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政府委員(春日斉君) いま先生のお尋ねは、わが国におきます
大気汚染監視体制の現状いかんということが中心だろうと
思いますので、総論的に、まずその体制から申し上げてまいりますと、御指摘のように、確かに私
どもが
大気汚染監視測定体制をしいたころに比べまして、ここ数年、光化学反応によるオキシダントのような、二次
汚染物質による第二の
大気汚染という問題が出てまいったわけでございますから、量的のみならず質的に
大気汚染というものは非常に複雑化してきた。
それにいかに対応するか、またわれわれはどうして現状に対応しているかということを御
説明申し上げますと、私
どもといたしましては、大体国設の
大気汚染測定網と、それから地方の
大気汚染監視測定体制の、この二つに分けておるわけでございまして、まず第一に、国設の
大気汚染測定網でございますけれ
ども、これは先生御指摘のように、いままで
大気汚染物質として規制の
対象になっていたものだけやっておったのでは、窒素酸化物みたいに、ことし初めて規制の
対象になって環境基準も排出基準もつくられたものですが、ですから、
対象になっていない
物質についてはある
意味では無力なんですね、地方の場合は。だから国としてはできるだけ現在規制の
対象になっていないものも含めて、
大気汚染のあり方を全国的な視野で、国として直接把握しておこう、こういうことでつくってまいったわけでございますが、はからずも、これが全国で十五カ所あるわけでございます。したがって、十五カ所の国設の
大気汚染測定網の中には、この窒素酸化物の経年的な変化はまさに把握してあるわけでございます。そういう
意味で国としての、何と申しますか、国設
大気測定局を設置してきたねらいは、
一つは当たっておると
思います。それから自動車排出ガスにつきましても、これは国設の自動車排出ガス測定局というのは都内に三カ所ばかり設けております。もちろんこれは地方でも最近どんどんふえてまいりまして、百九十カ所、自動車排ガスを中心とした自動車排出ガス測定局はできておるわけでございます。県が八十六カ所、
政令市が百四カ所。
それからもう
一つ、国の行なっております
大気測定局といたしましては、
日本列島全域の大きなバックグラウンドデータを握るために、私
どもは四十八年度、ことしから初めて石狩平野の野幌と関東平野の筑波の二カ所に国設の環境
大気測定局を設けているわけで、この意義につきましてはいま御
説明する時間もございませんが、そういうものも、一応長い視野に立ってこれは今後どういうふうに役に立てていくかという問題でございます。
そこで、地方
大気汚染監視測定体制と申しますかネットワークを申し上げてみますと、これは現在四十八年四月一日現在でございますが、
都道府県の
段階で四百四測定局、それから
政令市、いわゆる
施行令の第十三条できめた
政令市でございますが、この中で三百九十九局、計八百三測定局が置かれてまいったわけでございます。これは急速にここ数年の間に測定局がふえてまいりました。それからこれを補完する
意味で、移動測定局というものもふえてきております。現在県が三十七、
政令市が十七、計五十四台、これはもちろん窒素酸化物についても測定しておるわけでございます。そして窒素酸化物、これをしからば地方測定局でどれくらい現在やれるようになったか。八百三すべて窒素酸化物やっておるとは確かに申せませんので、窒素酸化物について申しますと、現在二百二十九ステーションがあるということでございます。自動車の排出ガス測定局で百二十四局が窒素酸化物をやっておる、こういうことでございます。
そのほか
大気汚染の広域監視測定網でございますとか、あるいは気象庁で全地球的な視野で行なっておるような、やはり
大気のバックグランド
汚染の測定局等も二カ所ばかりございます。そういったところが現状でございます。
確かに先ほど御指摘があったように、窒素酸化物の測定局というものは少なかった、データがいまのところごく限られておるけれ
ども、どんどんふえてまいっております。経年的には、前からいたしておりました国設のステーション十五カ所がデータを持っておる、こういう現状です。