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工藤良平君 この点については、私もやはり、たとえば米の品種の問題とか、あるいは収量の問題
——日本の稲の品種というのは多収の品種もあるわけであります。ただ貯蔵等に非常に大きな問題があるようでありますから、乾燥の度合いにしても、もっと、たとえば、水分を一〇%程度にするとかということによって、貯蔵というものもかなり有効に貯蔵できるんじゃないかと思いますし、そういう面から、国際的な視野で、米の問題をここでもう一ぺん
考え直す、そういう基本に立ってやはり
生産調整というものも、
長期的な
見通しというものを立てる必要があるんじゃないか、こういうように米の問題については、私は
考えるわけでありますから、ぜひひとつこの点については
大臣としても前向きの御検討をいただきたい、このように思います。それから、もう
一つの方向でございますが、さっきもお話がありましたように、
需要の変化に応じた
対策の
一つの方向として、いわゆる
畜産あるいは果樹という一たん白から果樹へと、こういうような方向に、だんだんと
需要が多様化していく、それに対応するこれからの
農政の方向というものは、どういうものかということが出てくるわけであります。
私は、先日、
農業技術
会議とそれから
農林省の食糧総合研究所の合同調査によります「食品の
需要予測のためのイメージ調査」というのを
——農林省広報を見ていて、非常におもしろい
一つの発想というものを提起しておりましたが、私はこれを読ましていただきまして、二晩ばかり何べんも繰り返して読んだんですが、非常におもしろい発想だと思いました。これは
長期予測のためにも非常に大切なことではないかと実は思っておりまして、
数字を拾ってみました。特にこの中で
指摘をしておりますことは、「食品の
需要予測のためのイメージ調査」というのがございます。これは他の食品の値段は変わらないが、たとえばある食品が倍になったとしても、私はどうしても、これは食べたい。こういうようなイメージ調査というものをやっておりまして、それによりますと、これは日本の従来からの消費傾向だと思いますけれ
ども、たとえば、みそ、しょうゆ、ソース、マヨネーズ、食用油、砂糖、こういった、いわゆる調味料というのは、たとえ倍になっても食べますということ。米、とうふ、納豆、鶏肉、緑茶、牛乳、こういったクラスが、やはり金が倍になったとしても、かなりの
部分消費されるという傾向が出ておりますですね。それから、肉類については、豚肉あるいはチーズ、こういったものが大体たん白源としてかなりの、倍になったとして
もということで、ウエートが出ております。あるいはまた、食品の価格が同じで、逆に
所得が倍になったときに一体あなたは何を食べますか、こういうことになってまいりますと、これはずいぶん変わってまいります。たとえば、牛肉あるいは豚、なまで食べる魚、トマト、あるいは
ミカン、夏
ミカン、こういったものが非常に大きなウエートとして出てまいります。
ですから、こういう予測というものをだんだん推していってみると、私はさっき
指摘をしましたけれ
ども、
長期の
見通しというものと、こういう傾向というものが、どこで一体この線が一致をするのか、ということを興味深く見ましたけれ
ども、もちろんこれは一回の調査でありまして、さらに、これは三年前、四十五年に実施をしたのを、ことしあたりもう一ぺん、この追跡をやって、そういう
考えておった人
たちが、
経済状態の変化によってどういうように、イメージというものが変わっていっているのか、という調査を、もっとやりたいということを、担当の人
たちは言っておるようでありますけれ
ども、私は、これはやはり
一つの新しいものの
考え方として必要ではないかと、従来の
考え方をそのまま伸ばすのではなくて、こういうやはり消費動向に合わした、
経済状態の変化に応じた動向というものを把握をしながら、農案予測を立てるということ、これは私は非常に大切ではないかという気がするんでありますけれ
ども、この点に対しての
考え方を、
大臣にお
伺いをいたしたいと思います。