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1973-07-10 第71回国会 参議院 逓信委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年七月十日(火曜日)    午前十時二十六分開会     —————————————    委員異動  七月四日     辞任         補欠選任      鈴木  強君     松本 賢一君  七月五日     辞任         補欠選任      西村 尚治君     田中 茂穂君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長        茜ケ久保重光君     理 事                 古池 信三君                 塚田十一郎君                 森  勝治君     委 員                 植竹 春彦君                 郡  祐一君                 白井  勇君                 平井 太郎君                 松岡 克由君                 横川 正市君                 山田 徹一君                 木島 則夫君                 沓脱タケ子君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  久野 忠治君    政府委員        郵政政務次官   鬼丸 勝之君        郵政大臣官房長  廣瀬  弘君        郵政省郵務局長  溝呂木 繁君    事務局側        常任委員会専門        員        竹森 秋夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     —————————————
  2. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る四日、鈴木強君が委員辞任され、その補欠として松本賢一君が選任されました。  また去る五日、西村尚治君が委員辞任され、その補欠として田中茂穂君が選任をされました。     —————————————
  3. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  4. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 速記をつけて。
  5. 横川正市

    横川正市君 この郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所規則の第二条の二によりますと、大体地方郵政局長が定め、その地域集配郵便局の長がさばき人に通知をし、それが他の基準に従って売りさばき所の設置が設けられ、売りさばき人の選任を受けるということになっておるわけですが、いわゆる官制上の機構からいきますと、売りさばき人の地位というのはどういうふうに理解すればいいわけですか。選任をされたその売りさばき所の地位といいますか、それはどういうふうに理解すればいいんでしょうか。
  6. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 法律にも書いてございますように、売りさばき人を選定し、これに業務を委託するという表現になってございます。したがいまして、この売りさばき人の地位は、郵便切手類及び印紙の売りさばきについて、郵政省から業務を委託される人という形でもって、売りさばき人と郵政省との関係が生ずるというふうに思うわけでございます。
  7. 横川正市

    横川正市君 その郵政省と売りさばき人との関係が生じたあと組織的には、売りさばき人は郵政省の中のどういう地位を得ることになるわけですか。ただ委託された切手あるいは印紙その他を売ればいいというだけですか。
  8. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) この法律義務づけられておりますことについては、この法律義務に従わなければなりませんが、それ以外におきましては、全くこれは個人的なものでありまして、郵政省の制約を受けないものというふうに考えるわけでございます。
  9. 横川正市

    横川正市君 そこで、切手というのは、これは有価証券ですね——切手有価証券ですか、それともどういうあれですか。
  10. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 郵便料金を納付したことをあらわす証票ということでして、これを金券というとちょっと範囲が違うんじゃないかという感じがするわけでございます。結局、郵便料金を十円なら十円払ったという証票として、その切手を張られた郵便物を私どもは配達するという義務を負う、その権利義務といいますか、をあらわした証票ということでして、金券ということになりますと、一般的に、一般社会の中でそれが金銭的な代替物といいますか、そういったもので通用するというようなところまでいくんじゃないかと思いますが、そういった意味ではなくて、あくまでもこれは郵政省郵便料金の納付の証票というものに限られるというふうに考えております。
  11. 横川正市

    横川正市君 そうすると、たとえば通信販売なんかの場合、切手でもって金銭あるいは紙幣にかえて取引をされるということは違法ですか。
  12. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 本来的には、ただいま私が申し上げたとおりでございますが、切手でもって送付してくださいという両当事者間で合意が成立して、そのものをお互いに利用しているという限りにおいては、問題はないと思います。
  13. 横川正市

    横川正市君 郵便物送達のためには税を払うということで、郵税という、何といいますか、一総称があるわけですね。それから、切手は、いわば金銭的なものにかわって便利な一つ方法として生み出された代替物だと、こういうふうな理解でいいですか。
  14. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 郵税という名前は非常に古くから行なわれておりますが、税金的な感覚があった時代の名称じゃないかと思います。私どもとしましては、あくまでも郵便料金を前納したという証拠であり、その証拠証票類をつけてあれば郵便料金が納付されたものとして、郵便送達する義務を生ずるという形でいま対処しているわけでございます。
  15. 横川正市

    横川正市君 郵便物というこの物にまあ軽重があるわけじゃないと思うんだが、しかし新聞を物として見た場合と、まあラブレターを含めて信書を物として見た場合に、物にはおのずと何か取り組み方の心組みっていいますか、そういうものが違うんじゃないかと思うんですが、これは違っちゃいかぬのじゃないかと思いますが、その点は郵政はどうお考えですか。
  16. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 切手を張り、または法律上予定された料金を払った郵便物に対する送達義務ということにつきましては、全く同一かと思います。  しかし信書になりますと、郵便法独占ということになってございますので、おのずからやはり郵政省独占させているそのサービスあり方については、他の代替手段のある、民間で送達代替手段のあるものとの扱いということになりますと、おのずから私どもとしてはやはり信書というものについてのウエートを置かざるを得ないし、またその扱いについては慎重も期さなければならないという形は内部的には生じようかと思います。が、対外的には、あくまでも一定料金を払われた郵便物扱いというものについては、形式的には同一、われわれとしては両方とも送達する義務があるという意味においては、同じ価値のあるものということが言えるかと思います。
  17. 横川正市

    横川正市君 実際に当たってみますと、たとえば持ち出し郵便物の中で一種だけ持ち出そうとか、あるいは二種まで持ち出そうとか、あるいは三種も含めてというふうに、持ち出しする場合の、何といいますかな、状況変化に伴って持ち出し内容が変わってくるという、そういうことはありませんか。
  18. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほどちょっと私触れましたように、内部で取り扱う上におきましては、やはり独占になっております部分についての取り扱いの慎重を期さなければならないという感じは強くいたしております。したがいまして同じ郵便物が一ぺんにたくさん出たような場合、どれから処理をしていくかというような場合に、私ども内部では、いわゆる手紙はがきといったようなものをある時点では優先する——事実上の行為でございますが、優先するというようなことは間々ございます。
  19. 横川正市

    横川正市君 私はなぜこういうわかり切ったことを質問するかといいますと、やはり一つ環境みたいなものがありまして、その環境変化すると、その変化に従って物に対する軽重心組みといいますかね、それが変わっていくんじゃないか、それが今日の社会情勢の中で非常に大きな変化一つ出てきているんじゃないかというふうに思うわけですけれども、それがまず一つですね。  それからもう一つは、送達の何といいますか、意義といいますか、これはモットーとかスローガンとかいう意味では私は総称できない意義を持っているのじゃないか、郵便物というのは。それがやや失われかけてきているというのも状況変化じゃないか、こういうふうに思うわけなんです。  それともう一つは、コミュニケーションとしての物が、信書からだんだん広告その他を取り扱う状況がふえてまいりまして、そういう意味では経済状況コミュニケーションあり方として、物郵便でやることがより効果があるという効果の面から出されているのじゃないか。  そういう三つの問題が、最近は、郵便業務の中に著しい状況変化というかっこうで出てきているのだが、私は、そのほか、状況変化いわゆる環境変化したから取り扱っている当事者がそれに合わせて変化をしてもいいものかどうかという問題があると思うのですけれども、その点は郵務当局ではどういうお考えでしょうか。
  20. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 御指摘のとおり、昔と今とでは、郵便物内容といいますか、構成が変わっておりますことは確かでございます。かつてはやはり家庭中心といいますか、個人間通信というものが主体であった郵便が、最近におきましては、いわゆる業務用通信という形で、その占める比率が非常に多くなっているということは事実でございます。その業務用通信の中には、最近はやりのいわゆるダイレクトメールとかあるいは三種としての定期刊行物、そういったものがかなり比率を占めているということは事実でございます。  そこで、そういった郵便物変化に伴って私ども取り扱いがどう変わっていっているか、あるいは変わらないかという問題でございますが、先ほど申しましたように、私どもとしましては、やはり郵便物として出されたものは一定速度をもってこれを配達するという義務はあろうかと思います。その速度の問題でございますが、これは郵便法上でも郵便規則上でも、何日間というお約束をいたしておりません。ただ、過般、郵便料金の問題のときに当委員会からも強く言われまして、要するに国民に何らかの送達速度を掲示して、そしてそれを守るような施策をせよということで、一昨年の十月でしたか、いわゆる送達日数表というものを郵便局に掲げまして、一種、二種、いわゆる手紙はがきにつきましては、どこどこの地方へは、大体どのくらいで着きますという約束をして、それを守っているというのが現状でございます。  そこで、郵便物構成というものがそういった業務用通信が非常に多くなっても、そういう送達速度を守る必要があるかという問題がございますが、私どもとしましては、やはり郵便物を出される人の期待感というものはある程度確保しなければならないという意味で、この送達速度は確保したいと思っております。ただ、その場合に、一種及び二種としておりますのは、先ほど言いました第一種及び二種というのがいわゆる手紙はがきであり、これが一般的な家庭用通信中心として信書を持っている部分が多うございますが、まずこの部分について私ども国民皆さんにお約束をして、その部分独占にたえるだけのサービスをしたいということが大きな原因にはなってございますが、しかし、一種として出されれば、その中身がダイレクトメールであってもあるいは単なる業務用通信であったとしても、一種という形式で出されればやはりその送達義務といいますか、送達日数の中で送達するようにならざるを得ないということでございます。  それから、そういった考え方は、当事者として価値判断していいかということでございますが、これはあくまでも個人個人がそういう価値判断をしてはならないと思っております。やはり郵政省として組織的にどういう扱いをするのだという一つ扱い方をきめまして、その扱い方に基づいて処理をしていただくということで、個人個人がその価値判断を中にはさんで、郵便物送達についておそくまたは速くすることは、これはやってはいけないというふうに考えております。
  21. 横川正市

    横川正市君 最近はあまり郵便物送達の問題で郵政省は苦情をもらわないで、何とか業務が運行されているんじゃないかというふうに私ども思っているわけなんですが、そこで、この売りさばき関係の中に、幾つか矛盾点があるものですから、それだけちょっとお聞きをいたしておきます。  まず第一に、四十年の五月十七日に設立許可が与えられているわけですけれども、この準備会ですね、これは評議員会が終了するまで——附則の三十一条なんですが、元の保険局長成松さんを筆頭にして十五名の方が選ばれているわけですけれども、これは設立当時に、寄付行為の中の「(目的)」——第三条ですね、その目的の達成のためにということでこの準備会が持たれたんだと思うんですけれども、この準備会が持たれて、そして具体的に役員任命があって、そして今日まで売捌協会というのが運営されているんですが、この一連の流れは、目的とそれから現状との間にずいぶん開きがあるような気がするわけですけれども、いわば監督官庁である郵政省の立場、いわゆる認可行為をした郵政省としては、認可したときの目的に現在も合致した協会側運営を認めておられるかどうか、その点はどうでしょうか。
  22. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 結論的に申し上げますと、現在の財団法人全国郵便切手売捌協会は、大体、この寄付行為できめております目的及びその事業を遂行しているものというふうに考えております。  それから、いきさつの点をいま先生指摘されたわけでございますが、確かにこの財団法人設置するときには、過去において売捌組合という任意団体がございまして、その任意団体全国連合会がございまして、そしてその全国連合会が、とにかく正式な法人格——公共目的に奉仕するための法人格を持ちたいということになったために、その全国連合会を一応解散して財団法人に移行する、そのときのいきさつがいま先生指摘附則のところに出てくる人たちのメンバーというふうに考えております。
  23. 横川正市

    横川正市君 私は率直に言いますと、こういう組織ですね、大臣認可によるところの法人資格を取得して、そして運営をはかるところまで、郵政省がかゆいところに手の届くような、そういう介入とまでいかないにしても、指導監督をしなければならないものかどうかという点で、まず疑点があるわけです。  最初に任意団体として全国連合会がありましたね。郵政局長それから集配局長がそれぞれ介入して、地域指定やらあるいは売りさばき人の認可を与えるというようなそういう手続上のことが行なわれれば、その集配局の長が管轄内の売りさばき所の人たちに対して、あるいは要望したりあるいは何か具体的な指示等があれば、それをしたり、いわゆる売りさばき人としてきめられた範囲内で行動できるような、いわばこれは協力方ですか、要請というか、そういうようなものでいいのではないかと私は思うんですよ、大体が。なぜ全国的な財団法人組織というものをつくらなければいけなかったのかという、その点でやや私どもとしては疑点をまず持っているわけなんです。その点は私の考え方はそうなんですが郵政考え方はどうでしょうか。
  24. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 過去において任意団体である売りさばき人組合連合会がございまして、いろいろ活動しておったわけでございますが、その連合会でやはり公益法人として認可してもらって、会の活動を公的なものにしたいという要望が起きて、郵政省申請があったということでございます。  したがいまして、郵政省としましては、その考え方を是として、こういった売りさばき業務というものが国の業務を行なっているわけでございますので、そういったものの指導普及といいますか、そういったような面について公益法人であることが望ましいと判断をして、その申請に対して認可をしたということでございまして、その初めに申請してまいりましたのは、その団体が公的な性格を持ちたいという強い要望があったことであり、しかも郵政省として、その要望にこたえることが売りさばき業務を行なっているこの売りさばき所関係指導というものについて、よりベターであるというふうに判断して、認可したというふうに承知しております。
  25. 横川正市

    横川正市君 たとえば、切手証券に類するような非常に大切なものだから、盗難その他にあっては困るので、これを防衛するために非常に堅牢な金庫が必要である、しかしそれを買うことは個人ではそこまでは支出ができないから、何らかの方法組織をつくって堅牢な金庫をつくろうとか、それから売りさばき人の福利厚生をはかる。私は、実は、この目的の第三条を見ながら、一体郵務局長はこの目的に従って売捌協会というものが働いていると言ってみても、事実上は、非常に名目的なものになり過ぎておって、変な言い方ですけれども個々の売りさばき人が、売りさばくことについて、郵政省に対して恩恵的にものを判断した場合と、恩恵を受けているとものを判断した場合とでは、それぞれ郵政省に対する要求のしかたというものは変わってくると思うんです。  それで、恩恵郵政省側が受けていると判断をした場合に、その恩恵を何らかの形で郵政省がお返しをすることが十分にできないから、この協会をつくって、いわば防波堤みたいなものをやろうかというような意味で、つくられたものかなというふうに私は思うわけなんです。  たとえば、任意団体の当時に、私も三回ばかし委員会で、売りさばき手当が、たばこの益金ですか、これと比べると非常に差があるんで、もう少しどうかと言ったときに問題になったのは、売りさばき人がこのことによって給与的な意味を持つかどうか、いわゆる生活の一助になるのかどうか、こういった点がずいぶん論議をされまして、郵政省はそこまでは負担し切れない経済上の理由があるという説明が何回か行なわれましたね。そのあと全国組織がつくられたので、言ってみれば、バラエティに富んだ要求がたくさん出てくるのはめんどうだから、一つにまとまってきたほうが扱いやすい、こういう意味協会がつくられたかと、こう思うわけなんですけれども、実際に、前段の任意団体のときとこの協会をつくったあととでは、取り扱いとしてはどう変化をいたしましたか。
  26. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 任意団体全国的な連合会当時のことを私つまびらかにしておりませんので、どう変わったかということについては、的確な答弁ができないことを御了承いただきたいと思います。  ただ、私どもとしましては、財団法人ができて以来、どういったところにこの財団法人意義を認め、またその活動について注目してきたかということでございますが、御指摘のとおり、単に会員の福利厚生だけでしたら、これは公益法人にする必要もないわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、この協会期待し、また協会がやるとみずからいっている部分は、たとえばいま協会が行なっておりますポスト愛護運動全国的にやる、こういったようなことは、私どもとしましても、ポストが常にきれいで国民皆さんに愛されるポストであってほしいという感じを持っておりますし、また協会ポスト愛護運動ということで、ポストは大体売りさばき人のところに全部ございますので、そういった愛護運動を通じて郵便業務の品位の向上といいますか、そういったことに協力していただくとか、あるいは私どもが常にいろいろPRしております郵便番号の記入とか、あるいはあて名の正確記載あるいは完全包装とか、そういった面につきましても売捌協会としていろいろ機関紙を発行しておりまして、その機関紙の中でそういった指導をしております。  それからさらに、いわゆる売りさばき人に対する業務指導、これは郵便局個々にやるわけでございますが、なおこの協会を通して売りさばき人にいろいろ業務指導をするという形、これも主として機関紙である「売捌ニュース」というものを通じてでございますが、たとえば郵便切手類の数量の常備の問題で、国民皆さんに御迷惑をかけておるような場合はこうしなさいとか、あるいはその他、過般私のほうもお願いしました保管箱あり方とか、そういったようなものをいろいろ指導してくれておりますので、そういった面の活動公益法人として適当であるというふうに考えますし、またこういった面の指導を今後とも続けてほしいという気持ちを持っておるわけでございます。
  27. 横川正市

    横川正市君 私は、郵務局長のいまの説明はどうもちょっと理解しかねるんですが、たとえば集配局局長集配課長あるいは郵便課長あるいは主事とか——ポストは一日に多いところで三回とか四回とか、少ないところでも一回必ずあけるわけですね、そういう業務と密接な関係のある一番先端の施設なんですから、愛護とかなんとかいうことよりは、常にこれは集配局あるいは取り集めのときの人たち業務の範疇だと思うのですよ、そういうことは。それほど別個にしておくというようなものではないんじゃないかと私は思うのですね。  それから、売りさばき人の福利厚生といってみても、事実上は、この売りさばき人はたとえば準郵政職員というかっこうにして、おやじさんだけ——あれは任命者おやじさんだけですから、おやじさんだけがたとえば逓信病院を使えますとが、あるいは共済の施設が使えますとか、そういうものではないわけでしょう、大体ね。これは十何万かある売りさばき所の者が互助組織か何かつくりまして、そしてお互いにやろうという、そういうものにしては——後段でちょっと聞きますけれども、あまりそこまではいっておらない。だから、そういうことは委託をする側の郵政省はそこまでめんどうを見ているんじゃなくして、もっと非常に自由な、たとえば設置場所が適当に利便にこたえられるような距離で置かれているかとか、それから切手をいつでも売ってくれるようなそういう状態にあるかとか、そういったことが大切なんじゃないだろうかと思うんですね。  私は、どうもこの組織をつくったのは、実はそういう目的ではなしに、第一の目的は、ばらばら団体が来てものを言われたんじゃめんどうくさいから、まとめたほうがいいということで、つくられたきらいがあるんじゃないか。本来、これはそこまで郵政省が手を入れるんじゃなくて、各地域にばらばらそれは任意でつくられていいのじゃないかと思うんですよ、本来。  それからもう一つは、これはたしか指示もあったと思いますが、顧問制というのがこの中にしかれているわけですね。顧問とそれから役員というのをこう比べてみますと、役員山本圭二さんは東京郵政局長が最後だったですかな、それから顧問にあげられているのは、これも全く郵政関係の方で西村尚治長田裕二、景山準吉、成松馨、これはみんな郵政省の元の幹部ですね、事務次官とかあるいは局長とかをやられた方々なんです。一体、いま局長が言われるような、三条を目的としてつくられるものとして、顧問は何の役を果たしてもらおうと、こう期待をされて顧問任命したわけですか。  これは郵便連合の精神から逸脱した行為じゃないか、こういうことは。郵便というのは公平無私で一党一派に偏さない、もう末端まで。私が任意団体でいいというのは、任意団体ならばだれを顧問にしようと、そんなことは一向私どもは関知しないんですよ。ところが郵政大臣認可をもらった法人として全国——加盟する加盟しないは別問題として、加盟させようとする意思でつくられた、しかも郵務局長説明されるように、三条の目的はまるで百二十分に達成されているというようなものに、特定政党の肩書きを持つ者を顧問にしておくということはどういうことなのか。郵政業務本来の姿からすれば、ここはやや勇み足か逸脱か一じゃ目的がそこにあるのかというふうに言われてもしかたがないようなものじゃないだろうか、こう思うんですね。  事実、こういうふうに印刷物が渡されますと、そういうことを思うわけなんだけれども溝呂木さんが郵務局長になったときはもうすでにこれは発足していたわけなんだから、どういうふうに理解するかはあれだけれども、もし直されるものならば、これは会長は山本さんなんだから、相談をされて、直したらどうか。  この中にある幹部の中で、村田さんという人は前の連合会のあれですかな、村田さんとか井上さん、こういう人が私は顧問だというのは別にふしぎだとは思わないんです。局長をやったからということで成松さんとか景山さんの名前をあげましたが、それよりかもっとやっぱり参議院議員西村尚治、参議院議員長田裕二というのは、これはどういうことか。この点がどうもちょっと理解しかねるところなんですがね、あまりこまか過ぎますか、配慮が。
  28. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 財団法人全国郵便切手売捌協会寄付行為の十条に「顧問を置くことができる。」「顧問は、理事会において推挙する。」という、この寄付行為に基づいて推挙をされた方がただいま先生の御指摘になった方々であろうかと思います。  そこで、顧問制をしくことがいいか悪いかということですが、一般的に、公益法人等で顧問制をしいている例も相当あろうかと思います。したがいまして顧問制そのものが問題になるのでなしに、いま先生の御指摘は、その顧問の中に特定の政党の方が顧問になっていることについての御指摘かと思いますが、公益法人ではございますが、その公益法人としての寄付行為目的及び事業に支障を来たすとかそういったものでない限りは、政治的な活動はある程度自由である、これが一般論でございます。ただ、こういった郵政大臣認可にかかわる公益法人の中での問題が、要するに世間に誤解を招く、あるいは明らかに寄付行為の事業遂行にはずれているような行動があった場合は、これは私どもとしてそれを御注意申し上げなければならないかと思いますが、現段階におきましては、この程度であって、この公益法人目的に大きく支障を来たしているというふうには判断していないわけでございまして、今後そういった問題がございますれば、そういった事実関係につきまして、起こった時点において考えてみたい、こういうふうに考えるわけでございます。
  29. 横川正市

