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1973-07-13 第71回国会 参議院 科学技術振興対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年七月十三日(金曜日)    午前十一時四十一分開会     —————————————    委員異動  七月四日     辞任         補欠選任      辻  一彦君     沢田 政治君  七月五日     辞任         補欠選任      沢田 政治君     辻  一彦君  七月十三日     辞任         補欠選任      矢追 秀彦君     黒柳  明君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 鍋島 直紹君                 船田  譲君                 辻  一彦君                 矢追 秀彦君     委 員                 剱木 亨弘君                 源田  実君                 永野 鎮雄君                 西田 信一君                 森 元治郎君                 黒柳  明君                 加藤  進君    国務大臣        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       前田佳都男君    政府委員        警察庁刑事局長  田村 宣明君        科学技術庁長官        官房長      進   淳君        科学技術庁計画        局長       長澤 榮一君        科学技術庁原子        力局長      成田 壽治君    事務局側        常任委員会専門        員        菊地  拓君    説明員        通商産業省公益        事業局技術長   和田 文夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○科学技術振興対策樹立に関する調査  (科学技術関係委託研究費等に関する件)     —————————————   〔理事矢追秀彦委員長席に着く〕
  2. 矢追秀彦

    理事矢追秀彦君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事補欠選任を行ないたいと存じます。  理事選任は、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 矢追秀彦

    理事矢追秀彦君) 御異議ないと認めます。それでは理事辻一彦君を指名いたします。     —————————————
  4. 矢追秀彦

    理事矢追秀彦君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  5. 辻一彦

    辻一彦君 私、前にいろいろ問題になっておりました松田浅利事件といいますか、この問題について、日本分析化学研究所位置の占める重要さ、そういう点から考えて若干の質問を行ないたい、こう思うのです。  まず、最初に、この事件の事実経過、これをひとつ簡単に御報告いただきたいと思います。
  6. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 不詳事件概要でございますが、五月の十八日の夜、科学技術庁原子力政策課課長補佐・前原子力局庶務室長松田義治収賄容疑で、財団法人日本分析化学研究所専務理事浅利民弥贈賄容疑で逮捕され、両名は、六月八日に東京地方検察庁から起訴されたと聞いております。現在、引き続き犯罪事実の詳細について捜査当局で取り調べ中であり、その内容等は、目下のところ、明らかにされておらないのであります。  それから五月の二十八日夜、日本分析化学研究所事務局次長柳沢義孝及び同経理課長浅利健二贈賄容疑で逮捕されましたが、両名については処分保留のまま六月十五日釈放されております。  また、専務浅利民弥につきましては、起訴後、六月二十二日、保釈が認められております。
  7. 辻一彦

    辻一彦君 これは分析化学研究所の問題でもありますし、と同時に、たくさんのこういうところに委託をしたり、あるいは若干でも助成を行なっている科学技術庁としても大きな問題だと思いますが、どういうようにこのあといま対処しているのか、この点いかがですか。
  8. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) 今回の不祥事件概要につきましては、ただいま成田政府委員から御答弁を申し上げたとおりでございますが、私は、この技術庁松田何がしなる者の不正行為によりまして科学技術庁の歴史が傷つけられたと、この問題は実は非常にショックを受けまして、綱紀厳正保持ということを強く打ち出さなければいけないと——まさか科学技術庁はこういう問題はないということを実は私は確信しておりましただけに受けたショックが非常に大きかったわけでございます。さっそく、五月十九日、開庁記念日でございまして、科学技術庁が発足した記念日でございましたけれども、私は、庁員を集めましてきびしく訓辞をして、科学技術行政原子力についての国民の注目というものを浴びておるおりから、特に厳正な姿勢で臨んでもらいたいと綱紀粛正について厳重な実は訓辞をして、開庁記念日のお祝いどころの騒ぎじゃございませんでした。むしろ私はそれに非常に激しい口調で実は訓辞をしたわけでございます。そうして、訓辞だけではなくて、五月の二十二日に、私から科学技術庁並びに関係研究機関等に対しまして、「綱紀粛正について」という通牒を発したというわけでございます。そうして、事件につきましては、目下まだ全部が結了していないというふうに思いまするので、私はその結果を待ちましてそれぞれ適切なる処置を講じたいと考えております。  とにもかくにも、現在までに行ないましたことは、六月の二十日及び七月の一日には、同一職務にあんまり在任が長いというのは、どうも水でも一カ所におりますといろいろ濁ってくるのと同じでありまして、在任期間が長いということは、これはまあ科学技術庁だけじゃない、どの役所でもでありますけれども、長く一定場所におるということはよくないという考えに基づきまして、同一職務在任期間が長かった課長補佐以下の職員の人事異動を行ないました。あとはそのままでいいというふうには考えておりません。けれども、行ないまして、また、原子力局の、まあこれは辻先生は小さいことじゃないかとお考えになるかもしれませんけれども、部屋模様がえということも実はやったわけでございます。といいますのは、やっぱりクローズドされたような部屋におるとか、コンバートみたいなところにおると、つい邪心というか、変なことをやってもいかぬと、常に眼光紙背に徹するというか、やっぱりみんなが見ているというふうな部屋模様がえをして監督を容易にするということの措置も進めておりまして、今後、事件捜査が終了いたしました段階で監督者の責任も明らかにしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  9. 辻一彦

    辻一彦君 私も、たいへん熱心に良心的にがんばっておられる人にとっては、非常な迷惑なことであったろうと思います。ただ、いま大臣の御答弁のように、庶務室長という非常に重要な位置のような仕事に思いますが、九年間というそういう長い一定のポストについておったと、こういうことが今日めこういう問題を生み出した一つの大きな原因じゃないかと、こういうことはみずからいま御答弁になったわけでありますが、私もその点を一つは強く指摘をしておきたいと思います。  それから第二に、新聞報道等を見ると、これはかなり長い時間にわたっていろいろな飲食等における供応を受けたような事実があるようでありますが、この一年余にわたる間、こういう事実を、動きを、ほかの人が知らなかったというのは、私はどうしてもわかりにくい点なんですが、だれもこういう異常さに過去気がつかなかったのかどうか、この点はどうなんですか。
  10. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 松田は三十九年の三月に原子力局政策課課長補佐それから庶務室長併任をやって、ことしの五月庶務室長併任解除になるまで九年間にわたって庶務室長政策課課長補佐、そういう仕事をやっておったところに一つの大きな原因があったのではないかと思っております。それで、新聞報道によりますと、最近そういう遊びとか、そういうものが非常に派手に行なわれたと報ぜられておりますが、この間、われわれ監督者あるいは周囲の者も全然気がついていなかった、また、そういう情報も聞いていなかったのであります。もちろんそういう点がそういう情報等がわかれば、われわれとしては当然十分究明して、こういう大事に至らないような処置をとるべきであったのでありますが、監督不十分といいますか、全然監督者であるわれわれあるいは周囲の者も気がついておらなかったというのが事実でございます。
  11. 辻一彦

    辻一彦君 ほとんどわからなかったということですが、新聞で見ると、一人の行為のようにもずっと報道されておりますが、これはほかにこういう、ことに巻き込まれておった人が庁内にはなかったのか。往々、ほかの官庁等でも、このような問題が出ますと、いろいろな事件を一人がかぶって収拾するという形もいままで間々あったことですが、そういうことは科学技術庁においてはなかったかどうか、この点いかがですか。
  12. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 事実関係の真相は捜査当局でいま調べておりまして、具体的な内容は全然われわれわからないのでありまするが、彼と一緒にそういうことをしておる人は、いままでのところわれわれとしてはそういうことはないというふうに聞いております。また、彼一人でいろいろそういうことをやったのが非常に長い期間気づかれずにそういう事件に発展したということも言えるので、われわれとしては、彼同様なケースの人は局内にはおらないというふうに考えておりますが、これは捜査当局が現在調査中でありますので、確定的なことは申し上げられないのであります。
  13. 辻一彦

    辻一彦君 なお捜査中であれば、その事実を待って、また私も論議したいと思います。  そこで、松田氏が簡単にこういうお金を、あるところに、会議費だ、あるいは国際会議分担金であるとか、いろいろな名目で集めることができた理由というのを、普通なら何回か重なればそういうことに不審を持つのが普通でありますが、きわめて容易にそういうお金を集めることができた事情というか理由というのはどういうふうに見ておられるか、この点どうですか。
  14. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) いま国際会議費の流用というお話がありましたが、新聞等ではそういう記事もありましたが、そういう事実関係についてはいま捜査当局で調べておるようでございますが、われわれは、そういう事実関係があるというふうには、いまのところ聞いてもおりませんし、そう思ってはおらないのであります。  ただ、起訴理由にもありましたように、分析研専務浅利からかなりの金銭その他を受け取っておったということが伝わっておりますが、そういう面で、われわれは、政策課課長補佐であり庶務室長である彼が権限的に分析研と直接の権限関係はないと思いますが、この分析研をつくるときから専務浅利氏と彼とは非常に個人的には親しい間柄であったということは聞いておりまして、そういう金銭関係の背景としては、まあ職務関係の問題ももちろんあって、これは捜査当局でいま究明中でありますが、その背後には個人的に非常に親しかったという点がわれわれとしては大きい原因だったのじゃないかというふうに考えております。
  15. 辻一彦

    辻一彦君 松田氏が直接九電力というか国内の企業から分担金等の名においてそういう賃金を集めたという、そういう事実はありませんか。
  16. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) そういう関係についても、捜査当局結論を待たないと、確定的なことは言えませんが、われわれとしては、電力会社等から直接に彼がそういうことをしたということはないというふうに思っております。
  17. 辻一彦

