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政府委員(鎌田要人君) お手元に、
昭和四十八年度
地方財政計画についての補足説明要旨をお配りしてございます。要点をかいつまんで御説明申し上げたいと思います。
昭和四十八年度
地方財政計画の概要につきましては、ただいま
自治大臣から御説明いたしましたとおりでございますが、なお、若干の点につきまして補足いたします。
まず、規模でございますが、今年度の
地方財政計画は十四兆五千五百十億円、前年度に比較いたしまして二兆八千十二億円、増加率は二三・八%でございまして、
昭和三十六年度の二四・四%以来の高い伸びを示しております。
次に、歳入について御説明申し上げます。
まず、
地方税の収入見込み額でございますが、道府県税が二兆九千七百六十億円、市町村税が二兆五千七百十一億円、合わせて五兆五千四百七十一億円でございまして、昨年に比べ、一兆一千八百三億円、二七%の伸びでございます。増加の内訳は、道府県税が六千八百十一億円、二九・七%、市町村税四千九百九十二億円、二四・一%でございます。
なお、減税の
関係は、先ほどの
大臣の説明要旨にございましたように、合計千七百十七億円の減税でございますが、一方、固定資産税の課税の適正化等によりまして、四百八十五億円の増収を見込みまして、差し引き千二百三十二億円の減収でございます。
次に、
地方交付税でございますが、
地方交付税は総額二兆九千七十四億円、前年度に比し、四千百三十五億円、二八・六%の増加でございます。その内訳は、国税三税の三二%、二兆七千二百二十二億円に、四十五年度までの、いわゆる交付税の減額繰り延べになっておりまする分の返還分、これを特別措置分とそこで書いてあるわけでございますが、三百億円、それから四十六年度の精算分が二百八十九億円、これを加算いたしまして二兆七千八百十一億円と相なります。この額に、臨時沖繩特別交付金三百八十八億円、特別会計の段階におきまする借り入れ金九百五十億円を加算いたしました。四十六年度及び四十七年度交付税会計で資金運用部から借り入れましたものの返還金七十五億円を差し引きいたしまして、その結果、総額二兆九千七十四億円と相なっております。
次に、国庫支出金でございますが、総額三兆九千六百四十五億円で、前年度に比し、九千百六十五億円、三〇・一%と大幅な伸びを示しております。これは、国の予算の編成の重点が、国民
福祉の
充実、
社会資本の
整備の促進ということに置かれておりまするので、老人医療の公費負担の拡充、
生活扶助基準の引き上げ等による
社会福祉関係経費の増、治山治水、
道路等の公共事業
関係の増などがおもなものでございます。
次に、
地方債でございますが、一般会計分の
地方債発行予定額は一兆七百四十億円でございまして、前年度に比べ、千三百六十一億円、一四・五%の増加でございます。
地方債
計画全体の規模は二兆二千五百三十億円で、前年度に比し、五千二百五十二億円、三〇・四%の増となっております。
その
計画の重点といたしましては、
公害対策、
都市対策、過疎対策、
公営企業健全化対策等に重点を置くことといたしております。
地方債の資金構成といたしましては、
政府資金が一兆二千六百億円、前年度に比し、三千億円、三一・三%の伸びになっております。
その次に、使用料及び手数料等でございますが、これは最近における実績の増加率等を勘案して計上いたしております。
その結果、歳入構成におきましては、国庫支出金が前年度二五・九%でございましたが、今年度は一・四%増の二七・三%、
地方税が前年度三七・二%に対し〇・九%増の三八・一%とそれぞれ増加し、反面、
地方交付税におきまして一・二%、
地方債におきまして〇・六%とウエートが低下いたしております。
次に、歳出について御説明申し上げます。
給与
関係経費につきましては、総額四兆六百七十九億円で、対前年度比一五・五%の伸びでございます。これに関連いたしまして、四十八年度におきます職員数の増加は、義務教育
関係職員で八千二十七人、高等学校等の公立学校教員で二千九百四十九人、警察官四千五百人、消防職員千八百九十九人、一般の職員におきまして、
公害対策
関係、
土地対策関係、老人
福祉、児童
福祉あるいは清掃施設の職員を
中心に三千八百六人、合計二万一千百八十一人の増員をはかりますと同時に、国家公務員の定員削減の方針に準じ、約一万人の定員合理化を行なうこととしております。
なお、義務教育諸学校教員の処遇改善につきましては、国庫負担金の算定の
基礎に準拠して総額二百八十億円を計上いたしております。
次に、一般
行政経費につきましては、総額三兆一千二百二十一億円、対前年度六千八十六億円、二四・二%の増加となっておりますが、このうち国庫補助負担金等を伴うものが一兆五千八百五十七億円で、対前年度三千五百十五億円、二八・五%の増加となっており、この中には、寝たきり老人対策等の老人
福祉費、児童手当の年次進行等の児童
福祉費などが含まれております。
国庫補助負担金を伴わないもの、いわゆる単独計上のものは一兆五千三百六十四億円で、対前年度比二千五百七十一億円、二〇・一%の増加となっております。