    横川正市君 私は、これは売りさばき人の方々のいろいろな意味をここの中で消化をして、そうして正常な郵政省との関係を維持していこう、こういう善意でつくられたものだから、その善意につくられたものを利用されるようなかっこうにはしておかないほうがいいと思うんです。  たとえば、私ども逓信委員会で売りさばき人の手数料が非常に低いじゃないかということで、過去二度、三度引き上げについてやったことがありますが、それは現実に郵政業務の一番末端で利便供与をしている、長時間窓口を開いている、そういう人たちに対して、もう少しめんどうを見てあげたらどうかというのが私たちの趣旨であったわけなんです。ところが、ある人の選挙のときの文書を見ますと、何月何日売りさばき手当が上がったのは私がやったから上がったんですという注釈つきの文書が出されて、売りさばき所には必ずその人のポスターが張ってあるという現実は、これは利用している者が悪いのか、それとも利用するようなかっこうにしておく者が悪いのかということに私はなるんだろうと思うんですよ。  だから三条を目的でつくられたのか、三条を目的でつくられたのならば、たとえば山本さんは無報酬でしょう、それからここにあがっておりますけれども野中さんは専属にやっておるわけですね、常務理事で。全部入れたって、これはもう全く、高校出たんじゃまあこれまでになりませんかな、大学出たぐらいな者の初任給ぐらいなもんですわね、それしか払っておらないですよ。だから財政的な面からいえば、これは目的と財政とじゃ非常に大きなアンバランスになっておりまして、活動も何もできないということになっておりますね。その活動のできない実体が、実は、この特定の政党に所属する人たちが、選挙のときは、十何万カ所からあるところの中のほとんどのところにポスターを張る権利を所有し、それからその家族に対してPRをするところの占有権を有する。そうすると、目的はそこにあるんじゃないかと誤解をされるわけですよ。誤解されるようなことはやめたほうがいいんじゃないですかね。  これは局長よりか、大臣、どうですか。そういう実体が全然備わっておらぬのですよ、協会そのものが。たとえば役員役員報酬それから日常活動——ただ一つ非常に利便なのは、参議院の全国区に出る者はこれは一二〇%利用ができる。目的はそっちにあるんじゃないかと誤解を受けるようなものはやめたほうがいいんじゃないですか、どうですか。
  30. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 御指摘の点は理解できる点もございますが、しかし、この財団法人全国郵便切手売捌協会役員が特定の政党に属している人を委嘱することにつきましては、当該団体寄付行為の定める適正な手続によって委嘱しているところでありまして、当該団体目的等にも逸脱していないと判断されますが、しかし行き過ぎのないように、私といたしましては、指導してまいりたい、かように考える次第でございます。
  31. 横川正市

    横川正市君 私は、これは売りさばき団体がこの趣旨に従って発足し、役員構成をされ、その役員構成は実はどこで何をしている人かというのは、ここにたくさん出ておりますけれども、あまりこまかにはわかりませんが、まあ常務理事の野中さんとか、それから会長の山本さんとか、やや祭られている感じのある役員構成なんですが、しかしその人たちが集まって顧問にだれをしようかというときに、ややこれは会の目的を端的に達成してもらうということよりか、そういう人たちに利用されているというその点のほうがやや強いという感じを私どもは持つわけで、そういうことはやはり改めたほうがいいんじゃないか、そのことを私どもではこの機会ですから申し上げておきたいと思うのですが、大臣どうでしょうか、その辺の私の考えについて。
  32. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 先ほども申し上げましたように、御指摘の点いろいろごもっともな点もございますが、手続上は別に間違ってはいないというふうに私は理解をするわけでございますが、御指摘のように、やはり一つの政治目的を達成するためにこれを利用しようという考え方に立って役員になっておるということであれば、非常に私は問題があると思うのであります。でございますから、やはりそういう点につきましては、あくまでも寄付行為についての規定に逸脱をしないように指導をしてまいりたい、かように考える次第でございます。
  33. 横川正市

    横川正市君 この協会機関紙を発行しているわけですね、見たことないですが、いまありましたらちょっと見せていただきたいと思うのです。  実際には、機関紙はどういうあれで発行されているか、三種認可をもらって発行しているんですか。それから随時——定期的に発行されているわけですか。
  34. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ただいまお手元に差し上げましたのは一つの例でございます。これは毎月一回発行しております。三種認可を受けております。それから一年間に約十六万部発行しております。したがいまして毎月一回一万五千程度発行しているということでございます。
  35. 横川正市

    横川正市君 実は、私いまこれを初めて見るんですが、十七年間国会におりまして、逓信委員も十何年やっておるのですが「切手売捌ニュース」などというのをいま初めて見ますし、定款を見たのも初めてなんだけれども機関紙を発行しているからというのでどんな機関紙かということをいまお尋ねしたわけですが、どういうような配布のあれをとっているんですか、実際上は。
  36. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) これは有料で配布といいますか、頒布しております。大体、売りさばき所の方々に一部九円で買っていただいておる。そのほか売りさばき所以外にも関係郵便局とか、そういうところに配布しておりますが、大体が売りさばき人に買っていただいておるというのが実情でございます。
  37. 横川正市

    横川正市君 それで、ここに貸借対照表と損益計算書というものをいただいたわけですが、財政上の手続がどうこうではなくして、年間の所要経費の規模ですね、目的その他を達成するためにこれで十分だということなんですか、それともまだ改善の余地があるということですか。もっと他に収益を求めて、目的を達成するための活動の面では非常に足りない点を改善しよう、こういうふうにお考えになっているんでしょうか。  どうも寄付行為とそれから損益計算書、貸借対照表を見ますと、いかにもどうも少しおかしいんじゃないかと思うくらいに予算は少ないんですね。ことに役員の山本さんとか副会長の野中さん、そういうような人たちは常勤なんですか、それとも非常勤なんですか。実際上、寄付行為に基づく業務は睡眠状態にあるのじゃないかと思われるわけですが、予算の面、役員の行動面、こういった点をちょっと説明していただきたい。
  38. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ただいま先生指摘のとおり、この役員のうち常勤的な仕事をしておりますのは常務理事の野中さんでして、この方は俸給月額七万円、そのほか手当を入れて十万円ぐらいになりますかが支給されておるだけで、そのほかの方々は報酬を受けておりません。したがいましてこうした方々はいわゆる常勤ではないという形になろうかと思います。  それから損益計算書あるいは貸借対照表を見て、十分な会の財政ではない、こういう御指摘でございますが、考え方にもよりますが、この程度の会の運営ということであると、この辺かなという感じがいたします。しかし、これはあくまでこの会を盛り上げていこうという人たちの協力というものが問題になるわけでございまして、この収入を見てまいりますと、先ほど言いました「売捌ニュース」の販売代金の収入、それからあとはいわゆる任意団体である売りさばき人組合地方連合会からの負担金といいますか、そういったものを財源としておりますので、おのずから財政の限度が出てきておる。したがってその収入で活動する限りあまりぱっとしない活動ということは言えるかと思いますが、といってこの活動をより活発にするために、さらに負担金をふやすとか、あるいは他の財源を特に求めなければならないというほどの、何といいますか、切実性はないんじゃないかというふうに感じておるわけでございます。
  39. 横川正市

    横川正市君 私は、大体が売捌協会法人認可でつくる必要がない。というのは、いま程度の郵務局長説明ならば、別に団体をつくる必要がないんじゃないか、なお任意団体でいいんじゃないか。もしつくる必要があったというならば、実はもっと違った活動形態というものが、予算の面でもあるいは役員の面でも、あってしかるべきじゃないか、現状が睡眠状態ならばこれはわざわざつくっておく必要がないんじゃないか、こういうふうに思いますので、きょうはこういう協会設立について私は初めて定款も読んだ、あるいは現実にちょっと検討もしてみて、そういう感じがいたしますから、ぜひひとつこれはもう一度検討してみて、定款に基づいて活発に活動させるという趣旨が団体そのものの中にあるのならば、予算とか役員とか、そういった面でも十分考慮する必要があるんではないか、こういうふうに思いますので、これから会の運営については、郵政当局としてはどういうふうに持っていくつもりなのか、その点、ひとつはっきりしていただきたいと思います。
  40. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) いろいろ御指摘がありました点を参考として、今後検討したいと思うわけでございますが、やはりこういう公益法人の財源問題が一番大きな問題になろうかと思います。といって郵政省から補助金を出してまでということになりますと、これは非常に大きな問題になります。やはりある程度自主的な法人活動をしていただくという限度において、考えなければならないというふうに考えております。  しかし、おっしゃる点につきましては、よくわかります。われわれとしては、先ほどのポストの問題その他、もう少しこの協会活動してもらいたいという気持ちはかなり持っておりますので、そういった私どもとして公益法人期待する部門と、それからその活動をするための収入源といったようなものについて、十分検討してみたいと思うわけでございます。
  41. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午前十一時二十三分休憩      —————・—————    午後二時二十分開会
  42. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  43. 森勝治

    ○森勝治君 郵務局長にお伺いしたいのでありますが、記念切手の今後の発行の見通し、これをお伺いしておきたい。
  44. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 一般論的に申しますと、記念切手の発行は、私ども内規できめておりますように、国家・国民的行事というものを中心にして、あるいは周年もの、いわゆる明治百年といったような周年もののうち、国民的行事として大いに私どもバックアップするに足るようなもの、それから例年継続的にやっております国民体育大会、それから国定・国立公園、それに郵政省独自のものとしてシリーズものとしてやっておりますもので、今年度からは「昔ばなし」シリーズというものを現在予定しております。従来、国宝とか古典芸能とか、そういうシリーズものでまいりましたが、そういったものも一段落いたしましたので、郵政省独自のものとしては「昔ばなし」シリーズということで今後進めていきたいという基本方針でやっておるわけでございます。
  45. 森勝治

    ○森勝治君 一般の切手で売れ残りの切手の一番古い年代は、いつ発行したやつですか。
  46. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 現在、特殊切手のうち、一番在庫の多いのは四十六年の四月十日に発行いたしました婦人参政二十五周年のものが六十三万八千枚ございます。——失礼しました、それより多いものがありました。四十六年四月二十日の郵便百年の中に百八万五千枚というのがございます。こういったものがいままで発行したもので在庫に多く残っているものでございます。
  47. 森勝治

    ○森勝治君 それはいまどこに眠っていますか。
  48. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 全部、東京中央郵便局に集めてございます。
  49. 森勝治

    ○森勝治君 各局に従前の例にならって配賦しておけば、自然と売れるものを、このものだけはなぜ中郵に集中してしまったのですか。
  50. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ある時点までは、御指摘のとおり、各郵便局におきまして売りさばくわけでございますが、こういう記念切手関係は、ある程度行事が済みますと、かなりその意味をなくしてまいりますのと、それから窓口の売りさばきの職員の手数から見ましても、そういったものがたくさん残っておりますと、非常に切手出納上不便ということで、これを東京中央郵便局に集めまして、ただ集めるだけですと、先生指摘のように売りさばきがはかどらないという問題がございますので、これはときどきある機会を設けて、たとえばいろいろ切手展のときとか、そういうときにそこから持ち出して、それにゆかりのものを一緒にして、そこで売りさばくというような処置を講じているわけでございます。
  51. 森勝治

    ○森勝治君 これは金額は何円の種類のものですか。
  52. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) この百八万残っておりますのは、郵便百年で十五円の額面のものでございます。
  53. 森勝治

    ○森勝治君 それならば全国に分散しておけば、またたく間に売れるのじゃないですか。
  54. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 従来のいきさつから申し上げますと、やはりその時期を過ぎたものを各郵便局に置いておきますと、売れないという実情があるようでございます。
  55. 森勝治

    ○森勝治君 売れないとおっしゃるけれども、記念切手ならいざ知らず、通常切手はわれわれが十円切手、十五円切手を買うときには、窓口の販売する職員の意向でどういうものだって売ってくれるんでしょう、だから、そんな売れ残りなんということはありゃせぬですよ。
  56. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 御指摘のとおり、通常切手ですと問題ございませんが、十円なら十円の切手をお求めになったときには、季節はずれと申しますか、そういう過去の特殊切手をお渡ししますと、やはりそのお客さんに対して、いわゆる特殊切手というのはお客さんの御要望に応じるという感じでございますので、一般的にはそういうふうにしないで、本人の御要望に応じて特殊切手を発売するという仕組みにしておりますので、どうしても個々郵便局では売りにくいということでございます。
  57. 森勝治

    ○森勝治君 少しも売りにくいことはないですよ、そんなことは。たとえば二十円切手をほしいというときに、売り切れておれば、一円切手を五枚と五円切手三枚とか、そういうことで局員があるものを引き出しから出して売るんですから、特にこの切手だけいけませんという人は、通常、郵便物を差し出すときにはないんですよ。そんなことはこんりんざいないんですよ。特にこれでなくちゃだめだという人は別ですが、一般の人は局員が二十円なら二十円、百円なら百円に総額で該当するものがあれば、その場で貼付して郵便物を差し出すんです。それが一般的な傾向ですから、そんなあなたが言っているようなことは通らぬですよ。
  58. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 私も過去において地方におりましたが、たとえば「郵便百年」といったようなものを行事が終わってから窓口で売りさばくということは、やはり公衆の人に対して私は申しわけないんじゃないかと思っております。  それと、郵便局の局員が扱います切手の場合、常備定額をあれする場合、常備額できめているわけでございますが、そのときに売れ残りの切手をたくさん持ちますと、種類別に非常に常備額の計算がめんどうになるということもございます。
  59. 森勝治

    ○森勝治君 どうもあなた方はかっこうよいことばかり考えているんですよ。次から次へと新しいものを発行していくから、売れ残ったものの処置ということを考えないで新しいものを追いかける傾向があるから、私は、この際、この点をいま指摘しているんです。  あなた方が売れ残りのものを——これは幾らでも売れるんです。中央郵便局に置いたって、あなたのお説だと、その切手をくださいと言わぬ限りこんりんざい売りっこないんですよ。ところが、世間では、そういうものはもうなくなっておるだろうと思っているわけですから、マニアでない限り、特殊切手で中郵の窓口に行く人はいないんだ。だから六十三万とか百万なんていうのは、全国郵便局一定期間を設けて——在庫一掃ということを民間でやっているでしょう、いま。そういう形をとればそんなことはないんですよ。そういう努力をしないで、中郵の一カ所に集めておるということは必ずしも当を得たものではない。あまりかっこうのいいことばかり考えないで、在庫一掃ということも——こればかりじゃないでしょう、ほかにもたくさん残っているんですから、この額を金額で計算しますと相当な巨額にのぼる。だからそういう方法をおとりになったらどうですかと私は申し上げているんです。
  60. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 説明が不十分だったために申しわけございません。  おっしゃるとおり、一応各郵便局で売れ残ったものをさらに再販売して、少しでも在庫を一掃するという御意見については全く御指摘のとおりでございまして、私どももいままでただ漫然と中央郵便局に集めていたことにつきましては、非常に反省しております。そこで、たとえばこういうもののこういう在庫がありますという一覧表をつくりまして、それを郵便局に周知するとか、そういう施策はとっております。したがいまして、先生のおっしゃるとおり、そういうまだ需要のある方面にその切手を保管転換して売りさばくというような面につきましては、先生の御指摘のとおり、今後努力していきたいというふうに思うわけでございます。
  61. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  62. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
  63. 森勝治

    ○森勝治君 今回は、売りさばき人に対する物価に対応するいわば報酬、これは世俗では手数料と呼んでおりますが、手数料の時価に見合った値上げ、こういう説明でありますけれども一体、手数料が何%値上げになって、またそれに要する経費がどのくらいになるのか、この点をひとつお聞かせ願いたい。
  64. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 今回御提案しております法律案に基づきまして、月額一万円をこえ五万円以下の金額のところの百分の六を百分の七に、それから五万円をこえ十万円以下の金額の百分の五を百分の六に上げることについて、御提案しているわけでございますが、それに要する額は、平年度におきまして六億四千万円でございまして、値上げ率は八。二%になります。しかしこの四十八年度におきましては、値上げの改正の時期を一月一日からということに提案してございますので、その分につきましては、先ほどの年間六億四千万円が一億六千万円という額になるわけでございます。
  65. 森勝治

    ○森勝治君 四十八年度で手数料の総額が約七十九億円と、こういわれているわけです。そこで四十七年度では売り上げ総額と手数料の額はどのくらいになっておるか、ひとつお聞かせ願いたい。
  66. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 四十八年度は目下進行中で、四十七年度はまだ決算が私どものほうででき上がっておりませんので、予算で申し上げますと八十三億九千六百九十五万六千円でございます。
  67. 森勝治

    ○森勝治君 四十八年度の見込みは七十九億と申し上げた。四十七年度の決算ができ上がらぬとおっしゃるけれども、日報を毎日毎日出しておって、それがわからぬようじゃ困りますね。日報でわかる、全国の売り上げが。月報でわかるし、年度の締め切りの期末でわかる。わからぬはずないでしょう。  それは国会に提出する決算がまだ全部でき上がりませんというのなら、これは了承いたしますが、切手の売り上げの額が——年度末から何カ月たっていますか、それがわからぬようじゃ困りますよ、簡単じゃない、そんなの。毎日毎日、日報が来ているじゃないか、日報が来て計算すれば何でもない、そんなことは。それで赤字の郵政なんて通るかい、そんなにのんびりしていて。
  68. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) まだいわゆる決算額ができておりませんので、ちょっと答弁できないわけでございます。
  69. 森勝治