    辻一彦君 じゃ、次に、日本分析化学研究所浅利氏が個人的に非常に親しかったといういまのお話ですが、それはあったと思いますが、それにしてはなぜこれだけの長期にわたって、供応というか、あるいは贈賄というか、そういうものが長く続けられたのか、その事情というか理由はどういうふうに見ておられるか、おわかりになればお伺いしたいと思います。
  18. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) これも捜査当局結論を見ないとわからないのでありますが、聞くところによりますと、起訴理由としては昭和四十六年度からの浅利から松田への金銭関係の授受が対象になっておるやに聞いておりますが、ただ、この日本分析化学研究所財団法人として設立されましたのは昭和四十二年の三月でありまして、当時から松田庶務室長浅利専務と個人的な関係が非常に懇意であったことは事実でございまして、その後昭和四十六年の間にどれだけ二人の間にそういう不正な関係があったかどうかというのは、われわれとしてはわからない点でございます。——起訴理由として私ちょっと昭和四十六年と言いましたが、昭和四十七年の十一月から四十八年の四月までの間というのを対象にしておるようでございます。
  19. 辻一彦

    辻一彦君 そこで、関係の深いのは日本分析化学研究所ですが、この日本分析化学研究所というのは、おもにどういう事業というか、どういうことをやっておりますか、まあ詳細はたくさんあると思いますが、重点的に特に関係の深いものについて知らしてください。
  20. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 財団法人日本分析化学研究所業務内容としましては、大きく分けますと、一つ科学技術庁委託による放射能測定調査であります。それから二番目は、電力会社及び日本原子力船事業団からの委託による放射能測定調査仕事をやっております。それから三番目としましては、これは環境庁あるいは府県等から水質等公害関係分析業務をやっております。それから四番目としましては、農林省あるいは農業関係団体等から残留農業分析業務をやっております。それから五番目としましては、内外の大学、学会等からいろいろな岩石の化学分析依頼されております。それからその他六番目として、一般的ないろいろ個々依頼分析、それから七番目としましては、分析化学を基礎としていろいろな技術指導相談等仕事、これは都道府県のいろいろな研究所あるいは中小企業等への技術指導化学分析に関連しての技術指導とか相談等仕事をやっております。
  21. 辻一彦

    辻一彦君 そこで、私はいまの御報告の中で三つを一応考えますが、一つは、科学技術庁あるいは各府県衛生研究所委託している問題、もう一つ全国の九電力会社原子力施設周辺放射能分析をここに委託している、もう一つ通産省水銀等工場排出の水についてこの検査をここに委託している、こういう問題があげられます。  そこで、逐次伺いたいと思いますが、第一には科学技術庁がこの研究所にどういう内容でどの程度のものを委託をしているのか、これを伺いたいと思います。
  22. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 科学技術庁からの原子力関係日本分析化学研究所への委託費が、一つは、放射能測定調査等関係委託費であります。これは核実験等あるいはフォールアウト関係、それから米国の原子力潜水艦等寄港に関連しての環境調査放射能調査関係でありますが、これは四十五年四千四百六十万七千円であります。それから四十六年が四千七百四十五万円であります。それから四十七年度が六千八百三十六万六千円であります。四十八年度が六千九百六十八万三千円であります。  それからもう一つは、原子力平和利用委託費という予算項目がありまして、これが国家的な平和利用上の研究テーマについて関係団体あるいは研究機関等委託をする予算がありますが、この対象にもなっておりまして、これは昭和四十五年度が千百十七万三千円、昭和四十六年度が千三百五十万五千円、それから四十七年度が四百八十二万円、四十八年度が八百五十一万九千円、大体、放射能測定調査関係原子力平和利用委託費関係、この二つ項目で出ておりまして、トータルして見ますと、昭和四十五年度が五千五百七十八万円、昭和四十六年度が六千九十五万五千円、四十七年度が七千三百十八万六千円、四十八年度が予算にあがっておりますのが七千八百二十万二千円であります。
  23. 辻一彦

    辻一彦君 全国電力会社から原子力施設周辺放射能測定委託がされていると思いますが、それは内容的にどうなっていますか。
  24. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 電力会社からの分析研に対する発電所周辺放射能調査委託は、昭和四十六年度から始まっております。昭和四十六年度は東京電力中国電力東北電力関西電力日本原子力発電株式会社委託をしておりまして、そのトータルは千二百二十万程度でございます。  それから昭和四十七年度に至りますと、これも東京電力、九州電力中国電力東北電力関西電力、四国電力日本原子力発電株式会社から委託がありまして、そのトータルが千四百万弱でございます。
  25. 辻一彦

    辻一彦君 これは各電力会社はここ以外には委託はしないのですか、周辺放射能問題等は大体ここが全部分析していますか。
  26. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 電力会社でも東電とか開西とかあるいは原子力発電所等自分にも相当分析能力を持っておりまして、自分でも分析をやっておるようでありますが、ただ、電力会社自体分析結果に対しては、周辺の一般の人が信用しませんので、ダブルチェックといいますか、そういう意味で日本分析研に対して委託してチェックしてもらっておるようでございまして、外部に対する委託としてはおそらく分析研以外には出しておらないと思います。
  27. 辻一彦

    辻一彦君 次に、通産省は、水銀PCB等関係検体検査委託をやっておりますが、この実態をちょっと御報告してください。
  28. 和田文夫

    説明員和田文夫君) 私は公益事業局の者でございまして、いま先生の御質問に対する資料はちょっと持ち合わせてございません。
  29. 辻一彦

    辻一彦君 公益事業局は、こういう分析依頼なんかするのは担当局は違うのですか。
  30. 和田文夫

    説明員和田文夫君) 担当局が違います。おそらく、はっきりいたしませんが、公害保安局でございますとか、あるいは化学工業局でございますとか、そういう関連業種を主管している局ではないかと思います。
  31. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) あまり具体的じゃないのでありますが、分析研の四十七年の事業概況概要報告書というのを見ますと、科学技術庁、それから電力会社、それから環境庁、その次に四番目としまして、通産省より工業排水及びどろの水銀化学分析委託調査を受け、全水銀有機水銀分析を行なったと。また、工業技術院及び各通産局より委託された各種試料化学分析を行なった、そういう報告になっております。それから八番目のところに、通産省より社団法人産業公害防止協会等を通じて大気汚染拡散実験に関するトレーサーガス定量分析委託を受け、トレーサーガス定量分析を行なったと、この二つについて業務報告概要では触れております。
  32. 辻一彦

    辻一彦君 これは前に通産に資料要求して出ているのがあるので、担当が違うと思いますからちょっと申し上げますと、四十四年度から四十七年度について、工場排水水銀等六百三十九検体、それからPCB等を含めてPCBが二百二十五検体、七百九十七検体がこの委託を受けて調査をしていると、こういう資料が出ております。これは私は間違いないだろうと思いますね。   〔理事矢追秀彦君退席、理事船田譲君着席〕  そこで、科学技術庁、それから直接電力会社、それから通産省等、いまわが国でも非常に問題になっている放射能のいろいろな測定検査、また、アメリカ原子力潜水艦等のいわゆる寄港汚染による海底のどろやあるいは海水中における放射能の問題、あるいはいま問題になります水銀PCB等、こういう問題についての検査を広範に日本分析化学研究所が行なっているということは、明らかであると思います。私、この前、静岡のほうにいろいろなことで行ったときに、ここは浜べにある水銀工場が前にあったんですが、そこらの状態を調べてほしいという試料を持っていったけれども、日本分析化学研究所は非常にたくさんの試料を預かってまあそういうのはたいへんな時間がたたないととても手が回らぬと、こういうことだったということを聞きましたが、全国からこういう依頼が権威ある化学分析研究所として非常に多かったのじゃないかと思います。  そこで、一つ都道府県衛生研究所がいろいろな放射能検査をする場合に、ここに委託をしておりますが、こういう場合にどういう手続委託をするのか。科学技術庁がこれを預かって、そして番号だけを札をつけて試料を向こうに回してその結果だけを聞き取るのか、直接衛生研究所等サンプルの名前を書いたのを持っていって検査委託するのか、どうやっているか、その点どうですか。
  33. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 科学技術庁原子力局放射能調査予算で各都道府県に対して大体調査計画によって金も出しておるわけでございますが、それによって都道府県衛生試験所等が採取した各種の食品とか水とか雨水とかちりとか海底土とかいろいろな検体を集めまして、そして、都道府県衛生研等が集めた日にち場所等を明記して、その試料を直接に分析研に送っておるのであります。     —————————————
  34. 船田譲

    理事船田譲君) 委員異動について御報告いたします。  ただいま矢追秀彦君が委員辞任され、その補欠として黒柳明君が選任されました。     —————————————
  35. 辻一彦

    辻一彦君 それじゃ、科学技術庁は、アメリカ原潜等汚染状況、こういうものを調べる場合に、そのサンプル分析に回す場合に、どういうふうにやっておりますか。
  36. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 原潜等寄港の際は、寄港時あるいはそのあと、あるいは定例的に、大体海上保安庁海底土とか海水とか、いろいろなデータ試料を採取してもらいまして、これは科学技術庁担当者も立ち会ってやっておりますが、それを海上保安庁から分析研に送っております。
  37. 辻一彦

    辻一彦君 じゃ、各電力会社がこれはまあ全部合わすと二千八百万程度委託をやっておりますが、電力会社個々にそのサンプル分析研に送っているのかどうか、この点いかがですか。
  38. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) これは各電力会社個々にやはり環境、その周辺データ試料を、日にち場所等を明らかにして直接に分析研に送っておるのであります。
  39. 辻一彦

    辻一彦君 各工場から送られる水銀PCB等検出についてはやはり同様ですか。これはちょっと担当がおられぬと無理かもわからないが。
  40. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 直接の担当じゃありませんが、たぶん同じような手続によって分析研に送られていると思います。
  41. 辻一彦

