道、本州において少なくともサケが二・五、六万トンいま生産されておるという事実は、これはあらためて見直さなければならない事実だろうと思うんです。
結局、これは
福島県でもまだあるようであります。自然にのぼってきて、そして自然に帰っていく。放流
事業が行なわれていないにもかかわらず、サケがのぼっておるのではないかと見られる河川はあったようであります。そういう例もあろうかと思いますけれども、この二・三万トン、このサケは、少なくとも、北海道、本州で放流
事業をしておるから、これだけの生産をあげることができたんだと、私は理解してもよろしいんじゃないかと思うんでありますが、そうしますと、これは欲が出てくるわけですね。いままでのやり方でさえ、この
程度であるならば、これはやりようによっては、もっともっとひとつ生産をあげることができるんじゃないか、こういう
感じを持ったわけでございまして、そういう
意味からひとつ
質問をいたすわけでありますが、いま
水産庁がとっております放流
事業に対する具体的な施策、そしてまた、今後どうしようとしておりますか、このことについてお伺いいたしたいと思います。