○
参考人(
高田ユリ君)
主婦連合会の
高田でございます。
カラスの鳴かない日はありましても、公害とか、危険のある
商品とか
食品、こういうもののニュースのないときはないというこういう時代に、安全という
ことばは、私
たちの救いの女神のような響きを持って私
どもの胸を打ってくるわけなんです。で、このような中で、
通産省の各局をはじめとして、
厚生省などかから今
国会に
消費生活用品の
安全性に関する
幾つかの
法案が出されているということは、たいへん私はうれしいことだと思っております。
しかし、それにつけてもあまりにもおそ過ぎたという感じがしないわけでもないわけです。ただ、こういう
背景の中で、こういう状態ですと、たとえば
安全法案ということが
国会に提案されれば、それがすぐ安易に成立されればいいんじゃないかというように考えられがちでございますけれ
ども、そういう点に私は一まつの不安を持っているわけでございます。
と申しますのは、一度
法律ができますと、その
法律がどういう
内容を持っていて、どういうような影響を及ぼすかというような問題があとでわかって、それについて
改正ということになりますとたいへん手数がかかるし、それからなかなかその
改正に踏み切れないというようなことを、私
ども消費者運動をしておりまして身をもって痛感しているわけなんです。そういう
意味で、この
法案が
国会でもって十分審議されて、そしていま
宇野先生がおっしゃられたように
消費者の
権利を守る。たとえば安全であることとか、
意見の
反映というような、
消費者の
権利を守るための
法律として成立するようにというふうに
国会で十分審議されていることに、私、大きな期待を持っているわけでございます。
で、この
法案の
内容でございますけれ
ども、すでに
衆議院で、全地婦連、それから
日本消費者協会、それから
日本消費者連盟創立委員会の各
代表者がいろいろな
問題点をあげられておられますけれ
ども、私も全く同
意見なんでございます。
たとえば新
製品のチェックの問題とか、
製品安全協会の
中立性の問題とか、
消費者の
意見の
反映の問題、それからほかの
法律とのなわ張りの調整を
消費者の迷惑にならないように、それから
特定製品はできるだけ広く
指定する、工場の
定期検査はひんぱんにやれ、それから
安全基準は、いま
宇野先生もおっしゃられておりましたけれ
ども、賢明な
消費者が使うものでなくて、不完全な
消費者が使うものだという
前提に立って
基準をつくってほしい、それから
製品安全協会の
中立性を守るために、
業界人とか、
天下り人事を自粛してほしい、それから
形式承認の期間が七年というのは長過ぎる、それから
賠償保険金額を引き上げるようにとか、
一般からの
意見は聞きっぱなしにするな、役所が業者に対して
命令を出したときには、必ず
一般に
公表してほしいということなどがるる述べられておりまして、特に
製品安全協会の
中立性の問題と
消費者の
意見の
反映については、各
参考人が同
意見を持って発言されているということに、私も全く繰り返すようでございますけれ
ども、同じ
意見を持っているものでございます。
そういう
意味で、できるだけ時間の都合で重複する部分は省きたいと思っておりますけれ
ども、まずこの
法案は、
宇野先生もおっしゃられるように、
産構審の
消費経済部会の
消費財安全対策小委員会の
答申を受けたものでございます。
この
答申の
内容の中で、
一つ法案の中に盛り込まれていないものがございます。それは何かと申しますと、
事故報告システムの
条項が抜けているわけです。これについては
通産省の担当の方からの
説明を伺いますと、これはいろいろ問題があって、たとえば
事故の対象と
欠陥との
因果関連がたいへんむずかしいとか、それから
報告義務者をだれにするかとか、いろいろな問題があるので、
法案の中には盛り込みにくい問題があるけれ
ども、
行政ベースでするという御
説明を伺っているのですけれ
ども、やはり
事故報告システムということは、
事故が起きてからの処置や
対策が不十分である
理由がわかりますし、次の
事故への
予防措置として非常に必要なことじゃないかと考えておりますので、ぜひこのことを入れていただきたいと思います。
それから、全体的にこの
法案の
内容が抽象的で、どちらにでもとれるというところが随所に見えるわけですけれ
ども、こういう
表現があいまいですと、ぎりぎりに追い詰められたときに私
ども消費者がほうり出されてしまうというような心配があるわけなんです。たとえばこの
法案の
内容で、第三条のところに、
品質の
基準をきめるということがうたってあります。で、こういう
品質の
基準をきめるということがうたってありますけれ
ども、
基準がきめられますと、それが、
基準の
公表はあると思いますけれ
ども、その
基準ができた
根拠データですね、これが
一般にわかるような
公表の
措置というのがとられないと、最近は
安全性に対して、
専門の