    辻一彦君 大体同じようなやり方で行なわれておると思うのですが、私は、たとえば電力会社放射能検出について科学技術庁サンプルを送り、科学技術庁番号等をつけてこれを分析研に渡してその結果を確認するとか、こういうことであるのだと思っていたのですが、それぞれの電力企業が直接問題になっている周辺サンプルを送ってそしてこの分析委託をして、その結果が——自分会社でいろいろな分析陣を持っておると思いますが、それは自前の分析だというので周辺の人があまり信用をしないと、こういうことで、権威ある分析の結果のためには日本分析化学研究所委託をして、そこでの数字が、いわゆる住民等に対して、これは心配だとか、心配はない、安全であるとかいうことを裏づけることに使われているといいますか、そういうふうに私はなっておると思うのですね。  そこで、こういう分析研の中で、直接電力会社等から来たサンプルに対してきわめて厳密に科学的に分析だけが行なわれてその結果が出ていると私は思いますけれども、その中に、何らかの手心というか、何らかの操作によって、そういう数字が若干でもゆがめられるというような事実はないかどうか、この点についてのはっきり心配がないと言い切れるかどうか、この点いかがですか。
  42. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 日本分析研は、委託を受けた分析検体について、その分析結果だけを出すたてまえであります。これをどう評価するかは、委託を出した科学技術庁なりあるいは放射能対策本部なり、あるいは委託官庁官庁が評価するわけであります。  それで、分析研分析につきましては、国際的に、これはIAEAあたりでも、二年に一回くらい、各国の研究分析機関に対して、コンクールといいますか、試料を出して、そうして各国の分析能力のテストをやっておりますが、それによりましても、非常に日本の分析研に対する評価が高いわけでございます。これは分析研が十年以上の経験と有能な研究分析者の努力によってこういう成果があがってきたのであります。それから国としましても、これは放射能関係でありますが、放医研とか国立試験研究機関において分析研放射能分析結果についてクロスチェックを行なわせておりまして、現在までのところ分析研が行なった結果に問題があったということはなかったのであります。したがって、われわれは、分析研分析結果については、非常に正確なものであり、決して外部の力によってゆがめられたり、また、誤った結果を出したりするということは、こういう内外のテストあるいはクロスチェック等によりましての実績から見まして、そういうことは絶対過去においてなかったというふうに信じております。
  43. 辻一彦

    辻一彦君 私も、そうでなくてはならないと思います。ただ、分析研分析結果の評価が国際的にも高く、国内的にも再チェックをしてもその精度が高いという、そういう科学的なものに比べて、逆にこの仕組みのほうにこれと相反するような古さが私いろいろあるように思うのです。  そこで、分析研浅利氏が、松田氏の供応といいますか贈賄にどのぐらい負担をしているのか、あるいは、そういう金額は、二億五千万という日本分析研予算の中からどのぐらい出されておったか、わかれば知らしていただきたい。
  44. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 分析研予算昭和四十七度が二億五千万、それから昭和四十六年度の決算が二億二千九百万となっておりますが、このうちでどれだけ浅利松田に対して金銭的に提供し、それがどういう処理をしたかは、いま検察当局で捜査中でありまして、われわれは全然知らないのであります。
  45. 辻一彦

    辻一彦君 まあ捜査中でそれが明らかにされなければわからないという点も私もわかりますが、それでは、電力企業、あるいは水銀の排出の分析委託を受けたそういう会社からの寄付、あるいはいろいろな名前による分担金、こういうものが集められた事実はありませんか。
  46. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 分析研の運営は、非常に厳正な分析をやる仕事でありますので、電力会社とかあるいは民間から寄付金等の形で運営の援助を受けるということは、そういう事実関係は全くないのであります。それで、これは、国としても十分チェックしておりまして、これは分析委託を受けてそれにかかる費用は分析料としてもらっておりますが、運営とか一般的な財政援助とか、そういう寄付金等の運営上の援助は絶対受けておらない。そして、厳正中立の立場でこの分析研仕事をやっていくというたてまえで、昭和四十二年に社団法人から財団法人に組織がえしましたのも、財団法人という会員制度でない、関係企業とか産業界とかそういうところから独立した、厳正中立の立場を守るためというので財団法人になったと聞いておりますが、その後におきましても、運営上、財界、電力会社等から寄付をもらったことは全くないのであります。
  47. 辻一彦

    辻一彦君 表では、まあそういうことは定款やいろいろな面からとめられておりますね、だからそれはないでしょう。しかし、裏面において、たとえば新聞報道によれば二千数百万円というような飲食あるいは供応がなれているとすれば、そういう資金というものが二億五千万の予算から持ち出すというわけには、これはまあ経理から見てもできるわけではない。とすれば、いろいろなこういう企業とのつながりを通してこういうお金が集められたと、そのほかにはなかなか考えられないのですが、そういう点は、裏のほうにおいては事実としてはどういうようにお考えになっておりますか。
  48. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) 浅利専務から松田に対して幾ら提供があったかというのは現在調査中でわからないのでありますが、まあ内部操作で経理上の処理等もどういうことをやっておるかというのも、われわれとしては捜査の結果を見ないとわからない状態であります。ただ、それが、ある企業等から裏金として提供されたものが流用になっているということは、これも調査しないとわからぬのでありますが、われわれとしてはそういうことはないというふうに、従来のいろいろな分析研のあり方からしてないというふうに考えております。
  49. 辻一彦

    辻一彦君 分析研究所が受け入れたお金としてはないとしても、浅利氏が個人としてその分析研における位置から呼びかけをすれば起こり得る可能性は私はあると思いますが、そういう個人的なこととしてもそういうことはなかったというふうにお思いになっていますか。
  50. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) これも調査の結果によらないとはっきりしたことは言えないのでありますが、われわれ、分析研の運営のあり方あるいは浅利専務の人柄等からしてそれを外から云々ということはなかったというふうに信じております。
  51. 辻一彦

    辻一彦君 そうすれば、新聞でいわれる二千数百万円に及ぶ飲食や、あるいはいろいろな贈賄という経費は、経局、浅利氏が個人で負担をしたのか、あるいは、二億五千万のこの研究所の経費から捻出をしたか、いずれかになるわけですが、そのいずれかになるとお考えですか。
  52. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) その点につきましても、捜査結果の結論を見ないとわからないのでありますが、私としてはそういう方法によったものと考えております。
  53. 辻一彦

    辻一彦君 まあ個人の負担といいましても、それは非常に財産家かどうか私はわかりませんが、これはしかも事実としてそんな簡単なものではないと私は思いますね。  そこで、これから、私は、これがこのままのような形で放任されたとすれば起こり得る懸念について——過去における事実としては私は確認できないけれども、これから起こり得る懸念について若干申し上げて考え方を伺いたい、こう思うのです。というのは、日本分析化学研究所が国際的にもまた国内的にも分析の結果については高い評価を受けている。電力会社自分の技術者はかなり持っているはずですが、そこでやってみても、それはおまえのところでやったいいかげんな数字だわと、こう言われればなかなか周辺の住民が信用されないと。そこで、分析研ではこうだったという。これを持ち出すことによってこの数字の権威というものがいま私は裏づけされておると思う。そういう意味で、非常に権威が内容的にも評価も高い分析研ですが、逆に、私は、これだけの評価を受けている中で、公の運営やそういうものは別として、その中に古い仕組みが残っておるとすれば、今日、公害源の企業水銀PCB排出の企業からも、あるいは問題に非常になっている電力企業からも、お金を集めるとすれば簡単に集められることが私はできると思うのです。たとえば、これはまあ一々会社の名前をあげることはないと思いますが、浜岡——静岡県における中部電力のいわゆる住民をどういうように説得するかというような動き、あるいは関西電力あるいは東京電力が、福井県の若狭湾一帯あるいは福島等におけるいろいろな動きを見ますと、たとえば婦人会というのがあります。こういう婦人会の全員をバスで招待をして、お弁当を出して、おみやげをつけて安全だというPRをやる。あるいは学校に申し出をやって、小学校の子供たちが来ると、これに対して鉛筆だとかいろいろなサービスをしている。それぐらいはまだやさしいのでありますが、所によれば、反対をした町村の議員をほかに招待をして、全議員をかかえて出る。町長や村長が、どこへ行ったか議員がおらないといってさがしているという事実も過去にあったわけです。あるいは、ある六十尺七十戸の漁村部落が反対をすれば、六億、七億という、二月平均六百五十万というようなお金を軒並みに並べて、そこへ銀行が預金をしてくれといって二、三日ついている、こういう事実があったということもありました。あるいは反対をしておった自治体が手の平を返したように変化をしてくる。その中には六億、七億、五億という町村振興費というような形でこのお金が寄付されている、こういうことによっていろいろな住民の反対しておった動きが、ある意味においてはそういう形の説得が進んで様子が変わっている、こういう事実があります。これは、私は、考えてみると、一カ所にいわゆる発電所を集中すると、いま大きなメリットがあります、企業のほうからいえば。御存じのように、福井県の大飯、いわゆる日本最大の百十七万キロの発電所では、一号炉の予算は一千億、これは敷地やいろいろな補償費が含まれます。二号炉になると八百億で、二つ目からは二百億安くつくと、こういう事実がありますし、八十三万の高浜の発電所を見ると、一号基が六百八十億、二号基は五百三十億で百五十億二つ目から安くなっていく。だから、よそのほうではいろいろな住民の運動があって簡単に新しい敷地や立地が困難であるとすれば、なるべく確保された敷地に集中すればそれだけでも企業からいえばメリットがある、こういうことが言えると思います。したがって、前にも私はこの委員会で申し上げたことがありますが、若狭湾でも関西電力等は四百五十億ぐらい立地の集中によって新しくつくるよりも安くあげることができる、集中のメリットを得ているのじゃないかと思います。したがって、一割のお金を使ったって四十億、五十億です。だから、五億、六億という単位で、いまいろいろな形である意味では援助、ある意味では補償、いろいろな形でそういうお金が出されております。これは、中部電力東京電力あるいは関西電力に限らぬ。いま四国電力の動きを見ても、新しい敷地を確保して立地を得るためには、その企業内にたいへんなそういう意味の犠牲を払っておると思うのですね。こういう状況の中に、日本分析研というものが中身においてはきわめて権威のある、しかし、その仕組みにおいていろいろな問題を持っているとすれば、もしこの古い仕組みというかつながりというものがよくないほうに動くとすれば、私は、これらの電力企業から一つ企業から何千万であろうとお金を集めるというようなことはきわめて容易に行ない得る条件があると思うのですね。もしもこういうことがあったとしたら分析研分析結果に一番信用されている、あるいは、周辺のその結果に信用しているそういう人たちにとっても、国民の安全という点からいっても、私はたいへんな問題であろうと思います。こういう問題をどういうように今後起こり得ないというような保証をし、どういうように改善をし、そして日本分析研という、一人一人の技術者を見れば、きわめて善意でしかも良心的な科学者のその努力が十分生かされるようにするために一体どうする考えなのか。私は、ある面においては非常に大きな不信感がいまある、いろいろな問題が起きている、これをやはり拭い去っていくには、改善策として十分な対策が必要であると、こう考えますが、これについて、これを監督をし、あるいは、まあ言うならば委託をしたり、きわめて関係の深い科学技術庁としてどうされる考えか、また、具体的にどうすべきか、そういうことについてお伺いをいたしたい。
  54. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) 分析の業務がまことに重要な業務であることは、先生の御指摘のとおりでございます。ことに電力会社がそういう工作をするというふうな、私はそういうことは従来もなかったし、今後もないということを信じておりますけれども、しかし、いろいろ先生が御指摘のような、鉛筆を配ったり、弁当を出して招待したり、いろいろそういうことまでするというふうなことも、私はそういうことは分析までそういうことをやるということは考え得ません。けれども、とによく常にわれわれは分析の科学性というか真実性というものは保持するようにしなければいけないというふうに、その点は私も同感でございます。従来ともこの分析研というのは、先ほど局長からも御説明を申し上げましたように、つまりIAEAの主催する国際的な分析値の比較コンクールというものでも高く評価されておるようでありますし、また、国立試験研究機関等からも事実信頼をしておるようであります。さらにまた、クロスチェックと申しましょうか、放医研等国立試験研究機関においても放射能分析測定を実施しまして、その調査結果についてクロスチェックを行なっておる。このクロスチェックなんということは、私は非常にいい制度だと思っております。したがって、そのクロスチェックをたびたび、行なうとか、その分析業務自体にもそういうような方法でチェックをしていく、クロスチェックをするということも、現在でも私は決してこれまでこの事件によって分析がいいかげんなことをやったとは実は思っていないのです。けれども、さらに念には念を入れてクロスチェックというふうなことも考えていきたい。と同時に、また、公益法人として会計面と申しましょうか、そういう点でも監督を強化していきたい。具体的にどうしようということはまた政府委員からも答弁すると思いますが、そういうきびしい姿勢で進んでいきたいと思うわけでございます。
  55. 辻一彦