    ○森勝治君 たたみかけて恐縮ですが、一日の販売額が幾らということは全国郵便局で日計として計上され、それが郵政局に報告になり、郵政局から本省に報告になるんですよ。だから、当然、係が本省に報告された分を月なら月別に計算すれば、すぱっと出るんじゃないですか、それが出ないのがおかしいんですよ。そういうことは、これから調査するというなら別だが、毎日毎日日報が送られてくるんですからね、各郵便局で毎日出しているじゃないですか、五円切手は何枚の売り上げ、十円切手は何枚と毎日毎日日報を書くんですから、書類が来ていてわからぬという手はない。それはあなた方が調査しないからですよ。親方日の丸的な傾向があるから今日の郵政事業のていたらくだ、停滞だ、そういったことになるんですよ。  赤字を防ぎたけれは——どのくらい郵便切手を売り上げたか、月例がどうか、ちゃんと点検しているじゃないですか。あなた方は毎月毎月幾ら売れたか売れないか点検して、係長、課長みんな点検簿に判を押しているじゃないですか。記憶違いということはあるでしょう、しかし資料を取り寄せれば正せるんです。だから、それは帰りまでに出してください。そんなの、できているんだから。本省に報告があって、それがもしないとするならば、それはあなた方が少しルーズ過ぎます。ルーズということばはあなた方不本意だとおっしゃるならば、私は堂々と使いますけれども、そういうシステムを確立しなさい。  出先の郵便局から日報の報告を毎日毎日さしておいて、年度末に締め切って何カ月になりますか。それで今度は本省段階でそれを発表できない、そんなべらぼうなことはないですよ。郵政事業の全般にわたっての決算を国会へ直ちに出せないということなら、これは理解いたしますが、切手類の売りさばきだけでわからないなんという、そんなことはありゃせぬですよ。  しかも失敬だが、四十七年度の予算をここで説明されたって、これは私の設問と趣旨が違うんですから、それはそっくりああそうですかと言うわけにまいりません。しかし、わからないというんじゃしようがありませんから、帰りまでに調べてください、報告してください、いいですね。
  70. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 売りさばき手数料となりますと、これは歳出でございまして、各買い受け局の歳出の集計になろうかと思います。したがいまして、普通局であれば、これは需品費の中の特別費の切手売りさばき手数料ということになりますし、それから渡切局ですと渡し切り費の決算という形で出てまいりますので、いろいろ歳出決算という形の中でこれを把握するために、まだ集計が完全にできていないということだと思います。  したがいまして、いま先生からいろいろ御指摘がありましたが、いまそういうものが会計のほうに決算額として上がっているかどうか、もし上がっておりましたならば、さっそくお知らせいたしますが、もしそういう決算額が上がっていない場合は、暫時御猶予をいただきたいと思うわけでございます。
  71. 森勝治

    ○森勝治君 こういうことじゃないですか、あなたの説明は、各局でその日その日のいわゆる日報に五円切手は何枚売れたといって記録させて報告をさせるでしょう、いいですか、それをしておかなければ、あなたの御説ごもっともと申し上げるんですよ。毎日毎日上局に報告をさしておいて、今度は年度で全部の決算ができなければやらないということは、報告さしたものにはめくら判を押しているだけだということをいみじくもあなた方は白状したんですよ、そういうことになるんですよ、しかし、そうではないでしょう。
  72. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) いま先生の御指摘の点は、売りさばき額すなわち歳入額のことかと思います。  要するに、私どものほうでとっております郵政歳入金は、これはある程度しばらくたちますと収入速報が参りまして、郵便局全体で切手を売りさばいたことによる売りさばき収入というのは、御指摘のとおり、ある程度集まってまいりますが、その売りさばき収入のうち、売りさばき所に売りさばいて、そしてその売りさばき額に応じて先ほど御説明しました段階別に売りさばき手数料が支払われるわけでございまして、その売りさばき手数料の決算ということになると、これは私のいま感じというか、私の考え方で申し上げているわけでございますが、ちょっと集計が困難なんではないかということでございます。
  73. 森勝治

    ○森勝治君 こういうことで時間を費やしたくないけれども、もっともあなたはやがて次官になられるだろうから時間に拘泥するわけじゃないが、いいですか、私は両々相まった質問をしているんですよ。  直轄局で、いわゆる郵便局で売った売り上げと、売りさばき所を通じて、いわば郵政局から見れば第三者の手を経由して国民に販売したものですね、委託ですから、それだって日報が来るんでしょう、来なかったらおかしいんですよ、これはいまの機構からいって当然来るんだ。それを本省段階で集約をしておりませんでしたと率直におっしゃるなら、私はいいって言うんですよ。下部にはこの忙しいのに毎日毎日報告さしといて、本省段階ではそれを倉庫に突っ込んどくっていうんでは困ります。郵務局長は大幹部ですからね、もう下々のできごとをおわかりにならなくなったですよ、大づかみの話ばかりになってしまったですからね。現場が一枚二枚切手を売って報告するのに、どんなに苦労しているかということがおわかりにならなくなったから、そういう御答弁になるんです。しかし、いいです、それは時間をかしましょう。  大臣がおいでになりましたから、大臣にお伺いするのでありますが、大臣、この郵便切手の本来の使命というのはいかなるものでしょうか、この点ひとつ、恐縮ですが、お伺いをしておきたい。
  74. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 郵便物に、法令の定むるところに従いまして、貼付するものである、私はさように理解をいたしております。
  75. 森勝治

    ○森勝治君 すなわち切手の発行というのは、郵便物に貼付して使用する目的をもって発行しているわけですね、通貨の代行ですね、これが趣旨だと思うんです。  ところが、片や記念切手になりますと、最近は、いま大臣がお答えになった趣旨と違った、うらはらといいましょうか、食い違った現象が生まれてきているんです。いわゆる投機化された対象に切手を用いるようになってきたんだと思うのでありますが、この傾向を大臣はどう考えられますか、好ましい、好ましくない、メーファーズ——いたし方ない。私はあなたに何か入社質問のような失敬な設問をいたしましたが、そうじゃなくて率直に私が三つ出しましたから、どれにマルをつけていただくか、ひとつお答えをいただきたい。
  76. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 記念切手いわゆる特殊切手が投機の対象になるというようなことは、私は好ましくないと思います。
  77. 森勝治

    ○森勝治君 大臣がおっしゃったのは、そのとおりですね。本来の使用目的からそれるわけですから、当然、大臣のお答えはいまおっしゃったようなことになろうと思うんですよ。ところが最近の傾向は違うのではないかと思うんです。  特に郵政省が記念切手を発行する際の、もろもろの関係方面の御意見を総合し、私なりにこれをそしゃくいたしますと、郵便切手はもうかるから買っておきなさいという傾向が、どうも郵政当局の中からにじみ出るような気がしてしようがないんですが、担当局長、どうです。
  78. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先生御承知のとおり、切手というものは、本来的にいえば、郵便料金の前納の証票ということで出発したことは事実でございます。しかし世界各国ともそういった切手というものに対する趣味というものが生まれてまいりまして、政府発行の切手というものに対して一つの郵趣界というものが形成されたわけでございます。しかもそういった切手の郵趣界としての機能に目をつけて、ある国民的、国家的行事において、そういう切手に図案を掲げることによって一つのキャンペーンの役目をするということが行なわれてきたことも、先生御承知のとおり、世界的にそういう傾向にございます。  私どもとしましては、本来的にいえば切手というのは郵便料金の前納のあかしであるけれども、せっかくそういう郵趣というものができた以上、その健全な発展のためには、それにこたえるだけの処置をすることも必要であろうかということで、先ほど言いました特殊切手のキャンペーンを兼ね、しかもそれが郵趣界において受け入れられるようないいものをつくろうということで処置しているわけでございます。したがいまして、その限度において、私どもは特殊切手を一般の国民要望に応じて発行いたすということでございまして、これで要するに買っておけばもうかるとか、あるいは投機的な機運を醸成するという気持ちは毛頭ございません。あくまでも国民の需要に応じた特殊切手の発行をしていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
  79. 森勝治

    ○森勝治君 私は、この記念切手というものが、郵政省が販売にあたって、あるいはその後のおりに触れた発言とか、いわゆる宣伝の意図は特に切手マニアを推奨するような、あおり立てるような傾きがありゃせぬか。  具体的な事例で言いますけれども、あれは本省の文書課かどっかで発行しているガリ刷りの何とか週報というのがありますね。ごく最近、見識者の記念切手の問題についての論文というか手記めいたものを発行しているでしょう。そういうものの論調等を見たって、いかにも記念切手を買っておけば蓄財の目的を遂げるとか、そういうふうにしていま大臣がいみじくも言われた本来の切手目的から逸脱したような指導、宣伝をしている傾きがあることを私は指摘するのです。  これは私の見た目ですから、それは見解の相違かもしらぬけれども、そうかといってあながち見解の相違ばかりでない、いまあなたの後半のお答えの中でもそれらしきものをややお認めになっているわけですよ。これでは私はいかぬと思うので、記念切手は利殖の対象とするのは間違っていると明快にこの席上でお答えをいただきたい、そうでなければ大臣のお答えが死んじゃうのですから。
  80. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 私どもとしましては、やはり切手の健全な趣味という範囲内でもってこれに応じていきたいという気持ちで一ぱいでございます。したがいまして、これを投機の手段にするとかということは私どもも非常に迷惑を受けているものでございまして、全然そういった意図はございません。
  81. 森勝治

    ○森勝治君 記念切手は後世にその記録を長くとどめ、あるいは思い出になるでしょう、あるいはまた別な意図があってもいい。いずれにしても美しい思い出を残そうということで記念切手が始まったわけですから、したがって投機の対象ではない、利殖の対象にしてそれをどんどんお買いなさいという宣伝をしていないということをいま局長は明確にされました。  記念切手は、現実の面からいいますと、ほとんど一般郵便物に貼付されて使用される傾向が最近は特に激減しましたね。いわば発行して売ればただもうけの傾向にある——表現がちょっとまずいですが。ですから記念切手を発行しても通信の用に供されなければ、郵政省はまるもうけ、こういうことになるんですね。  そこでお伺いしたいんでありますが、一体、記念切手を発行してどのくらいもうかりましたか。郵便の用に供されたのは幾らか。これはこの前、四十六年のときですか、ちょっとお伺いした記憶がいまかすかに残っておるわけでありますが、どのくらいもうかっているのか。  有価証券とはいえませんけれども、広義に解釈すればそういう意味でありますが、これはたんす貯金ともいえないし、たんすにしまい込んでしまえば通信の用に供されない。そうすれば、その人が今度また新しく手紙を出そうとすれば別な切手を購入して出すことになりますから、依然として記念切手というのは郵政省の腹が痛まないものだ、こう結果的には言わざるを得ないのでありますが、どうですか。例の奈良の古墳塚の切手の発行のあの爆発的な売れ行きから見たって、あれが今度は通信の用に供された——私にはたった一枚舞い込んでまいりましたが、ほとんど郵便という媒体を通じての消化ということはない模様ですから、やっぱり机の引き出しの中か何かということになりますからね。そうすれば発行したことがまるまる郵政省の収入ということになりますね。切手で使用されればこれは別ですけれども、発行したのがそっくり残ることになるんですが、そういう計算をしたことがありますか。
  82. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 実はこの問題は前から御指摘も受けておりますが、事実上不可能に近い困難な調査でございまして、いろいろ調べかけたのでございますが、いま先生指摘のように、たとえば高松塚のように非常にブームになったもの、しかもそれをいつ調べるかによってどれだけ切手に張られているかということで、もうほとんど、何といいますか、発行されたものがどういう経過を追って逐次張られていくかということをちょっと手がけてみましたが、これはほとんどお手あげになってしまいました。  で、過去において、このブームが起きるずっと昔は大体四〇%ぐらいが温存されているんではないかということは、調べられたことがございますが、現段階においてはとてもそんなことは考えられません。先生の御指摘のように、まさに発行後一年ぐらいの間は、もう九〇%ぐらいが温存されて切手に張られていないというような実情じゃないかというふうに私感じておりますが、実は、そういうこまかい調査をしておりませんので、的確な答弁ができないわけでございますが、先生指摘のとおり、特に最近の切手ブーム等を見ますと、郵便物に貼付されている部分は非常に少ないという感じがいたします。
  83. 森勝治

    ○森勝治君 どのくらいもうかっているかという話にはほおかむりの模様でありますね。まあそれはいいでしょう、言いたくないんでしょうから。  私は、この前の質問のときも、記念切手の消化率について追跡調査をしなさいと提案をしておるわけです。これはむずかしいとおっしゃったけれども、結果的にはそれをやってみましょうとお答えをいただいたような気がするのでありますが、これはしかし長い間国民郵政事業ならば、皆さんがりっぱなデザインをもって世に問う作品あるいはまた年代別に発行される記念切手その他がどういうふうになっているか、いわゆる移り変わりいく姿というものを浮き彫りにしておくのが将来に対するこの種の切手の発行に大きな参考資料になるだろう、こう思うので、私は冒頭にもこの将来の展望についてお伺いしたわけです。将来の発行の問題についても、過去の発行の追跡調査の結果を待たなければ、これはただじんぜんと発行するだけではお話にならぬわけですから、その辺はやっぱり時代に対応した切手の発行ということも考えていくべきだろうと思うんです。
  84. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 御指摘のとおり、今後の特殊切手の発行につきましては、当然過去における売りさばき実績、そして郵便局の窓口における売りさばき状況、それから在庫に残ったものの状況、こういったものとそれから今後発行しようとするものに対する一般的な人気と申しますか、関心が深いか浅いかということで処置しているわけでございまして、たとえば毎年発行いたします切手趣味週間、これは大体過去においても最高の売れ行きを示しますし、国民的な関心も深いということで、これはことしの四月二十日でも五千万枚をこえております。そうかと思いますと、あまり人気がないといいますか、国民的関心を受けないために三千万枚以下という切手もございます。したがいまして今後の発行計画につきましては、過去における売りさばき実績及び発行しようとする切手国民的関心、あるいはこれは私どもの責任になりますが、その図案によってもかなり売りさばきが違うということも出ております。いい図案でございますとそれなりに売りさばきがよろしゅうございますが、私どもの図案が悪かったためにどうも関心を呼べなかったという過去の苦い経験もございますので、そういったものを勘案して今後の切手発行枚数を決定したいというふうに考えておるわけでございます。
  85. 森勝治

    ○森勝治君 これは参考にお伺いするわけでありますが、先般特例発行で寄付金つきの古墳塚の切手を発行いたしましたね。あれは追加注文で、非常にデザイン的に好評を博し、あのできばえは郵務局長あたりもひげをなでておられて、自慢にされた作品で、確かにあれは評価が高いものです。よいものができたと思うのでありますが、あの寄付金つきは当該の団体に金そのものはもう手渡したのですか、それともいま集計中か、まだ未集計ですか、参考に聞かしてほしい。
  86. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 現在、寄付金つきの切手は全部売りさばきましたので、寄付金は全部私どもの手元にございます。しかし御承知のように、私どもこれは集まったものを例の保存財団に渡すのでなしに、向こうで使う使用目的をいま出さしております。で私どもの方針としては、運営費には一切使わせない。必ず国民の浄財であるということがはっきりわかるような具体的なものにしかお渡ししませんということを言ってありますので、向こうでいま計算しておりますが、大体三つのグループに分けて、これを使いたいということを言ってきております。  一つは、現在あります高松塚古墳はもう一般の人にはお見せすることができない、密封してございます。したがいまして、それと同じものをあの付近に、しかもあの付近の景観を害さないような場所に、まあどっちかというと少し低いところに、一流の学者にあれを模写していただきまして、そして一般の人に公開するという設備、これが一つのグループ。  それからもう一つは、これは何といいましても古墳の保存ということは、古墳それ自体はすでに国のものになってございますが、あの周辺はまだ民有地が非常に多うございます。したがいましてあの古墳を保存するために、しかもそれによってその付近の民有地がいろいろ使用制限を受けるというような問題がございますので、これを買い上げるということが緊急といわれておりますが、その高松塚古墳周辺の土地の買収費、これが第二のグループ。  それから第三のグループは、最近マイカー族と申しますか、そういった形であの地域に非常に車を乗り入れるために、付近の農地が非常に荒らされたりあるいはいろいろ景観を害するということもございますので、その付近に駐車場を設けて、そこに全部マイカー族を導入して、そこから先は歩いて、昔の心のふるさとである飛鳥を見るとかというような計画。  大体、この三つのグループで六億ぐらいのものを予定しております。  で、私どもとしましては、その計画ができましてもお金は渡さないで、現実に契約ができたその証拠書ができたときにその必要に応じてお渡しする、少しけちくさいかもしれませんが、国民の浄財ということもありますし、国民の非常に関心の的でもございますので、そういったような処置をしていま準備中でございます。   〔委員長退席、理事古池信三君着席〕
  87. 森勝治

    ○森勝治君 通常切手はいざ知らず、記念切手の発行販売にあたっては、何かその序列というものが、不文律かもしれませんけれども、できているといううわさを聞くのですが、序列なるものがあるのですか。  たとえば一例で、郵政省の中に全国何とか切手協会というのがありますね、あそこにはまるまる一〇〇%、いかなる切手でも渡しておりますね。こういうふうに特殊なものあるいは特定なものには、特殊な扱いをおやりになっておるのですか。私はつまびらかにしませんから、序列等があるのですかというやややわらかい表現でお聞きをするんです。
  88. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 特殊切手の発行後の、何といいますか、配分についてでございましょうか。
  89. 森勝治

    ○森勝治君 販売についてです。  それじゃもう一回もっと具体的に言いましょう。  ここに百万枚今回郵政大臣の肖像画を入れた記念切手を発行したと仮定いたします。そうすると郵政省の中にある何とか協会、趣味協会というのですか、何とかいう協会には三十万とか十万とか、もう天引きでそこへいく。だが、ちまたでは行列する。この間の古墳塚のものでもそうでしょう、ある特定な業者が二千人もアルバイトを使って中央郵便局を取り囲もうといううわさが出たほどでしょう、たいへんな騒ぎだったでしょう。一般のちまたではそういう騒ぎをしておきながら、郵政省の中にある何とか普及協会とか、名前はちょっと忘れましたが、この際明確に言わないほうがいいでしょう、その団体の申し出どおり分けている、そうじゃないですか。ですから、そういう序列というものがあるのかと聞いているのです。
  90. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) これは過去におきまして、特殊切手を発行いたしますときに、郵便局の窓口で大口の方も買っていただいていたわけでございますが、その方が、いま先生の御指摘のとおり、アルバイトを千人二千人と雇って、結局、一般の人が窓口で並ぶのにもそういった人々のあとに並ばなきゃならぬとかいったような問題があったようでございます。  そこで、いわゆる郵趣団体というものが相当たくさんございます。そういった郵趣団体につきまして、郵政省との間で、主として使途でございますが、使途及び販売方法等に条件をつけまして、いわゆる大口の需要の方には、大口渡しとして、一種通信販売的な形でございますが、予約を受けて、それにお渡ししております。一般の人には、いわゆる通信予約販売、各郵便局の窓口で振替用紙に必要な枚数とその金額を払っていただければ、発売日前に予約を申し受けまして、そして発売日以後において現品を通信でお渡しするという処置をとっております。しかし、いまの御指摘の、いろいろの団体が数団体ぐらいあったと思いますが、そこにつきましては、大口の予約という形でもって予約を受け付けて、現品を発売後渡すという処置をとってございます。
  91. 森勝治

