○河田賢治君 しかし、これまでいろいろと
日本の警察当局もかなり強気な発言をされたこともあります。また、法務
大臣なんかも、さっき申しましたように、かなり金東雲のKCIAのあれとして暗示をするような、示唆するようなことばも言われておるわけですけれども、大体
日本の
政府、捜査当局を今日なめ切ったような態度を韓国の
政府あるいは当局がやっておることは、やはりこちら自身が、
日本の
政府やあるいは捜査当局のやり方に向こうが乗ずる
機会を持ってるんだと、そういうふうに私たちは一応見るわけです。非常に総理や外務当局が、日韓友好
関係をそこなわないことを第一として事件を処理すると、
基本にするというようなことをおっしゃっておりますけれども、何も日韓
関係を全般にそこなわぬでも、まずこれを処理するということが、やはり
日本の主権の侵害というようなことであるとすれば、この問題に限っても、やはり正当に韓国に対する正しい、しかも強い申し入れをすべきだと思うのですよ。よく韓国の中の政治を見ると、李厚洛ですか、中央情報部のあれなんかが、韓国の
政府機関は一切関与していないということを言っておりましたな。やっていたら私の首は投げ出すんだというようなことを言っているわけですね。だから、そういうもう
一つの前提をもって、それでずっと捜査から何からみなつくり上げていくと、まあこちらから言えばそうなるわけですね。そうでしょう。向こうではアリバイがあると言っているけれども、こちらでは完全に指紋が一致して、その条件が整っていると言っているのですから、こういう問題について、やはり法務
大臣や何かにしましても、非常に韓国との何か全般的な衝突になるのをおそれて、そうしていろいろとその表現を変えられると。向こうはますます。何といいますか、つけ上がると申しますか、まあこんなことは押していけばたいていだいじょうぶだというような調子でいまきているようにも見受けられるのですよ。ことに、御承知のとおり、最近の新聞を見ましても、これは
日本の、かつての
日本が帝国主義で、そうして韓国に植民地時代に苛酷な政治をやってきたと、そして
日本へどんどん韓国人を連れてきて、不法、不当にも連れてきて、とにかく戦争中にはずいぶんあれをしたと。だから、そういうことのいわゆる向こうの
国民感情というものをおそれて、とにかく、韓国に対してはあんまり刺激をしないようにと、こういうふうな
考えがあると思うのですよ。しかし、私はそういうことに連座した覚えはないのだし、むしろ、そういうことに反対して私はきたわけなんで、だから、韓国に対しても、こういう問題ではやはり正しく私たちは主張できるいわば資格を持っているわけですね。ですから、この問題は、御承知のとおり、このように向こうと
日本とが平行線をたどって決着がつかぬというような現在段階にきております。先ほど、外務省のほうも、この問題ではとにかく静観するというようなことで、次から次へこう日時を延ばして、うやむやのうちにいわば葬っていくような、そういう配慮が見られるわけですね。ですから、事の、やはりこの問題の解決の一番責任あるものは、
日本の警察、捜査当局がこれに対する
——非常に範囲が限られております。それからまた、事件が起きてからずいぶんともうどんどんと証拠がなくなるような、そういう事態になっておりますけれども、しかし、この問題はやはり
日本が正当に主張し、そうして内外の世論も一やはりこれに対しては非常にみな見守っているわけですから、そうしますと、この問題の処理をするには、やはり国公
委員長もこれは積み上げていくとおっしゃっておりますけれども、これを真剣にやりませんと、これはやはり問題は実ってこないと思うのですね。ですから、この点で私はまだまだほかにこういう
関係した問題があると思いますけれども、適当な時期にはやっぱりどんどん発表して、次から次へと協力者も得ると。いろいろな方面からこれらの新しい事実をつかんでいかないと、あまりに秘密主義でやっておりますと、なかなかこの問題は進まぬことが多いのじゃないかというふうに
考えるわけですね。ですから、もうこの問題については、私は最後に、
国家公安委員長は一番の当の責任者ですから、そういう面では。
したがって、外交を強めるのも、弱い態度をとらせるのも、みな一にかかって公安
委員長の責任になるわけですから、この際
——警察当局も非常に努力はされておりますけれども、この際もう一そうこの問題に対する
——こういうように朝日新聞の記者あたりはちゃんと新しい事実をつかんで、これがCIAの
先生だというようなことまで出すのですから、警察力をもってすれば、このくらいのことはいろいろな情報はつかめると思うのですよ。この点について、もう一度公安
委員長のひとつはっきりした態度をお聞かせ願いたいと思います。