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加藤シヅエ君 先ほ
ども私ちょっと問題にいたしましたのですけれ
ども、
国定公園ということになりますと、地方自治体と密接な関係がございまして、この志布志湾の問題でも、地元の住民、それから漁民両方が非常に反対して、もう強い反対運動でございますし、またその反対の
理由はもっともなことでございますから、
環境庁長官としても
国定公園の
指定は
解除しないという方向でこれを守っておられるわけでございますが、どうも見ておりますと、地方自治体の知事さんのお考えというのは、多くの場合、経済的な
開発をするということが何か漁民のために非常にいいことのように考えていらっしゃる場合が多い。それでこういうような問題がどんどんと熱心に進められようとしております。この鹿児島県だけではなくて、ほかの場合を見ましてもそうでございます。
また、残念なことには、地方議会というものの議員が必ずしも、
自然環境保全ということがいま
日本にとって国益上非常に大事なことなんで、これは一度破壊したら回復のできないたいへんな大切なことだという、
ほんとうの価値というものに対する認識が必ずしも十分ではない。むしろ経済的な
利用が、
開発されたほうが住民が喜ぶのじゃないかというような
考え方、それで地方自治体あるいは地方議会というものがこういうものを進めるような傾向が非常にあって、住民はそれに対して、もう
ほんとうにから手でもって足を運んで阻止の運動をしなくちゃならない、こういうことを、私
どもは陳情を受ける側でございますから、全国的にこういうような陳情を始終熱心に受けているわけです。
それで、私さっき申したのですけれ
ども、
国定公園というようなことになっていると、地方自治体というもののそうした経済的な利益を優先させようという
動きが強く出てきて、これを阻止するのがたいへんむずかしいので、それで
国定公園というようなそういうものから、むしろもっと
規制がもう一歩厳重にできるようなものにしていただきたい。これは私の私見でございますけれ
ども、さっき申し上げたわけでございます。
もう一つ伺っておきたいのは、この志布志湾のことでもたびたび伺いましたのですけれ
ども、
国定公園の
解除をしてもらいたいというようなことを、県
当局がときどき上京して
環境庁長官に陳情をしておられました。これはいまではございません。少し前のことです。そうすると
長官が、
三木長官じゃございません、前の
長官のときでございましたけれ
ども、何か話がわかったようなことをおおっしゃる。そうすると知事さんはたいへん喜んで、
長官がこれを
許可なさる方向にあるというようなことを帰って報告なすって、それで、そっちのほうへ非常に
動きが進んでいくというようなことをたびたび聞くのです。そうすると、
地域住民の方はまたたいへん心配して陳情に押しかけていらっしゃるのですけれ
ども、そのとき私が知りたいと思ったことは、
国定公園を
解除するとか知事さんの
考え方に賛成するとかいうようなことは、何か書面によって回答なさるのですか。それとも、ただ会話の上だけでなさるのですか。それをはっきり伺っておきたいと思います。