○宮崎正義君 日本一の都市の東京都でさえこのような実情でございます。時間の関係がございますので、私は省略をしてまいりますけれども、これは地方都市のほうへ行きますと、どれだけの人が火災なんかが起きた場合にはどんなふうな状態になっていくのか、どういう設備がなされてあるのか。東京都だけの話を聞いて、一番文化が発展しているというところでさえ押しボタンをするような施設がその一割程度しかできてないというような、はだ寒い現状報告をされているわけであります。したがって、火事といえばお年寄りが不幸な目にあっているんじゃなかろうかというようなことが、私あの火事の半鐘が鳴ればそのように思う。もう
一つは、幼児の死亡率もやはり多いというような面から
考えていきましても、特に最近は一人住まいのお年寄りがなくなっているということを
考えあわせてみて、長官が言われたように、ほんとうに老人の方々を守っていくんだということを、実情の中をよく見詰められて処置をしていかなければならないと思います。
さらに、私ども公明党が調べましたものがございます。これは過日の新聞等で発表になっていたようでございますが、時間の関係がございますので、おもだった点だけを、調査した概要といいますか、それを御参考に申し上げてみたいと思う。この中にも
年金、
恩給生活者がわずかの調べた人数の中にも大きな位置を占めているということ、その人たちがまことにみじめな生活をしているということ、先ほど私ある人のということを取り上げていきましたけれども、これを全部あげますと何時間あってもこの
委員会終わりません。一人一人のことを全部言えばきょうじゅうにこの法案も上がりませんし、そういうことは慎みたいと思います。これは三公社の場合もあります。それから
共済組合のほうにもございます。
恩給法のほうももちろんです。実例一ぱいある。
そこで、問題に入りますと、この調査の目的は、「老人問題は単に現在の老人のみの問題ではない。働く世代のあすの重要問題である。この調査は、東京に在住する老人の生活意識、生活状況等を調査することにより、
政府の老人対策を
検討するとともに
福祉社会建設のための老人対策の資料とするものである。」という観点の上に立っておる。調査しました事項としては、第一は、職業、家族構成、生活状況、
年齢。
二つ目には子供の有無、配偶者の有無。三つ目は独居老人、寝たきり老人。四番目は同居と別居の希望。五番目は受診状況と医療費。六番目は一カ月の必要最低経費と収入。七番目は老人ホーム。八番目は娯楽。九番目は生きがいと現在の心境ということで調べました。これは東京二十三区及び多摩地区に居住する六十歳以上の老人を
対象にいたしました。そして、これらの老人の人口をもとにして都内の区部、市部、郡部からの確率比例により二百五十地点を無作為抽出をし、この集落に居住する六十歳以上の老人全員を
対象に調査しました。抽出単位としては、集落は、一集落当たり六十歳以上の老人が六人前後となるような規模で集落を選定し、二百五十集落千五百十六人の老人を調査
対象としました。この場合、老夫婦が
同一家族にいる場合には一人を
対象にしました。そして、その有効回収数は男性が三百九十九、女性が七百七、合計千百六名、七三%の回収数でございます。この回収数の方々からいろんな問題を、私ども先ほど言いました中の一項目ずつを調査していったわけであります。
年を取っても働かなければ食えない。健康で働くことはけっこうなんですが、やむを得ず老いの身をむちうちながら働かなければ食えないというその実情もございます。千百六人のうち六六・八%は職業を持っていない。しかし、残りの三三・二%が職業を持っていることは注目すべき点である。特に七十歳から七十九歳、これが、二一・六%もおる。八十歳以上の人が一二%もいる。特に七十歳から七十九歳三・六%、八十歳以上が一%、こういうふうな働いている実情。それからさらに家族と同居がしたいんだというような希望者の方も出ております。これも省略します。そして、次に大事なことは、ほとんど来ない家庭奉仕員。独居、寝たきり老人が百八十七人のうち、よく来る五・四%、ときどき来る八%、ほとんど来ない、全然来ない、一回も来ないと答えた者が六八%。特に寝たきり老人は十六人中八人が全然来ない、一回も来ないと答えていることは大きなこれは問題である。
