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山崎昇君 これはきのうは私は
質問の
内容については通告しておりませんが、
参議院の
運営に関することですからもう
一言だけつけ加えて
質問しておきたいと思いますが、私
どもやっぱり
参議院の
運営というのが、根本的には
憲法の
条項に従って、それを受けて
国会法なりあるいは規則なり慣例なり、いろいろなものがありますが、そういうものを受けてやるわけである。ところが今度のこの
増原さん問題が、あらためて
憲法について
内閣の
態度というものを私はやはり
一つの
問題点として
提起されていると思う。私は、
増原さんの
内容そのものが事実とか事実でないとかいうことはきょうは触れません。これはすでに
専門委員会である
内閣委員会等々で今後
議論される問題でありましょうから、それを触れませんが、一、二点聞いておきたいと思う。
その
一つは、特に
増原さんは
参議院議員でありますから、これは私はまことに残念だと思っております。というのは、何も
新聞記事だけで私
ども論断しようと思いませんが、どの
新聞を見ましても、あるいは、とりわけきのうの朝日の社説なんぞに至りましては、
憲法感覚では
失格でないかとさえきめつけられておる。私は、一国の
大臣や
議員が
憲法感覚で
失格だなんぞという
報道をされるに至っては、やはり放置されない問題を含んでいるのではないだろうかと思います。そういう
意味では、
一体、
内閣はその
大臣だけ首切ったらそれでよろしいのだというような
態度のようでありますが、私はそれだけで済まされない
内容を含んでおるのじゃないか。
一体、こういう者を任命した
田中内閣はどうなっているのだろう。あるいは
内閣は連帯をして
国会に
責任を負うという
憲法の
条項からいけば、こういう問題を出したということについて
一体内閣はどういう
責任を負うのだろうか、私はやっぱり筋道だけはきちんとしておく必要があるのじゃないかと
考えるわけです。そういう
意味で、
官房長官に、今度の
増原問題というのはきわめて——しゃべったとかしゃべらぬとか、あるいは
天皇を政治的に利用せんとしたとか、事実
関係についてはもちろん今後いろいろな角度から検討されるでしょう。あるいは
内閣と
天皇との
関係、あるいは
天皇陛下の
権限にわたる問題等々についてもいろいろ
議論があると思うが、それはひとまずおくとしても、私は重要なことが
一つ提起をされておるのじゃないか。それは
一つには、
政府は、もう十何年も前から、
憲法については最高に守らなければならぬ
内閣がほとんど
憲法記念日等については無視をしている、何もしない、こういうことにひとつはつながってきているのではないだろうかというふうにも
考えます。したがいまして、
内閣としては
増原問題についてどういうふうにお
考えになっているか、基本的に
憲法に対してどういう
考え方を持たれるのか、まずそれをお聞きしたい。
それからあわせて、私
どもよくわかりませんが、
新聞を見ますというと、
内奏だとか、御
進講だとか、
新聞によりましていろいろ
報道が違います。
一体、これはどういう根拠に基づいてこういうことがなされるのか、
内奏というと何か私は旧
憲法時代のことが思い出されてくる。一々
統治者である
天皇陛下に対して奏上する、そんなようなことがやはり思い出されてくる。あるいは御
進講というのは
一体どういうことなんだろうか、各党でもいろいろ
議論がなされているようでありますが、いずれにいたしましても、これは法的にも何のあれもない。しかし、事実上やられておって、こういう問題が
提起をされてくる、こういうことは私は
憲法を守る、特に
議院の
運営という
立場から、
官房長官のきちんとしたひとつ
見解を聞いておきたい、こう思います。