○塚田大願君 私は、いわゆるこの対韓
経済援助の問題について、
政府にお伺いしたいと思うわけであります。
この対韓
経済援助の問題は御承知のとおり、今日たいへん重大な問題となってまいりました。衆議院の
決算委員会におきましても、かなり討論がされてまいったようでございますが、とにかく
最初にひとつ確認をしておきたいと思うのでありますが、この
経済援助が一体どのくらい行なわれておるのかということにつきましては、先般、衆議院の
決算委員会に提出された
資料が私のところにもございます。
経済企画庁、外務省、
大蔵省、農林省、通産省の共同の
資料でございますが、これを
拝見いたしますと、
数字はもうすでに新聞その他でも発表されておりますとおりに、無償援助で七百七十七億円、有償で八百二十八億円、その他技術協力OTCAベースで十四億二千万円、合計下六百二十億円という
数字が
政府のほうから提出をされておる。その他この
資料を
拝見いたしましても、民間輸出信用、いわゆる承認ベースでございますけれ
ども、これが六億一千百三十一万
ドル、また、民間向後投資が三億三千九百三十五万
ドルというふうになっておりまして、私
どもで
ドル換算をいたしましたら、大体総計十二億六千六百万
ドル、こういう大きな
数字になっておるわけであります
この中からかりに民間直接投資の分を除きましていわゆる
政府ベースの借款を考えてみましても、九億八千四百七十七万
ドルという
数字でございます。約十億
ドルでございます。十億
ドルといいますと、日本の人口一人当たり約十
ドル、つまり三千円ということになるわけでありまして、赤ちゃんから御病人まで含めまして一人当たりこれだけの
経済援助をやっておるという
計算になります。したがいまして、この膨大な
経済援助がはたしてどのように韓国で使われているのかという問題は、これは当然
国民の関心事でございましょう。これに対しまして
政府は、いや、これは後進国に対する援助である、韓国の
経済の発展のために使っておる、また、民生向上のために出しておるんだと、こういうきれいごとを盛んに衆議院でもおっしゃっておられるわけでございますけれ
どもはたして実態はどうなのか、まあこの問題でございます。
そこで、
最初にお伺いしたいのでありますが、先ほ
ども問題にされましたが、この対韓
経済援助の動向を調査されました外務省の報告書、これがございます。一九六九年八月のものと、それから七二年七月のものでございますが、第一に、六九年の外務省の報告「日韓
経済協力」というこの報告書を見ますと、まず、六つの問題点が
指摘されているわけであります。「第二節日韓
経済協力の問題点」というふうにいたしまして、六つの問題点が出ておる。これは非常に重要な
指摘だろうと私は思うのです。もちろん、いろいろ考え方や立場の違いがございますから、必ずしもこの
指摘に全面的に賛成するわけではありませんけれ
ども、しかし、一応いまの段階で日韓
経済協力の実態を解く上におきまして、
一つのかぎをここは示しておるんじゃないかと私は考えるわけであります。しかし、この六点を全部
一つ一つ指摘するということはたいへんでございますから、私はこの二つの点についてお伺いしたいと思うのです。
第一は、この第三
項目に書いてございます問題であります。ここにはこういうふうに書いてあります、国内貯蓄能力(内資調達能力)および元利償還を厳密に考慮せず、
経済開発計画の修正拡大および無定見に外資導入を認可したため、一方において代払い企業、不実企業の発生、二会々と、こういうふうに
指摘しております。
それからもう
一つの私が
指摘したいと思うのは、次の四
項目です。ここでは、「韓国企業の企業家精神があまりにも旺盛なるため、内資調達力および製品の需給見通しも不充分のまま、
政府の指導力不足とあいまって、外資導入により無謀な設備投資を行なった結果経営不振に陥った場合があること。こういうふうに外務省の報告は
指摘しているわけでございます。
まず、第一にお伺いたしたいのは、第一に私が
指摘した問題であります。いわゆるこの無定見に外資を認可したため不実企業が発生をした、こういうふうに言っているのですが、ところが、この外務省の報告を見ますと、これに該当する韓国企業の事例というものが具体的にないのです。そこでお伺いしたいのは、この問題点に該当する韓国企業並びにそれに対応する日本の企業、あるいはさらに
経済協力実施
機関、つまり輸銀であるか基金であるか、その辺おわかりであったらまず教えていただきたいと思うわけであります。