それから、その次に大事なことは病気になると医者代に困る。ときどき受けている者を含めて受診状況は六〇・二%。女性は六三・三%、男性は五四・九%、単身者のほうが六四・九%と、家族と同居している者五九・二%より多いというのは、それだけ健康に気を使っていることであろう。
年齢から見ると、七十歳から七十九歳が六八・四%で一番多く、次いで八十歳以上が六一・七%。特別の医療費は五千円以下が八五・八%、四百九十一人で圧倒的に多い。そのうち千円未満が四一・五%、二百七十六人と多くなっております。一カ月の収入と医療費の関係を見ると、収入が三千円未満で三千円以上の医療費を必要としている者が二一・三%、三千円から五千円の収入で五千円以上の医療費を必要としている人が七・六%ということは、これは大きな問題だろう。医療費の支払い者は本人が二八・七%、百九十一人、家族でやっているのが二五・二%、百六十八人。これらを
年齢別に見ると、六十歳から六十四歳が四四・二%、六十五歳から六十九歳が三九・九%が本人の
負担となっておる。また、収入が少なければ家族の
負担が多く、月収三千円未満で四八・六%を占めている。老人が一番希望しているのは健康であり、この調査から六十歳以上の老人の医療の無料化が重要な課題であるということは、これは火を見るより明らかでございます。
これをこういうふうにしていきますと時間がもったいないので省略をしたいんですが、省略をすると大事なことを抜かすことになりますから、もう少し大事な点だけピックアップして申し上げておきたいと思いますが、一カ月に六万円ほしい、これが切実な声なんです。一カ月の必要最低生活費は、家族構成、
年齢によって大きな差が見られる。五万円以上必要と答えている者は六十歳から六十四歳が二八・五%と多く、八十五歳以上では三%にすぎない。一人暮らしの老人では三万から五万を必要とする者が三五・七%で一番多い。次いで二万から三万が二六・三%である。老夫婦のみの世帯では三万から五万、二七・八%、五万から七万が二七・八%二万円以下は一一・五%にすぎない。老夫婦のみの世帯に三万円以上の月収のある者は六五・八%である。しかし、老夫婦のみの生活の収入源は、自分で働いた収入四三・二%、家族の援助一九・九%が多く、
年金、
恩給はわずか二八%にすぎない。しかも
年金額が低い現実を
考えると、三万円以上の収入源は、自分で働いた収入と家族の援助が大半を占めていること、ここに問題があるわけであります。で、私はこの点をしっかり見てていただかなければならないと思うんです。
そこで一番最初に申し上げましたように、この普通
恩給の最低保障額が今回は
改正されていない。しかも従前どおりであって月一万一千二百円、これが最低保障額、六十五歳以上で。六十五歳未満が十一万四百円で九千二百円、
国家公務員共済組合の最低保障額、これは衆議院で修正されて三十二万一千六百円で、先ほど御
説明がありました月二万六千八百円。そして三公社のほうでは最低保障がない。これはまたあとで三公社の分につきましては
質問をいたしますけれども、これらの方々が大体普通
恩給の場合が二千四百人。それから
国家公務員の
共済組合の最低保障の該当する人、これが一万五千人もいる。専売公社あるいは国鉄等で三千二百二十名。こういうふうな、現実に
年金、
恩給をもらっている人たちがどういう生活をしているかということをもう少し深く身にしみて私は事実を見詰めていかなければならない。そうしなければ、ほんとうの生きた政治というものはこれはできないというふうな面から、当初申し上げましたように、この最低保障とは何か、最低保障とは何をさしているのかということが、これらの事実を通していきながら、どういう
考え方であるかということを御答弁を確認の
意味で願いたいと思うんです。それは長官、それから政務次官もおいでになっておられますし、それから運輸省の方もおいでになりますし、それぞれの立場で御答弁をはっきりと確約の
意味で、このようにしていくんだということを回答をしていただきたいということを申し上げたいと思うんです。