    辻一彦君 通産省も、この前、石油たん白の問題を私たちがいろいろ調べたときに、通産当局は、食品市場等における石油たん白、そういうものの分析は手が回らないので、民間にあるいろいろなところに委託をしてやりたいと、こういう話をこの前担当局長が発言をされておりました。これはまあほかの会議でありますが、いま、各省は、いろいろな起こるこういう問題を、民間に、分析研究所、分析協会、いろいろな形のものをつくってそこに委託をするという方式を私はとっているように思うのですね。これはほんとうに中立性が維持をされ、そしてまた国でやる足りないところをカバーするという点で、いい面も私は確かにあると思いますね。しかし、こういう問題が出てくる中を考えると、私は単に民間だけに委託をして国民の安全や生命に関するいろいろな重要なデータをそこだけの結論によって出していくというやり方がいいのかどうか、その点について考え直すべきじゃないかと、こういうように思うのです。公害の問題あるいは放射能の問題がこれだけ大きく国民の問題になっている中で、国立の分析研究所、あるいはそれを測定するこういう機関を充実して、民間における内容ある権威ある研究所と、そして国立によって分析して研究した結果、そういうものをダブルチェックによって安全を期していくというか、正確を期していく、こういうことは考えられていいのじゃないか、こう思うのですが、この点について、こういう問題は何といっても科学技術庁が日本における元締めのような役割りでありますから、この御見解を、どうお考えになるか、伺いたいと思います。
  56. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) どうも、委託はあまり信用できない、そういう言い方かどうか存じませんけれども、簡単に言いますと、それよりも、国でもっとそういうものを考えたらどうかというような御趣旨かと思いますが、私は、検査をする体制といいましょうか、分析する体制のいかんということをあんまりそれはこだわらないで、それは、国営とか、あるいは特殊法人とか、公益法人とか、いろいろあると思います。しかし、どんな形態をとりましても、疑えばいろいろなことがあるわけでありまして、私は現在の公益法人の姿においても目的は達し得ると、決していいかげんなものをするということは考えないんです。ことに、予算とか定員とか、いろいろな問題がありまして、国の機関とかそういうことになりますと、弾力的といいましょうか、そういう点にもどうも欠ける点もあるというふうな点から考えまして、私は公益法人としての機能を十分に達することができまするように、企業形態——企業形態といいますか、その体制というか、形態のいかんということにあんまり私はこだわらないで、公益法人として十分に監督し、そしてその機能がいいかげんなそういう分析をやらないようにクロスチェックをするということ、それが私はやっぱり必要じゃないかというふうに考えて、特に新しいそういう形態を考え考え方はいまのところございません。
  57. 辻一彦

    辻一彦君 私は、いま、各省のこういう問題の取り扱いを見ると、民間にいろいろつくってそこへ委託するという形がどうも多いように思う。それはもちろん内容的にりっぱな民間の公益法人が努力されている、そういうことを全部疑うわけではありません。しかし、日本の中で、わが国の中で、公害にしても、放射能にしても、国民的課題というか、これだけ大きくなっている中で、そういう問題の判定が民間だけのそこにまかされて、そこでの数字できめられていくということについては、これからの問題としてやはり問題があるのじゃないか。その点で、これは検討課題として、国においても十分な検査分析体制を整え、さらにダブルチェックを具体的に厳密にやっていく、こういうことについてどうしていくかということをこれからひつ御検討を十分いただきたいと、こう思いますが、この点どうですか。
  58. 成田壽治

    政府委員成田壽治君) いま体制の問題について長官からお話があったとおりでありますが、放射能分析測定につきましては、測定の方法というのは、これは放射線審議会の中で測定部会というのをつくりまして、核種ごとの最も合理的な正確な測定方法を分析測定の基準というのをつくって、これに従わせて分析研や地方の公共団体研究機関等がやる方法をつくっておるのであります。そして、その方法によって研究機関なり分析研分析をやる、そしてその結果につきましては先ほど言いましたような放医研とか気象研とか国立の研究機関にクロスチェックをさせる、こういうやり方で非常に厳正を期してやっておりますが、御指摘のように、それでも今後放射能あるいは公害全般、いろいろな広範な科学分析のやり方が広まってくるし、また、その正確を期するという必要については御指摘のとおりでありますので、われわれも、いまのようなやり方でまあ相当厳正に放射能については行なわれていると思いますが、その点の検討も今後進めていきたいと思っております。
  59. 辻一彦

    辻一彦君 終わります。
  60. 黒柳明

    黒柳明君 私は、きょうは、科学技術庁の認可法人であります資源化技術協会ですね、すでにマスコミで一、二回問題として取り上げられておりますが、この協会のあり方、また、委託金、補助金の使われ方、業務のあり方、また、技術庁内の役人の姿勢等々について質問したいと思うのです。  まず、資源化技術協会の委託金、補助金は、過去二、三年、三、四年、わかっている範囲でけっこうですが、総体でどのぐらいになっていますか。
  61. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 資源化技術協会は、廃棄物の資源化技術に関して調査し、研究開発し、及びその成果の普及をはかって資源の有効利用をはかるという目的で設立されたものでございまして、約百五の会員があります社団法人でございます。  ここへの委託費でございますけれども、昭和四十五年度におきましては、科学技術庁、農林省、通産省及び東京都など地方公共団体より委託費、補助金等の受託を受けておりまして、合計額は約千六百万円でございます。当協会が支出しました事業費は、四十五年度におきましては五千六百万円ほどでございます。昭和四十六年度においては、同じく通産省、建設省、科学技術庁及び大阪市、岡山県等の地方公共団体よりの委託費、補助金等合計八千四百万円ほどを受託しております。この協会の総支出額は一億八千九百万円ほどでございます。昭和四十七年度におきましては、通産省、建設省、科学技術庁、運輸省、厚生省、日本自転車振興協会及び三重県、岐阜県、大阪市など地方公共団体よりの合計約六千九百万円ほどの委託費あるいは補助金を受けまして、総事業費は一億九千九百万円ほどでございます。
  62. 黒柳明

    黒柳明君 金額的に見ますと、相当金額が多いし、当然それだけの仕事もやってなきゃならないわけでありますが、それでまず一番初めて取り上げたいのは委託費の問題ですけれども、当然委託費を使うにあたっては専門委員会を設けてそこで検討してそれで使われなければならない、これは当然原則だと、こう私ども了解しておりますが、この点いかがでしょうか。
  63. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 御指摘のとおりでございまして、私どもの指導方針といたしましては、なるべくこの法人の公益性も考えまして委員会等をつくるような指導をいたしておる状況でございます。現在は、七つほどの委員会が設けられておりますが、一部廃棄物データ・センター関係におきましてデータの収集というような点が主体でございますので設けていない例もございます。今後こういうふうな件につきましても、委託関係でシステムの研究などという点も入ってきておりますので、今後専門委員会を設けさしたほうが過当であると考えてありますので、そのような指導をしてまいりたいと存じております。
  64. 黒柳明

    黒柳明君 いま私が聞く前にも御説明いただいたわけですが、廃棄物のデータ・センター、これが四十七年度だけでも五件ですか、専門委員会を設けていない。それから厚生省の中小都市の廃棄物処理システムの設計研究、これは二千百十九万三千円、これも専門委員会を設けていない。これは間違いありませんね。
  65. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 厚生省からの委託の二千万円ほどの中小都市の廃棄物処理システムの設計研究が四十七年度に委託されております。御指摘のとおり四十七年度にきましては委員会も設けられておりません。四十七年度は一応データの収集ということでございまして、実態調査という段階でございました。四十八年度はこのシステムの設計について具体的に四十七年度に集めましたデータを用いまして設計に入るわけでございまして、四十八年度におきましては当委託研究につきまして委員会を設置するということでございます。
  66. 黒柳明

