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竹田四郎君 いままでの理論というものがはたして正しいのかどうなのか、ここへきまして。それに私はいつまでもとらわれている必要はないと思うのです。それがほんとうに
日本の
企業の
資本充実に役立っているということであるならば、それは私は一歩譲って認めてもいいと思います。しかし、現実にそういうことが
資本充実に役立っているという
実績、そういうものは私はあんまりないと思うんです。
時価発行がどんどんどんどん行なわれている、しかし、それでは、はたしてそれによって
資本充実、自己
資本率等々がうんとふえているか、ふえていないわけですね。それがほんとうの
意味で役立っているというなら、いま
主税局長おっしゃるとおりです。実際には役立っていないどころか、いろいろな形で最近では批判の
対象にむしろそれがなっている。こういうものをいつまでも理屈がこうだからということで課さないということは、私はちょっとおかしいと思うんです。だから、
法人税自体の理論構成も、私は最近の実情からいうとおかしいと思うんです。それだけの
利益を得て、それが
株主に還元されるということであるならば、これは
法人擬制説、なるほどそうだと思うんです。実際には
株主に還元されてないわけです。そうなってくると、いつまでも
法人擬制説によってそういうものには
課税をしない、
資本金には
課税をしない
——私は、明らかに最近のこうした
時価発行に負う
プレミアムというのは、あとで
資料を出していただければわかるのですけれ
ども、大なり小なり
会社のほんとうの
実績によって
時価発行ができているというのは、まあどのくらいありますか。全部じゃないと思います、少なくとも。何らかの形で
協同飼料みたいに、まあ論者によれば、表面に出たのは
協同飼料だけだと、
協同飼料は運が悪いのだと、まあこういう新聞批評も実は出ているわけですね。で、
証券局長も何回か、
株価の操作についてはもう十何年前から実際上は何回も何回もそういう
警告を出し、
通達を出している。しかし、それも実際には何回も何回も出さなくちゃならぬということは、実際はある
程度そういう
疑いがあるということに私はなると思うんですよ、
国民の目から見れば。そういうことをやっていて
プレミアムをかせいで、そしてそれに対しては、これは
資本準備金だから
課税しない、
国民は私はこれ納得しないと思うんですよ。それももう膨大な額ですね。最近ではおそらくその
プレミアムだけで一社で何百億、こういうものだと思うんですよね。それが全然
課税されないで
会社の金になる、そうしたものがまたいろいろな悪さをする、むしろこれがいまの、いろいろなほかにも原因はあるわけですけれ
ども、私はいまの過剰
流動性の
一つだと思う。そうなってくると、いつまでもこれをそういう形で、いままでの法体系がそうだからということでいつまでもそれに固執しているということは、どうも
国民は納得しないと思う。その辺がひとつ考え直してもらわなければいかぬ点だと思う。どうですか、
主税局長。