    ○森勝治君 たまたまそれが投機の対象の具に供される傾向があるんじゃないでしょうか、その点が。だから投機の対象は好ましくないと郵政省で言っているけれども、そういう投機の対象になる傾向のものを温存しておるんじゃないですか。これは私の少しうがち過ぎた、先走った質問でしょうかな。
  92. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) いろいろ御心配いただいているわけですが、私どもの見た感じといいますか、過般切手投機問題で問題を起こした業者の方、あるいはその扱い方を見てまいりますと、どちらかといいますと、そういうグループの方ではなくて、何といいますか、一発勝負的な形で特殊な販売をしておられる方々でございまして、私どもがお分けしているそういう大口業者の方は、私どものいままでの見届けている範囲内では、正常な販売をしているというふうに考えているわけでございます。  特に、いまちょっと名前が出ましたが、切手普及協会の話かと思いますが、過般来、たとえば初日カバーなどを某業者が某デパートと組みまして非常に高い値段で売りさばくときなどは、そういう利益をあげないでこのくらいの値段でできますというようなものを切手普及協会につくらせまして、そうして少しでも適正な値段で手に入れられるような指導をしたことがございます。  したがいまして、私どもとしましては、そういうある程度大口需要者としてお渡ししているものにつきましては、販売方法あるいはその後の売りさばきの状況、そういったものを監視し、またそれを約束づけておりまして、もしそういった人たちがそれを投機に使うようなことがあれば、当然私どもの責任でもございますので、そういったことのないように処置しなければならないというふうに考えるわけでございます。
  93. 森勝治

    ○森勝治君 つかぬことをお伺いいたしますが、切手というものは、われわれが切手を買ってきますね、売買が自由なんですか。たばこは売買できませんね、専売法に基づいて。私がハイライトを買ってきて、横川さんが譲ってくれというので、はいといって売買すると、法違反になりますね、切手はその点制約は何もありませんか。
  94. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 現行法では、切手の売買は禁止してございません。
  95. 森勝治

    ○森勝治君 それでは、たとえば二十円の切手を三十円で売ったらどうなりますか、これもかまいませんか。
  96. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) いわゆる売りさばき所等、法律に基づいてその定価で売らなければならないと義務づけているところについては、そういうことはできませんが、一たん市民の手に渡った切手は、これは一つの郵趣の対象あるいはその他の対象として売買される場合に、その値段が幾らになるかということにつきましては、現行法で、それをこういう値段で売ってはいけないとか、こういうことは禁止してございません。   〔理事古池信三君退席、委員長着席〕
  97. 森勝治

    ○森勝治君 通貨の場合には、今度、大蔵省が措置することになりましたね。たとえば百円札を百八十円で売っていた、デパートで、問題になりましたね。この場合には規制措置をするんでしょう。大蔵省でもそういう規制措置をするならば、切手というものが通貨に準ずるならば、やっぱりそういうことをこれから考えていかなければならぬのじゃないかと思うが、どうですか。この辺が投機であるかないか、推奨しているかいないか分かれ道になるんですが、どうです、局長
  98. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 切手の本来の目的から郵趣というものの分野が非常に広がってきたということは、先ほど御説明したとおりでございます。その郵趣というものの中において、趣味の品物をお互い同士幾らで売買するかということになりますと、その辺まで一つの法的な規制を加えるべきかどうかについては、私はいささか疑問に思うわけでございます。  ただ、先生のおっしゃいますのは、そういった本来の健全な趣味を逸脱して、その切手が非常に投機等に使われ、その投機等に使われることによって一般の国民が大きな迷惑を受けるということになってくると、これは切手という問題を離れて別の意味の社会的な問題になろうかと思いますが、現段階におきましては、切手の古いものであって、非常に希少価値のものが値が上がってくるというようなものは、これは一般に古銭あるいはほかのものでもある程度趣味の段階に入ったものは、古くて非常に希少なものになると、値が上がるということであって、これまで直ちに禁止すべきかどうかということについては、私としてはいささか疑問に思っておるわけでございます。
  99. 森勝治

    ○森勝治君 記念切手の発売のとき、いつも苦情が出るのは自由に買えないという苦情が出てきますね。そこでどうも郵便局の局員が先に買い占めちゃうんじゃないか、あるいはさっき言った特定なものが買い占めてしまうんではないか、善良な国民の手に入らぬのじゃないかという批判があるんです。しかしそれは手に入らない者の錯覚とか誤解に基づく発言が間々多いような気がするんですが、しかしかりそめにもそういうことを聞くことはあまり芳しいことではないわけですから、やはり公平を旨とするたてまえからいっても、発行枚数は本省で発表しますからわかりますが、それから先の処置の問題について、私はちょっと提言といいましょうか、一つの愚案を出してみたいんです。  たとえば国会内の郵便局で売り出すものは割り当てが郵政局から百枚なら百枚ということになれば、当局の販売枚数は百枚ですぞということを局内に掲示をすれば、百枚しか買えない、一人二枚なら五十人しか並べない。ところが、どこでも発売枚数を黙っておって並ばせるだけ並ばせて、はいこれまでとやるから、残った人がわあっとわき立つわけです。その辺、信頼度をかちとるためにも、公平を旨とするたてまえからいっても、そういう販売額表示方法をもってしたらどうですか。
  100. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 基本的には発売枚数が要望に応ずるようにどんぴしゃりといけば一番いいわけでございますが、なかなかそのようにいかないという場合に、先生の御提案も非常に参考になるんじゃないかと思います。  私どもとしましては、過去何回かそういう経験を経ておりますので、いま郵便局に主として言っておりますのは、振替による通信販売の申し込み——特殊切手の発売予定というものは郵便局で通知することになっておりますので、何月何日何々国定公園のものが発売されるとか、それによってなるべく通信販売によって申し込んでもらって処理をして御要望に応じたいというふうに考えておりますが、なお、確かに郵便局等で何か局員が先に買い占めるんじゃないかというようなことを思われることに対しては、いまの先生のおっしゃった御提案などは非常に検討に値すると思います。いろいろ事務的な問題もございますので、検討さしていただきたいと思います。
  101. 森勝治

    ○森勝治君 違った角度でお伺いしたいのでありますが、どういう団体か知りませんが、郵和会なる組織がある模様ですが、お聞かせを願いたい。
  102. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 東京都の切手売捌人組合連合会を郵和会と、こういうふうにいっているようでございます。
  103. 森勝治

    ○森勝治君 局長のおっしゃるのは、切手捌協会または切手捌協会連合会を名ざしじゃないですか。郵和会という表現とちょっと違うんですが、その点ひとつ。
  104. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 名前が変わってございますので、前は売捌人組合のうちいわゆる単位組合も郵和会ということを使っていたようでございますし、東京都はそれらの連合会ということで、東京都の郵和会の連合会ということを使っていたようでございますが、東京都のほうは現在東京都郵便切手捌協会連合会という名前になったようでございます。
  105. 森勝治

    ○森勝治君 そうすると、郵和会というものはどういうものですか、郵和会というのは東京郵便切手捌協会の別働隊ですか、全然別個の団体ですか。
  106. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 前は、先ほど申し上げましたとおり、単位組合の郵和会とその連合会としての郵和会連合会というのもあったようでございますが、現在は、いわゆる郵便局単位の単位組合が郵和会ということばをそのまま使っており、東京都のその連合会に値するものは名前を東京都郵便切手捌協会連合会ということになってございます。したがいまして現在の郵和会というのは郵便局単位の単位組合でございまして、それを集めた都のいわゆる連合会は東京都郵便切手捌協会連合会、こういう名前になっているようでございます。
  107. 森勝治

    ○森勝治君 それでは推量過ぎるかもしれませんが、東京都郵便切手捌協会の下にブロック的な郵和会という存在があるんですね、これは郵便局ごとじゃなくてブロックですね。東西南北とか、地域別とか、中部とか北部とか、そういうことですね。
  108. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 単位組合は集配郵便局単位ごとにブロックとして売捌人組合がありまして、それがいわゆる単位組合でございまして、その単位組合の連合会が東京都連合会という組織になっておるわけでございます。
  109. 森勝治

    ○森勝治君 その郵和会というものと郵政省はどういう関係にありますか。
  110. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) これは任意団体である売捌人組合でございますので、いわゆる公益法人等の形では関係.ございません。あくまでも売りさばき人の任意団体でございます。しかしその任意団体が規約に基づきまして、いろいろ郵政省の発売するはがき切手印紙等を売りさばきますその公共性を持つ売りさばき人の組合であるということについては、郵政省とその売捌人組合との間には、その限りにおいて何らかの関係がございますが、形式的には直接的な関係はございません。
  111. 森勝治

    ○森勝治君 因果関係はあるけれども、形式的には無関係だということですね。緊密な協力関係はありますか。
  112. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 任意団体ではございますが、大いに郵政事業に協力し、売りさばき人の福利厚生を増進するという組合規約に基づいて、活動しております。その限りにおきまして、私どもとしましては、郵政省として大いに協力関係は結びたいというふうに考えております。
  113. 森勝治

    ○森勝治君 この郵和会というのは郵政省のかいらい団体と違いますか、失敬でありますが。
  114. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) これは売りさばき人が自主的につくった任意団体である売捌人組合というものでございまして、その人たち郵政省の委託を受けて切手売りさばきをやるという、そういう公的な面に着目されましてその組合をつくり、郵政省と協力したいということでございますので、その限りにおいて、私どもとしては、大いに協力関係を持っているわけでございます。
  115. 森勝治

    ○森勝治君 局長のお答えだと、内部干渉はしないという前提があるような気がしますが、そうですね。
  116. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 当然、これは任意団体である売捌人組合でございますので、その人たちの自主的な運営に待つわけでございますが、先ほど申しましたように、この売りさばき人の方々は郵政省の扱っている切手はがき等を売りさばくという公的な任務を帯びておるという面におきまして、その組合であるということについて郵政省としても関心を持ち、また協力関係が生ずる、こういうことでございます。
  117. 森勝治

    ○森勝治君 関心を持つのはわかりますが、その協力関係というのは、どこまでが協力関係ですか。
  118. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 具体的にどこまでと言われますとちょっと答弁しにくいんでございますが、おのずからそれぞれ何かにつけて協力し合うということでございます。
  119. 森勝治

    ○森勝治君 これはまたあいまいもこたるお答えで、全くおかしいですね。いま運営については内部干渉しないと言うが、現実に、地域の郵和会の会議等については、郵便局長が出席方を会員に通知をしているじゃないですか。早く出なさいと、出ない人は代理をもってあてなさいと、こう公文書を出しているじゃないですか。
  120. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 私の理解が不十分なのかもしれませんが、そこの売捌人組合の会長が当然組合員を招集するわけでございます。その組合長が組合員を招集したり、いろいろ指示する場合に、その事務的な手助けといいますか、そういった形で協力しているものと思いますが、まさか郵便局長なりが売捌人組合の中に入って、そういう権限というか、そういう事務を行なっているとは私承知していないわけでございまして、もし売捌人組合の中に入って処理をすれば、これは組合員じゃございません、郵便局は。あくまでもその組合に対して協力関係にある外の機関ということでございますので、その協力関係にはおのずから限度がございます。しかも郵政省という組織の中の郵便局であり、そこにつとめている者は国家公務員でございます。おのずからそこに協力関係の限度というものはあろうかと思います。
  121. 森勝治

    ○森勝治君 当然、協力関係には限度がある。しかし、これは郵和会については限度を越えている。だから先般の鈴木委員の質問、本日の横川委員の質問に、失敬でありますが、何かあるんではないかというような受け取られ方のする話が出てくるんですよ。いいですか、郵和会が任意団体で民主的に運営されるなら、会議に出なさいなんて郵便局長の各別で公文書を出すのがどこにありますか。何々郵便局発第何号、〇〇局長何のたれ兵衛、いいですか、会議に出なさい、会議に出ることができなければ代理人をもって差し向けるようにしなさい、何月何日何時、中身はどれで場所はどこですと。内部干渉の尤たるものでしょう。だから、私はこれはかいらいではないか、こうげすな表現を用いたんですよ。これは改めなきゃいかぬですな、こういうことは。
  122. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) その事実関係をいまちょっと理解しかねるわけでございますが、もし先生のおっしゃるとおり、郵便局長名で売りさばき人を売捌人組合の会合に招集しているということであれば、これは私直さなければいけないと思います。それが売りさばき人の会長の招集を郵便局の人がお手伝いしたということであれば、これは、その態様にもよりますが、そう問題ないと思いますが、郵便局長が売捌人組合の中に入り込んで、会長の権限を侵して、自分でかってにその組合員を呼んでいるということであれば、これは当然直さなければならないと思います。
  123. 森勝治

    ○森勝治君 任意団体であるならば、いかに緊密な間柄といえども、公文書をもっていかなる人も招請をする片棒をかつぐことはできない。もしこれが堂々とまかり通るならば、これが政治的に利用されたらどうなりますか。ただでさえ来年は参議院選挙だ。いろいろな面で風聞が頻発するでしょう。公費をもって公的機関は運営されなきゃ困りますね。これは改めてください。私はきょうは特に抽象的な表現を用いました。御希望ならば具体的な事例を知っていますが、きょうはその問題をやるのが本意でございませんから、私は当局の善処方をいま期待をした発言をしているんです。
  124. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほど何回も申し上げていますように、売捌人組合の会合として会員である売りさばき人を集合させておるということについては、おっしゃるとおりでございます。これがただ事実がわかりません。集配郵便局としましては、売りさばき人に集まっていただくことはときどきございます。いろいろ年末の業務の問題とかその他の問題でもって売りさばき人に集まっていただく。これは郵便局長として売りさばき人に対する業務指導あるいは監督、そういった面から行なわれるものであれば、これはまたそれなりに許されるわけでございますが、あくまでもただいま先生の御指摘は、任意団体である売捌人組合の中に入って郵便局長が公文書をもってその任意団体の招集をしたということであれば、これは当然改めなければならないものというふうに思います。
  125. 森勝治

    ○森勝治君 局が局の使命を全うするために関係者を呼ぶのは当然ですよ。しかし第三者たるべき任意団体の会の運営についてだ、集まってこい、いいですか、どこそこへ集まってこい、集まらないものは代理を出しなさいとかいうことは、これはちょっと逸脱する行為である。  第三者のために——それじゃ私なら私が会合するならば、森がどこかで会議をやるから皆さん集まりなさいと、私にかわって手紙を出してくれますか。しかもこれは無料の「通信事務」で出しているんですからね。いいですか、大臣、こういうことができますか。綱紀粛正というのは非常に厳たるものでしょう、最近は。人事院でも先般発表されましたな、郵政省が一番多いと。ところがお役所の中で堂々と局長がおやりでしょう。こういうことはみずから直してくれなきゃ困りますよ。弱い職員をいじめるばかりが能じゃない。こういう任意団体の会議の運営について局長みずからが文書を出して——それは任意団体なら任意団体運営で、その団体が会員を招集したりブロック会議を招集するのはあたりまえでしょう、それは任意団体の会合なんですから。しかもそれは公金を使うわけですね、一通わずかにかりに二十円と仮定したって——わずかだとはいいながら、その精神というものはもう改めなきゃなりません。これで赤字だ、郵便料を値上げしてくれと言われたって、ちょっとできない相談ですよ、こんなむだづかいばかりしているなら。これは直してくれますね、大臣。
  126. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 事実関係をよく調査いたしませんと、内容がよくわかりません。しかし、御指摘のような点が事実であるとするならば、全くこれは行き過ぎであると私は存じます。そのような点は今後十分注意をしていきたい、かように存じます。
  127. 森勝治

    ○森勝治君 そうおっしゃるから、善処方をお願いしておきます。  次の問題に移りますが、切手捌協会ですか、どうも郵和会というのと切手捌協会というのとチャンポンに考えがちでありますが、この団体目的は、切手売りさばきをもって目的とするのにとどまらないんですね。広く郵政省運営全般についての協力団体ですね、これは。そう思いませんか。
  128. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先生指摘のいまの協会というのは、財団法人全国郵便切手売捌協会のことと思います。  そういたしますと、これの寄付行為によりまして、当然、その会の目的なり事業が明記されているわけでございまして、その目的とするところは「この会は、全国郵便切手類及び印紙売捌業務の円滑なる運営を図り、もって郵政事業の発展に寄与すると共に、売捌人の福利厚生を図ることをもって目的とする。」と、こういうふうにうたってございますので、その限りにおいて、郵政省の協力団体だということは言えようかと思います。  なお、事業として、第四条に「この会は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。」第一に「全国郵便切手類及び印紙売捌業務の総合的な企画を行い、その業務運営についての連絡調整を図る。」第二に「郵政事業の普及宣伝に協力すると共に、郵政事業の利用者に対する便益の増進に資する。」三としまして「売捌人の福利厚生及び相互共済のため事業を営み、又はその事業に協力する。」四に「機関紙を発行する。」といったようなことでございまして、この寄付行為に基づく目的または事業をやりますその限りにおいては、郵政省に対する協力団体ということが言えようかと思います。
  129. 森勝治

    ○森勝治君 それでお伺いしたいんですが、この全国協会と東京の協会との因果関係はどうなりますか。
  130. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ちょっと東京の名前がややこしいのでございますが、東京の会は、これはあくまでも任意団体である売捌人組合でございます。先ほどいろいろ御指摘になりました集配郵便局ごとの単位組合のその連合会として東京都にそれらの連合会ができている。しかしこれはあくまでも任意団体である売捌人組合でございまして、いま御説明申し上げましたのはそれとは別人格で、全国郵便切手捌協会という、これは財団法人として認可されたものでございます。したがいまして任意団体である——東京都あるいはほかの県にもございますが、県地連、地方連合会と私ども申しておりますが、そこまでは任意組合でございまして、協会財団法人ということで別人格でございます。
  131. 森勝治

    ○森勝治君 それでは東京都郵便切手捌協会連合会と、たとえば郵便局管内にある郵便協力会との関係はどうなんです。
  132. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 郵便協力会と申しますのは、これはもう全然切手売りさばきとは関係ございませんで、これは郵便全体の協力関係ということでございまして、売捌人組合関係とは全く別のものでございます。
  133. 森勝治

    ○森勝治君 そうすると、売捌協会というのは、読んで字のごとく、切手類に関する問題について当局と協力しようという団体ですね、郵政事業全般についてまでこの団体が事業を展開するというのではないですね。郵便事業全般については、なかんずく郵便事務については郵便協力会が主として当たり、切手捌協会切手売りさばき等の関連事項について当たると、こういうことですね。
  134. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 御指摘のとおりでございまして、先ほど読みました寄付行為の三条に「全国郵便切手類及び印紙売捌業務の円滑なる運営を図り、もって」ということで、あくまでも基本は切手類及び印紙の売りさばきの円滑な運営をはかり、もって郵政事業の発展に寄与するということでございまして、おっしゃるとおりでございます。
  135. 森勝治

    ○森勝治君 それでは昨年の十月に東京都郵便切手捌協会連合会が主宰をいたしまして、各郵便局とタイアップして、東京都を数ブロックに分けて、大体八カ所ぐらいに分けてブロック会議を開いた目的はおわかりですか。
  136. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ただいまのは東京都のいわゆる任意団体である組合のお話かと思いますが、私ども承知しておりません。
  137. 森勝治