    黒柳明君 要するに、ここにいま言った厚生省の二千百万円分の文書がありますけれども、これは完全に要するに内部に委員会を設置すると、こういう約束事もあるわけでありますし、それからもう一つ問題なのは、結局、私が言うまでもなく、皆さん方専門家ですからもう御存じのように、こういう専門委員会を設けないと、どうしてもトンネルじゃなかろうかと、たとえないとしても、こういうトンネルじゃなかろうかという疑惑が起こることは間違いない。私これから煮詰めていきますけれども、現にまたそうなんです。そういうことを憂慮して、当然専門委員会を設けなさいと、こういう原則、さらに当協会に対しても設けろと指導はしましたと、こうおっしゃっているわけだと思うのですけれども、さらにここでは一〇%を一般管理費に充てると、こうなりますと、専門委員会も設けていない、しかも一般管理費として一〇%のいわゆるピンハネのごときものをやっていると。これピンハネじゃないと言うかもわかりませんよ。いや、これはいろいろな経費に使うと。であるからこそ、こういう公正を期した専門委員会を設けなきゃならないわけですよ。それが設けられていないということは、幾らどう弁解しようと、やっぱりここで一〇%を極度として要するに協会が委託費の中から取ると、二百万円ですね。そうあることは、どうしてもこれはトンネルだと、こういうふうに私たちは疑惑を起こさざるを得ない。また、これがそうであるかどうかは煮詰めていけばわかるんです、いかにこの協会の実態がおかしなものであるかということはね。ですから、この辺についてお調べになったのかならないのが、あるいは一〇%を取るというシステムですけれども、これは専門委員会を設けられてなおかつこういう一般管理費を取るということはどうであるかということは疑問だと思う。しかも、これは専門委員会が設けられていない。しかも、一〇%ピンハネするということは、これは明らかにトンネルであると、こう断定されてもいたし方がないという客観情勢があるのではなかろうか。まだどんどん突っ込んでいけば実態がわかりますけれども、いかがでしょう。
  67. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 一〇%の経費の件でございますけれども、受託いたしますと当然一般管理費的な経費もかかるわけでございまして、こういう一般管理費的経費に充てる、こういうことと存じております。  なお、厚生省の委託につきましては、本年度から委員会を設置するということになっておりますことは、先刻答弁いたしましたとおりでございます。ただし、御指摘のとおり、委員会を設けなければいろいろな疑惑があるだろうという点、そういうふうな御心配もあるかと思いますし、われわれも委員会を設けるようにというような指導を今後とも十分続けていくつもりでございます。
  68. 黒柳明

    黒柳明君 この問題は大臣も御存じのようにもう問題になっていますし、ある省庁においては当然本年度の委託費は出さないと、こうなっておりますし、最後には相当問題が出てきますから、だから、弁護されるようなことは決して言わないほうがお得ですよ。幾らこれは弁護しようと、弁護しきれません。初めから言っておきましょうか。バーのつけがこれだけあるんです。科学技術庁接待用です、これは。いいですね。ここにいらっしゃる人のお名前はまず出ないかと思いますけれども、この協会について問題があるんですから、その事実はもう御存じなんですから、それをもし擁護するようなことになったら、私はこれについて一つ一つ名前をあげますよ。いいですか。ですから、私は、何もおどかしているつもりはない。なぜかならば、すでに事実はわかっているんです。各省庁とも、この協会に対しては問題があるから委託費なんか出すのよせと、こうなっているんです。それに対して公平な目で見て、間違いは前向きに改めるなら改める、そういう面でひとつ質疑をしましょうよ。私も、何も悪くないことを悪いと言うつもりはありません。ただ、こういう過去にすでに問題点が出たものに対して、それを何にも問題点がない、いま初めて知った、とは違うのですから、問題は。よろしいですね。さらに、協会に対しての問題、なぜこれをトンネルと言うか、なぜ一〇%をピンはねと言うか、この問題だって、当然こまかく調べてなきゃおかしいわけです、本来ならば。ですから、ひとつあらかじめそういう点を留意しながら御答弁を願いたいという私の希望を申しておきます。  ですから、この問題につきましては、要するに、四十八年に設けると。設けてないんです、いま現在。設けてない時点について私は問題だと。なおかつ、ここに設けるという約束と覚え書きを結んでいるにもかかわらず、設けてない。そこに問題があると、こういうことを私は言っているんです。よろしいですね。もう一回答弁し直してくださいよ。どうもいまの答弁はすっきりしない。いいですか、悪いですか、この問題は。うまくないんじゃないですか。
  69. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 四十八年度厚生省との委託研究におきましてそのような契約を結んでおったことを存知しておりませんでございました。そのような契約を結んでおるといたしますれば、まさに先生の御指摘のとおり、至らない点と存じます。
  70. 黒柳明

    黒柳明君 この覚え書きを結んでいたことを知らなかったと。まあこれは担当の省じゃない。けれども、やっぱり総括の認可法人ですからね、科技庁の。ですから厚生省とこういうものを結んでいたかどうか知らなかったということは、あくまでもこれは詭弁でありまして、こういう問題は当然知ってなきゃおかしいし、調査の範囲内にあるわけですよ、完全にこれは。ですから、これは完全に論弁である。こういうものを結んでいるにもかかわらず、つくってない。それはうまくないです。ですから、これははっきり専門委員会を設けてない。しかも、この一〇%なんという一般管理費なんというものを取っていること自体がさらにうまくない、こういうことです。まあこれ以上やると今度時間のほうがあれになりますからね。  それからもう一つお伺いします。同じようなことで補助金の問題ですけれども、この補助金を使うにあたって特定の企業にストレートに発注する、これはやっぱり私は常識的にはうまくないのじゃなかろうか、そのために専門委員会をつくって検討して公平を期すわけですから。にもかかわらず、もうすでに委託先を特定の企業にぽんと発注するときめていると、こういうことがもしあるとするならば、これは原則的にはうまくないと思うのですが、どうでしょう、補助金の使われかたですが。
  71. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 公益法人といたしまして、御指摘のありましたような業務の運営方法は誤解を与えるおそれがありまして、好ましいことではないと考えております。私ども六月の一日に立り入り検査もいたしまして、その際にも十分このようなことは誤解を与えるおそれがあるから今後改善するようにという指導もいたしているところでございます。
  72. 黒柳明

    黒柳明君 もう補助金が特定企業にべったり、たとえばいろいろ問題がありますけれども、四十六年のこちらの資料を見てくださいよ。受託先が工業技術院ですけれども、これは「重油燃焼灰がら有価物の回収および活性炭製造に関する応用研究」と、むずかしいですね、これは一千七百七十一万五千円、それから同じく四十六年度の工業件術院ですが、「都市産業廃棄物の」云々と、三千万円、これが重油のほうは三菱重工、都市産業廃棄物のほうは栗本鉄工、初めからもう発注先がきまっちゃっている。こういうあり方はこれはやっぱり典型的な企業との癒着、いわゆるひもつき、こういう疑惑を与える。こういうあり方がうまくないと私はいま局長がおっしゃったんだと思うのですけれども、具体的に例を言えばこういう例じゃなかろうかと、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  73. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 御指摘のとおりでございまして、重油燃焼灰の研究につきましては三菱重工に、それから「都市産業廃棄物の破砕、燃焼等による処理技術に関する応用研究」につきましては、これは三社でございまして、栗本鉄工、久保田鉄工、日本ゼオンの三社に委託しているようでございます。この場合は委員会を設けまして検討した上の委託と、こういうふうにお話を聞いております。
  74. 黒柳明

    黒柳明君 さらに、これも御存じでしょう。要するに、協会と関係会社三社が打ち合わせして、それで大阪は三井物産、四日市は住友、徳島も三井、それから水島と鹿島は三菱と、こういうふうに企業をきめちゃって、この企業を通して仕事をやると、こういうこともいまと同じことになると思うのですよ、私は。これは一つ一つ品物はきまりているわけじゃありません。いまのこの重油みたいな、あるいは都市の産業廃棄物云々と、特定な銘柄じゃありません。ですけれども、こういうふうに大手の企業をパイプにして、そしてどこ地区はどこにまかせるんだと、どこ地区はどこにまかせるんだと、こういうことも、具体的な一千七百万、具体的な三千万、あるいは具体的な研究事業の名称じゃないにしても、地域別に個々の大手の企業をきめてパイプにしてそれぞれ出た時点によって、金額あるいは研究内容によってまたそこと話をしようと、こういうことも、いわゆる企業とのひもつき、べったりだ、こういう疑惑が起こるし、間違いなくこういうケースにならざるを得ないと、こう思うのですけれども、これはどうですか。大阪が三井、それから四日市が住友、それから徳島が三井、水島と鹿島が三菱、こういうふうにきめているわけですよ。こういう点も、ひもつき、企業べったりと、こういうケースにもうほぼ類似行為だと、こう思いますけれども、これはいかがですか。
  75. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 地区的にそのような商社をきめて研究開発をしているという点は、私ども存じておりませんでございました。もしそういうことであるとすれば、誤解を与えるおそれもあるかと存じます。
  76. 黒柳明

