○
説明員(福島量一君)
地方債に対します
政府資金の問題でございますが、確かに戦後二十年代から三十年代にかけましては、ただいま
財政局長のほうから御
答弁がございましたように、資金
運用部資金の主たる使途が
地方債中心に行なわれておったというようなこともございまして、非常に
地方債に対します
政府資金の比率が高くなったという時代がございます。その後、高度
経済成長の時代に入りまして、各般の政府関係機関あるいは公団、事業団等が設けられまして、国民
経済あるいは国民
生活各般の需要をまかなうという体制ができ上がってきたわけでございます。その
過程におきまして、限られた
政府資金をどう
配分するかということで、一部、御
指摘のような産業優先的な資金
配分が行なわれたことも事実でございますが、ごく最近に至りましては、ただいま御
指摘ございましたように、四十八
年度の
財政運営の
基本方針として、国民
福祉重点に移行するという方針が明らかにされたわけでございますが、その線に沿って、私
どもも鋭意、財投の編成にあたりましてもその
趣旨に沿った編成を行なったところでございます、
具体的な例で申し上げますと、たとえば、いま
先生御
指摘の産業重点的な面に非常に資金が流れておるということでございますが、よく引き合いに出されます開発銀行を例にとって申し上げますと、財投
計画全体の
伸び率が二八・三%という水準にございますけれ
ども、開発銀行に対しましては、対前
年度伸び率はわずかに六%にとどまっております。それからたとえば輸出入銀行につきましても一三・八。ちなみに前年の
数字を申し上げますと、四十七
年度におきましては開発銀行は二七・三%の
伸び率。全体が三一・六でございますが、そのうち二七・三%の伸び、輸出入銀行もほぼ同じ水準の二七・四%伸び、こういうことであったわけでございますが、たとえば先ほど申し上げましたように、輸出入銀行あるいは開発銀行等について大幅に
伸び率を落としておる。
一方、
地方債につきましては一兆二千六百億、全体で三一・三%の伸びを計上しているわけです、そのほかに、ただいま御
指摘のような、たとえば日本国有鉄道に対しましてはこれは三丁二%、御
案内のように御審議願います国鉄再建との関連もございまして、国鉄収支の改善をはかるというような
趣旨で、国鉄にはたとえば三一t二%、それから、非常に問題になっております住宅問題の解決のために、住宅公庫、公団は三二・二%、それから、もう一つ御
指摘ございました
道路四公団でございますが、これは三五・二%ということになっております。これは一つには、本
年度から本州四国連絡橋公団が事業着手するというような問題もございますし、
道路整備五カ年
計画が十九兆五千億にとどまったというような事情もございまして、この金額が三五・二%と、比較的高い
数字になっております。
それからこれは老婆心までに申し上げるんでございますが、高速
道路即産業
道路というお話がよくあるんでございますけれ
ども、たとえば東名とか、その辺の通過車両等を調べてみましても、三分の二
程度はいわゆる普通乗用車でございまして残りの三分の一ぐらいのもちろんトラックもあるわけですが、その中でも、たとえば非常に小型のものとか、あるいは生鮮食料品を運ぶものもあるということでございまして、高速
道路イコール産業
道路ということは必ずしも当たらない。一方で
地域開発その他の問題もございますし、それから最近いろいろ言われております国民余暇利用の問題もございます。ということなんで、高速
道路もいわゆるある
意味の
生活福祉と申しますか、そういう点にもかなりの貢献をしておるというふうにも考えられるわけでございまして、そういった各般の需要をまかないつつ
計画を編成しているわけでございますが、いずれにいたしましても、
地方行政というのが、
地域住民の
福祉なりあるいは
生活向上に非常に密接した
行政分野であるということはわれわれも十分承知しておるつもりでございまして、四十八
年度におきましても、先ほ
ども申し上げましたような
配分を行なったわけでございますけれ
ども、今後とも、必要に応じてできるだけわれわれとしても協力してまいりたい。にわかに
地方債計画全体の中の
政府資金比率を急上昇させるということは、これはなかなかむずかしい問題でございますけれ
ども、全体として、
地方債に対します
政府資金の
割り当てと申しますか、
配分と申しますか、そういったものについてはできるだけ多くしてまいる所存でございます。