○塚田大願君 まあ、いまの
外務大臣の事務的答弁では、私
納得しないんです。それはなるほど
外務省は
海外経済
協力というものは
政府だけにしぼっているかもしれませんけれ
ども、問題は、この輸銀にいたしましても何にしても、対外援助というのはやっぱり
政府としての閣僚の一人として、私はお聞きしたかったわけでありますけれ
ども、まあそれはまた次の
機会でよろしゅうございましょう。
質問を続けたいと思いますが、先ほど輸銀のほうは、もうこれ以上やる必要はないというふうに言われておるのですけれ
ども、そうなりますと、輸銀というのはどういう役割りを持っておるのか、何がやられてもちっともわからない、こういうことになっちまうんですけれ
ども、そこでもう少しこの問題を詰めたいと思うのです。この間私の質問に対しまして輸銀の
総裁がお答えになりました一万五千トンのアルミニウムの施設、これは四十三年六月から四十四年にかけて五十二回にわたって船積みが行なわれましたと、そして四十四年の九月にはプラントの組み立てが完了して、この工事の完了を、
昭和電工が
確認をし、業者がサインをいたしましたと、まあこういうふうにおっしゃっておるわけですね。ところが、この場合でも私は不可解に思ったのは、なるほど一万五千トンの生産設備は完了した、そして
昭和電工が
確認をして業者はサインをした。そこまではよろしい。しかし、じゃその設備の価格が一体どのくらいここでかかったのか。つまり千三百四十八万ドルでありますか、
日本が、輸銀が融資をしたその分でちゃんとこの設備が完了したのかどうか。そのことについては
一言も触れておらない。生産力は確かに生産施設としては完了した。しかしこれだけの金がちゃんとこの設備にかかっておりましたということは言っていらっしゃらない、この点が
一つあいまいだということです。
それからもう
一つ、私が資料を見まして
感じたのは、これは
外務省の経済
協力局で出されました六九年八月の視察団の報告書であります。これは前回にも私これを引用いたしましたけれ
ども、これを見ておりますと、この視察団が向こうに行かれまして、——六九年にいらしたのですね——そうして六九年の二月現在で輸入設備は六三%到着済みとのことであった、こういうふうにいっていらっしゃる、六三%。六九年の二月現在でですよ、
昭和四十四年。これは
外務省の報告に出ておるのですね。で六三%といいますと、金額にしましてちょうど先ほどから問題になりましたように約七百万ドルぐらいなんですね。そうすると私が
指摘いたしました場合にもそうですけれ
ども、七百五十万ドルぐらいですか、そうするとやっぱり残りが六百万ドルぐらいですね、そのまあここには出ていないわけです、
外務省の報告には。六三%。ただこれは金額であるか、物の
計算かそれははっきりしません。とにかく六三%という数字が出ておる。それからまた先ほど私が申しました韓国アルミの東京駐在の購買責任者の朴という方の証言も、やはりこの方が購入した物資は七百七十万ドルだと、こういうふうにおっしゃっておるので、みんなその数字は一致するのです。私が決してそのいいかげんなことを言ったのでないということは、こういう点でも証明されるわけですけれ
ども、その点でですね、私はまだいまの輸銀
総裁のこの答弁というのはたいへん不満足です。で、これはやっぱりこれからももっと追及もいたしますし、
政府側でもこれはもっとはっきりさしてもらわなければならない問題だと
考えております。まあこれは注文だけしておきましょう。もう答弁をお聞きしてもおそらくこういう勉強はしていらっしゃらないでしょうから、ひとつ
あとでもけっこうですから、意見があれば聞かしていただきたいと思います。
時間もなくなってまいりましたから、もう
一つだけ私はここでお聞きしておきたいと思うのですけれ
ども、これも韓国の新聞に出ておることですけれ
ども、そうして
大臣にもちょっとさっきお話ししましたけれ
ども、この外資を導入しておる会社が、それを目的外に流用しておるということが韓国の
政府で問題になっておるわけです。正確に言いますと、十月十九日経済企画院が国会財政委員会に提出した国政監査資料、ここに外資を導入した企業が三千万ドル目的外に流用をしておるということが問題になっておる。そうしてこのリストが出されております。これはリストは発表してお手元にもお配りしたと思うのですが、この発表を読みますと、十四社ということになっていますが、このリストの数からいうと十二社になっております。でこの十二社のうち輸銀が関係しておる会社が幾つあるかというと七つです。韓国電気冶金、韓国肥料、共栄化学、新興水産、極東海運、韓国電力、韓国化成、七つもこれに関係をしている。半分以上、十二社のうち。こういう会社がみんなその借りた金をほかに流用をしておる。これが
政府の監査によって明らかになって問題になった。特にひどいのは新興水産、極東海運、これは輸銀が関係しておられる。これなんかは全額をほかの目的に流用をした。全額ですよ。一部ではない。これほどの極端な話というものはちょっと常識では
考えられないことですね。でその流用の金額はどのくらいかというと、二千四百二十二万六千ドルです。ほかの十二社全体から言うと二千九百七十七万一千ドルでありますが、そのうちの二千四百二十二万六千ドル、まあいわば八一%です。それも
日本からの借り入れたものがほとんどだと、こう申し上げていいわけであります。こういう事実があるはずです。ですから私は韓国アルミの問題を徹底的に、
一つのいわば典型的な例として調べてみる必要があると
考えたわけでありますけれ
ども、とにかく調べれば調べるほど次から次へとこういう怪しげな問題が出てくる。はたしてこれで
ほんとうに
日本の
政府がおっしゃっているように、
日本の経済
協力、経済援助が韓国の経済のためになるのか、韓国の
国民の民生安定に役立っておるのかという問題については非常に大きな疑問が残ると思うわけであります。その点で、時間も来ましたから私はこれで終わりますが、ひとつ輸銀の
総裁から御答弁をいただきたいのですが、
外務省経済協力局長もおられるんですから、
局長からもひとつ御意見をお
伺いしたいと思います。