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神沢浄君 こんなことがはっきり言えないですかね、そのくらいのことは。それは国民が常識でもって考えていることだ。それがお役所ということになりますと、なかなか歯にきぬ着せたような言い回しになってしまうというところに、私はたいへん問題があると思います。時間がないから先に進みますけれ
ども、もっともいいものはいい、悪いものは悪いというふうな、
ほんとうに歯切れよい
指導方針というようなものを持ってひとつ臨んでいただきたいと思うのです。ただこれは、あまり好ましくないということだけははっきりしたから、おきまして、次に進みます。
次の問題というのは、これは実は
予算委員会の第二分科会でもって私が一度取り上げて、そしていまお見えになっております課長からの御
答弁がいただいてある問題ですが、これも私の県内の問題なんですが、ただ、あの際の分科会における課長の御
答弁では私は納得がいかなかったですから、いずれ
地方行政の
委員会等でもって
機会があればさらにひとつ検討をいたしましょうと、こういう一つの懸案になってきておる問題であります。
それは何かというと、私の県の富士吉田市というところに、富士吉田市外二カ村恩賜県有財産保護組合というたいへん長い名前の団体があります。これは法令の上からまいりますと、一部事務組合ということになっているわけであります。そこでこの一部事務組合としては、当然一つの
目的を持って共同の事務をやるわけでありますが、その
目的というのはどういうことかと申しますと、名前のとおり恩賜県財産
——これは実は
山梨県が、相次ぐ災害によって非常に県民が迷惑を重ねてまいりましたので、大正の初期において、当時、御料林、天皇のお持ちになっておった御料林を災害防止のために
山梨県へ交付されたわけです。その交付されました御料林野につきまして、従来から
地元住民が入り会い権
——国ではいままで入り会い権を認めず、入り会い慣行というようなことを雷っているわけですが、それを持っておる特殊の
地域です。この富士吉田市にしましても、あるいは外二カ村というのは、忍野村、山中湖村というこの二つの村ですが、その一市二ヵ村が皆やっぱり同様のケースにあるわけです。そこでその一市三カ村が一つになって一部事務組合をつくりまして、いわゆる恩賜県有財産の保護、管理運営にあたる、こりいう団体なんです。その団体の規約の中に、いま申し上げたようなことがいろいろこう書いてありまして、そして、「左の事務」
——したがって、恩賜県有財産の保護、管理とあわせて、「本組合の財産に関する事務を共同処弁す」、これが
目的になっているわけであります。
そこで、いま問題になっておりますのは、さっき実は
懲罰事案のときにちょっと触れましたが、
演習場の一部を
除外をして、今度、その土地を
払い下げをするということなんです。その
払い下げの対象として、国がこの団体を考えているわけです。これは実はもっと問題はいろいろからまるんですが、国は
自衛隊の
演習場としてあの
地域を使用いたしたいがために、いろいろ利害のかかわりを持つこの組合と
——私
どもはこれは密約と称しておるのですが、数年前に、賛成をしてくれれば
——実は裁判が提起してあったのです。
自衛隊の使用違法排除の裁判が。その裁判を取り下げて、そして
自衛隊への使用転換に賛成をしてくれれば、百五十ヘクタール以上の
国有地を払い下をしよう、こういう約束ができ上がっていたわけです。その約束に基づいて、今度、この団体にその土地の
払い下げをするという問題が目の前にあるわけです。まだきまっておりませんが。そういう方向で国が考えておる、こういうのであります。そこで、私が実はこの前、
予算委員会で問題にしたのは、一部事務組合、恩賜県有財産の保護管理を
目的とした一部事務組合が、そういう
払い下げの対象たり得る資格というものを持つかどうかということですね、法令上の
解釈上の問題として。これを提起をしたわけです。そうしたならば、論議の中におきましては、課長の
説明は、「左の事務並に本組合の財産に関する事務を共同処弁す」ということが規約上書いてあるから、その「財産に関する事務を共同処弁す」という規定の中でできるという、こういう
考え方を述べられているわけであります。私はこれは全く違うと思うんですよ。それはなぜかというと、この組合は非常に長い沿革を持っております。かつてこの入り会い団体の連合会という時期があったのでありまして、その入り会い団体の連合会という当時に共有地というものを持っておったわけなんです。依然としてそれはあります。したがって、この規定にあるところのその文言というものは、この自分
たちの持っておった共有地のその事務を共同処弁をするということにこれは読むのが常識でありまして、これはかっての入り会い組合の連合会当時の規約というのがどうなっておるかと申しますと、「南都留郡福地村外四ケ村富士御料地人会団体並二五ケ村共有地ニ関スル組合規定」と、こういうものが残っております。これによりますと、「富士御料地入会団体並ニ共有地ニ関スル事務ヲ共同処弁スルモノトス」と、こうはつきり響いてあるわけです。これがその後一部事務組合に変わるわけです。変わるときに、やはり新たな規約もできるわけですけれ
ども、ですから、その沿革の上から考えますと、これはもう財産の事務を共同処弁するということは、かつての入り会い組合の連合会当時に規定としてありますところの共有地の事務を共同処弁すると、こう読むことがこれはもう当然のことでありまして、したがって、課長からこの前御
説明があったような
論法からいきますと、これがあるから財産の取得もできると思うと、こういうことになりますと、うんと極端なことを言えば、それじゃ北海道へ行ってこの組合が土地を買っても、九州へ行って土地を買っても、東京のどまん中へ行って土地を買っても、規約上差しさわりはないという、これは全く歯どめのない
解釈になってしまうのじゃないか。私もいろいろ検討してみたのでありますが、財産の取得もできる場合がある。たとえば組合事務所を建てるためにその敷地を入手する必要等の場合、あるいはこれは恩賜県有財産、要するに恩賜の森林の保護が
目的ですから、その恩賜の森林の防災のために、防災施設等をやるために土地を必要とするというような場合には、この一部事務組合なるもののその
目的に別に抵触するものではなかろう。しかし、それ以外に土地の入手などというようなことは、これは一部組合の性格上からいってもうできるものではないというのが、私が検討した場合の
法律専門家の
意見です。そのことを御披露をした上で、
自治省の
見解を聞きたいと思います。