○
国務大臣(
前田佳都男君) まず最初に、中国の核実験についての問題でございますが、放射能
対策本部というのが内閣にございまして、この放射能
対策本部において、先刻来
政府委員から御答弁いたしましたように、昨日幹事会を開きまして、御説明したような方法でこの
調査をしておるわけでございますが、少しくスピーディではないんではないかと、おそいというふうなお話で、私もほんとうに気があせるような気がいたします。ことに、いまは、つゆの時期でありまして、雨が降ると雨の水で下へ落ちてくる、これはしろうと流でありますが、そういうようなこともありますし、とにかく急いでこれをできるだけ早く
調査をしてほしいということを、私も
事務当局に実は要望したわけでございます。実はけさも、閣議におきまして、放射能
対策本部はこういう措置をとりましたということを
報告をし、
関係閣僚はひとつこの問題に大きく関心を持ってくれということを、実は話したばかりでございます。
先生の御趣旨と私全く同じでありまして、できるだけ早くその放射能の
測定の実をあげたい、先ほど
倉本君がお話しいたしましたように、できるだけそういうデータを集めて、とにかく一週間ほどしたらもう一ぺん集まって、またそれに基づいてさらに今後の
対策を講じていこうということを実は考えておりますが、それにしましても、一週間のんべんだらりと能率があがらぬで待っているということではなくして、できるだけスピーディにやりたい、御趣旨を体してできるだけ急ぐようにいろいろ考えたいと思います。
次に、NPT条約の問題でございますが、これはすでに四十五年に
わが国が署名をいたしまして、まだ批准をいたしておりません。これ一体どうするのかというふうな問題でございますが、これは
政府全体、私が
科学技術庁長官の原子力
委員長というふうな立場において、もちろん閣僚の一人であります
国務大臣として、
政府としての御答弁をすべきでありますが、
政府としての御答弁は、先般来も外務
委員会におきまして大平外務大臣並びに私が出席をしておる席上において、これ一体どういうふうにするんだというふうな御質問がございました。けれども、このNPT条約につきましては目下検討中であるというふうな答弁を外務大臣もいたしておりまして、所管大臣、条約担当の大臣としてそういう答弁をしておるということを、私、そのままに実はお伝えをするわけであります。決してこれに対して、それじゃこの条約が別に要らぬというふうに考えておるわけでもございません。とにかく検討しておる、検討中でありますというお答えを実はしておるわけでありまして、はなはだ
矢追先生すっきりせぬじゃないかというふうなお考えかと思いますけれども、とにかくそういうことで担当の外務大臣がそういう御答弁をごく最近もいたしておりますので、そのことを私も同様に実は御答弁申し上げる次第であります。ただ、われわれといたしましては、NPT条約を署名いたしますとき、たしか二つ、三つ条件があったと思うのでございます。核保有国の軍縮が進んでもらいたいということが
一つ。それから平和
利用等の妨げにならぬことというふうなこと、そういうふうな条件というものがあったように思っておるのでございまして、軍縮の問題は外務省の所管でございますが、その問題、それとは別に平和
利用の問題でございます。この問題につきまして、われわれとしては、NPT条約に加盟をすることによりまして、何かこれがかえって平和
利用の支障になるんじゃないかという点をいろいろ検討をいたしておりました。現在も検討いたしておりますが、現在までのところは、NPTの保障措置のモデル協定というようなものを見ましても、そのモデル協定の査察によりまして、原子力の平和
利用、
研究活動が妨げられると、実質的に不利という点にならないというふうに私たちは判断しておるわけでございます。そういうふうな点もいろいろ私たちの立場において話をいたしまして、目下閣内において検討しておるということをお答えする次第でございます。