先生方をはじめとして私
ども非常に
関心を持っております。で、その
基準値がどういう経緯を経て出たかということがやはり
公表されることによって、不必要な論争がある程度整理されると思いますし、それが納得いかない場合には、あくまでも
消費者の
立場で私
どもとしては納得いくような
基準をつくってほしいということをはっきり申し述べることができるわけなので、そういう
意味で、
基準のできた
根拠をぜひ
公表していただきたいと思うわけです。
これは
通産省の問題ではございませんですけれ
ども、
石油たん白の
安全性について
厚生省で安全であると、えさについては
差しさわりがないという発表がされましたけれ
ども、それがどういう
理由によって、どんな
データによって出されたかということが全く
公表されていないわけです。ですからそういう
意味で、非常に私
どももそれから
専門家の間でも非常に不安があって、それがやはりたとえば
厚生なら
厚生行政に対しての
不信感を増していくという方向に進んでいかざるを得ないわけですし、
消費者としてはやはりそういう
データを知りたいというふうに思っておりますので、この点をぜひ入れていただきたいということ。
それからもう
一つ、この
基準というのは
政令できめられていくような
仕組みになっておりますけれ
ども、
マークをつけることを含めて、一度きめられた
基準なり
マークをつけるということが、社会の進歩によって必ず更新される
可能性があると思うんですけれ
ども、その問題がはっきりうたわれていないというような点が私
どもとしてはたいへん不安なので、そういう点の配慮をぜひしていただきたいと思います。
それから、たとえば三十五条でございますけれ
ども、ここに
危害防止命令がうたわれております。ここで「
主務大臣は、次の各号に掲げる事由により
一般消費者の
生命又は
身体について
危害が発生するおそれがあると認める場合において、
当該危害の
拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、当該各号に規定する者に対し、」というふうに述べられておりますけれ
ども、「
危害が発生するおそれがあると認める」というのはどの
段階なのか、そういう点が非常にあいまいもことしておりますし、それから「
危害の
拡大を防止するため特に必要があると認める」というのは一体どういう
段階なのかというのが非常にあいまいもことしているわけです。
それからもう
一つ、たとえば八十二条でございますけれ
ども、
緊急命令について「
主務大臣は、
消費生活用製品の
欠陥により
一般消費者の
生命又は
身体について重大な
危害が発生し、又は発生する急迫した危険がある場合において、
当該危害の
拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、」というような
表現がされておりますけれ
ども、「重大な
危害」とは一体何なのか。それから先ほ
ども申しましたように、「特に必要がある」という場合はどういう場合なのか。それから「
政令で定める場合を除き、必要な
限度において、」ということが書かれておりますけれ
ども、「必要な
限度」というのはどういうことなのかということが、この法文を読んだ
人々の解釈によってそれぞれ
かなり差があるんではないかと思うわけです。そういう
意味で、ここいら辺をかなり明確にしていただきませんと、たとえば、具体的に
PCBの問題について、
PCBについては
許容量をこすと重大な
危害になるのか、そこら辺がはっきりしないわけですね。そういうなことで、こういうあいまいとした
表現ということは、もう少し具体的に
基準をはっきり、
表現の
基準をもう少し具体的に、私
たち消費者にもわかるような
表現をぜひ使うようにしていただきたいということが
一つお願いでございます。
それから、第三章の「
製品安全協会」についてでございますけれ
ども、さきに
衆議院でも、この
製品安全協会の
中立性について
参考人が
意見を述べておられましたけれ
ども、やはり
中立性の
確保ということ、これは
運用面とか
組織面とか、いろいろそういう面でかなり厳重にしていただきたいと思うわけです。それはやはり
協会べったりでは私
ども困るわけですし、
天下り人事でまあまあ、
なあなあ主義ではたいへん困るわけです。
そういう
意味で、
食品衛生法が昨年
改正されましたけれ
ども、
食品衛生法が、
検査機関の要するに拡充をしていくということで
指定検査機関の
条項を設けているわけなんです。その
指定検査機関の
条項の中で、
指定の
基準というのを
食品衛生法の第十九条の四に
幾つか述べておりますけれ
ども、そこにたとえば「業務の
内容が
製品検査の公正な
実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。」ということをはっきりうたっている
条項があるわけです。ですから、こういう点で、この