    ○森勝治君 知らざあ言って聞かせやしようという文句がありますけれども、そんな開き直ったわけじゃありませんが、私からそれじゃちょっとお話し申し上げましょう。  昨年の十月、東京郵政局と管内の郵便局が主唱をいたして、東京都切手捌協会連合会の四十七年度の事業計画に基き、ブロック会議を開催した。このときに、この切手捌協会の中には、切手売りさばきをもって郵政事業に寄与しようなんというのは一言半句もないのですよ、いいですか、言いましょうか。  「郵政事業に対する協力」その中の「(1)年賀郵便物の早期差出し等の周知宣伝 (2)郵便物に対する郵便番号記載の正確記入の勧奨 (3)郵便物の保管処理場所の確保に協力する。(4)郵便受箱の設置勧奨等」というのですね。どうです、切手売りさばきはありません、ないでしょう、だから聞いている。  そうしたら、あなたは郵便切手捌協会関係切手売りさばきに関連する事業で郵政省に協力する団体だとお答えになったが、やっていることは全然違うじゃないですか。これに参加しろと文書を出しているのですよ、郵便局長は。どういうことです、一体。  いま私が言ったのは、この日の会議の主たる目的の細目ですよ。これは大体郵便協力会関係等がやる仕事ですね、あなたの説をかりるならば、これは売捌協会のやるしろものじゃない、この中身は。あなた首かしげているが、現実に出ているのですよ。
  138. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほども私申し上げましたように、主体はあくまでも切手及び印紙の売りさばき業務が主体でございます。しかし寄付行為の四条にもありますように、そういうものを主体としながら、結局売りさばき人の方々が切手を売りさばきながら、なおかつその上に「郵政事業の普及宣伝に協力する」ということが第四条の二項にあるわけでございまして、たまたま先生がいま御指摘になった会合というのは、この四条の事業の二項のほうの「郵政事業の普及宣伝に協力する」という部分がクローズアップされたために、そういう御指摘になったものと思いますが、本来的にいえば、あくまでもこれは切手売りさばきが主体でございます。  しかし、その上に立って、いま御指摘になったように、郵便事業についていろいろな面から協力していただくということは私どもとしても好ましいと思っておりますし、そういう点は大いに感謝しているわけでございますが、その会合というのがどういう時点でどういうふうに行なわれたか、もう少し事実を解明しないとわかりませんが、たぶん私としましては、本来的な業務のほかにそういう会合をたまたま持った、それが郵政事業への協力のための会合であったと、こういうふうに理解しておるわけでございますが、なおその辺の事実を調べた上で、もし問題があれば善処したい、  かように思います。
  139. 森勝治

    ○森勝治君 皆さんが自主的に出たならいざ知らず、この会合に出なさいと郵便局長が手紙を出したのでしょう、公文書で。いいですか、大臣、聞いてくださいよ。民間団体が自主的にやるならいいですよ、協力でいかなることもやろうというなら別だが、この会合に出なさいと、本人が出られなかったならば代理人を出せとまで文書を出しているのは、何事だと申し上げているのです。しかもこれは郵便協力会というものがやるのならこれは守備範囲だろうけれども、いまの全国切手協会の中身を見たってあまりないでしょう、いま私が言ったような会議の主たる目的のようなものはないでしょう。郵便切手の販売に関する問題で郵政局に協力するというなら別ですが。  もう一つ言いましょう、いいですか、局長。この東京都郵便切手捌協会郵政省あるいは東京郵政局かもしれません、これは何か労務契約を結んでいるのですか、労務提供契約を。この点ちょっと聞いておきたいのです。郵政事業に協力するならいいけれども、労務提供契約を結んでいるのですか、この団体と。
  140. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ちょっと御質問の趣旨がわかりかねるわけでございますが、要するに郵政省——まあ郵便局でいろいろ非常勤等を集めるときのあっせんと申しますか、そういったことは、やはりその地元において店を開いておりますので、協力する意味においていろいろあっせんをするということは私ども過去においても行ないましたし、耳にもしておりますが、その労務供給契約というのはちょっと理解しがたいわけでございます。
  141. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、やっているかやっていないかと聞いているのです。理解するしないじゃないですよ。なきゃ、ないと言ってくださいよ。
  142. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 私は、現在、それを承知しておりません。
  143. 森勝治

    ○森勝治君 しかし、この団体はこういうことを言っているのですよ。この協力第三項の中で「出動者に対する処遇、身分保証等に関する事項は一般の臨時雇用者」と同じくすると書いてあるのですよ。しかも、これは当該郵便局長の要請によって出すと書いてあるのですよ。基本契約というのがなされなければ、一団体がこんなに——郵便局の中の身分保証は臨時者だというようなことはできないでしょう、これは堂々と書かれているのですよ。だから労務提供の契約をこの団体としているのか、していないのかと聞いているのですよ。だれが見たって、これは特殊な関係があるとしか思わざるを得ないじゃないですか。  何もない、任意団体任意団体だとおっしゃるけれども局長がこの会議に出ろと言ってみたり、こういう会議も開いているのですよ。たとえ臨時にせよ、切手捌協会なるものが、この臨時者はどういうものかは知らぬが、郵便配達か何かをさせるということでしょう。これは何か密約と言っちゃ失敬だが、暗黙のうちに、この種の団体とそういう黙契かあるいは話し合い——成文化されようといなとにかかわらず、その話し合いがなされなければ、これらの団体がこういうふうに文書化することはできないでしょう、どういうことなんですか、これは。
  144. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 御承知のように、郵便局において臨時の職員を採用することは非常にいま困難な状況にございます。したがいまして郵便局なり郵政局としては、いろいろつてをさがして、非常勤職員として郵便のほうに勤務していただく人を募集するわけでございます。その募集する手段として、まさに切手売りさばき人の方々は郵政事業に非常に深い関連を持っておられる方々でございます。その方々のつくった組合でございますので、その限りにおいて郵便局でほしい非常勤職員のあっせんに協力していただくということは、これは別に支障はないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
  145. 森勝治

    ○森勝治君 だいぶあなたはこの団体をかばった発言をいみじくも勇敢になされましたが、なぜ、じゃ、この名簿を郵便局長に差し出さなきゃならぬというのですか、どういうわけです、これは。その団体が持っていればいいじゃないですか、それなら。あなたのおっしゃることなら、なぜ郵便局に出すのですか。
  146. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 郵便局でほしい人の名前をこの組合がいろいろあっせんしていただいたということであれば、郵便局としては、どういう方が郵便局のほうにつとめる意思があるかということを承知して、その方々を非常勤として任用するということになろうかと思いますが、もしそうでない意味ですと、ちょっと私の答弁も間違ってまいりますが、あくまでほしいのは、郵便局が非常勤職員をほしいのでございますので、その限りにおいて組合のあっせんした名簿をいただいて、それに基づいて非常勤の任命行為をするということになるのじゃないかと思います。
  147. 森勝治

    ○森勝治君 しかも、それは組合員の家族ばかりでなく友人、知人でもよろしいというのですね。この名簿が郵便局に届くと、これが郵政局に送られるそうじゃないですか。郵政局へ送られると、本省かどっかへこの名簿がまた出されるといううわさですが、それをひとつ明らかにしてください、私の言うのがうそかどうか。
  148. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 郵便局から郵政局へいっているかどうかについては、現段階では私は承知しておりません。本省ではそういうものは全然集めておりません。
  149. 森勝治

    ○森勝治君 大臣、この辺が鈴木さんや横川さんがちらちら漏らされ、あるいは選挙の道具に使われるのじゃないかという懸念が生まれてきているのです。一党一派郵便事業というのは偏してはならぬわけです、国家事業ですから。ところが今度は任意団体任意団体だと称しながら、次から次にこういうことをおやりになっているこの姿がどうにもわれわれには解せないのですね。  一切このことはほかのには使いませんね。使った事実があったら、その局長は処罰しますね。大臣、これは大切なことですから、大臣お答えください。私は、きょうは抽象的な発言方法をもっていたしました。ですから、きょうのところはそういうことで言いますけれども、具体事例があったならば、処置してくれますね。
  150. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 事実関係をよく調査いたしまして、検討し、善処をいたしたいと存じます。
  151. 森勝治

    ○森勝治君 大臣、失敬ですが、何のだれ兵衛がどこで何してああしたということは言っていない、これは抽象的な表現ですけれども、かりそめにもそういうものを選挙等に——郵政局の諸君というか、いわば幹部の皆さんが職権で集めたものを、そう疑われるような選挙等には毛頭使用しないということを明確にここでお答えいただいて、かりそめにもそういうことがあった場合には具体的に指摘いたしますから、そうしたら処断をしてくれますねと、こう申し上げているのです。  いいですか、うわさが広がってしようがないでしょう、こんな友人、知人、だれでも集めてこいといったら、これはもう時節柄選挙活動、選挙のために利用されるとだれだって勘ぐるじゃないですか、こういうやり方をすれば。何もそこまで広範に集めなくたっていいでしょう。これは郵便局でかりにあっても、働く人はもう特定な年代ときまっているわけですから。  それらの諸君が頂点で顧問だ、これらの諸君が全国区だ、こういわれるから、次から次へと疑点がわいてくるのですよ。だから、なるべくそういう疑念を持たれないような会議の運営をしていただかなければ、われわれは売りさばき人の皆さんの御苦労も十分承知しておりますから、われわれも値上げに協力しましょうとこう言っているわけですから、そうすると片方では、あれはおれがやったのだ、おれがやったのだと宣伝されて、それをまた使われるのではないかと思われたのじゃ、どうにもわれわれは合点がいきません。ですから、この点やっぱり明確にしておかなければ、後々必ず問題になりますから、私は苦言を呈しておきますよ、この問題は。このままでいったら後々必ずこの問題が出てまいりますから、大臣、お答えをいただきたい。
  152. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 御指摘のような点があったとするならば、たいへん私は遺憾に思います。  今後、そのようなことがないように指導してまいりたいと思いますが、事実関係でございますから、よく調査をいたしまして、慎重に検討し、善処いたしたい、かように存ずる次第でございます。
  153. 森勝治

    ○森勝治君 局長、選挙等には絶対使わしてはいかぬですよ、いいですね、いまの名簿は。これはひとつ答えてください。
  154. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ただいま大臣から御答弁いただいたとおりでございます。
  155. 森勝治

    ○森勝治君 大臣はそのことには触れてないのですよ、実態に照らして処置すると言っているわけですから、選挙に使わせないということを約束してくださいよ、当然でしょう、こんなことは。疑問を解いてください、われわれの。
  156. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 当舞われわれの目的とするところ以外にその名簿が使われ、しかもその使われるものは公職選挙法に違反するような形でもって使われることは、もう絶対慎むべきであるというふうに思います。
  157. 森勝治

    ○森勝治君 公職選挙法に違反するしないじゃないですよ。こういうふうにつくった名簿を選挙に提出したりするようなことはやらないと言ってください。それ以前の道義的な問題なんですよ。  われわれは公平をもってこの審議をしているわけですから、まじめに売りさばき人の皆さん方の期待にこたえようとしているわけですから。ところが片一方では、それはおれたちがやったやったと言われたんじゃ、まじめに参画するのがばかばかしくなるわけです。そういうことばかりやっているなら値上げなんかやめちゃえ、売りさばき人の要請なんかにこたえるなと実は言いたいところだけれども、われわれは言わないんだ、その点は。だからこういうのはぜひまじめに運営をさしてもらわなくては困るんです、そういう疑問がありますから。  私は、幾多の疑問を投げながら、質問しました。あまり明確に言うのもどうかと思いますから、私はほとんど疑問点で終始してこの点についての質問をしたわけですけれども、そういうふしぎがらせるようなことはなるべく避けてほしいんです。それは現に構成メンバーの中からだっていろいろな意見が出ているんです。だからそれはどんなことをしたって必ず出てくるんですよ、形があれば表にあらわれてくるんですよ、おのずから。ですから、それはひとつまじめにやってもらいたいんです。われわれもまじめに審議しているんですから、これはまじめに処理をお願いしたいし、これをひとつお約束いただいたものと私は思います。  次の問題に移ります。  これらの団体任意団体だから特定な政党活動に移ってよろしいというふうに、何か鈴木さんの質問で答えられたような気がするんですが、そうだったでしょうか、大臣。
  158. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 任意団体でございますから、特定の政治活動と申しますか、政党活動をおやりになることは、それはいまの法令には違反をしない、かように私は考えております。
  159. 森勝治

    ○森勝治君 それでは、全国協会の場合はどうです。
  160. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 協会の場合は、財団法人でございますから、これは特定の政治目的のために動くということには私は問題がある、かように存じます。
  161. 森勝治

    ○森勝治君 そこで、私は特に一言づけ加えておきたいんですが、やはり何といっても郵政事業の関連団体というものは公平をもって旨としていかなければならぬです。だから、それは、任意団体であろうとも許可された団体であろうとも、ひとしくすべきだと私は思うのです。かりそめにもそういうことを云々されるようなことはできるだけ避けてもらわなきゃならぬし、個々人が何をやろうと思ってもそれは御自由でしょうけれども、特にいわゆる外郭団体、協力団体といっても、広義に解釈すれば外郭団体の範疇でしょうから、職権をもって特定な政治活動のそういうものにこれらの団体をなるべく使わぬでほしいんです。このことは任意団体はよかろうということで野放しにしておると、郵政事業に対する信頼の度が薄れてまいりますから、できるだけこれを考えてもらいたい。もし切手売りさばきの団体というものが特定なグループだということになるならば、これは別な眼をもって見なければならぬです、われわれは。国家事業ですから、その辺は皆さんも十分御承知ですから、私はこれ以上くどくどと申しませんが、できるだけ公平を旨とする明朗な運営をしてもらうようにしてもらいたいんです。  特に、この際ですから、発言をいたしますが、局長は、この団体、たとえば郵和会等は任意団体だから自主的だとおっしゃるが、いま言ったように、こういうブロック会議にも出なさいと局長から公文書が出る始末であります。何よりも戒心すべきは、第三者の団体なら第三者の自由な運営にゆだねるべきですよ。たとえば会員の会費等は中央郵便局で保管し、郵便局の職員が持ってしているのです。ですから六年前にああいう百万円事件というものが出てくるわけですから、これはやはりそういうことのないようにしていかなければならぬと私は思うのですが、この点、処置してくれますか、局長
  162. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) これは任意団体である売捌人組合郵便局との協力関係の限度問題であろうかと思います。売捌組合のほうでは個人の意見はいろいろ違いますが、全般的には非常に協力関係がスムーズにいっていると思います。たまたま東京都内等に一部の人がその関係がうまくいかないためにごたごたが起きているということも聞いております。しかし、その協力にはあくまでも限度がございます。その限度内においてやはり慎むべきものは慎むということで、いろいろ現金等の補助ですか、その補助にあたってはやはり外から見て誤解を受けないような処理をすべきだというふうに考えるわけでございます。
  163. 森勝治

    ○森勝治君 大臣、この際ですからお伺いしておきたいのですけれども、いま申し上げた切手売りさばき関係協会というもの、団体というものは圧力団体ではないはずでありますから、その辺はひとつ十分配慮をしてもらわなければ困るし、片一方で圧力団体的な扱い方をして、そのかわりということで、この団体の中の運営にまで郵政省風を吹かすことは慎んでもらいたい。任意団体なら任意団体に会計でも支出でもさせればいいのです。その団体の金を郵便局員が持っているなんということは、もう今後、当然、避けていかなければならないわけです、任意団体なら、そうでしょう。これはひとつ約束してください。その団体のいろいろな構成まできょう直ちにというわけにはいかぬだろうから、整理してください。それが公平の道につながるものだと思います。
  164. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほど申しましたように、その協力関係が非常にスムーズにいき、外から見て問題なく移行しているところと、そういったことが非常に問題になっているところとがあろうかと思います。したがいまして、どうしてもそういう局でもってしていることによって問題が生ずる可能性のあるところにつきましては、当然、何らかの形で整理しなければならないだろうと思っております。それから問題のないところでも誤解のないような、いわゆる時間外に局員が手伝うとか、そういったことはいろいろの協力団体関係につきましては郵便局で行なっておりますので、それらの全体との関連において誤解のないような処理をしたいというふうに考えておるわけでございます。
  165. 森勝治

    ○森勝治君 簡易保険の場合でも、任意団体はみんな郵便局の外に出てもらった、いままで郵便局の職員がやっていたのを出てもらったのです。不祥事を防ぎ簡易保険事業の信頼度を高めるためにもそうしてもらった。だから、この種のものもやはり局員が会計等に携わらない、こういうふうにしてくれませんか、問題のあるなしにかかわらず。  これは疑惑を解く意味においても、任意団体は当然——その会の金を郵便局が必ずしもやる必要はないでしょう、そんなこと常識ですよ、なぜ郵便局でその金を持たなければならぬのか。やはりその辺の出し入れは任意団体にまかせなさい。これは約束してくださいよ。
  166. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 任意団体といわゆる郵便局員との協力関係でございます。おのずから限度があるということは何回も申し上げましたが、絶対的にその関係を断ってしまうということにつきましては、ここですぐに御答弁しかねるわけでございます。  したがいまして、その会計の処理のしかた、現金の扱い方、いろいろのケース・バイ・ケースがあろうかと思います。それらをいろいろ検討いたしまして、先生指摘のとおり、第三者から見て誤解を招かない方法を研究したい、こういうふうに考えます。
  167. 森勝治

    ○森勝治君 だれも協力関係を断てなどとそんなことを言っちゃいませんよ。協力関係は持続されてもそれはよろしい、あたりまえだから、それはいいでしょう。ただ、任意団体の金を関係のない郵便局の局員が持っているということ自体が疑惑を招くおそれがあるから、おやめなさいと言っているんですよ。なぜこれができないんですか。なぜ任意団体の金を郵便局員がこうやって持ってなきゃならぬ理屈があるんですか。  たとえば任意団体の会計係だとか監査役だとかってありますね、そういう役目で持つならいざ知らず、関係のないのがなぜ持っているんですか。それぞれ関係の向きがあるでしょう、それらの方々がそれらの人たちの名前で郵便局なら郵便局に貯金すりゃいいんじゃないですか。なぜ郵便局の諸君が現金を持たなきゃならぬのか。だから、これをやめなさいと言っているんです、私は。なぜこれが約束できないんですか。
  168. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 理解が不十分であったことをおわび申し上げます。  要するに、局員が手助けをするその現金の扱い方という意味で私申し上げたのでございまして、会の金を個人の名義において持つということは当然やめなきゃいけませんが、その会の金を、局員の人が時間外にいろいろ出し入れを手伝うとか、そういった意味において現金を取り扱うといいますか、そういった意味の協力関係で少し私答弁いたしましたが、ただいま先生指摘のとおり、個人として会の金を持つということ、これは絶対やめさせなきゃならないというふうに思っております。
  169. 森勝治

    ○森勝治君 それで、郵政省は、いわゆる外郭団体、協力関係と称される団体郵便料を免除しているもの、あるいはまたあうんの呼吸で見のがしているのは、どのくらい団体があるんですか。  これは公開の席で聞くべきことではないかと思うのでありますけれども、赤字といわれる郵政省運営をやっぱり明確にしておく必要がありますから、放漫な行政はこの辺でやめてもらわなきゃならぬので、私の質問はそういう趣旨から申し上げておるんです。
  170. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 無料郵便を使わせていけないところに使わせているということであれば、これは絶対に避けなければならないと思います。
  171. 森勝治

