○峯山
昭範君
大臣、私は、
炭鉱の問題については実際あまり詳しくわからないわけです。しかし、私、
労働省に対してほんとうは何回か質問したいという機会がありましたんですけれ
ども、その機会がありませんでして、きょう、久しぶりに私は
労働省の方に質問するわけですけれ
ども、
職場の安全という問題については、確かに
労働省は非常に重要な問題だと思うのです。しかし、実際問題としては、
労働省自体が非常に弱体である。
というのは、たとえば膀胱ガンの原因になるところのべンジジンなんかの製造の問題について、これはもう相当前から問題になっておりましたけれ
ども、実際問題、
職場に対していろんな安全基準というのをつくって回しているわけですけれ
ども、実際はその基準どおりにいかない。たとえばおふろを使わないといけない、あるいは衣類は全部着がえないといけないという基準をつくりましても、
企業がそのとおりやっているかどうかというチェックはなかなかできない。
〔理事若林正武君退席、
委員長着席〕
しかも専門のお医者さんが地方の労働基準局にいない。大阪みたいなところでも専門のお医者さんというのは一人か二人しかいない。そういうような実情がものすごくたくさんあるわけです。そして
しかも外国では、そういうような
企業に対してはとうの昔に製造使用禁止しておる。製造使用禁止は
通産省の担当ですけれ
ども、
職場の安全という点については
労働省の管轄なんですね。そういうような点がてきぱき、何というか表面上法律はできておる、その法律はできて、そのとおり実際にやっておれば安全かもわかりませんけれ
ども、実際にはそのとおり実施されているかどうかをきちっと監督することができない。たとえば
企業に行くときには、いつ行くということをちゃんと前もって言うておる。言うておるから、そのときにはちゃんとやっている。しかしながら、それがなくなると全然そのとおりやらない。それはもう実際、夏場のいろんな問題のときに非常にすごいその服を着てやるなんていう、たとえば染料の中間体なんかの場合には非常にむずかしい問題があるわけですね。そういうような点から考えて、私は
職場の安全という問題について
労働省がほんとうに本気にもっと取り組んでもらいたい。そして、そこで働いている
人たちの安全という問題について深刻に考えてもらいたい。そういうように考えて私はきょうはちょっとだけその点について聞いたわけです。
この問題は、あとでまた
大臣からも一言お答えしていただくとしまして、次に、
大臣、もう一点お伺いして、私の質問は終わりたいと思うんですけれ
ども、先般、衆議院におきましても、この
炭鉱離職者の
審議の際、あるいはもう
一つの
炭鉱の合理化法の問題のときに
参考人の方がお見えになりまして、その
参考人の陳述の中にもいろんな問題を含んでいるわけです。
それといいますのは、特に
中高年齢層という話がありましたけれ
ども、
中高年齢層で働ける人は私まだいいと思うんですね、実際問題。ところが老人問題というのがやはりそういうところにたくさんあるという陳情がございました。これは大きな社会問題になっておると、こういう話がありまして、特に
住宅の問題とか賃金の問題とかいろいろな問題がありますけれ
ども、それは別にして、たとえば
北海道の場合ですね、一人住まいの老人というのがたくさんおると、そういう数字もあげて説明がございました。しかもそういうような中で、お
年寄りの方が、迎えにくるのを待ちながら働いている、あるいは生活費を送ってくるのを待ちながらいわゆる産炭地で生活をしている、こういうふうな
人たちのいろいろな陳情が陳述の中にありました。そうしますと、これは考えてみますと、
労働省だけの問題じゃなくて、ほんとうに国全体の問題として考えなきゃいけない社会問題だと私は思うのです。そういう点から考えて、やはり今後、
政府自体がこういうような問題にどういうぐあいに取り組んでいくかというのは重要な問題だと思うのですが、この辺のところはどうですか。