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国務大臣(
大平正芳君) このサハラ周辺の国々の干ばつ
状況、非常に事態が、これはまあ三、四年前から干ばつの傾向はあったわけでございますけれ
ども、ことしの場合は数十年来見られないような程度のものでございまして、FAOがとりあえず信託基金を設けて、次の収穫期の種子の
確保、あるいは井戸を掘る機材の提供、それから家畜の飼料の
確保、そういったものに充当するために千五百万ドルの信託基金を設けることにしたから、
日本政府もひとつ応分の拠出をという要請がございました。さっそくセネガルと象牙海岸の両大使館に指示いたしまして、実態の
調査を依頼いたしましたが、なお、FAOからも補足の資料を求めまして検討いたしました結果、二億六千万円を支出する腹をきめまして、一昨日の閣議できめていただいたわけでございます。四億円要求したが、大蔵省からけられたというような経緯はございません。
それから、今度の
日本の拠出の時期でございますが、四週間以内という一応の期間の要請があったことは事実でございますけれ
ども、それは必ずしも厳格な期限というわけではございませんで、なるべく早くという
趣旨のものとわれわれは了解いたしております。その証拠に、その信託基金に対する拠金の払い込みは
日本が六番目になっておりまして、決して御
指摘のようにおそくはないわけでございます。
金額でございますが、西独は
政府が百六万ドル、民間が二十一万ドルで百二十七万ドルでございます。英国が七十五万ドルでございまして、
わが国の拠出金額は決して見劣りのする金額ではないと承知いたしておるわけでございます。
ただ、
政府の予算を使うわけでございますので、実態
調査について、一応データを確認しておかなければならぬ
事情もあり、各国の出方もバランスの上から見る必要がございますので、そういうことをやっておったわけでございまして、ことさらこれをおくれたものと私は思っていないわけでございます。しかし、仰せのように、タイムリーに、時期を失しないでこういう措置を講ずることが望ましいし、また望ましいことは申すまでもないことでございますので、今後、御
指摘のように、こういうケースにあたりましては、
外交機能を早急に動員いたしまして、早期の手当てができるように措置いたしたいと思います。