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中沢伊登子君 時間がありませんからその次の問題に移っていきたいと思います。
まず、それには質問の通告をしておきましたように、老人福祉
施設における常勤の栄養士、調理師についての質問でございます。
これは、福祉
施設で働いている保母さんや
看護婦さん、そういったような
職員、そういった人
たちの員数不足によって過重
労働になっていたり、あるいは休暇も意のままには取れない、こういうような問題があちらでもこちらでも起こっている
現状は、この
委員会でも、予算
委員会でも再三いろいろな
委員が指摘をしたところでございますからもう
厚生省も十分
承知だと思いますが、ここで幾ら老人福祉だの心身障害児福祉だのと号令をしてみても、こういう
職員がなくなってしまっては私は福祉問題はそこからくずれていくと、このように再三私自身も指摘をしてまいりました。
そこで、一例として申し上げたいのは、最近私のおります兵庫県の西宮市というところで、重症心身障害児の
施設で、名前を言えば砂子療育園というのですが、そこでついにそういう問題が起こってしまいました。一昨日の朝のNHKの「こんにちは奥さん」、このテレビであるいはごらんになったかもしれませんが、この砂子療育園の
職員不足の問題を放映をいたしておりました。私も時間の許す限り見たわけですけれ
ども、三分の一から四分の一の
入園児を三十日目とか四十日目ぐらい、家に帰すわけですね。ところが御
承知のように、兵庫県というのは瀬戸内海から裏日本まであるわけですね。日本海まで。新大阪と東京の間は新幹線で走れば三時間十分です。ところが、西宮から但馬の山奥まで走りますと車で四時間とか四時間半とかかかるわけですね。そういうところに三十日間とか四十日間とか子供を帰されて、あるいはそのたびに親がこれを迎えに来たり送りに行ったりするということは並みたいていのことではないわけです。そして、ここはごたぶんに漏れず先ほどいろいろ話がありました辺地とか、あるいは過疎
地域なんです。そういうところに行きますと、郵便ポストもない、もちろんお医者さんなどはおりません。そういうところに帰されてしまったということは非常に大きな問題だと思いますね。特に車で連れて帰る四時間の間にでもおしめを一緒に積んだり、氷のうを積んだり、いろいろしながらこういう子供を連れて帰る、こういうようについに一つの大きな実例ができてしまったわけですね。もちろん、ここには多少思想的な問題もからんでまいりまして、さらにややこしくなっておりますのでたいへんな問題になっておりますけれ
ども、しかし結局は、そのしわ寄せというのは、みんなそこに入っている子供とかあるいは親にしわ寄せがされるわけです。そこで、何とか早くこれを解決をしたい、こう私
どももその成り行きを見守っているわけです。
そこで、初めの老人福祉
施設の栄養士さんの問題に移りますけれ
ども、この間この栄養士さん
たちもおそらく
厚生省にも陳情に行かれたから内容をよく御存じだと思いますけれ
ども、十五、六名見えました栄養士さんの顔を見ておりますと、たいへんまだ情熱に燃えて、何とかして老人福祉
施設をうまく自分
たちの力で、老人の皆さんにはおいしい食事を、そうして病人には病人らしい食事をということで意欲に燃えておられました。しかし、いまの砂子療育園の例を申し上げましたように、もしもこの人
たちもその過重
労働の問題や、あるいは調理師さんの員数の不足やなんかから休むわけにもいかないということで、この人
たちまでが情熱を失ってしまったら、老人福祉
施設は一体どうなるのかしらんという感じがするわけです。ですから、まだ情熱を持っている間に、早く何とか
人数をふやしたり、そして過重
労働にならないように手を打つべきだと思います。再三こういう問題申し上げたわけですけれ
ども、特にきょうはまた調理師さんの問題についてその点で御質問申し上げたいと思います。
そこで、特別
養護老人ホームの調理師さんあるいは
養護老人ホームの調理師さんの一体
人数はいまどうなっておりますか、伺いたいと思います。