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村田秀三君 ここは
農水委じゃございませんので、いまお知らせをいただきましたそれらの問題については
農水委の場であらためて
論議する機会もあろうかと思いますけれども、その
奨励金や
対策が妥当かどうかということは、きょうはおきます。
ただ、ここで
一つ解せないのは、
先ほど生産調整費、
転作休耕補償金、いろいろと伺いましたが、もちろん私も承知しながらこれ伺っているわけであります。少なくとも、この
転作奨励ということであれば、ある程度わかります。しかしながら、
休耕に
奨励金を出した、これはずっといままでの四十二、三年ごろ、
つまり米が余ってくるんじゃないかというような、そういうときからずっと
考えてみませんとぴんとこないわけでありますけれども、とにかくこの
休耕補償というのは、これは問題だと、いろいろ私
ら国会の場でも
質問をいたしたことがありましたし、それはやめるべきであるというような言い方をしたことがあります。ずっと記憶をたどってみるわけでありますけれども、米が足りないということで
開田を奨励した時期というのは御存じのごとくあるわけです。
昭和三十九年、四十年ころはそうであったろうと思います。たしか四十二年だったと思いますけれども、また、米がそれほど目立たない、ようやく一〇〇%
自給が可能であるというような、そういうときでありますけれども、
開田の
状況を地方を回りまして見たり、それからまた、
農林省の
統計等を見ます限りは非常に進んでおる、であるとするならば、これは
事米に限っては
過剰状態が来るであろうということを私は
予算委員会で――多分当時
西村農相であったろうと思うのでありますけれども、
質問をいたしまして、米は余ってもいたしかたあるまい、
輸出をするとか援助をするとか、現実には多少
過剰状態の中からそういう
施策はとられておるようでありますけれども、しかし、なけりゃ困るんだから、必要な分だけは当然確保するように
自給するようにしなくてはならないけれども、
過剰状態をつくってよろしいということではない、したがって、
開田規制をしてはどうかというような
質問をいたしましたところが、これは
自由主義経済であるから
開田規制はできませんという御
答弁を当時いただいております。それから下りまして四十四年、四十五年、実際問題として、これは
休耕という
ことばが出、
休作という
ことばが出てきたのは四十四年ごろからだと思いますけれども、そのときからいろいろと
論議をいたしました。そして
生産調整という、そういう表現はようやく四十六年になって使われたと私は思うのでありますけれども、その際に、本来的にいって
生産調整というのは必要である、これは認めよう。しかしながら、では何をつくれということを
農林省は
責任を持って
指導しなくてはなるまい。しかも、今日の
麦作の
状況、
飼料の
状況を見ると、急
角度にこれは
国内生産が低下をしておって、そして
輸入が
増加をいたしておる。こういうことであるならばですね、
休耕をするなどというような
施策ではなくて、
政府が、つまり麦なら麦、あるいは
大豆、あるいは
飼料作物としての
トウモロコシ、そういうものをつくるように進めることが、せしめることが必要である、こういう
論議をいたしたことがあるわけでございます。ところが、結果的には
休耕補償という
かっこうで今日まで続けられたわけでありますけれども、いまずっと聞いてまして、にわかにこれは
対策を立てなければならぬということで、来
年度からこれは
生産奨励金を出す、こういうことでありますね。
そこで、まあ
質問のやりとりということではなくて、私が
考え方を述べる結果になるわけでありますが、
休耕奨励金、これは
単純計算でありますけれども、キログラム六十八円、反当四百四十四キロ
生産されるものとして、十アール
当たりは三万円というのが
単純休耕の
奨励金でありましたね。この
奨励金を出すならば、その
奨励金を――つまり
国内生産があがらないというのは、これはペイしないからだ。外国の
輸入小麦等と比較いたしまして
国内生産は
割り高であるからと言われながらも、その
小麦なら
小麦の
販売価格というのは、これは
農家が
生産をいたしましても所得にはならないという問題もあって
生産が低下しておるとするならば、この
休耕補償金を逆算して、つまり
大豆の
価格なり、あるいは
小麦の
価格なりにそれをプラスしてはどうかというような議論もしたことがあるわけでありますね。だから、もしも四十六
年度の
段階において、
休耕補償金を出すという
時点において、これはまあ
土地の
効率利用という
観点に立ってもですね、少なくとも、まあ三万円に星合うかどうかは別でありますけれども、とにかく
休耕補償金という
かっこうではなくて、むしろ
大豆や
小麦や、あるいは
飼料作物の
生産奨励のほうに回しておったとするならば、私は、今日のように、きわめてろうばいした形で、木に竹をついだような、そういう新たな
農政の展開をしなくても済んだのではないか、こう実は
考えているわけであります。
したがって、はたしてこの
決算を見るにあたりまして、今日までとられましたところのいわゆる
休耕政策というものが妥当であったのかなかったのか。私は、妥当でなかったと見るわけでありますけれども、とにかく
休耕補償を打ち切る今日の
段階では、
農林省はこれを評価すべきである、こう思うのです。そういう
意味で、これはいまどうお
考えになっているのか、話を聞いておりまして
農林大臣が思うところありますかどうか、
お答えをいただきたいと思います。