製品安全協会のあり方についても公正な
運用がされると、客観的に見て公正な
実施がされるというような
意味のことをやはりお書きいただきたいということ。
それから、この
食品衛生法に
指定の取り消しなどができるということで、その
指定検査機関の取り消し
条項を第十九条の十三にうたっているわけです。そして、非常に不正をしたときとか
幾つかの
条項を設けて、その
指定の取り消しができるということをうたっているんですが、この法文の中でそういう
指定の取り消しができるというようなことが読み取れるのでしたらば私は納得がいくんですが、そういう項目がないとすれば、いざいろいろな問題が起きたときの
指定機関の取り消しという
条項をぜひお入れいただきたいし、それから
製品安全協会が適当な処置をとらないときの
理由の
公表というようなことをやはりうたっていただきたいと思うわけです。そして、特にこの問題は安全の問題でございますだけに、それから
製品安全協会の業務
内容というのはたいへん範囲が広いように私は理解いたしております。そういう
意味で、この問題について
主務大臣とそれから
製品安全協会の責任範囲というのがよほど明確にされておりませんと、私
どもはなかなか信用が置けないというふうに考えるわけです。そういう
意味では、
消費者の
意見を常時
反映させていくような歯どめの項をぜひ設けていただきたいということを申し上げたいと思うわけです。
これはどういうことかと申しますと、私
どもたいへん苦い経験を持っているわけです。実は、不当景品類及び不当表示防止法という公正取引
委員会で所管しておりますごまかし表示や行き過ぎた懸賞、景品を取り締まる
法律がございますのですけれ
ども、その
法律の中に、公正競争規約を第十条でつくることを認めているわけなんです。これは業界の自主規制を——公正競争規約は、業界の自主規制について公正取引
委員会がそれを一応検討してみて、そしてその認定の一応資格に合っていると——たとえば認定
条項の中に「
一般消費者及び関連事業者の
利益を不当に害するおそれがないこと。」というような
条項が入っているんですけれ
ども、こういう認定
条項が四つばかりあるんです。この四つを充実している場合には公正競争規約を認めることができるというような
意味合いの
内容で、もし、こういう公正取引
委員会が行なった行政処分に対して不服があるものは、この「告示があった日から三十日以内に、公正取引
委員会に対し、不服の申立てをすることができる。」ということがうたわれているわけです。そしてこの場合、「公正取引
委員会は、審判手続を経て、審決をもって、当該申立てを却下し、又は当該処分を取り消し、若しくは変更しなければならない。」ということをこの景表法の十条でうたっているわけなんです。
実は、果実飲料類などの公正競争規約の認定にあたって、固有名詞を申し上げましてたいへん恐縮ですが、具体例でございますが、たとえば「ファンタ」のように、外観から見た色が全く果汁が入っているように見える、それからにおいや味が果汁入りであるかのように見える、それから「キリンレモン」というように、色はついてないけれ
ども、くだものの名称を使っているというようなもので、そういうものに、全く果汁が入っていないものについて、合成着色飲料とか合成香料使用という表示を書けば、それは果汁は入っていないというふうに理解できるんだというような解釈のもとに、私
どもとしては、そういうものは無果汁表示をしてほしいんだということを要望したのでございます。そのことは公聴会でも表示連絡会でも主張したんですけれ
ども、そういうことがいれられないので、実は不服申し立てをしたわけです。
そうしましたら、その不服申し立てをしましたのは
主婦連合会という団体と、それから奥むめおという個人と二つのケースで不服申し立てをしたんでございますけれ
ども、この審判が十回ばかり開催されまして、審決では、
主婦連合会及び奥むめおには不服申し立ての資格がないということで却下されてしまったという苦い経験を持っているわけでございます。
そのときの公取の
幾つか
理由がありますけれ
ども、たとえば奥むめお個人とか、それから
主婦連合会——
主婦連合会というのは一部の
消費者団体である、奥むめおというのは個人である、
一般消費者ではないというようなことを審判立会官はその
説明で言っていたわけです。で、いまこれについては高裁に訴えて、六月二日に第一回の口頭弁論が行なわれる予定になっておりますけれ
ども、こういう私
どもは苦い経験を持っているわけです。
そういう
意味で、この審議にあたりまして、審議会の私も末席を汚しておりまして、
消費者の
意見を
反映してほしいというようなことで、この
法案の九十一条と九十二条に私
どもの意向を
反映されられたと思うんですけれ
ども、九十一条には、「
協会がした処分に係る審査請求」、それから九十三条には「
主務大臣に対する申出」という
条項が入っているわけでございます。
ところが、昨年の十月に、アメリカに
消費者製品安全法という