    黒柳明君 大臣ね、科学技術庁も人が少ないしいろいろと忙しいから、何も存じていないということも、私はすなおですから聞き流しますよ。だけれども、先ほどから言うように大問題になった協会ですから、それがいまここで、存じていません、知りません、厚生省との覚え書はわかりませんということは、まずこういうスマートな委員会だから私トーンを下げていますけれども、ちょっとほかの委員会だったらこんなわけにいきませんよ、大臣。まあトーンを上げる上げないにかかわらず、これは深刻な問題ということでひとつ大臣お聞き願わないと、これはうまくないことだと思います。これは先ほどの辻先生お話、もうあのお話だったって大問題です。私が言うのはその延長ですよ、これは。ですから、ひとつ大臣、いま繰り返したように、問題はもうすでに先行している問題ですから、こんなことは知らないわけはないと思うのです。だけれども、「知らない」と言うのに「なぜ知らないのか」と言ったところで、またあとのいろんな問題があるから、私はそんな水かけ論をやりませんけれども、知らないというのはあまりにもこれはおかしな話ではなかろうかと、私はこう判断せざるを得ないです。  まあそれはそれとしまして、それから同じ協会で中間レポートを出していますよ、報告を。そこにも同じことが書いてあるんです。まあ省略しますけれども、公害防止施設メーカーにも深い関係性がある住友商事、丸紅飯田、三井物産、三菱商事等大手総合商社が一丸となって共同企業体を設立し、建設工事全般から運営専門会社の設立まで行なうことが必要であると。こんな特定会社をあげてそれで研究開発をやることが必要だなんという報告ですと、何のための先ほど局長のおっしゃった専門委員会を設けたのか。当然設けてない。委託費の使われ方がおかしい。ピンハネまでもしているのじゃないかという大きな疑問がある。それから補助金の使われ方もいわゆる非常に企業べったりで問題がある。さらに、この中間報告だって麗々しくこういうものをあげている。この中間報告をお読みになって長官のほうではこれをどう判断したのか、どうこれに対して対処したのか、ここらあたりも私は非常におかしいなあというような感じがします。まあ、またまとめて大臣にはお聞きしますけれども、これもいまの悪いことばかもわかりませんがひもつきですわな、そういう一環がこういうことの活字にぴたっとあらわれている。こういう姿勢の一環だと思うのですけれども、どうですか、局長さん。
  77. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 先生御指摘のように、商社の固有名詞が報告書にあがっておりまするが、これらの企業の代弁と誤解を招くような叙述となっているやに存じますけれども、好ましくないので、今後はかかることのないように指導をしてまいりたいと思います。
  78. 黒柳明

    黒柳明君 ここで一段落ですから、大臣、いまも私言いました、またこれで三回目を繰り返しますけれども、要するに、委託費、補助金、その使われ方、それが一つはトンネルだということ、一つはひもつきだということ、また、こういう厚生省との覚え書き、それから企業の中間報告、こういうものについても知らなかったんだと、こういういま局長さんの答弁、そういうものについて私は非常におかしいと思うし、何回も言いますように、もう問題化されている問題ですから、これをほんとうに監査して改めようという姿勢があったのか。私、監査したということは聞きました。その内容というのは非常にやっぱりおざなりだというような感じを受けとめざるを得ないのです。こんなことはもう当然監査の対象にならなきゃならないし、きびしくやっぱり規制をした結果を報告してもらわなきゃならないのです、いまのこの委員会では。ところが、知らなかったというようなことでしょう。忠告しました、勧告しましたと。どうなっているんですか。まず聞いたってわからないですよ、どうなっているものやら。そういうあれじゃ、結局、問題点を指摘したったって、それを形式的に監査するだけで、改まったんだか改まってないのかもわからないということですと、非常にやっぱり問題が大きいし、しかも、分析センターにしたったって、事業内容がしっかりしているのだけれども、とんだ副産物があったために、その事業内容も九仞の功を一簣に虧くような結果になっちゃっているわけですから、そういうことを含めて、こういう協会のあり方、また、補助金、助成金の使われ方、また、大企業とべったり、あるいはトンネル会社、こういうものについていま指摘しましたのですが、まず中間的な大臣の感触はいかがでしょう。
  79. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) ただいま黒柳先生からこの協会につきまして、具体的に、トンネルじゃないか、あるいはひもつきじゃないかといろいろ具体的な例をあげて御指摘を受けましたが、実は私もいま初めて知ったようなものもございます。今後は、トンネルとかひもつきみたいなということのないように、また、そういう印象を与えないように、認可法人としての使命を達し得られまするように十分に監督をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
  80. 黒柳明

    黒柳明君 それから三点目ですけれども、電気事業連合会、これはあるマスコミで取り上げられました「二千万円使途不明」と、こういわれたんですが、この内容ですけれども、お調べいただいて、二千万がどういう使われ方をしていたか、これを御報告願えますか。
  81. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 当協会は電気事業連合会から昭和四十五年度に二千万円の寄付を受けております。この使用状況につきまして協会より事情を聴取いたしましたところ、昭和四十五年度に進出いたしました廃棄物データ・センター関係の業務を中心に施設され、昭和四十五年度決算については監事の監査を受け、総会で承認されており、特段の問題点はないように考えております。
  82. 黒柳明

    黒柳明君 特段の問題点というよりも、二千万円の使い道ですね、協会事務所拡張権利金三百四十七万円、それから事業費では全国廃棄物実態調査費が八十一万一千円、それから調査研究員費、いわゆる人件費、それが一千六百万円、余剰分が三百二十万云々と、こうありますけれども、要するに、これは、あれですか、寄付なんですか、委託調査費なんですか、電気事業連合会から来たこの二千万円というのは。
  83. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 電気事業連合会からの二千万円でございますが、私どもの存じている限りにおきましては、寄付金的性格の強いものであると了解しております。
  84. 黒柳明

    黒柳明君 その存じているというのは、何か書類がありますか、寄付金であるという書類。寄付金であるという文書がありますか。
  85. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 寄付金であるという文書はございませんが、電気事業連合会から聞いたところ、そういうふうな話がございました。
  86. 黒柳明

    黒柳明君 聞いたんでしょう。これが電気事業連合会の事務局長の書いたメモ。委託調査費です。これが電気事業会へ協会から出した書類、委託調査費です。だから、大臣、これはいまの時点において問題がない協会ですと、聞けば、まあほんとうのことも言うかわからないが、もうすでに問題がある協会ですから、問題が指摘されたんですから、この二千万円の使途不明だということで。それを聞いただけで、いや、これは寄付金ですよ、その性格が強いものですよ、そうですかと、それを委員会でまるまる答弁する、こういう感覚が私は非常におかしいんじゃないかと思いますけれどもね。これは「二千万円全国各種工場事業所八万件の廃棄物の排出処理状況の調査委託費」とちゃんと事務局長がメモで書いてあるのです。まあこれはメモだから、公文書じゃありません。ですから、こういうものをつけている。これは公文書です、ちゃんと。これはありますね。これは協会から連合会に出した公文書です。これにはっきり委託調査費として二千万円もらいたいと、こうなっている。電気事業会のほうもこれはメモです。これを受けて聞いた。はっきり委託調査費です。寄付じゃないですよ。それが、調査したんだかしないんだか、事務所の拡張権利金に三百四十万円も出す、人件費に一千二、三百万円も出す、こういう性格ですよ、この二千万円というのは。それで、寄付金あるいはそういう性格のものと。何か書類出してごらんなさい。出やしないじゃないですか。聞いただけですよ。これは電気事業会のほうに聞けば、もう知っていますから、いやこれは実は調査費でやって使われていないでうまくないんですよなんて言ったとしても、委員会にそれを言うかどうか問題だし、私はそこまで意地悪くないです。聞いたんだからそう言っていると思うのですけれどもそうじゃないですよ。はっきりこれは委託調査費であり、委託調査費として出しましたというのがあるんですよ。それがそれに使われていない。事務所の拡張権利なんかに使われている。人件費にすら使われている。もしこの全国廃棄物実態調査費の八十一万円というものを善意に考えるならば、これだけです。あと余剰分が三百万円残っている。どこへ行っちゃったのか。こういう性格の二千万円じゃないんですか。どうでしょう、局長さん。
  87. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 二千万円につきましては、廃棄物データ・センターの拡充と、こういうことで、この経費は主として産業界の廃棄物、廃水その他のデータを一カ所に集めまして利用に便宜にすると、こういう趣旨でこの仕事が始まったものでございまして、したがいまして、従来から事業がふくらみましたので手狭でありました事務所の拡充、それからこの調査に当たる人の人件費等をこれに支出したものと考えております。
  88. 黒柳明

    黒柳明君 そうじゃなくて、要するにこれは委託調査費として出したものじゃないですか。この添付の書類がありますか。ここにもちゃんと書いてあるじゃないですか。「科学技術庁通産省企業局、化学工業局、東京都」云々と、こういう実態調査委託費が出ている、ぜひとも二千万円もらいたいと。これだって出ていますよ、加藤会長から木川田東電社長殿ということで。はっきりしているじゃないですか。だから、冒頭に言ったように、この協会をかばったってしようがないですよ、そんなに。二千万円の使途不明ということははっきりしている。まあ不明であるかどうか。協会側のこれを見れば、人件費として過半数使っちゃった。不明であるかどうかということは疑問ですわね。使途ははっきりしている、人件費だと。あるいは建物の拡張の権利費だと。不明じゃない。ですけれども、調査費として使われていないじゃないですか、何にも。
  89. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) このデータ・センターで調査員の人件費あるいは事務所の経費等も支払われているわけでございますけれども、内容的にはこれによって各会社データを集めた、こういうことと存じております。
  90. 黒柳明

    黒柳明君 そうすると、主幹とそれから副主幹等の職員が飛び回ってデータを集めた、こういうことが委託調査費になると、こういうことですか。いいですか、それで。もしそういうことが委託調査費としたら、これはたいへんな問題ですよ。いいですか、それで。ここにちゃんとあるんですよ。何を調査したか、これ。職員が一千万円の金を使って、それじゃ、これの内容を出しますよ、何に使ったか、そんなでたらめ答弁をすると。だから、こんな協会をかばう必要はないと言ったじゃないか。公平に見なさい、これを客観的に。四百万円も主幹が何に使ったかわかりますか、それじゃこの内容が。委託調査費というものは人件費に一千万円を何に使ったかわかりますか、この人件費を、こまかいことまで。わかりゃしないでしょう、何にも。いいですか、これで。この委託調査費というのは、全面的に人件費ですよ。事務所の拡張権利が三百四十万円、人件費が一千二百万円、残りが三百万円、実態調査は八十万円、これがこういう委託調査費の内容で妥当と言うんですか。大臣、どうです、妥当ですか。あとから出しましょう、もしこれが妥当と言うなら。おかしいじゃないですか、明らかに。
  91. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) 私、ただいま初めて黒柳先生の御質疑を聞いてこの問題を聞いたわけでございますが、もしそれが事実だとすれば、妥当とは考えません。
  92. 黒柳明

