○
藤井恒男君 現在ある大
規模店、まあスーパーなどの場合も、電鉄あるいは百貨店、金融資本というところが母体になっておるところを除けば、もとはといえば、これはやはり中小もしくは零細
企業であったわけなんです。その中小零細
企業が時代の要請というものを的確にやはり把握した、要するに
経済成長と所得水準が上がったということ、価値観が
変化した。コンシューマリズムの台頭、
物価の
上昇、大量
生産体制の確立と競争力の激化、労働力の不足、人口移動と都市の過密化、地価の
高騰、国際化の進展、これが商業状況を取り巻く
環境の
変化を全部言い尽くされておると思うわけだけど、これを敏感にとらえて、この要請にこたえる
企業努力、要するに、自力
振興というものを果たしてきたとスーパーのほうでは自負しておるわけですね。私も立ち入っていろいろ調べてみるわけだけど、確かに、いまはもう疑似百貨店どころか在来の百貨店よりも
規模が大きいというようなスーパーであっても、そのもとはほんとうの
小売り商人、大八車を引っぱって走っておった人、その
人たちが時代の要請を的確に見つめて、自力
振興のもとに大きな形をもってきておる、こういう状況を私もある
意味で否定はできないと思うんです。しかし、そういう中でやはり
事業機会を与えるということも行政として必要だと思うのだけど、
本法を見るときに幾つかの
問題点が私はあると思う。
その
一つは、従業員が家族で占められている商店についてこれを
振興するというけど、従業員が家族、先ほど言ったように八〇%を占めておるわけですね。常時
従業者のない商店、これに永続性というものを期待しておるのかどうか。要するに、後継者というものがはたしてあるのかどうか。
振興というからには、必ず永続的でなければならないというふうに思うのだけど、この点をお聞きしたい。この永続性がないという状況の中で
振興をはかる、
助成を行なうということになれば、これは
経済発展ということじゃなくて、むしろ
社会救済ということになるだろうというふうに思う。これは一番
最初に、
本法はその両面のどちらにウェートがあるのだということになるわけです。
同じように二番目は、生業と
企業との分離というものが必要だと私は思う。要するに
企業意識ということなんだけど、この点について、この法案に直接的な訴えがないのだけど、それをどのように
考えておるのか。
それから三番目には、この法案の適用を受ける、いずれもこれは小
規模のものをさしていっているのだけど、この適用を受ける商店のいわゆる履行義務というものがあるのか。これは適用資格を満たしておるということが前提になるわけだけど、返済義務その他も問題になってくるのじゃないか。あるいは
企業努力、先ほど私申したが、それを何らかの形で明示してやる必要がないのか。たとえば家計と
企業会計を分離せしめるとか、あるいは一定金額の自己資金を積み立てる、あるいは減価償却というものを行なう、こういった、これはもう生業なんだから、
従業者がいないのだから、とにかく困っておる者には
助成するのだというだけでいいのかどうか。この辺の
経営者教育というものを
考えておるのかどうか。まあ第八条に研修事業というのがあるのだけど、どういう頻度でやるのか。
あるいは、これは私の聞き及んでいるところだけど、一昨日、前回の質問にもお答えになっておりましたけど、
経営コンサルタントを配置する、ふやすというようなことをおっしゃっておられた。この
経営コンサルタントというのが、ともすれば寄生虫的になるという声も聞かぬではないんです。これは私はたいへんな問題だと思うので、その辺についてどう
考えておるのか。
あるいは
経営者教育、従業員を五人以下持っておるところもたくさんあるわけですから、そういったところの職業訓練所というようなものを
政府の出資によって、たとえば別法人でそういったものを設置して強力に教育をしていくというようなことは
考えられるのかどうか、まとめてひとつお聞きしておきたいと思います。