    ○森勝治君 だって、いま言ったように、任意団体なら直接関係ないでしょう。たとえ私が逓信委員であっても、郵便はがきをただで出せないでしょう、それと同じでしょう。たとえばいかに友好関係団体でも、局側がかわって「通信事務」というので、なるほど「通信事務」ってたくさんあるからぽんといけば済むんだが——職員団体とはかつて暗黙のうちに労使できめてずっとやってきたことさえやめたんでしょう、そうでしょう、それなのに第三者のそういう便宜をはかる傾向があるけれども、これはやめなきゃなりませんね、実態が明らかになれば。だから、このことについては、もうすでに組合関係は明確に通知を出してこうやっていましたね、監察等を入れて。なぜ民間団体だけ——これはやっぱり協力団体ですから甘いのですか、それともわからないんですか。私はこれもまた抽象的な表現できょうは言います。
  172. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 事実関係をつまびらかにして善処したいと思いますが、一般論的に言えば、任意組合が出す郵便物は、当然、無料郵便物の対象にはなりません。ただ、いまから御説明することであれだと思いますが、郵政省の依頼に基づいて、依頼信という形でもって郵政省の行なう通信を個人の人が出すという場合はございます。がしかし、任意団体が全体として——全体としてというか、恒常的に自分の出す郵便、自分の組合内の目的を果たすために出す郵便、それを無料郵便にすることは、これはいけないことでございます。
  173. 森勝治

    ○森勝治君 そのお答えは、若干補足をしてもらわなければ誤解を生じます。郵政省が依頼したものであっても、その人が第三者に出すことは禁じられておるわけですから、郵政省が依頼をし、今度は郵政省にその依頼された人が答弁とか、協力の返答を加えるときにのみ無料郵便ということでしょう。ですから、その点はやっぱり明確にしてもらわなければね。
  174. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 依頼信というのは、そのとおりでございます。
  175. 森勝治

    ○森勝治君 それでは、そういう郵政省関係の、たとえば機関紙等の発行でも何でも「通信事務」ではもう一切出せないこともまた明確にしてくれませんか。
  176. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) いわゆる機関紙というものの中で、その団体が自分で出すものについては、当然これは任意団体でもありますし、それは無料郵便で出せません。  ただ、郵政省がその機関紙を非常に、何といいますか、有意義であるというふうに判断して、それを郵政省がどこどこに送ってほしいという形でもって送られる場合に「通信事務」で、名前は郵政省の名において、その機関紙を送るということはあろうかと思いますが、あくまでもその団体が自分の意思でもって、自分の目的のために郵便物を出す場合は、それは機関紙であっても他の郵便物であっても、無料郵便では出せないということでございます。
  177. 森勝治

    ○森勝治君 そのお答え間違いありませんか。——たとえば第三者の機関紙を推奨できるというので、郵政省がその団体に頼んで、無料で発送することができるとおっしゃっているんですが、それすらもできないでしょう、法の前には平等ですからね、できっこないじゃないですか、それはちょっと誤解じゃないですか、私はできないと思っている。
  178. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) その場合は、郵政省の名において、それを郵政省の必要とするところに送達を依頼してやる場合でございまして、あくまでも、頼まれても、その団体の名前ではもちろん出せません。
  179. 森勝治

    ○森勝治君 何であろうとも、第三者の団体機関紙郵政省の名において差し出すことはできませんよ、第三者が。それは郵政省みずからがやるんですよ。だめですよ、そんな変なちぐはぐな答弁しちゃ。郵政省みずからがやる以外できないじゃないですか、法律のどこにあるんだ、そんなこと。
  180. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) その機関紙郵政省が結局買い上げるといいますか、郵政省の所有物になったものを送るわけでございますが、その場合に、その所有物を一回物理的に郵政省へ全部集めないで、そこに置かせて、そこから発送を依頼するという形でもって、その団体郵政省の名において発送するという場合を申し上げたわけでございまして、形式的には、あくまでもこれは郵政省の名において郵政省のものを運ぶのでございまして、それを依頼を受けた団体が無料郵便という形でもって郵便物を差し出すということでございます。
  181. 森勝治

    ○森勝治君 しかし、それは逸脱じゃないですか。たとえば郵政省の発行物を何々会社という運送会社に委託して発送することはできるが、いいですか、これはりっぱなものである、横川さんの著書はりっぱなものであるといって「通信事務」をそんなにみだりに預けっぱなしで済みますか、そんなことはできませんよ、許しませんよ、そんなことは。ちょっと乱用過ぎますよ、そんなこと言ってるんじゃ、どこにそんなことがあるんですか。郵政省みずからが買って、みずからの手で発送するんですよ。買ったのはいいが、第三者に発送をまかして「通信事務」をくっつける、そんなべらぼうなことがどこにあるんだ、規則は厳たるものですよ、それはだめですよ、明確にしなきゃ、そんなことは。
  182. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほどの説明が不十分だったら訂正いたしますが、あくまでも形式的には郵政省のものであり、郵政省の名において発送するわけでございますが、某団体からそれを買い上げて、その発送の依頼をするという形でございまして、形式的には、あくまでも郵政省の責任において、郵政省のものを、郵政省の名において発送するわけでございます。ただ、その発送をする場所は、具体的な発送の委託を受けた団体郵政省の依頼に基づいて発送するという場合を、まあ非常にレアケースの場合ですが、申し上げたわけでございます。
  183. 森勝治

    ○森勝治君 それは逸脱行為ですから、やめてください、もしかあったら、そんなの。それは一片の広告をもって郵政省が監修をするんだという簡易保険関係の質問のときのお答えと同じ思想ですからね、そんななまやさしいものじゃないですから、やめてください。郵政省みずからがやってください。そうじゃなかったら、運送業者か何かにさせてください。こんな、あなた、おかしいじゃないか、「通信事務」という封筒は全部まかせっ切りなんという、そんなべらぼうな話はないですよ、許されませんよ。第三者が「通信事務」を、公的なものをかってにできない、あなた方がおやりになるんだ。それはときには人手を省くために、それに似たようなのがあるかしらぬが、それはあくまでも郵政省自体がやるんですから、それを公開の席上で第三者にそんなことをさせるなんて言って、とんでもない話だ。それはちゃんと場所柄をわきまえて発言してくださいよ。
  184. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 形式的には、あくまでも郵政省の名において郵政省のものを郵政省の責任において発送するわけでございます。その発送の手段が例外的な処理と申しましたが、あるところに発送の事務を委託するという場合を申し上げたわけでございます。
  185. 森勝治

    ○森勝治君 この提案説明によりますと、今度の改定というものは、労賃の増加傾向を考えて手数料を適正なものに改める——「その後における労賃の増加傾向を勘案いたしまして、適正なものに改めようとするものであります。」ということでありますが、しからば手数料の算出根拠というものがあるはずですから、それをひとつお聞かせいただきたい。
  186. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 一応私どもといたしましては、売りさばき金額段階別に内部的な試算として、こういう売りさばき段階においてはこういった経費がかかるであろうということで、一つの推算したものはございます。  それは各段階に共通する問題でございますが、ある程度常備額を売りさばき人が常備しなければならない、そのための資金をその分だけ寝かさなければならない、その金利相当分。それから施設費としまして、一定保管箱を持たなければならないように指示してございますので、その保管箱の償却費といいますか、一種の借料という形になろうかと思いますが、そういった要素。それから標識を掲げなければならないということになっております、その標識の償却費的なものの借料といったもの。それに売りさばき段階別で、ある程度予想されますその人の扱う労働時間といいますか、その時間に対する人件費的な意味の経費。それにある程度雑費的なあるいは雑役的なものを加算して、一応売りさばき段階別の経費を推算しているわけでございます。
  187. 森勝治

    ○森勝治君 売りさばき人のいわゆる売り上げ手数料の増加ということの要因としては、手数料の値上げのほかに、今日のように経済伸長に伴う売り上げ額の増加がありますね。したがって、前回の改正は四十六年でしたね、のときに比べて約二年間の隔たりがありますが、売りさばきの総額というのはどのくらい当時に比べて増加しておるのか、この点を切手印紙に分けてひとつ説明をしていただきたい。
  188. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 私の手元の資料は、四十五年度を一〇〇として、四十八年度の予算で見込んだ売りさばき額の比率でございますが、切手類につきましては、四十五年度を一〇〇にいたしますと、四十八年度で、これは郵便局、売りさばき所を一緒にしますと一五二・二%、売りさばき所だけですと一四五・六%の増ということになります。  それから収入印紙のほうでございますが、これは途中で例の自動車重量税印紙が出てまいりましたので、ちょっとこれを別に計算いたしますと、いわゆる重量税印紙を除いた収入印紙で申しますと、全体としては、四十五年度を一〇〇といたしますと、四十八年度は一七六・四%、そのうち売りさばき所だけの売りさばき増率を見ますと、一六四・七%というふうになっておるわけでございます。
  189. 森勝治

    ○森勝治君 いまのお話だと、上昇率からの御説明でありますが、四十五年度が四百五十三億円で、四十八年度が六百六十一億円、これが切手類の額ですね。印紙のほうは特段にふえまして、四十五年、印紙は千百六十億円、ところが四十八年度はもう三千百八十七億円ということになるわけですから、いま言われた自動車重量税が千二百七十六億円ということにしましても、相当な額が最近——これはトータルでの話でありますから個々人はまた別でありましょう、僻遠の地と大都会と違うでしょうが、全般的な姿から見れば、手数料の総額というのは相当上がっているものと、こう思うのでありますが、その辺の上がっている額——販売の手数料の率を上げなくても、総収入から見れば何とかまかなえるではないかという説もあるわけですが、この点とのかね合いはどう考えていますか。
  190. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 御指摘のとおり、売りさばき額が上がっておりますので、当然それにスライドして手数料が上がるということは考えられるわけでございます。ただ、御承知のように、たとえば私がいままで一万円を売っておった、それが五割ふえて一万五千円になったからといって手数料は五割ふえません。といいますのは、一万円につきましては一割で手数料はもらえますが、一万円をこえると手数料は現行でいうと百分の六という形に——一人の人が売りさばきがふえていきますと、ふえていくに従って率が下がっていくという形になるために、手数料としてはね返ってくる分はそれよりかなり下回っております。そのために大体私どもの試算では三〇%ぐらい手数料が上がったのではなかろうかというふうに考えております。  しかし、労賃のほうは、特に四十八年度のこれを入れますとちょっと多目になりますが、私ども、この提案をいたしました段階では、大体年平均一二%ぐらいずつふえているのではなかろうか、したがって三年間で四〇%近くになっているというふうに考えますと、やはり四〇%程度上がっているのに対して売りさばき増によるものは三〇%ちょっとくらいだろうということで、まだ少しやはり手数料を上げてやらなければならないのじゃないかというふうに感じたわけでございます。
  191. 森勝治

    ○森勝治君 前回の改正の際には、資料を見ますと、当時、売りさばき月額百五十万円をこえる売りさばき所というのは九百二十九カ所と、こういわれて、これが全売りさばき総額の二五%をさばいておった、こういう資料であります。ところが今回の資料では、百五十万以上の売りさばき所は二千二百四カ所に増加をし、これが全売りさばき総額の六〇%を消化している、こういうことですね。  これは何と申しましても、経済成長に伴う売りさばき量の増加、特に自動車重量税等の関係もあるでありましょうが、印紙の増加は高額の売りさばき所に多く——高額というのはむしろおそらく大都会に集中されるでありましょうが、高額の売りさばき所により多く——利益という表現はどうかと思うんですが、いわゆる利益をもたらした。ところが切手一枚、はがき一枚という、いわば僻遠の地、へんぴなところの売りさばき所でありますが、こういう零細な売りさばき所にはそうした影響がさっぱりあらわれていない、こう思うんです。したがって、先ほどの御説明では労賃増加の傾向を勘案して手数料を引き上げるということならば、いま私が申し上げた売り上げ額の少ないそういうところこそむしろ救済してしかるべきではないかと私は考えるんでありますが、今回のこの改正案だと、一万円以下のものは手数料率を据え置いた、こういうことでありますが、これはどういうことでしょうか。  先ほどの説明からいいまして、前の質問者の話から聞きましても、むしろ物価上昇という傾向にかんがみるということならば、いまも局長ははしなくももう少し上げてやらなければならぬとおっしゃっておられる、そのことはあるいはそういう僻遠の地も含んでおるのかもしれませんが、そういうところこそやっぱり考えてやるべきではないでしょうか。
  192. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) まさに御指摘のとおり、売りさばき額の少ないところの保障という問題が大きな問題でございます。  しかし、御承知のように、前回の四十六年の一月のときに、一万円以下のところは百分の九から百分の十ということで、これは労賃等の値上げもありますが、当時たばこの売りさばき手数料が一割であるということで、この切手売りさばき所あたりはたいてい多くの場合たばこ販売等と一緒にしておられますので、ぜひ一割という声が強かったようにお聞きしております。したがいまして一万円以下につきましては前回一割にしたということと、そのときにいろいろの面でめんどうを見たために、今回の労賃の値上げではまだ現在の一割でカバーできるんじゃないかというようなことで、今回は一応一万円以下をがまんしていただいたということで、結局、売りさばき人の皆さん方は、次の段階の現在の百分の六のところを少しでも一割に近づけてほしいという声が圧倒的でございましたので、百分の六と百分の五のところをそれぞれ一%上げるということで処置したわけでございます。
  193. 森勝治

    ○森勝治君 本法第七条の三項の売りさばき手数料の最低保障条項というのは、昭和四十一年に改正されたまま今日まで据え置かれておるわけです。ですから四十一年度以降から今日に至るまでの、先ほどの提案理由の説明の中にもあったように、経済情勢の急激な変化というものを考えていくならば、当然、この項は七年間も据え置いたわけですから、これをまっ先に取り上げて改正されてしかるべきものと、こう思うんでありますが、いま若干説明がありましたが、その説明ではちょっと私はもの足りないんです。いま言ったような賃金の上昇だとか物価の上昇を勘案しということならば、今度もまたこれを見送ったのはなぜなのか、この辺がさっぱり合点がいかないんですね。このことについてひとつお答えをいただきたい。
  194. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) この最低保障のほうでございますが、実は、これは今回の手数料を検討する段階では最後まで私どもの頭の中にあった問題でございます。  ただ、最低保障といいますのは、売れなくとも、みなし額でございまして、実際に買い受けている月額の平均を見ますと二千五百円くらいでございまして、これについて現在五千円とみなして五百円を支払っているということで、実際の手数料率は百分の二十ぐらいになっているということもあります。それと、先ほど言いました今回は一応一万円以下をいじらない、この二つの理由で、最低保障につきましては、実は、われわれとして何かこの五千円のものについて少し譲ったらどうかということが最後まで検討の課題としては残ったわけでございますが、今回は、百分の六と百分の五のところを上げて、一万円以下はいじらない。それから最低保障のほうも、ちょっと現在の段階では実質手数料率が百分の二十にもなるんで、今回は据え置いて、次回にこそまさに真剣に考えるべきものというふうに判断したわけでございます。
  195. 森勝治

    ○森勝治君 たとえば最低保障額五百円を七百円とし、また千円とした場合、一年間に支出増加になる額は総額でどのくらいになりますか。
  196. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 現在の最低保障五千円が手数料で五百円、これを七千円にして手数料を七百円にいたしますと、年間約六千百八十三万円を必要としますし、これを一万円にまで上げて手数料を前田にいたしますと、年間一億六千四百八十九万円という額になるわけでございます。
  197. 森勝治

    ○森勝治君 この零細——零細という表現もどうかと思うんですが、零細な売りさばき所においては、法第五条を見ますと「一般の需要をみたすに足る数量の郵便切手類及び印紙を常備」するということを義務化しているわけですね。また売さばき所規則の第七条は、原則的に「午前八時から午後六時」というふうに店を開いておきなさい、こう義務を課しておるわけです。たとえ少額の、いま零細という表現を用いましたが、零細の売りさばき所であっても、この法第四条に定められたところの「国の行う郵便に関する業務の一部を行う者として、」これらの義務を忠実に守っていることを考えるならば、手数料の最低保障額五百円というのは、ちょっとこれは時代に即応しない。  局長はいまこの次には考えると言っているんですが、この次と化けものは出たことがないというんでありまして、この辺は、当然、この際勇断をもって——勇断というよりも、むしろこれはこれだけなおざりにしてほっとくわけですから、四十一年度から一この次、改正を何年にするか知らぬが、この項だけ、零細な売りさばきだけ、あと三年後に改正しても約十年間——来年のことを言っただけでも鬼が笑うのに、十年先なら地球が一変してしまうかもしらぬ。このままでいけば、これはずっと長く——残念ながら、まあ省側から見れば、売り上げの成績のあがらぬ個所ということにらく印を押すんだろうけれども、これらの売りさばき所の諸君は浮かばれないんではなかろうか——浮かばれないという表現もどうかと思うが、やはり切れないんではないかと思うんです。なぜここだけ放置しておくのか、どうにも合点がいかないので、この点重ねてお伺いしたい。
  198. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほどの答弁の中で、最低保障のところを一万円にして手数料千円と言うべきところを、百円とあるいは答弁したかもしれませんが、間違っていたら訂正させていただきます。  先ほども申し上げましたように、最低保障のところをどうするかということは、私ども、今回の検討にあたっては最後まで内部で議論したわけでございます。しかし、大方の要望が早く一割に近づけてほしい、一万円以下はすでに一割になったので、その上のほうを少しでも一割に近づけるほうに重点を置いてほしいという要望もありますので、今回は、先ほど申し上げましたように、一万円以上五万円、五万円から十万円までの問を一%ずつ上げることによって全体を潤したということでございます。  私どものほうから言いますと、ちょっとみみっちい話でありますが、はがき一枚売るのに、これが一万円ですと一割、結局九円で私どもの従業員の給与から何からを出さなきゃいかぬという意味において、一枚一枚から見ますと小さな額ですが、手数量率一割をこえてまいりますと、この種手数料の一般的な趨勢から見て、かなり高額になるという感じを強く持ったわけであります。したがいまして、その一万円の中のさらに最低保障、売れても売れなくても五千円までは売れたとみなすという項目につきましては、情としては非常にわかるわけでございますが、私ども、財政事情その他をいろいろ考えまして、今回はがまんしていただいたということでございます。  しかし、最低保障という問題は、常にこういう手数料のときに大きな問題でございますので、次回、手数料をいじるときには、ぜひ考慮しなきゃならないというふうに考えておるわけでございます。
  199. 森勝治

    ○森勝治君 大臣にお伺いしたいんです。  いまの質疑応答の中でおわかりのように、零細売りさばき所は、いま申し上げたように、四十一年以来、四十六年も見送り、今回も見送りということになりますから、これはもう取り残されているわけですね。次回にはこれを考えるというんでありますが、田中総理のおっしゃることだと、物価値上げには反対だというから、これは手数料その他で郵政省が損をしてやるというなら別だが、ここ当分、こういう改定その他は見送られがちだろうと思うんであります。そうかといって、いまの質疑応答でもわかりましたように、一万円以下の手数料率は据え置き、しかも最低保障額も据え置きということになれば、全売りさばき所の三分の一にわたるんですから、これら少額の売りさばき所は、今回の料率改定の問題では、承知して手を染めないということであるならば、片手落ちだ。むしろ国家事業という観点からいたしますならば、こういうところにもう少し配慮があってしかるべきだと思うわけです。  今回のこのやり方は、利潤追求という面のいわゆる経営実態論からのみ料率改定が論議された模様で、いろいろ苦労したとおっしゃるから、あるいはその点もどうするかおやりになったが、最終的には、いま私が指摘したようなことで落ちついてしまって、一万円以下は顧みられないわけです。  昔は、郵便切手売りさばき所という名を冠したのをわが家にかけておけば、村人の信頼の度、いわゆる世間の信用の度が厚いというので一種の誇りを持ったわけでありますけれども、最近は、ダイレクトメールのはんらんによって郵便に対する国民期待感というか尊敬というか、そういう面が時代の流れとともに非常に希薄になってきたんですよ。したがって郵便切手類印紙売りさばき所という金看板的なものが社会通念上もうあまり威力を発揮しない事柄になったものですから、これらの諸君をあまり低額に放置しておくと、おれはもういやだという声が出やせぬかと思うのでありまして、この辺をどう配慮するかということが一点。  それから物価上昇や労銀の上昇の影響を最も受けながら、むしろこういう少額販売所のところは採算を度外視して切手一枚、はがき一枚を私は売っているんじゃないかと思うのです。しかもこれらの諸君はそういうことでまじめに朝六時から夜八時まで雪の日も雨の日も店を開いておるわけです。もちろんこれが専業でありませんから、ある面では片手間ということになるかと思うのでありますが、そういう陰に隠れた方々には、もう少し報ゆるすべがあっても私はよいと思うのです。  いまお聞きしたら、たとえば五百円を七百円、一千円に上げたとしても、一千円に上げるために一億幾らですね、そう額そのものは巨額ではないわけですから、この点を特に近々配慮あってしかるべきと思うのでありますが、まあ担当局長はこの次と言います、この次がいつになるのやら、そう年中年中やるわけにはまいりませんから、この辺は大臣の勇断をもって措置されてしかるべきだと思うのでありますが、この点でひとつお考えを聞かせてもらいたい。
  200. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) ただいま御意見の点は十分理解のできるところでございます。最低保障額の引き上げ並びに一万円以下の手数料の引き上げ等につきましては、当然、これらの売りさばき所の皆さんにたいへん御苦労をいただいておるのでございますから、その労に報いるよう措置するということは、私は考えていいことではないか、かように存じます。  特に物価上昇、労賃上昇など、経済事情等も変化をいたしておるのでございますから、このような情勢を十分参考といたしまして、できるだけ早い機会に検討さしていただきたい、かように存じます。
  201. 森勝治

