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国務大臣(
櫻内義雄君)
漁船損害補償法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び主要な
内容を御
説明申し上げます。
昭和二十七年に
漁船損害補償法が漁船
保険法にかわって制定されて以来、漁船
保険の
保険加入隻数は逐年伸長して現在十八万隻に、
保険金額は四千百億円に達しております。これは、
漁船損害補償法制定当初に比較いたしますと、加入隻数で約三・三倍、
保険金額で約十四倍にも達しているのでありまして、この漁船
損害補償制度が漁業
経営の安定のため多大の寄与をしてまいったものと確信いたしている次第であります。
しかしながら、最近における漁船の大型化等漁業動向の変化に伴いまして、漁業者の
保険需要は多様化しつつあり、これに対応してこの制度が円滑に運営できるようその改善をはかることが各方面から強く要請されているのであります。
政府におきましては、このような事情にかんがみまして、漁業及び漁船
保険に関する学識経験者の意見をも徴して慎重に検討して参りましたが、その結果、
保険対象の範囲の拡大をはかること、
保険の仕組みの改善をはかること、再
保険段階に生じた剰余金の活用をはかることを旨として漁船
損害補償制度の改正を行なうこととし、この
法律案を
提出することとした次第であります。
次にこの
法律案の主要な
内容につきまして、御
説明申し上げます。
第一に、
保険目的の範囲の拡大であります。漁船
保険の
保険目的たるべき漁船は、現行は漁船法に規定する漁船となっておりますが、最近における漁業活動に使用する船舶の機能分化にかんがみまして、これに、新たに漁業活動に必要なその他の一定の船舶を追加することといたしております。
第二に、
組合員資格の範囲の拡大であります。漁船
保険組合の
組合員資格を有する者は、現行は漁船の所有者となっておりますが、用船者の漁業
経営の安定をはかるため、これに、新たに漁船の用船者を追加することといたしております。
第三に、漁船
保険の仕組みの改善であります。まず、
政府の再
保険割合の改善でございまして、漁船
保険組合の
保険能力に応じて
政府の再
保険金額が適切に設定できるように
措置することといたしております。
また、満期
保険の
損害保険料率及びその再
保険料率の算定
方法の改善をはかることといたしております。
第四に、交付金の交付でありまして、漁船
保険事業の健全な発達をはかるため、
昭和四十八年度において、国の再
保険特別会計に生じた剰余金のうち三十五億円を漁船
保険中央会に交付することといたしております。
このほか、漁船
保険組合等の組織
関係規定の
整備等所要の改正を行なうことといたしております。
以上がこの
法律案の提案の理由及び主要
内容であります。
何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
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漁船積荷保険臨時措置法案につきまして、その提案理由及び主要
内容を御
説明申し上げます。
漁業の生産手段たる漁船につきましては、
政府は、漁船
保険制度を通じて、その
損害の復旧と適期における更新をはかることにより、漁業
経営の安定のため多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりでありますが、近年における漁場の遠隔化、漁船の大型化等に伴って漁船に積載する漁獲物等の積み荷価額は増高する傾向にあり、航海中の事故によるこれら積み荷の損失は、船体のそれと同様に、漁業
経営に重大な影響を及ぼすようになってきておりまして、漁船の積み荷についての
保険制度の創設が強く要請されるに至っております。
このような事情にかんがみまして、
政府は、
昭和四十二年以来積み荷
保険の制度化につき種々検討を続けてまいりました。しかしながら、漁船に積載する漁獲物等の積み荷につきましては、
保険制度を樹立するのに必要な諸種の
資料がなお十分
整備されていない
状況でありますので、漁船積み荷
保険の全面的な制度化をはかるための準備として、まず、試験的に
保険事業を
実施し、
保険料率算定のための基礎
資料の収集、
損害の評価等
事業運営上の諸問題の検討を行ない、その成果に基づいて適切な
損害保険制度の全面的な確立をはかることとしようとした次第であります。
以上がこの
法律案を
提出する
趣旨でありますが、以下その主要な
内容につきまして、御
説明申し上げます。
第一に、漁船積み荷
保険の
対象とする積み荷につきましては、漁船に積載した漁獲物等といたしております。
第二に、
事業実施主体につきましては、農林
大臣の認可を受けて、漁船
保険組合が漁船積荷
保険事業を行なうことができることとし、これに必要な手続を規定いたしております。
第三に、漁船積み荷
保険の
内容につきましては、漁船に積載した積み荷につき、滅失、流失、損傷等の事故により
損害が生じた場合に
保険金を支払うものとし、
保険期間、純
保険料率、てん補責任等につき所要の規定を設けることといたしております。
第四に、漁船
保険中央会は、農林
大臣の認可を受けて、漁船
保険組合が漁船積み荷
保険事業によって負う
保険責任にかかる再
保険事業を行なうことができることとし、これに必要な手続を規定いたしますとともに、その再
保険契約は元受けの
保険契約が成立すると同時に当然成立することといたしております。
このほか、漁船積み荷
保険事業及びその再
保険事業の適正かつ円滑な運営を期するため必要な国の援助規定その他の規定を設けることといたしております。
なお、この
法律は、
昭和四十八年十月一日から施行し、この
法律が漁船積み荷
保険の試験
実施のための臨時
措置法であることにかんがみ、その施行日から五年以内に別に
法律で定める日に失効することといたしております。
以上がこの
法律の提案の理由及び主要な
内容であります。
何とぞ慎重に御審議のうえ、すみやかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。
水産業協同組合法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び主要な
内容を御
説明申し上げます。
水産業協同組合は、漁民及び水産加工業者の経済的地位の向上と水産業の生産力の増進をはかることを目的とする漁民及び水産加工業者の
協同組織として、
昭和二十四年に発足し、以来、わが国経済及び水産業の推移、発展とともにその活発な活動を展開してきたところであります。
しかしながら、近年における水産業をめぐる諸
条件は、漁場
条件の悪化、労働力の逼迫等きわめてきびしいものがあります。これら諸
条件の変化に対処するとともに、増大する需要にこたえて水産物の供給を確保していくため、水産資源の開発の
促進、漁業
経営の
近代化等のための諸
施策を強力に
推進しているところでありますが、これとあわせて漁業協同組合等の機能を拡充強化し、その健全な発達をはかることが必要であると考えるのであります。特に、最近における漁民、水産加工業者等の
事業活動は広域化、多様化してきており、これらの事情に対応して、その
事業活動の
円滑化をはかるためには、漁業協同組合等の金融機能を拡充し、一そう活発な経済活動を行なうことができるように
措置する必要があると思うのであります。これがこの
法律案を
提出いたしました理由であります。
次に、この
法律案の主要な
内容につきまして御
説明申し上げます。
第一に、貯金等の受入れの
事業を行なう漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工協同組合及び水産加工業協同組合連合会が、新たに内国為替取引をすることができるようにすることといたしております。
第二に、信用
事業を行なう漁業協同組合及び水産加工業協同組合が、新たに手形の割り引きをすることができるようにすることといたしております。
第三に、信用
事業を行なう漁業協同組合、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会が、新たに農林中央金庫等の業務を代理をすることができるようにすることといたしております。
以上が、この
法律案の提案理由及び主要な
内容であります。
何とぞ慎重に御審議のうえ、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。