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岩間正男君 ただいまの
委員長の
釈明について、党としての
見解をはっきり表明しておきたいというふうに考えます。
第一に、遺憾であるという
ことばを言われたわけでありますが、これはあくまでも
ことばなんです。実際はその
裏づけというのはないわけなんですね。いままでの
パターンを繰り返すというようなことでは、これはもうほんとうに
国民に対しても相済まない問題である。したがって、これは行為で示さなきゃならぬ。そういうことでなしには、あのような不当な
強行採決が慣例を破り、あるいは
理事会の
運営をじゅうりんし、そういう形で行なわれた、そういうことに対して全く
反省というものは、私は単なる
ことばにすぎないというふうに思うんです。したがって、当然そういう
立場から言うならば、さらに
国会の
民主主義を守る
立場から言うならば、あの
強行採決は無効である。したがって、
審査報告書は撤回する。こういう
態度があって初めて私はこの遺憾という
ことばの具体的な
裏づけがあって生きる。こういうふうに考えるわけです。これが第一点。
それからただいまの
釈明書の第二項を見るというと、五月三十日の
各党の
申し合わせによっていきたい、守っていきたい、こういうことを言っておるですね。しかし、これもはなはだごまかしの
ことばじゃないかと思うんです。一度これがじゅうりんされないで、五月三十日からこれが守られておるなら、このような
ことばはこれは生きるかもしれない。ところが、五月三十日の、
強行採決はしない、
物理的審議拒否はしない、そういう
申し合わせはこれは
議長を含めての
申し合わせであります。ところが、完全にこれは七月十七日の段階ではじゅうりんされておる。そのじゅうりんされておるものをまた守っていきたいという、そういう矛盾ですね。そういう上に立って今度
運営するということになったんでは、これは全く
まゆつばものと言われてもしかたがない面があるんじゃないかと思うんです。したがって、五月三十日のこの
申し合わせを守るということは、具体的にはどういうことなのか、どのような
保証があるのか、この点を明確にしなきゃならぬと思います。
第三は、第一でもちょっと述べたのでありますが、
強行採決は再びしない、このようなことは何回も繰り返されてまいりました。そうして、その
あとに結局は
議長の裁定などがあってまた
審議はもとへ戻る。しかし、また必要があれば
強行採決が行なわれる。
強行採決をしないというのは、この次するまでしないということなんだ。こういう形で行なわれるようなことを、また再び繰り返すという
事態が起これは、一体
国会に対する
国民の信頼というものはどうなるのか。今度の問題は、ことにいままでから考えまして次元が非常に違っています。それほどひどいものです。しかも三
委員会が同時刻になされるというような背後のこのような
一つの策謀というものまではっきり考えますと、この
自民党のやった
やり方に対して
国民は非常な疑惑を持っている。ことに
参議院は、そういう点では
参議院の改革のために二年間営々として
努力をしてきた。いままで繰り返されたそのような
パターンを破る、はっきりやはり
民主主義を守り抜く。
議会制民主主義を確立する
最大の
保証であるところの
民主的運営というものを身をもって守り抜く、それを実現する、そういうことになければならないと思うんです。ところが、このような
委員長の
釈明によっては、全くこれは
内容が乏しいのじゃないか。いままでの
論議の中でも、一体今度の
審議のしかた、これについてわれわれもずいぶん研究しました。こういうような
強行採決をされた場合に、いろいろな
やり方がこれはありました。しかし、そういうものにはもう例がないようなかっこうで行なわれた。
いままでのやつを振り返ってみますと、こういう場合には院議による再付託、あるいは
審査報告書を撤回する。第三には
議長が
委員長に差し戻す。第四には
委員会において
補充質疑をやる。第五は本
会議において
補充質疑をやる。こういうような
処理のしかたをしたんでありますが、このたびの
正常化確認申し合わせ書によって行なわれるこのたびの
審議というものは、いかなる種類の
審議なのか。いままでの五つの範疇にはほとんど入らないところの新たなる
一つの
ケースがここで展開されようとしておる、そういうことですね。したがって問題は、
委員長が、当然この問題は有効の上に立ってこのような
委員会を進めておるのか、その上に立っての
補充質問という、そういう性格でこれは進めておるのか。あるいは無効有効はたな上げにしてそれをやるんだというようなことを言われておるわけですけれ
ども、この
見解を明確にしておいてこれは今後
運営をすることでなしには、途中でまたこれはいろいろな問題について
意見の相違が出た場合には一体どうなるのか。先ほどの
発言の中では、また
審議拒否というようなそういう
事態が起これは、これは
審査報告書は生きておるんだという
発言もありました、ある
理事の
発言。結局は、問わず語りにそういう実態が腹の底にあるのでは、これは真の民主的な
運営というものは不可能だというふうに考えるわけです。
私
たち共産党は、だからこのような一片のまことにもう申しわけ的な
釈明などというもので、あの重大な
事態を引き起こしたその問題の
解決にはならないというふうに考えるわけです。したがって、このような
釈明について了承するという
立場には立っておりません。また、私のいま申しました
意見について、
委員長がいろいろ反論をされる、
質疑という形をあえてとりませんでしたが、これについて当然これは
見解を御披瀝になるのが私は必要だと思いますので、そういう
立場に立って
意見があれば聞かしてほしいと思います。
さて、われわれ
共産党は、
審議が再開される、そういう
事態に立ってこれはどういう
立場をとっているか。むろんわれわれはこのような
主張をして、いままであの
正常化の
確認事項というものには拘束されないという
態度をとってまいりました。しかし、
共産党は、具体的に
審議が進行する、多数によって進行する、そういう
現実の上に立って、あくまでこれはわれわれとしてはその中に入っていって
審議をする。むろん
審議を尽くすという基本的な党の
方針から、当然このような道をとります。ただ、われわれは、今度の事件の
解決の中でも最も合理的だということをいままで
主張してまいりましたが、それはこの三
委員会の問題は、時間をかけて問題を明らかにするまで
審議に入らない。しかし、現在
国民の
生活の問題が山積みされておる、あるいはまた
日米会談の問題がございます。さらに
金大中の
日本の主権をどうするかという重大な問題がある。このような問題については各
委員会を開いて、そうして積極的にこのような
審議をすべきである。この二段がまえということを
主張してまいったわけでありますが、
現実はこのような
方向にまいっておりません。そういう態勢の中で、この
内閣委員会が開会されるという中では、われわれはむろんこの中に入って
審議をする、そういう
立場をとるということをつけ加えておきたいと思うのです。
以上です。