    ○森勝治君 それでは次の問題に移ります。  私は、かつて当委員会において、かつての小林郵政大臣、さらには井出郵政大臣のお二方に前後二回にわたって、せめて切手保管箱ぐらいは郵政省の手で調達して、郵政事業に協力している方方にこたえなさい。いわば山間僻地の場合には、野ら仕事の片手間にやって、あるいはまたわら屋根の下に売りさばき所もあるし、そうなれば炊事等の煙が切手印紙等にしみ込まないとも限らないから、印紙そのものの鮮明さや鮮度を欠くおそれがあるから、当然これは郵政省でつくっておいてやるべきではないか、それで渡すべきではないか、こういう提案をしたのでありまして、小林さんはなかなか渋っておられましたが、私の井出郵政大臣に対する質問のとき、これはなかなか時間をかけて押し問答をしたのでありますが、その結果、私の提案にこたえるということで、研究しましょうという御答弁をなされた。  だから私は期待を持ってみたのですが、このことで、失敬でありますが、担当の皆さんは会議を一ぺんも持ったことがない。あるいはこれは現場調達もあり得るので、出先の郵政局で会議を持ったか研究したかというと、これも全然ない。少なくとも私の調査した結果では、公的の記録の中では、この国会において論議をされ、大臣がその期待にこたえると言っておりながらも、公的な役所の議題にのぼらなかったということはどういうことなのか。  この前も言ったのでありますが、いつも聞きっぱなし、われわれも言いっぱなしになるそしりを受けざるを得ないのでありますが、どうも再度にわたる提案で確約を得たことが研究も何もしない、こんなばかなことはないと思うんです。研究してみた結果だめだとかいうことなら、私も前言をひるがえすにやぶさかでありませんけれども期待にこたえると言っていながら少しもこたえてない。全くこれはうつろな答弁と言わざるを得ない。  しかし、残念ながら前大臣はもうおやめになってしまった。前のことを言っていま持ち出すのは、久野大臣にとっては迷惑しごくかもしらぬけれども、しかしあなたが大臣であることは厳たる事実でありますから、輝ける郵政大臣ポストにつかれたあなたが前大臣の約束したことをどう果たされようとするのか、このことをひとつ大臣からお答えをいただきたい。
  202. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 前大臣が研究すると御答弁なさったことは、これは自然私自身も引き継ぐべきことであると存じます。  公的な立場にあります大臣の御答弁でございますから、引き続き私といたしましても研究並びに検討をさしていただくということでございますが、しかし、この貸与につきましてはいろいろ事務的にも検討すべき点が多々あろうかと存じますので、まず事務当局に命じまして、できるだけすみやかに何らかの措置ができ得るよう検討を進めさしてみたい、かように存じます。
  203. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) これは私の全く至らぬところでございまして、井出大臣が国会で答弁されましたことは、当然、当時の郵務局長から私が引き継ぎまして、私として十分その責めを果たすべきであったのでございますが、ただいま御指摘のとおり、先生の御指摘につきまして十分なる処置をしていなかったということは私の責任でございますので、ここでおわびいたします。  ただ、一言弁解をさしていただきますと、四十五年当時一応こういう質疑応答がございまして、これは課長限りの段階でございますが、各郵政局に対してどういった保管箱がいいかということは問い合わせているようでございます。しかしその問い合わせました文書を見ますと、市販品で売っているいわゆる保管箱と大体同等のものであろうかということ等があって、実は、残念なことにそこでとまって、とまったままその文書が活用されていなかったということでございまして、この点につきましては、せっかく郵政局から意見をとっておきながら、それをさらに推し進めなかったという点はまことに申しわけないわけでございますが、そういった一応調査をしたということ、そしてその段階においては各売りさばき所が持っている保管箱は大体市販の保管箱であって、大体問題はないだろうという結論が出たようでございます。しかし、これは正式に文書になっておりませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、そういうふうに聞いております。  それから、これは全くおくればせながらではございますが、私になりまして、三月ですか、売りさばき所を十一郵政局で十カ所ずついろいろ調査させましたところ、大体、私どもが持っていてほしいと思う保管箱を持っているようでございます。なお、これはどうかなと思う点につきましては指導をして、もう少ししっかりした保管箱を持つようにということを指導いたしましたし、それから先ほどちょっと問題になりました「切手売捌ニュース」にも、これは三月の段階ですが、そういうことを十分売りさばき人の方に指導してほしいということで、かなりのページ数をさいて切手保管箱の設備について指導をしてもらっております。  しかし、こういったことではまだ、先生の御指摘のとおり、十分なる検討ということは申せませんので、これは単なる言いわけになろうかと思いますが、今後は、ただいま大臣の御答弁のもとにいろいろ検討を進めてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
  204. 森勝治

    ○森勝治君 いまの局長の補足説明は、私の約束をほごにしましたということを立証されたのですよ。民間で備えているからいい、それを推奨したというが、その前に郵政省がとり行なうべき事柄があったわけだ。ただ、あなたは怠慢ですまぬなんという意思表示をするから、私はこれ以上は言わぬつもりだが、どうかひとつ、大臣、約束は守ってください。  労使の問題の紛争の発端というのは、約束を守らないところからあれだけの大きな問題に派生をしたんです。時代の進展とともに、かつてティーのマークがあぐらをかいていても尊敬を払われたという時代はもう過去の遺物になったんです。いまはみずから努力して、みずから国民期待にこたえるように門を開かなければ置いていかれてしまうでしょう、時代に。ましてや私が私は私なりに意見を出したものを、もっともだと称し、検討すると約束をしながら、あとは知らぬ顔の半兵衛で、今度は民間が売りに出した、つい最近だ、民間が売りに出したのは。昔なんか私の発言がない限りは、そんな専用の郵便切手類保管箱なんてあまりなかったんだ。切手類の保管箱、販売箱なんてありゃしなかった。ああいう問題から話が出て、民間がおそらくつくり出して売り出したのでしょう。そうしたら、努力もしないで、ああこれがいいやと飛びついて、それをあたかも貴省が推奨しているがごときは、一体どういうことかというのですよ。あなたの発言はもっともで、こういう検討をしたら、ちょうど民間からこういうものが出たから、これがいいと思うが、これでどうだろうとか、これにきめましたということならいざ知らずだ、一事が万事そうですよ。  時間がないから、私はほかのことはことあげいたしませんが、労働問題についても、その他局舎改善等の問題についても、この委員会約束したことがどのくらい破られたですか。私はこの前腹を立てて、こういうことについても数字をあげて当局の反省を求めたでしょう、今度もそうですよ。われわれももちろん言いっぱなしというそしりがあるかもしらぬが、少なくとも公的な場で約束されたことは努力をしてくれなければ使命を全うすることはできないでしょう、私はそう思うのですね。  大臣、重ねてこの点、森個人があなたと話したことが踏みにじられたということならば、まあそれはときには見解の相違でたもとを分かつこともあるでしょうけれども、公式なこの委員会で、公式な記録に載っかっておって、しかも二代の大臣にわたってした話し合いを記録した事実があるのにもかかわらず、一顧だに値しないというこの郵政省あり方というものは、反省されてしかるべきだと思うのです。約束したことを守らないというのは、私をもって終わりにしていただきたい。
  205. 久野忠治

    ○国務大臣(久野忠治君) 切手保管箱郵政省で調達をして、これを貸与してはどうかということは、前井出郵政大臣のときにいろいろお話し合いがなされたということは私もよく承知をいたしておる次第でございます。  ただいま、再度、森委員からこの点について御指摘があったわけでございます。この点につきましては、先ほども申し上げましたように、十分前向きに検討さしていただきたい、かように存ずる次第でございます。
  206. 森勝治

    ○森勝治君 ほかの問題で質問をいたしますが、これもまた小林大臣、さらにまた井出大臣のときに、対大蔵省関係の問題について、私が提起をしたものがあります。  それは売りさばき人に支払う手数料の値上げをはかるならば、大蔵省から郵政省が受け入れる印紙取り扱い手数料の三%というのも、当然、率が改定されてしかるべきだという質問を行なったんであります。これをまた努力するという約束をしておりながら、大蔵省に一蹴されたのかもしらぬけれども、あまり深追いもしないのでしょう。あまつさえ先般の鈴木さんの質問の際には三%だって十分だという答えを担当局長はされたようだが、そうすればまたこの問題についても郵政省の熱意が欠けているわけですよ。赤字だ赤字だと郵政省が言うならば、やっぱり今日のように労賃だって上昇するんですから、郵政省に入る手数料の料率だって大蔵省と交渉をして、大蔵省は総額発行がふえるんですからある面ではいいかしらぬが、郵政省は出先ですから当然手数料もかかるんでしょう。経理局長にも、この前、その点を申し上げた。なぜこういうのを強力に働きかけないんですか。  郵便料の値上げ値上げと安易な方法をとったってわれわれは簡単に賛成しませんぞ。皆さんが主張すべきことを主張して、さっきのようなむだづかいをできるだけ省くような方法をして、最善の努力をしてどうしてもやっていけないというならまた別ですけれども、当然これは主張して可なりでしょう。三%をもっと上回ったっていいはずなんですよ。なぜこういうのを努力をして大蔵省とかけ合わないんですか。しかも前の経理局長は、これはもっともですからやりますと言っておりながら、今度はあなたが局長になったら、それで満足していますというのは一体どういうことですか、郵政省は首尾一貫をしないじゃないですか。寝て暮らして郵政省は黒字財政になりますか。何も私は無鉄砲に三%を上のせしろというんじゃないんです。努力の結晶でしょう。物価も上昇——当然これは分け前にあずかるべきでしょう。なぜこういう主張をしないのですか。NHKや民放については強権をもって臨んでおりながら、なぜ大蔵省に強く談判できないんですか、堂々たる論陣が張れるじゃないですか。
  207. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 手数料が料率できまっておりますので、先ほども答弁いたしましたように、収入印紙の売りさばき実績というものは非常に伸びております。これは収入印紙の枚数がふえたというよりは一枚当たりの金額が伸びていくという形でもって売りさばき額が伸びているわけでございまして、収入印紙全体ですと、四十五年度から、先ほど言いましたように、七六%も伸びている、しかもそのほうは三%をフルにいただきますので、その収入も七六%三年間でふえている、こういうことになるわけでございます。  したがいまして、私ども前回の時分にこれほど収入印紙の売りさばき額が伸びるということを予期しておりませんでした。そのために、私も経理局長時分にこの三%はいずれ上げてもらわなきゃならないということは大蔵といろいろやっておったわけでございます。しかし今回の趨勢を見ますと、非常に売りさばき額がふえたことと、それがら御承知のように自動車重量税印紙というものが四十六年の途中から行なわれまして、これは一枚当たりの印紙額は非常に高額でございます。これも収入印紙ということで、これはいろいろ大蔵との間でもっと安くしろという話がありましたが、収入印紙は収入印紙だと、前の収入印紙も三%なんだからこれも三%と、込みにして全体の三%ということで、ざっくばらんに申しますと、この重量税印紙の三%は、私のほうから見れば非常にいい財源になっておるわけでございます。しかも高額でございますし、売りさばき人にお渡しするほうの売りさばき手数料は、高額になりますと百分の〇・五とかいう形で、非常に売りさばき手数料のほうの支出は下がりますが、いただくほうは全部額に比例して三%というような事情がございまして、ここ一、二年はこの三%については大蔵と特にやり合わなくとも、またあまりこの問題を問題にするほうが郵政省としては好ましくないんじゃないかという感じもいたしまして、そのままになっているわけでございます。  しかし、ベースアップ、しかもこの売りさばき額がいつまで伸びますか、これはいろいろ物価情勢、日本の経済活動等によって収入印紙の売りさばきが変わってまいります。このように伸びないとすると、まさに手数のほうのベースは上がっていき、収入のほうは落ちてまいりますので、当然、先生の御指摘のとおり、この三%の値上げ交渉というものは熾烈になろうかと思いますが、たまたま現段階におきましては、もとの額がふえたということのために、この手数料率を大蔵と強くかけ合わなかった、こういうことでございます。
  208. 森勝治

    ○森勝治君 ちょっと皆さんは次元を異にした発言をされているような気がするんです。  いまのあなたの説をもってするならば、切手売りさばきの皆さんに料率を上げなくたっていいんですよ。あなたのあれから聞いても一七六%と収入印紙が売り上げ激増しているんですから、売り上げによってどんどん売りさばき人が収入がふえるんですから、あなたのその説ならばいいんですよ。ところがそういう説は通らぬでしょう、いまでは。だから料率も上げているわけでしょう。対大蔵省の関係も三%手つかずにもらえるからというのは、それは原価計算をしていないから、そんなことを言っているんですよ。窓口で売る職員の手間から運賃から会議からすべてやったことないじゃない、そのことについては。それは大蔵省とどんぶり勘定で二%だ、三%だって、ただそういう論議だけを重ねているからそうなるんじゃないですか。当然企業採算という線を探求していけば原価計算ということが表面に出てこざるを得ないでしょう。ふえたからいいやじゃやっぱり済まないじゃないですか。私は郵政事業はこういう面からも守っていかなければならぬと思うのですよ。  収入がふえたからいいといって安穏として日を暮らすのはいけない、じっとしていちゃだめですよと申し上げた。やっぱり企業努力をしなきゃいかぬですよ、企業努力なくしてどうして赤字解消ができるんですか、私はそう思うな。  したがって、従来は主張する主張するというやつが、少しぐらい収入の売り上げがあったから、よかったから、それはやめたなんていうことは、ちょっとこれは君子豹変するもはなはだしいと思っているんだ。物価はもう天井知らずに上がっていっているんですからね。大蔵省折衝をあまりやれば、よその予算をぶった切られるという意味を言っているんでしょう、あなたは言外に。それとこれとは別でしょう。なぜ郵政省のお役人というのは大蔵省に頭が上がらないんです、すべての部門が。いつも私はそう言っているでしょう、くやしければ行ってやってみなさい、この前も言ったんだ、この問題で。予算折衝のとき、何年か前に私は苦言を呈したでしょう、なぜ渡り合わないんだと。ふえたからいいじゃないでしょう、こういうところで郵政省みずからが収入増をはかっていかなければ、採算というのはどうなるんです。値上げばかりではだめですよ、そう簡単に。そういう企業努力をされて、どうしてもだめだっていうなら、これは再考し、検討し、それが正しいことになるだろうけれども、何もしないで、ただどんぶり勘定で、やってみたら赤字になったから値上げを認めてくれじゃやっぱりだめですよ。  これはあなた方努力すると約束しているんだ、このことも。大蔵省とかけ合いやりますよと。かつて数年前の予算折衝のときにも、私はこの点を大蔵省でがんばれと叱吃激励したはずなんですから、かけ合ったはずだ、当時の担当局長は。今度はやめたということであってはならぬと思うのですよ。どうなっているんですか、一体。ちょっとでもよけいに入ればいいんですか。
  209. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほどの答弁が不十分だったら補足いたしますが、要するに大蔵省からいただくのも当然われわれのコストとの関連になるわけでございます。そして何年か前に一応コスト計算をしたときにも、大体ペイしているということですが、なお今後ベースアップ等もあるから、三%ではやっていけないだろうという判断に基づいて、いろいろその間に議論され、そしてまた私どももそれを引き継ごうとしたわけでございます。  ところが、先ほど申し上げましたように、収入印紙郵政省における売りさばき額は七六%も四十五年度に対してふえているということになりますと、この三%という料率は一定であっても、収入額が七六%ふえたわけでございます。一方、支出のほうは、毎年のベースアップ大体十数%、今回は少し多うございますが、ベースアップ等のコストの上昇率から見て、この七六%の収入の上昇率ならば、過去においてペイしていたものならば、ペイ可能であるという判断に立ったわけでございます。  で、片方、それならば切手売りさばき所あるいは印紙売りさばき所のほうの手数料を上げなくてもいいといういま御指摘がございましたが、このほうは先ほど御説明いたしましたように、売りさばき額が五割ふえたとしても、手数料がふえていくのは三割程度になってしまう。ということは、段階別に料率がございますので、いま私が一万円売っているとすれば、一万円の一割でもって千円の手数料が入りますが、一万五千円を私が売るとしても、手数料は千五百円にはならないわけでございます。そういった意味において、その不足分をカバーするために、今回の提案による料率のアップをお願いしたわけでございます。  それから原価計算のほうも、これは実は私経理局のほうからもらったものの中に一応の原価計算   これはラフな原価計算でございますが、しているようでございまして、このほうでも利益が出ているということでございます。この利益が出ているということは、先ほど申しましたように、あの当時はこういう利益は出ないだろうということで、先生からも非常に叱咤勉励され、われわれも、こういう利益が出なくなると赤字になってたいへんだということで、大いに大蔵省と今後かけ合って、とにかく赤字にならないようにがんばるということを申し上げたと思うのでございますが、少し情勢が変わりまして、赤字にならないという趨勢がここ続いておりますので、今回はこの料率の値上げを待ったということでございまして、今後、この売りさばき額がこう順調に伸びずに、しかも原価のほうが仲裁裁定、ベースアップ等によりましてふえれば、当然、これは大蔵省に対して三%の値上げをしなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
  210. 森勝治

    ○森勝治君 最後に、簡単なのを一、二だけ質問して終わります。  切手のコレクション関係の業界の混乱をしている原因は何ですか。業界が論争していますね、記念切手をめぐって。
  211. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 最近、いろいろ郵趣界の団体間でかなりの論争が行なわれております。そのおもなる現象は例の沖繩切手という切手でございまして、これは日本に復帰する以前に琉球政府で発行された切手、いわゆる何セントという表示の切手、これが発行枚数が少なかったために、一時、あの復帰当時にかなり切手業界の者が沖繩に飛びまして、それを買い占める等のことが行なわれたわけでございます。  それが尾を引きまして、最近、その沖繩切手の販売をめぐって、某業者が某デパートと組んでかなり高額と思われる、あるいは販売方式について疑問のある販売方法をとったということで、これは一般の新聞からもある意味ではたたかれるといいますか、警告され、また郵趣団体の中ではやはり本来の郵趣のあり方から見て問題であるということで、違った人たちからそういうことをやった切手業者に対する論争が強く行なわれ、一方、切手の値段というものは少なくなれば上がるのが当然であるとか、あるいは将来の沖繩博覧会が行なわれればまたその切手は値上がりするのだから決して自分たちのやっている商売はおかしくない、これは結局皆さんに利益を与えるために売っているのだなどというような論争が行なわれたわけでございまして、主として沖繩切手の販売をめぐって、郵趣団体間に論争があったわけでございます。
  212. 森勝治