法律ができておりまして、これは昨日、
通産省のほうからいただいた資料なんですけれ
ども、この
法律というのは、「
一般消費者が日常
生活のうえで使用し、または
消費する多種多様の
製品の
安全性を
確保するため、独立の行政機関として、
消費財安全
委員会を設置し、
安全基準の設定及び施行、
基準違反
製品の販売禁止、危険
製品の回収等の
措置を行なうとともに、安全
製品に関する情報の収集及び普及を計り、さらに、
一般消費者に、
製品の
安全性に関してメーカー等に対する訴訟の道を開こうとするものである。」ということの、大体の概要の
説明がうたわれているわけです。そしてその
内容は、
説明するのは省きますけれ
ども、
関係者による
委員会への訴願ということがはっきりうたわれておりますし、緊急時の
措置の問題、それから新
製品についての届け出の問題、それから輸入
製品に対する規制の問題、こういうようなことをきびしくうたっているわけなんです。
そして、この国際商事法務という原文——国際商事法務の一九七三年の一号の四という資料がやはりたまたま手に入りましたところが、たとえば先ほど
説明いたしました、
通産省でいただいた要約の
関係者による
委員会への訴願と関連があると思われますけれ
ども、この
法案というのは、
消費者製品安全規則の司法審査という項目が十一条に載っておりまして、約千二百字でいろいろ書かれているわけです。ここに、「
委員会が
消費者製品安全規則を公布した日から六十日以内に、この規則によって不
利益をうけるいかなる者も、またはいかなる
消費者もしくは
消費者団体も、コロンビア特別区、または、その者、
消費者または団体が居住しまたは主たる業務の場所を有する巡回区の合衆国控訴裁判所に、この規則の司法審査の申立てをすることができる。」ということで、るる、具体的にどういうことができるのか、どうしなければならないということが十一条に詳しく載っているわけなんです。残念なことに、この国際商事法務の一号の四には十二条までしか詳しく載っていないで、今月の末には全文が紹介されるということなんでございますけれ
ども、アメリカでできました
消費者製品安全法というものは、かなり
消費者の
立場に立って、
消費者が訴えることができるんだということまで詳しく書いてあるわけなんですね。
ところが、この
法案を拝見してみますと、たとえば九十一条には、「
協会がした処分に係る審査請求」となっておりますけれ
ども、これがほんとうに業者だけに限られるのかどうか。それから、業者だけだとすれば、これは
消費者にとってたいへん不平等だと思うわけです。ですからこの九十一条に、「
協会がした
特定製品の検定等の事務に係る処分に不服がある者は、」というこの「不服がある者は、」というのは、やはり
消費者もその資格があるというふうに、ぜひそういうような方向に持っていっていただきたいということと、それから第九十三条に、「何人も、
消費生活用製品による
一般消費者の
生命又は
身体に対する
危害の発生を防止するために必要な
措置がとられていないため
一般消費者の
生命又は
身体について
危害が発生するおそれがあると認めるときは、
主務大臣に対し、その旨を申し出て、適当な
措置をとるべきことを求めることができる。」、「
主務大臣は、前項の規定による申出があったときは、必要な調査を行ない、その申出の
内容が事実であると認めるときは、この
法律に基づく
措置その他適当な
措置をとらなければならない。」というように、「何人も、」ということで、
消費者も一応「何人も、」という中に含まれているというように理解できると思うんですけれ
ども、これは、一応、
主務大臣が申し出の
内容が事実であるかどうかという必要な調査を行なって、そして、もし「その申出の
内容が事実であると認めるときは、この
法律に基づく
措置その他適当な
措置をとらなければならない。」ということになっているわけです。
しかし、この九十三条について、
主務大臣が怠慢であったりサボッたりして何にもしなかった場合、それから、調べたかどうか私
どもにはわからなかった場合、それから、その調査結果が申し出者の納得できない形の結論が出たとき、それから、その
データに客観性が持てないというような、
幾つかの問題が
消費者側に出てくるんではないかということが想定できるわけです。と申しますのは、先ほどのジュースの問題で
説明しましたように、この問題について公聴会も開かれ、それから表示連絡会も開かれて、そのときにも、これは無果汁という表示をしてほしいということを
消費者は主張したわけです。しかし、主張したにもかかわらず、それが実現しなかった。そういう事態が起こらないという保証は全くないわけです。このままの
条項ですと、もし、
主務大臣が適当な
措置をとったことについて不満があった場合、苦情を言いたい場合、これはもう絶対に
消費者が譲れない問題が出てきた場合に、この苦情というのは永遠に私
どもは泣き寝入りしなければならないんじゃないかという不安があるわけです。
