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辻一彦君 この間、三十一日に、
村田委員からいろいろな
地元の様子を述べられながら
質問がありました。速記録を私は見てみると、あの中にも述べられておりますが、当初、県は
科学者の
意見というのは、そんなのは中央で聞けばいいんだと、だから何も東京や遠方から
福島にまで来てもらうことはないんだと、こういう形で
科学者は
県外、遠方から来てもらう必要はないということをはっきり言っておったんですね。それから原子力の
委員会の二十三日の
メモが
口頭で伝えられて、
あとは
県内ならばこれは認められると、こう言っておるのですね。しかし、その時点でもなお
県外は認められないと、こういうことをはっきり言っているということを私は何回か直接その話を聞いた方から
確認をしております。しかし、それはそのテープコーダーをいまここで聞くわけにもいかないので、あなたのほうで県が間違いなしに
原子力委員会の中にも伝えていると、こう言われ、私がこう申し上げますと、これは具体的に
食い違いますが、ここでじかに
確認するというようにはなかなかできないと思います。しかし、こういう
食い違いがあったということは、テープコーダーあるいは速記録がなければ
確認できないというならばそうでありますが、やはり現実に私は存在をしたと思うのですね。
そこで、なぜこのことは若干くどく言うかといいますと、私
たちは
公聴会が民主的であるかあるいは
住民や国民の側に立つか否かをはかるものさし、基準というものとして、幾つかの点をいままであげてきたわけですね。たとえば、われわれも再三申し上げましたが、
一つは、一回
公聴会をやれば
あとはもう二つ目、三つ目、四つ目はいいんだというようなことでは困ると、やはり新設や増設をする
原子炉については
公聴会を開くべきであるということ、そういうことをやるのかやらないのかということが
一つのものさしであります。二つ目には、これはやはり専門の
科学者や
弁護士等を、まあ私
たちの言い方は
代理人という言い方でありましたが、
原子力委員会、
科学者技術庁の言い方は、
地元の
利害関係というのを広げて、
科学者もそういうのに入るならばそれも認めていくというような
考えのようでありますが、
科学者や弁護士、そういう人を代理として
住民の声を
代表して陳述できると、こういうことを認めるのか否か、これが私は第二のものさしであります。三つ目は、十五分だけしゃべりっぱなしでしゃべればそれは記録になって安全専門
審査会で
参考にしましょうと、終わったらこの
中身は報告書で報告しますと、そういう
質問趣意書を出して答弁書をもらう、ような行き違いではなしに、
設置者や
安全審査に当たった
審査の専門
委員あるいは
設置側の電力
企業が、
住民の公述をし、それから
あとの
質問に親切に答えて不安やいろいろな問題に対して答えるべきでないか、するのかしないのか、これが私は三つ目のものさしであると思います。
また、四つ目のものさしとして、
科学者の場合にはやはりよく公開された
資料を見なければ
論議ができない。
資料公開が十分に行なわれ、そういう
経過が記録にされて、それが公にされるのかどうか、これが四つ目の問題です。
そして、五つ目の問題としましては、これは
住民がそういう意思をきめるのであるから、
公聴会が開かれた
あとに
住民の投票によってきめるべきであると、これが五つ目です。しかし、最後の五つ目は、まあ法の体系といいますか、
原子炉を
設置するには内閣総理大臣が云々というのがありますから、これとちょっと違った次元になりますから、この五つ目の問題は、一応いまのは別として、前の四点については、私は、この
公聴会が民主的であるかあるいは
住民側に立つかをはかる重大なる基準であり、ものさしがあると
考えるのですね。そういうものさしが非常にあいまいである、こういうことですね。たとえばいまあげた四つのものさしが一〇〇%といかなくても七〇、八〇まで近づくとするならば、私は、この
公聴会に対する
住民の受けとめ方というものはかなり変わっていくであろうし、変わったはずであると思います。したがってこの
公聴会に積極的に中に入ってやるという方向も
住民の中にも出てきたろうと思うのです。しかし、原案によるところの
公聴会というものがやれるとするならば、そのものさしからして、これは形だけを整える
公聴会で
中身というものが非常にかけ離れている、だからこれにはなかなか
参加ができないと、こういう判断が出てくると私は思うのですよ。そういう重要な判断の基準であるがゆえに、この
科学者の
参加をいつの時点で認めるようにしたのか、それが広く
告示をされて
住民に徹底をしたのかどうか、こういうことは
公聴会の民主化をはかる重大な条件であり
問題点であると私は思うのです。こういうことがあいまいにされ、しかも
原子力委員会と県当局の
意見、
考え方というものが具体的な実施
要領の中で
方針として食い違っておったと、こういうことは、このままでこの
公聴会が進められるということは私は問題が非常にあると思うのです。こういう点について重大なものさしの基準の条件変更を八月二十四日になされたと、こう私は思いますが、これを三十一日の御答弁では幅を広げたにすぎないと、こういうような御答弁であったのですが、その点の御
見解はいかがですか。