    ○森勝治君 この前法律化した切手類模造等取締法ですね、その後の成果はどうですか。
  213. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) これはまことにお礼を申し上げなければならないと思いますが、おかげさまで、あの一派がつくっておった模造は完全に市場から姿を消しました。そして非常にひんぱんに模造切手の許可願いが出ておりまして、これらを見てまいりますと、正常なカタログとか、そういった形で行なわれておりまして、いわゆる市場を乱すような意味の模造切手は市場から姿を消したということで、非常にこれは私ども好ましい傾向というふうに感じているわけでございます。
  214. 森勝治

    ○森勝治君 これは私だけの目の見方があるいは偏見かもしれませんが、最近の記念切手——古噴塚のは格段のできばえですが、その他の二色刷り等は必ずしも鮮明でないような気がするのですがね。あれは初めからそういうのですか、印刷技術の関係ですか、インクの関係ですか。
  215. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 記念切手につきましては、最近は、四色でグラビア、それから特にこれはと思うものについては凹版とグラビアのかけ合わせでやっております。  先生の御指摘は、あるいは普通切手のほうに確かにちょっとこれはと思うのがありまして、いまいろいろ検討を重ねて、その図案の改正を考えているのがあります。  それともう一つは、普通の切手のほうですと、機械処理をするために、機械のほうで色検知をしなければならないために、ちょっと郵趣家の方から見ると、好ましくないといわれている色をつけたりしたことがございます。これらにつきましては、機械処理のほうとそれから切手の図案というものをマッチさせるために、いろいろ検討しているわけでございますが、あるいは先生の御指摘は、そういった面からくる意味において、まああまりできのよくない切手ということかと思いますが、その点につきましては、ただいま申しましたように、機械処理ということを考えながら、もう少し研究させていただきたいと思うわけでございます。
  216. 森勝治

    ○森勝治君 それから、記念切手について一点だけ聞きたいのでありますが、世評ですと、記念切手は大型のほうが足も速いし好評の模様ですね、そうですね。ところが依然として——小型と言うのは、ちょっと表現が具体的なものがなくてそう言うのはどうかと思うが、記念切手の中でも小型のを出していますね、最近の七月幾日かに出したのなんか小型で二色、三色でしょう。あの辺は、いわゆる世間の要望——大型、小型からいえば、やっぱり小型のほうがよいという、まあ淡い期待感でしょうな、これは人の感じで言うのですが、全般的には、さっきの値段じゃないけれども、大型のほうのが値が走っているわね。せっかく記念切手を発行するならば、期待感をもって、拍手をもって迎えられたほうが——ちょうど古噴塚で、あれはどなたの図案か知らぬが、おそらく図案をされた人は面目を施したろうと思うのだ、あれだけ評判がいいのですから。だから、どうせおやりになるならば、そういう皆さんから歓迎されるようなものをおやりになったほうがいいのじゃないですか、どうせおやりになるなら。ただ投機の対象にすることは私は賛成しませんけれども、やっぱり期待にこたえるような方法をもってすべきではないでしょうか。
  217. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) この間出しましたのは、たしか郵便番号の普及の特殊切手といいますか、私どもあれは特殊切手といわずに普通切手の特別版といいますか、ということにして、これは機械処理その他を考えまして、普通切手と同等に扱うという意味で、小型にしたわけでございます。  で、特殊切手につきましては、あまり大きいのですとよその国でも評判悪く、これは封筒に張るよりも大きいというようなのを出されて、いささかその商魂のたくましさを非難されたこともございますので、おのずから限度があろうと思いますが、できる限り特殊切手につきましては、いま先生の言われている中での大型に近いものにしていきたいというふうに考えているわけでございますが、特殊切手の中でも、図案その他によっては、小さいもので済めば、これは私ども機械処理のほうからいっても便利でございますので、たまにはそういたしますが、特殊切手につきましては、やはり好まれるほうの型にしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  218. 森勝治

    ○森勝治君 これで終わりますが、一つだけ愚問をいたします。  切手売りさばき所という看板がなくても、たとえば横川売りさばき所から私が——僻遠の地ですから五キロも六キロも離れているところが間々山の中にあります、それで便宜措置として私が横川さんに頼まれるか私が依頼するかいずれかして私のうちへ持ってさておいて、それを村人に分ける、これはだれがやったってかまわないわけですけれども、しかし、そういういま言ったようなことで便宜措置ということが法的に認められるかどうかということです。
  219. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 郵便法でいいますと、当然、郵便を業としてはならないということが強いわけですが、ただいまの売りさばき所ですと、その辺がまさに一般の社会で是認される態様であればいいんじゃないかと思いますが、明らかにそこに売りさばき所が二つできるような体制で出てまいりますと私どもも困りますが、たまたま何らかの事情で、一時例外的にこの売りさばき所の売りさばきを他の人がやるということは、一般社会通念上から見て許されるものは認めていいんじゃないか、かように考えておるわけです。
  220. 森勝治

    ○森勝治君 そういたしますと、私はいわゆる免許の販売所でないんですよね、免許販売所は横川さんですから、名義人は。そこで今度は、十キロもあるんですから、私は往復の交通費がかかりますから、十円の切手を五十円で売ってもよいですね。私は締めくくりにこれを質問しようと思ってとっておいたんですが、あなたの先ほどの説明だと、そういうことになりますよ。
  221. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 売りさばき所として売りさばく場合は、これは法律でもって十円の切手は十円で売りさばかなければならないということでして、したがいまして、ただいまの御設問は、売りさばき所の態様の中で売りさばくということでございますと、これは当然売さばき所法の中の売りさばき人の義務ということで、十円で売らなければならない。  それから、そういう売りさばき所から一般の個人がお買いになって、それを郵趣の対象にされて、ある時点でそれを百円でほしい人が出てきたということで、その十円の切手を郵趣の対象としてその人たちとの間に百円で売ること、これはかまわないというわけでございます。
  222. 森勝治

    ○森勝治君 私がなぜこういう知恵を働かしたかというと、僻遠の地における零細業者を顧みないから、私は申し上げているのですよ。四十一年以来、四十六年も改定を認めない、今度も見送り、この次は考えましょうたって考えられない。  ところが、現実には往復する。横川さんという表現が悪ければ、横川郵便局から私が買ってきて、それを村人に——往復かかるでしょう、バス代あるいは自転車代、自動車代がかかるから、それを原価計算して、あるいはその値段で見解の相違があるかしらぬが、とにかく五円のものを五十円なら五十円で売ってもいいでしょう。あなたはいいと言ったんだよ、さっきは。
  223. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 売りさばき所として売ることは、法律上違反になります。  しかし、私なら私が郵便局へ行って十円で切手を買ってまいりまして、そしてその十円の切手について、どなたか郵趣家の方がその十円の切手を非常に貴重になったから百円でほしいといって、私がそれを百円で売るのはよろしゅうございますが、売りさばき所としては、売りさばき手数料をおあげして、そのかわりあくまでも定価で売りなさいということになっていますので、売りさばき所として売ることは許されないと思います。
  224. 森勝治

    ○森勝治君 私はいま横川売りさばき所という表.現を用いましたが、それでは、売りさばき所の次男坊が、おやじが売っている五円のやつを五円でおやじから仕入れて、友だちに五十円で売ってもいいわけですね。設問を変えましょう、いいですね。
  225. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 非常に微妙な問題になるわけでございますが、ちょっと脱法的な行為となってくると問題でございます。  したがいまして、たまたまそこの売りさばき所の次男坊でもあるいは長男の方でも、非常に切手趣味を持っておられるということから、当然その売りさばき所から十円なら十円で買って、それをアルバムその他シートで整理して、そしてある時点でそれを切手商なりあるいは友だちとの間で、一般の市価といいますか、そういった形でもって売買されるのは、これはいいと思います。  しかし、その態様が、あたかも売りさばき所のものを右から左に流して——売りさばき所というのは、まさにその長男の人なら長男の人の切手趣味のために買い受けて渡している、いわゆる自家消費的な形になりますと、これは許されないというふうに思います。  あくまでも売りさばきは、法律にもありますように、一般にあまねく売りさばくということでございまして、そのあまねく売りさばかれたものの一部を、売りさばき所の家族の人が切手趣味として持っておられて、それがたまたまそのときの市価でもって売買されたということなら問題ないと思いますが、その辺の態様は、これは起こった事態によって判断しなければならないと思いますが、継続的に業とするような形で行なわれた場合は、私どもとしては、やはりこれは売さばき所法の違反になるのじゃないかというふうに考えるわけです。
  226. 森勝治

    ○森勝治君 どうして違反になるんです。売りさばき所の郵政省との契約は個々人でしょう。おとうさんが契約しても、その制約を次男坊、三男坊に及ぼすということはありますか、ないでしょう。さっきの郵和会の話なら、おやじが契約すれば、娘やあるいはおばあちゃんまで名簿に載っけて郵便局へ持っていけという指令は出すだろうが、本来、法律の中で、おとうさんが切手売りさばき所をやったからといって、せがれが、それをかっぱらったなら犯罪ですけれども、それを正当な値段で買って、それを第三者にまた売りしたからといって取り締まりできないとあなたはさっきの答弁で言っているんですよ。  ただ、たまたま私が売りさばき所ということの質問をしているから、売りさばき所ということでひっかけているだけの話だよ。それなら売りさばき所をやめて、さっき言ったでしょう、横川売りさばき所をやめて、郵便局から買ってきて、それに交通費を足していいですねと言っているでしょう、同じことなんですよ。契約しているのはおとうさんが契約して、次男坊、三男坊は関係ないんですから、そんなのは。
  227. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 先ほど答弁いたしましたように、売りさばき所というのは、やはり一般の国民の人に売りさばくということのためにそこに業務を委託しているわけでございます。したがいまして一般の人に売りさばいている中の一般人の一人として、その売りさばき所の家族のどなたかがそこでもって十円なら十円の切手を買って、そしてそれを郵趣の対象として処理されている分にはかまわないと思います。  しかし、その売りさばき所で売りさばくそのものが、そういうふうにほとんど一般の人に売りさばかれずに、特定の人におろされるといいますか、そのまま回して、そしてそれが一つ切手商みたいな形で、やれ十円の切手を今度は十五円で売ったり二十円で売ったりいたしますと、そのもとの売りさばき所のほうで郵便局から買い受けてくるわけですから、そういう手数料をもらって売りさばき所としての許可をもらって売りさばく、そのほうが問題になってくるということでございます。  したがいまして、先生のおっしゃるように、売りさばき所をやめて、その人が一郵趣家として郵便局から幾らたくさん買ってこられようと、それを郵趣の団体にというか、郵趣の中に入り込んで売買するということならば、これはもう売さばき所法から離れますから、お説のとおり、これはかまいません。
  228. 森勝治

    ○森勝治君 そうしますと、郵政省と契約をしている売りさばき所の家族は、売買ができませんね、定価以外では。  したがって、当然、国家公務員である郵便局の職員は、切手を時価で売ることはできませんね、表示価額以外にはできませんね。
  229. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 国家公務員でも、それが郵便局の窓口で一切手の売買者として買ってきて、そしてその人が郵趣としてそれを持ち、それを百円で売ることはかまわないと思います。  あくまでも切手売りさばき所の態様の問題でございまして、その切手売りさばき所または郵便局から定価どおりに買ってきて、そのあとこれを郵趣の対象として十円いわゆる定価以外で売買することはかまいませんが、売りさばき所という形で、売りさばき人が定価以外で売買することは許されないということでございます。
  230. 森勝治

    ○森勝治君 堂々めぐりはしたくないけれども、売りさばき人がとは言ってないんですよ。さっきだって。私は売りさばき所の次男、三男という表現で言っているんですよ。  だから売りさばき所の横川正市という売りさばき人ならば、この人が郵政省と契約しているわけですから、その次男、三男が同じ家に住んでいるというだけをもって、五円の切手を二十円で売ってはならぬということはないでしょうと言うんだよ。それだけ制限を受けて、国家公務員である郵便局員が窓口の切手担当でない者はいいなんて、そんな理屈は成り立ちませんよ。
  231. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 要するに、次男、三男が一切手を求める方として出てくれば、私は問題ないとさっき申し上げておるわけでございます。  ところが、それを推し広げていきますと——少し予防線を張り過ぎて私答弁しているものですから、あぶないと思う中に、ときどき売りさばき人であって、実は、自分のうちのためにほとんどおろす、こういう例がありかけたわけでございます。ですから、郵便局から切手売りさばき所へ買い受けてきまして、それを一般に販売しないで、自家消費的な面にそれを流すということになりますと問題になるということでございまして、そこの次男、三男がたまたま特殊切手なりを普通の形で自分のうちから十円で買ってきて、それを郵趣の対象とするのはかまいません。しかし業務として継続的に、何というんですか、ほとんどが自家消費的に、いわば次男、三男坊に譲るために売りさばき所を開いたような形態になっては困る、こういうことを申し上げたわけでございます。
  232. 森勝治

    ○森勝治君 あなた、かってなことを言っちゃ困るよ。ならば郵便局の職員は郵便局切手は買えませんぞ、いいですね、そういうことでしょう、いまのは。次男、三男坊が求めていけないで、郵便局の職員が国民の買う前に先に買っていいという理屈は成り立たないじゃないですか。明確にしてください、その辺は。
  233. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) こういうことはあり得ないと思いますが、当該郵便局で売りさばく切手を全部局員にそのまま渡してしまって、そしてその者が今度は十円のものを十五円、二十円で売るというような態様になることをおそれて、売りさばき所でもって売りさばくべき切手を次男、三男坊の者にほとんど渡してしまって、それが継続的に行なわれることについて申し上げたわけでございまして、個別的に、それが次男、三男であっても、売りさばき所に対して一民間の方としてそれを買っている分には、これはかまわないわけでございます。
  234. 森勝治

    ○森勝治君 だから買うでしょう。あなたは全部全部と言っているが、一枚でも二枚でもいいんです、それはどちらでもいいんです、表現は。一枚でも買って、それを二百円でも三百円でも売れますね、こういうことでしょう。現行のいわゆる現役の切手だ、あなたはそれを何かあたかも骨とう品的な表現を用いておられるが、そうじゃなくて、汗水たらして買ってきたのだからということで、高く売っていいんですねと言うのですよ、いいですね。  そうなると、国家事業の切手というものの性格、信用の度合いというものは失墜しますね、勢い。五円のものが百円、二百円で売買されるのですから、そうでしょう。正価であるべきものが正価でなくなるのですね、正しい値段でなくなる、五円の切手が極論すれば百円で売買されるのですから、骨とう品ならいざ知らず、現役の切手ですよ。もっとも切手には年限がないでしょう、何年何月の切手は何年何月までに使用済みにならなければ無効ですという、貨幣のようなことはしていないでしょう。すべて明治時代に発行した切手でもいま使っていいわけでしょう、理屈からいえば。だから骨とう品といっても、現役的にいわゆる貨幣でいう現存している通貨として通用するわけでしょう、通貨を例にとれば。したがって、それができますねと言うのです、できるんでしょう、幾らでも。  それは好ましくないことは当然でしょう。きのう売り出された切手がきょう山の中というゆえをもって百円で売買——私はこれは特異なケースの表現を用いているのですからね、必ずしも当たらぬかしらぬが、しかしやがてそういう現実が生まれてまいりますよ、こう物価高になれば。株だってそうなっているのだから、切手だって悪いという理屈は成り立たないでしょう。そういうときにどうされます。現実にあるでしょう、五円の切手が百円あるいは二百円になるかもしらぬ。
  235. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) ただいま私が申し上げておりますのは、特殊切手、いわゆる記念切手として郵趣の対象になっている場合でございまして、普通の十円切手、いま郵便局へ行けば幾らでも買える普通の切手について、いま先生の御指摘のようなことは起こらしてはならないし、これはいつでも求めに応じて十円のものは十円で買えるように、売りさばき所にもそのために常備してもらうとか、それからそこに行って買えないという事態が起きないように、郵便局と売りさばき所で連絡をとりながら、そこでなるべく国民の需要に応ぜられるようなものを常備してもらうということでございまして、一般の郵便に張るための切手の需要ということにつきましては、十円の切手を求められればいつでも求められるような状態にしておくということは、これは当然のことだと思います。
  236. 森勝治

    ○森勝治君 失敬だけれども、あなたは切手の値段がつり上がったり、五円のものがいま売り出されたら三十円、四十円になるのを公的な立場では不愉快だという表現をしながら御答弁をされておって、それなら、それを規制してよかろうとだれでもそういう考えを持つけれども、それは規制はできないと言う。しかしやがてそういう時代が来ますよ。いま記念切手ならいい、それはかまわないが、記念切手でないものがやがて出てきますよ、それはなかなか買いにいくのがたいへんだと、そういう時代が来ますよ、このままでまいりますと。やがてこのことは対処しなければならぬでしょう。  きょうは、ややこの問題については堂々めぐりの観を呈しましたが、ひとつその対策というか、そういうものを検討してみてください。これはいわゆるいま言ったマニア間で取引される切手の値段にも重要な影響を及ぼす問題ですから、切手一枚などと軽視すべきものではなくて、これは相当影響するところ大きい問題ですから、そうかといってかりそめにもぱっぱと法規的なものをつくるべきではない。私はあまり取り締まり規則をつくるのは賛意を表さないけれども、しかし、そういうことも将来考えに入れておかなければいけないような気がするのですよ。紙幣だって百八十円で売り出されるのですから、これは現に問題が起こっているのですから、あなただっていま問題が起こり出したと言ったでしょう、そういうことが現にあるのですから、早晩起こることですから、これはひとつ研究してくださいよ、研究して、なおざりにされては困りますから。
  237. 溝呂木繁

    政府委員溝呂木繁君) 特殊切手の問題と一般の普通の切手との問題は少し事情が違うようには私考えますが、しかし先生の御指摘のとおり、一般の普通切手にも郵便局へ買いにいくための手数料をカバーするために、十円の切手を二十円で売るような事態は、これは絶対に起こしてはならないというふうに考えております。  したがいまして、そうするためにはどうしたらいいかといえば、当然、一般の国民の方がそう遠くない範囲内で切手が買えるような処置、それがいま私どものとっておりますポストのあるところには、そのポストから五十メートル以内には売りさばき所を設けていくということで処置しております。  しかし思い当たる点があります。それはたとえばポストがありましても、銀座かいわいとかそういったところで、売りさばき所というものを設けるのにはあまりにも土地あるいは建物の値段が高くなりまして、とても商売に合わないということで、逆に売りさばき所を開かないという例が出てきます。そうなりましたときに、一体、われわれはどうしたらいいか。これは外国でも、欧州型はポストの横に切手発売機を置きまして、非常に原始的なものが多いんですが、手回しでもって押して十円を出して張って出すという方法、それからアメリカ方式はホテル等が十円なら十円でもって切手を買ってきて、それに三円とか五円を足して十五円で売るというアメリカ方式もありますが、私どもとしては、アメリカ方式はとるべきじゃないという意味で、もし売りさばき所というものがポストの所在地に開くことを一般の人が好まなくなる、また応じなくなるというときには、まさに先生のおっしゃったような問題が生ずる可能性がございますので、その点につきましては、切手発売機、そういったものによって国民の需要に応じなければならないというふうには考えております。
  238. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  239. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。——別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  240. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  241. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  242. 茜ケ久保重光

    委員長茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十三分散会