それから、時期についても期限が書かれておりません。ですから、全くメーカーが危険なものを全部売り尽くしてしまったあとに、
主務大臣の結論が出て
措置が出てではおそ過ぎるわけです。
それから、報告も一応するということが義務づけられていないわけです。
そういう
意味で、
委員会での私
ども消費者の発言がくみ入れられて、「
主務大臣に対する申出」、それから「
協会がした処分に係る審査請求」という
条項が入れられましたけれ
ども、こういうような
消費者の訴えの道——アメリカには
消費者の訴えの道をきちんと開いているわけですけれ
ども、
消費者が訴える道が開かれていないということは、私は、この
法律が画竜点睛を欠くんではないかというふうに考えておりますので、ぜひそれをお入れいただきたいということです。それから、「目的」のところをはじめといたしまして「
一般消費者」という
ことばが随所に出てまいりますけれ
ども、これも私
どもの苦い体験を話さなければいけませんですけれ
ども、公正取引
委員会の審判最中に、奥むめお、
主婦連合会というのは個人であり、しかも
消費者団体の一部であるということで、
一般消費者ではないんだと。私
どもは、個々の
消費者が集まって
一般消費者というふうに理解をしておりましたんですけれ
ども、そういう
説明を受けました。
そうして、これは昭和四十七年二月二十四日の審判立会官が出されている第三回の準備書面の中に、
一般消費者とは、
消費者である国民大衆の
意味に解すべきである、景品表示法は、かかる
意味における
一般消費者の
利益の保護をはかるものであるが、
一般消費者なるものは抽象的な存在であって、具体的実在は考えられない、というようなことをしるされているわけです。が、私
どもは、
一般消費者というのは生きている人のことで、抽象的な存在ではあり得ないというふうに理解しておりますけれ
ども、こういう字句の解釈、で、この
一般消費者というのはメーカーが事業をするために物を買うという
立場ではなく、
消費者が、先ほど
宇野先生がおっしゃられたような
生活をするために買う、その
立場の者を
消費者であるということを、ぜひきちんと定義をしていただきたいというふうに
お願いする次第でございます。
なお、そのほか重大事については公聴会を開くとかということも入れていただきたいし、国柄は違うかもしれませんけれ
ども、アメリカは独立機関が管理して、
消費者が裁判所に訴えることができるというような
法律をつくっているのに、
日本の役所はいつも
消費者の申し出があったらばというような形の受け身の点については、ぜひこれをもっとよりよく
消費者の
意見を
反映させ、くみ取り、役所のやることというのはいつも完全ではないんだと、不完全な場合が必ずあるんだから、そういう場合には
一般の
消費者が何でも言ってきて、それを判断していくというようなそういうあたたかい配慮がされなければ、ものごとというのは民主的な形で解決しないんじゃないかというふうに私は信じているわけなんです。
この
法案について、行政担当者の方
たちがたいへん御苦労してつくられたということに、非常に私も感謝いたしておりますけれ
ども、今後の問題として、やはり
マークのついた
製品だけについて賠償されるということはあまりにも不平等ではないか。要するに、
マークのついていないものでも、私
どもが買う
商品というのは必ず安心して、赤ん坊が買っても、年寄りが買っても、子供が買っても安心であるというようなものが市販されるような、そういう
法律にならなければおかしいし、そういう中で補償がされるという形にならなければおかしいと思うわけで、
通産省所管のたとえば電気用品取締法とか、その他いろいろ安全を含めた
法律がございますけれ
ども、それを含めて、損害賠償についてこの安全
マークのついているものだけが賠償されるというような不平等は、できるだけ早く解除するような御配慮をぜひしていただきたいと思います。この点については、私、小
委員会の末席を汚していて、絶えずそれに矛盾を感じ、疑問を感じて発言していたことでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
それで、今後、行政の姿勢が単に
法律だけつくればいいということでなく、具体的にほかの省との関連ということ、ほかの省との連絡を十分にとって、そしてむだのないように安全の問題を、
消費者が持っております安全であることの
権利、
意見の
反映とか、自由に選ぶとか、それから知らされるというような
消費者の
権利を守る、そういう
立場から、要するに、
製品安全協会をただこしらえればいいんだとか、そういうことではなくって、
消費者の
権利を守るという
立場からぜひほかの省とも有機的な連絡をとって、アフターケアが十分かどうかというような点も十分慎重に御審議していただいて、私
どもの役に立つような
法案にしていただきたいということを切に
お願いして、私の
意見を終わらせていただきます。