    黒柳明君 そうなんです。またこれが事実かどうかわからないんですよ。二千万円使途不明だと言うから、こういうものをつくった可能性があるんです、大臣、可能性が。そこまで私はこの場でやりとりする資料調査できなかった。できなかっただけのものです。私はまずこれはでっち上げだと思うのです。こんなものは。これから最後の詰めでしかるべきところで調査すれば、これは出てくると思いますよ、はっきりこの実態というものは。だけれども、私たちの権限の中ではそこまではいかないというだけのものです。当然つじつまの帳簿を合わせただけですよ、これは。いわゆる使途不明です、間違いなく。そういう委託調査費という名目で出して、いまこれ困っているんです、出したほうでも。調査しなかったら返せと大問題になっているんですよ。こういう二千万円というものは非常に使途不明がある。  これから次々出しましょう、ここで。廃水利用工業研究組合、ここにも相当調査費として出ていますね。これはどういう組合ですか、簡単に言ってください。これも大問題ですよ。違いますよ、皆さん方の調べとは。
  93. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 私どもの調べたところでございますと、この組合は、昭和三十九年に設立されました任意団体でございまして、事務所は、大管工業株式会社、大阪市南区塩町通一の二十八に置かれているとのことでございます。また、現在の組合員は、大管工業株式会社のほか三社でございまして、当組合の業務は、浄化槽の水質検査等であるということでございます。
  94. 黒柳明

    黒柳明君 それで、大管工業の中にある。かつては大阪の衛研の中にあった。ところが、大管工業の事務長前川さんという方、全部判こはこの協会の事務局長の大橋さんに預けてあるんです。大橋さんの一存です。私たちは何にもこの金の使途、使い方に対してはタッチしていませんと、こういうことこそ聞いておかなきゃだめなんですよ。この組合が衛研からこっちに行っている。そうしたら、この調査費というものは、大管工業で数社で公平に運営されている調査費か。そうじゃないんですよ。完全にこれは協会の大橋事務局長が判こを持ってコントロールしています。私ども知りませんと言っている。これこそやっぱり監査して、またこれを数日前に調べると言った。調べていただいた。それについてはまず聞いてないんじゃないですか。どうですか、聞きましたか、大管工業の実態というものを。この組合の実態というものを聞きましたか。まず聞いてないでしょう。
  95. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 大管工業につきましては、電話で前川社長に当方から伺いましたが、ただいま先生の御指摘の判のことにつきましては聞いておりません。
  96. 黒柳明

    黒柳明君 まあ皆さん方にどう言うか、われわれにどう言うか、これも私たちにはそう言った。間違いないです、これは、いろいろな事情から調査して。これもやがて関係当局の手で調査すれば実態はわかります。全然こんな廃水利用工業研究組合なんてないんです、実体が。実体がない。要するに、この協会もいろんな人間関係調査しないものを調査したと言っているんです。  もっと端的な例があるんですよ。ユニオン産業株式会社、これはどういう会社か知っていますか。
  97. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 存知しておりません。
  98. 黒柳明

    黒柳明君 ここにもこんなに委託費が行っている。みんな領収書です、これ全部。中古車の販売会社です。この中古車の販売会社が、こんなシミュレート条件——私ちょっと知りません、科学的に。シミュレート結果、こんなものつくれますか、第一。中古車販売会社ですよ、このユニオン産業株式会社というのは。そこに委託調査費を出しているんですよ、三百万も四百万も、協会から。ところが、ここは中古の車の販売会社ですよ、ユニオン株式会社というのは。それがこういうりっぱな論文を出している。皆さん方これをそっくりそのまま真に受けているんじゃないんですか。シミュレートというのは、この中古車を販売しているところでこういう委託調査をしていいものですか。そこでできますか、中古車販売会社で。この実態を知っていますか、ユニオン産業というところを。
  99. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 残念ながら存知しておりませんでした。
  100. 黒柳明

    黒柳明君 このシミュレートというのは、そういうところでできるものですか。
  101. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) その会社の実情、能力等、私ども存知しておりませんので、その点不明確でございます。
  102. 黒柳明

    黒柳明君 要するに事務局長の大橋さんの知人がここにいるということです。何を調査させたか。「東京都実態調査」、こういうことです。東京都のことなら東京都の会社にやらせりゃいいじゃないですか、もし実態調査をやらせるなら。大阪の会社に何も持っていくことはないじゃないですか。「運輸関係調査費」というのです。何を運輸関係調査をしたのか。まあ第三者が見れば、東京都の実情がわかる、大阪は類似過密都市だからということもありますよ。大阪にある中古車の販売のユニオン産業株式会社に東京都の運輸関係調査費三百万円で何を調査さしたのですか。事務局長大橋さんの知人関係です。それだけです、これは。中古車を販売しているところがシミュレートなんてこと、何もわかりはしないじゃないですか。それをこういう麗々しい論文に出す。どうですか、これをまともに受けるのじゃないですか、科学技術庁は。どうですか、局長
  103. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) いまの先生からの御指摘の点、まさに私ども存知しておりませんで、東京都の委託がそこのその会社に行っているということも知りませんでした。なお、報告もまだ見ておらないのでございます。
  104. 黒柳明

    黒柳明君 これを、大臣、ちょっと見てごらんなさい。「東京都実態調査運輸関係調査費」と、これはまあ内容はわかりませんけれどもね。東京都の運輸関係の実態調査を大阪の中古車販売会社に何をやらせるのか、全然わからない。そのうしろもそう。「輸送計画調査費」としてまた二百万、何の運輸関係調査費なのか。その次に四十五万円、同じケースです。わかりはしません、こんなものは。これを調べておくのが皆さん方の監査の役目じゃないですか、いままでの。公明党にこんなことばっかしやらしちゃうまくないですよ、あっちもこっちも、各省庁とも。よろしいですか、大臣、これこそおかしい。いま言ったように、なぜこういうことが出てくるかというと、事務局長の知人がここにいるんです。だからこういうのが出てくるんです。  以下同文。日本資源開発、これもこんなに出ています、調査費が、だらだらだらっと。これも協会の役員が二人ここに入っているんです。その関係調査費が出ているんです。  それから同じく国際新技術交流協会、これも専務理事の原田さんがここの役員をやっているんです。それで、ここでやっているのは、外国の特許などの申請をやっているんですね、国際新技術交流協会というので。要するに、協会の専務理事の原田某という方がこの国際新技術交流協会のまた役員をやっているんですよ。その関係だけなんです。全部そういう人的な関係委託費調査費の多くにのぼるそういうものを自由に思うようにやって使っているんですよ。こういうことを当然皆さん方が調べなきゃならない協会じゃないですか。どうですか、大臣、ここらあたりでもう一回。
  105. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) 実は、ただいま黒柳さんから具体的にいろいろお話、御指摘を受けまして、私も実はいま初めて聞く事実が非常に多いのでございます。まことにそれが事実とすればけしからぬと思っております。われわれも毎年一回は監査をいたしておりますし、本年も三月と六月、二回にわたりまして監査をしたわけでございます。ところが、その業務監査にはまあ(「限度がある」と呼ぶ者あり)——黒柳先生、弁護するんじゃないんですよ。だけれども、限界がありまして、捜査権も持っていませんので、その点がやっぱり形式的に流れるおそれもあると思います。その点がほんとうに実のあるように今後徹底的に監査をしたい。特にそういうふうな週刊誌をにぎわしたり、そういうくさいものというか、先生からも御指摘をいただきましたので、その点をきびしく監査をしていきたい、こういうふうに思います。
  106. 黒柳明

