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政府委員(
宮崎仁君) まず最初の
中立性の問題でございますが、この第一条の目的から見てもわかりますように、問題が
国民生活にかかわる問題あるいは現代の経済社会にかかわる問題というようなことでございますので、こういうことに関していわゆる政治的な、あるいはイデオロギー的な問題として対立があるというような面は私は少ないのではないか、こう
考えております。しかし、これは皆無であるかどうかということになると、それはそうではないかもしれません。したがって、この
機構の
運営にあたりまして、役員となる会長、理事長というような
方々が、あるいは非常にそういう
意味では広範に支持が得られるようなりっぱな公正な方になっていただく、そして
機構の
運営を指導していただくということが大事だと思います。
それから、この
研究評議会というものも
機構の
現実の事業
計画、
予算あるいは
研究の調整の方針等について御
審議をいただくわけでございまして、この
部面にもそういった
意味で各方面から広く権威のある
方々に御参加を願いまして、御指導を願うということがやはり必要であり、またそういうことを
考える、こういうことでございます。そういうことによりまして
中立性ということを確保していきたいと思いますが、さらに
研究そのものにつきましても、これは渡辺
参考人から
お話しもございましたように、各方面のいろいろな
考え方を持っておる方を
プロジェクトチームに入れていくということによって、言ってみれば
中立的な形に持っていくと、こういうお
考えでございましたが、確かに傾聴すべき御意見であったというふうに私
ども拝聴いたしておりました。
それから
自主性につきましては、この法律上も特に配慮してございまして、第一条、第二十五条に規定してあるとおりでございまして、
政府各省
関係あたりで問題があるということもございますけれ
ども、やはりこの法律に規定されているような面で明示してあるわけでございますから、これはそういった面での運用をはかっていきたい、またできるであろう、こう
考えております。
それから、そういうものと関連いたしまして法二十七条、二十八条、この
予算、事業
計画等の認可の問題でございますが、これは
政府が
出資して認可した法人である以上、やはり内閣総理
大臣がそういった事業
計画等について認可をするという規定は必要であると思っておる次第でございます。ということは、この
機構の性格から見まして、逸脱をするようなことは万あるまいと思いますけれ
ども、やはりそういうことに関する
政府の監督という面が担保されておることは必要でございます。そういう
意味で規定が設けられておるわけでございまして、この運用によりましては行き過ぎがないようにしていくということにするわけでございます。
三十九条の
関係各省との協議の点もそういうことでございまして、これにつきましては各省の特にそれぞれのエゴが出てくるというようなことになっては非常にまずいわけでございますので、前にも
答弁をいたしましたが、次官会議の
法案決定の際の申し合わせによりまして、
関係各省の協議会のようなものをつくりまして、そしてこの
機構にかかわる問題については十分協議をして各省それぞれでばらばらなことをやらないように円滑にやっていきたい、こういうことを申し合わせてございます。この協議会が
研究評議会あたりにとってかわって、
機構についてのいろいろな重要方針をみんな決定してしまうというようなことはないわけでございまして、これはやはりこの
認可法人として
独立のものでございますし、また
研究評議会を通してきめたものについては、法律の命ずるところによってその
自主性を尊重するという立場でございますから、そういう運用をしたいと思っております。ちょっと第二について
答弁を少し漏らしまして恐縮でございましたが、この
自主性、
中立性という問題は、
研究者の
研究テーマの設定から
研究業務の
やり方、いろいろの面について全般にかかるものであるということでございます。
それから第五の
研究員についての問題でございますが、確かに
プロジェクトチームには
民間の
シンクタンクの方も参加をしていただくことも十分
考えられると思います。そういった場合に、その
成果をどういうふうに
考えていくかということでございますが、いわゆる
民間シンクタンクの場合は、こういった
研究による
成果というものが、いわばノーハウという形で
一つの財産になるわけでございます。そういう
意味で、それを保持しておくということが重要でございますが、この
機構の場合には、第一条の目的から見ましても、
国民全体にかかわる公共的な
分野の問題でございますから、最初からこれは当然広く各方面に御利用願うということを
考えておったわけでございます。が、さらにその点を明確にすべきではないかという御
指摘もございまして、
衆議院において
成果の公開ということが修正をいたされておりますけれ
ども、
考え方は、初めからそういった方向で
運営してまいりたいと思っておった次第でございます。
民間の
研究者の方が参加された場合に、解散をいたしますと、その
成果を自分の頭に入れて持って帰ってしまうということは、これはまあどうしても免れがたいことでございます。したがいまして、その場合にこの
研究報告の文書等を渡すかどうかということが
一つの問題になるかと思いますが、そういった点については、これからこの
機構ができまして
運営をやってまいります際に、さらに自主的におきめを願ったらどうだろう、私
どもとしては、この大筋としては
成果の公開をするわけでございますから、そういった点についてあまりやかましいことは言わないほうがいいのではないかと
考えておりますけれ
ども、その辺は実際に
機構ができてからおきめを願ったらどうかと
考えておる次第でございます。