○
黒柳明君 それも一部だ。自衛隊が存在したということが大きなやっぱり原因ですよ。それが一〇〇%と言えば怒るでしょう。いや
憲法に対しての
意見の相違であると、こう言いますからね。だけど、一〇〇%と言いません。私は非常にまだまだ譲歩した言い方をしているんです、まだ冒頭ですから、まだ時間がありますからね。与えて奪う、こういう論法でいまやっているわけですけれ
どもね。一〇〇%自衛隊があるからだと、こうは言いません。しかし、それに近い範囲において自衛隊が存在するからこのような事件がこのような結果になったと言ってこれは間違いないと思うんですよ。それに、ある部分においては
憲法の解釈が違う、これも当然その原因の一部分であることは、これは否定はしません。しかし、何といったって自衛隊が存在したからですよ。だから、それに伴ってこれだけ国論を分裂させ、あるいはおそらく私は相当前からこういう
状態、どこかの国であったかなというと、ありませんね、こんな国は。こういう
状態をもたらしたという、ここに大きなやっぱり、賛否は別にして
——さっきも上田
委員が言ったように、私はまだ賛否まで言っていません。その入り口です。これは大きな、やっぱり
日本国として、
日本政府として、この現状については、いや
憲法に対するこれは判断のしかたが違うんだなんという問題より先の問題であると思う。こういう失態に対して、これは見識ある人は批判もし、何だあのざまはと、こういう観点で私は幾多の
意見も聞いているんです。外人記者なんか非常に痛烈ですね、
日本の国というものに対して。与野党の賛否とか、そういう
意見の食い違いについてじゃないです、あの人
たちが論ずる一番最低段階というものは。もうこれに対しては、やっぱりまっこうから
政府が責任をとらざるを得ない時代ですよ、この問題は。それを、
憲法解釈が違うからなんということに転嫁しようとすれば、これからの
安全保障に対する
政府の
考え方に対して決して
国民はついていけない。コンセンサスなんて形成されません。独断です、それこそ。私はまず、いまの段階において、さっきの上田
委員とは違った
立場で、ある
意味での反省
——いいんだと、これで、こういう姿勢じゃなくて、ある
意味での謙虚さ、
安全保障というものを
考え直さなきゃならない、こういう姿勢がないと、いつまでたったってコンセンサスの形成なんかできません、こんなことは。いま私はこの時期だと思うんです。また、あえて言うならば、これから十年か十五年続くであろう
——世論
調査ではこう出ています、残念ながら、自民党政権に対してはいまいいチャンスだと思うんですよ、これが。どうここで
安全保障問題に対して真剣に取り組んでいくか、そして、でき得るならば、野党も含め、
国民の合意を得て、そして
わが国として二度とこんな国辱的なことは起こさないと、こういうほんとうに基本的な姿勢から出発しないと、この問題は、ただ地裁の
判決はおかしいんだと、これに対してクレームをつけるのはおかしいんだ、おれ
たちはおれ
たちの道を行きゃいいんだ、こうなってきますと、ますます
政府・自民党に対しては、もう
防衛どころか、生活のいろんな面についても
防衛もひっかけて、これはもうだめだと、こういう感じを持ってきますよ。だから私、冒頭に、
国民はある
意味において共感を
——共感といったって、内容を完ぺきに知って
認識して評価している、そういう面じゃないかわかりませんよ。だけれ
ども、やっぱり
国民感情というのは率直です。森林法の公益性というところから始まったんです。
国民に対してプラスかマイナスかから始まった論議です。それに対して、いま
政府の当事者が、
国家百年の大計のため、また自民党の十年の小計のためにも、いまここでほんとうに抜本的に
考え直さないと、またとんでもない目にあう、こういう私は感覚がしてならない。そういう
意味から、これに対して率直に
国民は、明快な
判決だった、すっきりした、こういう共感を得ていることは間違いないと思うんです。それを、あくまでもそれは無
認識の評価とするならば、これは
政府の
認識が間違っているんだ、こういうふうに私は思わざるを得ない。
そこで、私の見解ばっかし言っていると質問の時間がなくなっちゃいますけれ
ども、
世界各国でそういう例がないものがいま
日本で起こった、これに対して深い反省をしているでしょうね。どうですか。私ばっかし言ってもしょうがない。してますでしょうね、
長官。