なお、
公害対策
関係経費として百九十億円、私学の経常費助成に要する経費として二百九十一億円、給与改定、災害等に対する財源留保として千百億円等を計上いたしております。
また、旅費、物件費について、経費の効率的な使用をはかる見地から、百七十九億円の節約を見込んでおります。
公債費につきましては、総額六千九十一億円で、対前年度比千四百四十四億円、三一・一%の増加となっておりますが、歳出総額に占める構成比は、前年度の四%に対しまして四・二%と、わずかに高まっております。
次に、維持補修費につきましては、各種施設の増加及び補修単価の上昇等の事情を考慮いたしまして、対前年度比三百四十一億円の増加を見込み、二千三百六十八億円を計上しております。また、この中には、三十三億円の節約を見込んでおります。
投資的経費につきましては、総額五兆九千六百三十六億円でございまして、前年度対比一兆三千六百十五億円、二九・六%の増加となっております。
公共
事業費のうち三割弱は
道路整備でありますが、その増加率が二七%、そのほか、住宅対策三六・二%、下水道、
公園等の
生活環境施設
整備七三・九%、文教施設三七・九%、厚生労働施設四七・七%の増加をはかる等、いわゆる
生活関連公共投資におきまして著しい増加をはかっております。
一般
事業費及び特別
事業費のいわゆる
地方単独
事業費は、総額二兆四千七百五十億円で、前年度対比四千七百二十三億円、二三・六%の増加でございます。この中で、
道路が二〇・四%の増、治山治水が一八・二%の増、港湾が一五・二%の増、清掃が三九・九%の増、
都市公園五三・三%の増、人口急増対策二三・七%の増、過疎対策二二・三%の増、交通安全対策二〇・三%の増、広域市町村圏振興三四・三%の増等、
住民生活に関連の深い単独事業の増大を見込んでおります。
次に、
公営企業繰り出し金につきましては、
地下鉄、上水道、病院等、国民
生活に不可欠なサービスを供給している事業の増加及び路面交通事業の新再建に伴い、前年度対比六百七十八億円、三五・一%の大幅な伸びを見込み、総額二千六百九億円を計上いたしております。
なお、このほかに、
昭和四十七年度に実施いたしました
関係各省庁との実態
調査の結果に基づき、公立文教施設等につきまして、国費ベースで二百八十三億円の超過負担の解消をはかることといたしております。
以上をもちまして、
地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
引き続きまして、
地方交付税法の一部改正
法律案についての補足説明を申し上げます。
まず、
地方交付税法第十二条第一項の改正でございます。これは、
昭和四十七年度限りの特例措置でありますところの
昭和四十七年度分の
地方交付税の特例等に関する法律第一条第三項において、市町村の基準財政需要額を算定する場合に用いる経費の種類として、新たに公園費の項目を設けることとしたのでありますが、これを
昭和四十八年度以降恒久化するための改正であります。
次に、第十三条第五項の改正であります。これは、消防費に密度補正を新たに適用することとし、人口密度の低い過疎市町村において消防費が割り高になっております実情にかんがみ、これに適切に対処するため、需要額の割り増し算入措置を講じようとする改正、及び、さきに御説明いたしました公園費について適用する補正の種類を定めるための
関係規定の改正でございます。
次に、
地方交付税法附則
関係の改正でありますが、附則第十三項は、
昭和四十八年度に限り、同年度分の
地方交付税の総額を、現行の法定額に交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ金九百五十億円を加算した額とすること、附則第十四項は、この加算額九百五十億円は、全額普通交付税として交付するものであること、及び附則第十五項は、
昭和四十九年度においてこの九百五十億円の借り入れ金は全額返済するものであることを内容とする改正規定であり、その他の附則の改正規定は、これらの改正に伴う
関係規定の整理でございます。
次に、別表に定める単位費用を改正し、普通交付税の額の算定に用いる基準財政需要額を増額することといたしております。
なお、改正法附則の規定でございますが、附則第一項は、この改正法は、公布の日から施行し、
昭和四十八年度分の
地方交付税から適用する旨の規定でございます。
附則第二項は、交付税及び譲与税特別会計法の一部改正でございますが、この改正は、期間の経過に伴い不用となった附則第三項及び第四項並びに附則第十項から第十二項までの規定を削除し、新たに附則第四項に、
昭和四十八年度において
地方交付税の総額に加算される九百五十億円の借り入れに関する規定を設け、また、この借り入れ金の利子は、一般会計において負担することとするほか、これらの改正に伴う
関係規定の整理を行なうこととしております。
附則第三項は、
昭和四十七年度分の
地方交付税の特例等に関する法律の一部改正でございますが、これは、交付税法附則の改正に伴い、規定の移しかえを行なっているものでございます。
以上でございます。