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鈴木力君 あんまり無理なさらなくていいんですよ。いま、はしなくもあなたの
答弁に出てきたんですが、賃金体系という
ことばが出てきておるでしょう。要するに、
旅費というものを、その
出張という行動によっての
費用弁償だということになっているのに、頭の中では賃金ということが考えられておる。給与体系というものがこう違うんだから
旅費も違ってしかるべきだということが頭の中にある。これはもう実費弁償をするんだという
旅費の精神とは全然違うんじゃないか。
私は、一番先に、その
実態調査の
あり方に間違いがありはしませんかと言ったのは、そこのところを言うつもりだったわけですよ。
旅費とは何かということを、もう少しここで
皆さん考えてみなければいけないんです。そういう中で再検討しないと、これは、とてもじゃないが、八
等級はグリーン車に乗っちゃいけない
——私はちょっと調べなかったので数字を持っておりませんけれ
ども、おそらく、八
等級以下というのは、
実態からいうとそんなに人数もたくさんいないんでしょう。あるいはまた、そのころの人は
出張の回数も少ないかもしれない。そうすると、
公務員の
出張はグリーン券をつけるというなら、全部つけるというとこに
改正したらどうなんです。そうすれば、いまみたいに、二十三歳までは普通車でいいなんというような、そんな無理なことを言わぬでいいのでしょう。そういう形にして、
公務員の
皆さんを、基本的に言ったら、できるだけの手当てをしてやって、足を出させないように
出張をさせるんだと。もちろんもうけさせる必要はありませんけれ
ども、実費だけは絶対に見てやりましょうと。そういう形のすっきりしたものにすることによって、私は、いわゆる
公務員というものの任務というものが、
皆さんが言うところの
ほんとうの姿に立ち戻ってくるんじゃありませんか。さっきの
食卓料、それから
日当で言いましたように、同じところで一緒にめしを食べても、片や七百五十円しかもらわないし、片や千三百円ですか、もらう。片方は、
一等級になれば少しはもうかるけれ
ども、八
等級じゃもうからないんだと。こういうような
生活をいつまでもずるずるとやらしておくということは、私は、
公務員の
あり方としては行政的には正しくないと、こう思うんです。
そういう意味で、私は、
さきに申し上げましたように、もう結論は
一つなんです。
ほんとうの
旅費の
あり方というところに、もう一度
実態調査をなさって、
さきに言いましたように、
公務員が
出張すれば、どういう状態で、どういう苦労をしている人があるかどうなのか、そうしていわゆる
費用弁償を全部できるんだという、
等級の
格差というようなものはもうほとんどなくするような
——ある
程度は私は、全部一緒でいいというふうにも考えない面もありますよ。総理大臣が行って泊まりますというと、これはちょっと六
等級の人と同じ
旅館賃でいいというふうにはならない、警備の人やらいろんな
状況が出てまいりますから。それは、そういう
状況には、やはりそれなりの費用というのは持たなければいかぬでしょう。だが、私は、そういう面から見れば、この
旅費規定、
旅費法を見ましても、内閣総理大臣が
出張したときにこの
旅費法でまかなっているとはどうしても思えないんですよ。これはまた足りないはずだ。だから、上を見ても下を見ても、
実態に合わない
旅費法というのがこの
法案だ。ずいぶん前からいろいろと苦労をして三〇%ないし四〇%も上げたのに、めちゃくちゃに悪口を言われちゃたまらないという気持ちが
皆さんの中にあることはわかっております。その気持ちをわかりながらも、ほめるところが
一つもないというのが今度の
改正案です。これはもう抜本的に検討をし直すべきだと、こう思います。
そこで、最後にもう
一つだけ伺いますが、先ほど、従来は内国
旅費規定は四年
ごと、それから外国の
旅費法は三年
ごとぐらいに改定をしてまいりましたと、それは確かにそういうとおり。今度は内国
旅費法も三年に改定をなさったから一年詰まったと思いますがね。しかし私は、この
実態調査それ自体でも
——これはことしの四月ですね、四月の二十日の
調査でも、私に言わせると、きわめて下のほうは低い、足りない。秋までにはたいへんなことになりはしませんか。いまで、どっこいどっこいというこの
旅費の
規定なんですから。そういたしますと、来年はまたすぐにもう改定を要すると、こう思うんですね。大体
旅費規定の
あり方は、まあ汽車賃でありますとか、そういうものは実費に、幾ら上がれば上がったなりに自動的に上がっていくわけですから、それはそれでよろしい。ところが、宿賃とか
食卓料とかそういうものは、この
法律が改定しなければ、いつまでもその安いままに据え置かれているわけです。多少は
皆さんは先取りということも考えるけれ
ども、これはいつでも
あと取りをやっておるわけです。そうして、差額が出てきて、
公務員の赤字がずっとふえてきたころに、そこのところに埋め合わせておるわけですよ。毎回こう三角形の赤字というものをぐるりとこう繰り返しているわけです。私はこの点についても
あり方を検討すべきだ。たとえば人事院勧告で、それこそさっきは給与体系の話が出ましたが、給与水準がどれだけ上がる、これがいわゆるこの
経済情勢と関連があるわけです。これはたとえばの話ですけれ
ども、人事院の勧告が出たら、
旅費法については検討を始めるとか
改正をするとか、何かの
基準をつくらないというと、
公務員というのはいつでも赤字に追っかけ回されておる、こういうことになると思います。そういう点で、特にいまの
経済情勢を見ますというと、こまかいことはもう申し上げません、きわめて変動性のある流動的な状態ですから。従来も三年だったからまた三年後になるということをいまから考えていらっしゃるとすれば、たいへんなことになると思います。これはもう
相当に
経済の流動に伴っての
改正に着手をすべきだ。その際に、
さきに私が申し上げましたような
調査のし直しをして、できるだけ早く新しい
改正をすべきだ。こういうことを、これは私はもう要望として申し上げておきたいと思います。
時間があまりありませんから、
あと地方
公務員関係について若干伺いたいと思うのです。大体この
旅費法の
規定改正になりますと、地方
公務員の
旅費条例、
旅費規程が出まして
改正になるとこう思うのです。
考え方は大体同じところをいくんだと思いますが、そのうちで、私がお伺いいたしたいのは教育
職員。教育
職員は明治以来正当
旅費をもらったことがない。もらったことがないというと少し言い過ぎでありますけれ
ども、打ち切り
旅費をもらうのは教育
職員は常識だということになって今日までやってきた。文部省の初中
局長さんがお見えですけれ
ども、文部省にはずいぶんこれはもう何べんか私も申し上げて、直すべきだということを申し上げておった。文部省もその
改善をするために努力の
あとというのは私は若干は見られるとは思います。しかし、いまのこの打ち切り
旅費があたりまえだという、これはまだ直っていないと私は思うのですけれ
ども、どうですか、文部省。