    黒柳明君 私の持っているのは、全部これは出金伝票です、協会からユニオンに対しての。全部そういうものですよ。事実であるとするとならばなんて、これは事実に間違いないんですよ。だから、こういうものをコピーをちゃんとつけているんですよ。事実なんですよ、これは。事実とすればなんて、そんならこんなものなくてしゃべったほうがいいですよ、事実とすればと仮定の事実にやられるなら。事実です、全部。だから、ちゃんとこういう公文書を持ってきているじゃないですか。私の質問というのはそういう質問なんです、大臣との質疑は初めてですけれどもね。事実じゃないことを指摘しません、事実です。  それから監査は三月、六月と。聞きましたよ。何もやっていない。事実具体的にマスコミで取り上げられた、協会だって、二、三伝票を見ただけだという、こういう監査のやり方じゃ、ほんとうに真剣になってこの協会に対して、あるいは、これを一つの材料にして変毒為薬して全面的に問題に対して取り組もうとしているのか、それとも、極端にはこの協会の役員に大ものがずらっといるから、それにおそれをなしてそれで手をつけないのか、こういうことですよ。もう加藤弁三郎さん、それから関西電力、東京瓦斯、新日本製鉄、出光、三井、財界の大ものべったりですよ。確かによくここまで集めたものだと思う。こういう人の手前、あるいはお役所まで遠慮しているんじゃなかろうかと、こういう疑惑だって出てきますよ。これは、大臣、いま初めて聞いた、初めて聞いたなんて、そんな初めて聞いたなんてことはおかしいですよ、第一。まあそんなことを言ったって、これは質疑応答になりません。初めて聞いたというのだったら、それじゃいままで何をやっていたのか、局長や課長は。大臣に報告しなかったのか、この問題を、この事件を。もっと事が大きくなって明瞭になって具体的になって報告するのか。そんなことじゃないでしょう。また大臣だって、きのうやきょう大臣になったわけじゃないじゃないですか。大臣になって大きな問題があったじゃないですか。それと同じ問題ですよ。それをいま初めて聞いたなんて、それ自体が私は非常におかしい。こういう大ものの役員が並んでいるから弁護する。あるいは、何かクレームでも入ったんじゃないか。  時間がありませんから、そこで最後の問題に入ります。ここにある。事実とするならばというんじゃないですよ。だから、こういうコピーを全部持ってきているんですよ。一つは、中央区銀座八丁目バーのまあSとしておきましょう。資源化技術協会様、そこでもわかりますね。四万二千三百円、一万八千六百五十円、五万六千六百五十円、一万一千七百二十円、一万三千三百十円、一万一千円、これは一つのところですよ、これがまず一つ。それから同じく資源化技術協会様、これは同じく銀座八丁目のクラブです、これはJとしておきましょう。九万四千八百円。それから、これもバーPです。六万七千五十円、事務局長、次長、総務、会計全部判こを押してあります。科学技術庁の方接待、これも書いてあります。いいですか。前の二つはあて先が資源化技術協会様ですけれども、これはそうじゃないんです。長官の庁の人が使ったんです。それで協会がツケをもらって払っています。松田と同じです。第二の松田事件です。まだありますよ。港区の小料理屋F、四万六千六百七十二円、もっとこれは多い。こんなにツケがある。これは銀座西七丁目、二万二千五百十五円、一万七千八百九十円、三万百五十円、二万二千九百六十五円、四万六千七百四十五円、三万八千二百七十五円、四万六千七百四十五円、二万七千八百五円、二万九千二百七十円、二万七千八百五円、三万三千四百七十円等と、これは上様だけれども、払ったところは間違いなく協会です。こういうものが続々出てくる。知っています、名前がだれか。名前まで言っていいか悪いか。また、いまのクラブ、バーだって全部これは番地も住所も氏名も出ています。そこまでこの場で言っていいかどうか私はわかりませんので略語を使ったわけですけれどもね。一つのには名前まで出ています、ここにちゃんと。長官のところのお役人さんの名前が出ています。あるいはもう一つ、資源調査所、そこの方の名前まで出ています、ここには。これはまず一部ですよ、いいですか。一番新しいのはついせんだってのも入っています。四十四年から出ています。こういうものも、もし善意に解して、全然長官のところのお役人さんと関係ないにしても、資源化技術協会がこんなにバーのツケをためてどういうことかと、こういうことです、関係ないにしても。関係があるんです。それだから億もの補助金や委託費が取れるんじゃないですか。私が言うまでもなく第二の松田事件ですよ、これは。長官、この事実を知っていますか。当然これは知らなきゃならないことじゃないですか。だれだか名前を言ってくださいよ、長官のほうから。だれですか、これをやった人は。あるいは局長でもけっこうです。だれですか、これをやった人は。
  107. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) 残念ながら全然知りません。
  108. 黒柳明

    黒柳明君 局長さんならもう調べているんだからわかるでしょう。だれですか、これをやった人は。
  109. 長澤榮一

    政府委員(長澤榮一君) 私どもの存じている限りでは、協会の交際費は毎年二百万円ぐらいだったと存じております。いま先生から御指摘の点、私ども、ほんとうにいま初めて伺いました。私どもは、現在でもなお私どものほうの公務員がこの協会と何か違法の関係があるという事実はないと信じておる段階でございますが、なお十分調べてみたいと思います。
  110. 黒柳明

    黒柳明君 一つは、言い忘れた、科学技術庁資源調査所様ですよ、四万六千円。バーのツケがそんなところに行きますか、長官のほうで。資源調査所というのは、そんなにあれですか、バーやクラブで飲んでどんどんツケを回せなんてことになっていますか。なっていないでしょう、そんなものは。当然こういうものに問題が前からあったんですから、だれがやっているのか。協会というのはこんなにバーに行って飲んだのか。だってそれはもう活字にもなっている、ある意味においては。皆さん方がみずからのすねの傷をみずからむき出すという姿勢もなかろうかと思いますけれども、こういうものが私たちの手にだって入るんですもん。当然皆さん方が本腰を入れて監査する気になれば、事実関係がわかってなきゃおかしいんです。わかってないということ自体がおかしいんです。監査のしかたに問題があるんです、長官。やる気があるのかないのか問題なんです。その点からまず第一。ほんとうにやる気があるのだったら、そんな、厚生省と協会との覚え書きすらわからない、そんなばかなことはない。そこら辺からこの問題は要するに長官の役所の基本的な問題ですよ。問題があったらあったでしょうがない。どう対処するのか、それに対して。その姿勢が不明確だ。だから、だれが自分のところの部下の中でこういうものをしたのかというものが、あれだけ明瞭にある意味においては指摘されながら、いまに至るまで何かわかったようなわからないような、初めて聞きましたと、こういうことにつながってきちゃうんじゃないですか。いまの姿勢のままだったら、いや調べましたけれどもと言ってまたお茶を濁すのが関の山じゃないかと私は非常に憂えますね。どうですか。
  111. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) 黒柳先生の御指摘はまことに具体的であるということは私もよくわかっております。また、先刻来お話しの、大ものに遠慮してわれわれがちゅうちょしているのじゃないかと。そんな姿勢は全然ございません。それもひとつ御理解いただきたいと思います。  そうして、私は、いまの御指摘のバーの事実であるとか小料理屋の事実であるとか、それはいまほんとうに初めて聞くわけでございまして、実は驚いておるわけでございます。業務監査にはもちろん限界はございますけれども、限界があると言ってただ形式的に流れちゃいけない。特にこういう疑いを受けたような協会につきましては徹底的に監査をしたいというふうに考えております。そうして第二の松田事件というふうなものは絶滅すべきであるとむしろ私はきょうの先生の御指摘に対しまして感謝をしておる次第でございます。
  112. 黒柳明

    黒柳明君 私は何も感謝されたって迷惑ですけれどもね、何も長官のためにやっている質疑じゃありませんから。そういう委託費や研究費等が、国民の血税がむだに使われるから、あるいは企業との癒着で公害問題がさらにたれ流しになれば困るからです。もうここに科学技術庁の資源調査所って書いてある。それからさらに科学技術庁の方接待と書いてある。こういう具体的なものについて、それじゃ初めて聞いたというならば、これで終わりますが、どういう処置をとられますか、こういう問題に対して。ただ監査しましたと。三月と六月の監査なんか、聞きました。監査じゃないですよ、あんなものは。いまここに具体的に指摘された、いま初めて知ったというならば、この具体的な名前が出ているんです、これに対してどう対処されますか。具体的な対処されるしかたというものをそれじゃ聞きましょう。
  113. 前田佳都男

    国務大臣前田佳都男君) 御指摘のような事実を確認すれば、重大問題でありまするので、その内容をよく調べて確認した上で、事実に見合いましたきびしい処置をとりたいと考えます。
  114. 黒柳明

    黒柳明君 この問題は、知らなかったと言ってある意味においては済まされることかわかりませんけれども、私のその前の質問は、これはもうこの問題とは若干次元が違いますよ。協会の監査をすれば全部書類的に出る問題です。これすらも知らなかった、わからなかったということは、大臣はいざ知らず、局長さんの答弁は納得できない。まあ大臣もきびしくやるということですから、それで警察当局にこの書類をお渡しします。ひとつこれを厳重に調べて、これが第二の松田事件に発展する可能性は十二分にあると、こう私は思っております。具体的に名前が出ているんですから、これは大至急やっぱり調べて、取り締まるとかしかるべき処置をしてもらいたい。どうでしょう。私のいまの一連のこの質疑、また、この具体的な書類、まあじかにごらんいただいたわけじゃありませんけれども、それによってまた警察当局がしかるべき手を至急に打ってもらいたいと、こう思いますが、いかがでしょう。
  115. 田村宣明

    政府委員(田村宣明君) 申し上げるまでもございませんことですが、犯罪の疑いがある場合に、これを捜査をするというのは、私ども捜査機関としての警察の当然の責務でございます。先刻来いろいろ御発言のございました趣旨、内容につきましては、これを警視庁その他関係の警察によく伝えまして、また何か資料もいただけるようなお話でございますので、そういうものもいただきまして十分検討をいたしまして、犯罪の疑いのあるものにつきましては厳正に捜査をするように連絡をいたしたいと、かように考えます。
  116. 黒柳明

    黒柳明君 まあけっこうですけれども、資料をいただけるったって、警察ですから、この資料は私どもより先にやっぱり入手していなきゃならない、協会の問題というのは警視庁で調べているのですから。大橋さんの問題は地検のほうでいま調べていますけれどもね。だから、もうこのことは、いま資料もいただけるようななんて、ここもまたほうたよりねえなあというような感じがしますよ。もう警察のほうがこの資料を持って、どうなんだ、長官、こういうことうまくないじゃないかと、もうこのくらいのやっぱり親しき中にあるんでしょう。それを、私どもの資料をいただけるように思いますけれどもというのは何だか私は非常にこうたよりない気がします。けれども、協会のほうの調査もどんどん進んでいると私は思っています。まあこういう資料が必要であるなるば、ひとつ来ていただければお見せしないこともありません、しかし、これは費用がかかっております。時間がかかっております。ですから、その面につきまして、ひとつ、いつも言うようでありますけれども、やっぱり警察のほうとしても、こういう問題が先行しているんです。ですから、もっとやる気になって本腰を入れれば、公明党に先を越されるなんていうことはあり得ないことですから、資料はお見せしますけれども、ひとつ積極的にもうばりばりやってくださいよ。去年の秋から問題になっていることですから、これは。去年の秋からですね。ことしのもう春には問題になっているんですから。それを警察のほうが資料云々ということでは、ちょっと捜査当局としてなまぬるいのじゃないか。ちょっとすみません、文句を言わしていただきますけれども、まあそのことを含めましてひとつ前向きに大至急この問題を調べてください。もう一度……。
  117. 田村宣明

    政府委員(田村宣明君) 御趣旨に沿うようにつとめたいと思います。
  118. 船田譲

    理事船田譲君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十分散会