○河田賢治君 そこでこういう問題につきまして、かなりこの新聞に報道されたあと、各地方の知事あたりがこれに対して非常な不満を述べておりますですね。これは行政監理
委員会の新
開発公団構想に対して、神奈川、埼玉も反対を表明すると、あるいは
千葉なんかもやはりこれに反対するというようなことが出ておるわけですね。非常に新しく
開発されるところは、普通の町からいいましても、どこかちょっとへんぴなところですな、調整
区域になりますと。そうなりますと、地方自治体の側としても、こういうようなものが
開発されますと、
建設省がどんなに
住宅公団にやらしておりましても、十分な
都市としての
開発ができないし、環境が、いろいろの
公共施設というものができないということなんで、これまででもずいぶん
住宅公団に対するいろいろな不満不平が各地で起こっておりまして、ある程度のところは譲歩されて、若干
公共施設なんかも
負担するということになっておりますけれ
ども、こういうような大
規模開発が行なわれた場合に、
建設省は、それは下水とか、水道はあなたのほうの
関係ですから、うまくここに何千ヘクタール買った、そうすれば、どれだけのやがて
住宅も建てば、水道はどうだとか、下水はどうだとかということもおわかりになるから、それによってある程度環境を保金、整とんしていくという
計画も立つと思うんですけれ
ども、しかし、これは今度はもう一方のほうは、
自治省の側からいえば、自治体としては、なかなかそういう連絡がありましても十分な
予算措置もできない。現に、
人口急増地帯、確かに
公共施設についていろいろ
予算あるいは
負担は国が持つように少しずつは改善されておりますけれ
ども、しかし、
人口急増地帯に特別にいまやらなければならぬという
法律すら、御
承知のとおり、なかなか足踏みして進んでいないわけですね。ですから、十分なそういう地方自治体が責任を負わなければならぬ問題が、しかも各省がそれぞれセクトがありますから、保育所とかあるいは幼稚園とか、いろんなそういう厚生省
関係、これもやはり一緒になって新しい
都市ができるときには
建設が進んでいかぬわけですね。本来ならば、家一軒建てば便所もあれば下水道もある。まあ外のことはわからぬでも、家の中におる限りはちゃんとそういうものはつくって、そこへ排せつする。あるいはごみはどこか近くに置くとか、こういうことをして、一軒の家は、そのような家の中の環境というものは保全できるわけです。今度は町全体とすれば、やはりごみ処理であるとか、いろんな衛生設備であるとか、あるいはそれに伴ういろんな
施設が必要なんですね。ところが、こういうものがセットとして出されていきませんから、どうしてもこれに対して地方自治体が反対するのは当然だと思うんですよ。現在でも非常に少ないですから。だから、こういう点で、
住宅公団をお建てになりましても、あるいは
宅地開発をおやりになりましても、まず道路であるとかあるいは下水であるとかあるいは上水とか、そのほかいろんな衛生設備、こういう
公共施設がむしろそういう
住宅よりも先行して、そして環境のいい
都市をつくらなければ、私は非常に
——家だけをつくって、これでもう私のほうの
建設省としては仕事は済んだというお
考えになりますと、これは私はたいへんなことになると思うんです。こういう点は、どの程度あなた方は
公共施設などについて
——建設省自身が実は受け持っております下水であるとか道路、これなんかを見ましても、外国と比べまして非常に劣っている。外国と比べぬでも、もう日本では常識的に
考えなければならぬ道路の舗装であるとかあるいは
施設、下水の処理であるとか、ごみの処理だとか、こういう問題がたくさんあるわけですね。ところが、こういう問題があまり実行が進んでいない。確かに家の不足は非常に緊急な問題ではありますけれ
ども、しかし、道路をつくっても、あとからまたガス管を入れる、電気を入れる、水道を入れるで、いつも道路つくったあと掘り返しているんですよ、毎年毎年どこを見ましても。これでもうべらぼうな浪費をやっているわけですね。ですから、やはり新しい小
都市でありましても、そういうものができる場合に、やはりそういう構想をまず立てていないと、家だけを建てる、
宅地だけを造成するということに重点が置かれれば、私はあまりこれは現在のいわゆるあと追い政治になってしまう、こう思うんですが、この辺を
建設省あたりはどうお
考えなんですか。