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政府委員(
竹内良夫君) おっしゃるように、周防灘におきましては港湾が非常にたくさんございます。重要港湾が九つございまして、その他の港湾が八港ございまして、両方合わせまして十七港の港湾がございます。この港湾内の埋め立て
関係、運輸
大臣が所管しておりますが、先生のおっしゃるように、現在までの
工業発展、港湾を
中心にして、埋め立て地を
中心にしてやってきたという実績がございます。このことは、やはり島国であるわが国にとって、この海岸を使ってきたということは非常に大きな
メリットがあったと、私たちはいまでもそういうふうに思っております。しかし、その土の使い方であるとかいろいろのところに非常にやはり反省すべき点があると。また、むやみに埋めてその上に
産業をつくるということは、
産業そのものからの害と、また埋め立てそのものの害というものが確かにあると、そういう点に十分反省しなければいけないという
考えでおります。そういう
意味を含めまして、実は周防灘という
地域は、
日本列島をずうっとこう見てまいりますと、たとえば
東京湾であるとか大阪湾であるとか、そのような形で、世界的に見ても非常に立地のすばらしい場所であることは確かでございます。それをいかにして使うかという点がおそらく数年前に各界の話題となりまして、ここのところに
考え方が
集中したわけでございますが、それに応じまして運輸省といたしましては、やはりそこの
調査をしていくという姿勢でございます。
しかしながら、
一つ一つの港の
計画と申しますのは、どこまでも、山口県であるとか福岡県あるいは大分県、それぞれの地方
公共団体がみずから
計画し建設するということを港湾建設のたてまえとしておりますので、この周防灘の全体の
計画に関しましては、それぞれの管理者の意向を十分尊重しなければいけない。しかしながら、運輸省のほうから見ましても、この周防灘をいかに
考えていくかという点につきまして、過去、
昭和四十四年から現在までずうっと
調査を続けております。この
調査費は、運輸省の港湾の
調査費と、それから企画庁のほうで調達していくところの国土総合
開発事業調整費というものがございます。そのほかに、それぞれの県がみずから出して
調査している、そういうものをトータルいたしまして、大体港湾
関係のものでございますが、四十四年から四十八年までに約六億円の
調査費を投入しております。で、それのおもな
調査の内容は、
交通体系、これは船がふくそういたしますと非常に危険になるというような感覚から
交通体系の問題、それから海岸線の
利用をいかにすべきかというような
考え方、それから、もちろん大きな
意味におきまして
環境保全をいかにすべきかという点、それから何というんですか、自然的な、たとえば深浅であるとか波浪がどうであるとか、そういうような自然条件の
調査、こういうものに
調査をいたしまして、現在までのところ約六億円の
調査をしております。
環境庁が一緒にこれに参画したかどうか私ちょっといまのところ手持ち
資料ございませんが、実は港湾の
計画のつくり方をちょっと申し上げますと、
一つ一つの港湾
計画は、
先ほども申し上げましたように地方
公共団体である港湾管理者が
計画を提出いたします。で、その
計画につきまして運輸
大臣が審査をいたします。その審査のときに、港湾
審議会がございまして、その港湾
審議会の中に当然
環境庁の次官が
委員として入っておられまして、
環境庁側の御意見を非常に強く出していただいていると。また各地方の港湾管理者が
計画をつくるときにも、知事部局の中には
環境に対して非常に強い発言を持っておられる部がございまして、そちらのほうと十分相談しながらやっていくと。そういう点におきまして
環境庁の御意見は地方の段階におきましても十分反映いたしますし、私
どもの中央段階におきましても強く
計画論の立場において反映していただいているわけです。その
計画が通らなければ埋め立てはやはりやっていかないというような姿勢でございますので、実行にあたりましては常々
環境庁のほうと十分連絡をとっているというのが現状でございます。