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1973-02-28 第71回国会 参議院 科学技術振興対策特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十八年二月二十八日(水曜日) 午前十時六分開会
—————————————
委員
の
異動
一月二十七日 辞任
補欠選任
加瀬
完君
和田
静夫
君
小林
武君
上田
哲君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
渋谷
邦彦
君 理 事 辻
一彦
君 矢追 秀彦君 委 員 江藤 智君 源田 実君 永野 鎮雄君 鍋島 直紹君 船田 譲君
上田
哲君 森 元治郎君 中村 利次君 星野 力君
国務大臣
国 務 大 臣 (
科学技術庁長
官)
前田佳
都男君
政府委員
科学技術政務次
官
伊藤宗一郎
君
科学技術庁長官
官房長
進 淳君
科学技術庁長官
官房会計課長
高須
儼明君
科学技術庁計画
局長
長澤 榮一君
科学技術庁研究
調整局長
千葉 博君
科学技術庁振興
局長
田宮 茂文君
科学技術庁原子
力局長
成田
壽治
君
事務局側
常任委員会専門
員 菊地 拓君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
科学技術振興対策樹立
に関する
調査
(
昭和
四十八年度
科学技術庁関係
の
施策
及び予 算に関する件) (
原子力開発
及び
原子力発電
の
安全性
に関する 件)
—————————————
渋谷邦彦
1
○
委員長
(
渋谷邦彦
君) ただいまから
科学技術振興対策特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る一月二十七日、
加瀬完
君及び
小林武
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
和田静夫
君及び
上田哲
君がそれぞれ選任されました。
—————————————
渋谷邦彦
2
○
委員長
(
渋谷邦彦
君)
科学技術振興対策樹立
に関する
調査
を議題といたします。 まず、
前田科学技術庁長官
から、
科学技術振興
のための
基本施策
について、その
所信
を聴取することといたします。
前田長官
。
前田佳都男
3
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) 第七十一国会にあたり、
科学技術庁長官
としての
所信
を述べさせていただきます。 最近における
わが国社会
・
経済
の
発展
はまことにめざましいものがございまして、
科学技術
がその原動力の
一つ
であったことは、だれしもが否定できないところでございます。
科学技術
の
発展
は、
社会
・
経済
の
高度化
の
基本的条件
であるとともに、未知の領域を開拓し、人類の夢を実現するための不可欠の要素であります。 今日、
経済
の
国際化
、
社会
の
高度化
・
情報化
が急速に進展するとともに、
環境
問題の早急な
解決
など、
社会
からの新たな
要請
が生じてきておりますが、このような
情勢
に対処し、豊かな
社会
を
建設
し、
国民生活
の
充実
をはかっていくためには、
人間尊重
の
基本理念
にのっとり、
科学技術
の一そうの
振興
をはかることが緊要でございます。 このような
観点
に立ちまして、私は、
昭和
四十八年度において、次のような
施策
を強力に
推進
してまいる
所存
でございます。 第一は、
科学技術振興基盤
の
強化
であります。
わが国
の
科学技術
を総合的、
計画
的に
推進
するため、
科学技術振興基本計画
の
策定
を進めるとともに、
研究公務員
の
処遇改善
、
国内
・
海外研修
の
充実
をはかる等、
研究環境整備
のための
施策
を
推進
してまいる
所存
でございます。特に、
研究環境
の画期的な向上を
目的
として、
昭和
五十年度までに概成することを
目途
に
筑波研究学園都市
の
建設
が進められておりますが、
科学技術庁
といたしましては、
所管研究機関
の移転、
建設
を進めるとともに、
共同利用施設
として新たに
研究交流センター
の
建設
に着手するほか、
科学技術
に関する
総合調整官庁
としての立場から、理想的な
研究環境
が
整備
されるよう、その
建設
に力を尽くしてまいる
所存
でございます。さらに、
国民
の
科学技術
に対する正しい
理解
を得ることが
科学技術振興
をはかる上で重要であることにかんがみ、
科学技術全般
にわたる
普及啓発活動
の一そう強力な
推進
をはかるほか、
科学技術
の望ましい適用をはかるため、テクノロジー・アセスメントの手法の
開発
と
科学技術政策
への導入について
検討
を進めてまいる
考え
でございます。 第二は、
国民生活
に密接に関連する
科学技術
の
推進
であります。
環境
・
防災
・
医療問題等
、
国民生活
における諸問題の
解決
は現下の最
重点政策課題
の
一つ
であり、これらの諸問題の抜本的、
効果
的な
解決
には、
科学技術面
からの寄与が不可欠であります。このため、
ライフサイエンス
、
ソフトサイエンス
、
都市科学技術
、
防災科学技術
、
国土管理技術
をはじめとする
国民生活関連科学技術
を一そう強力に
推進
する
考え
であります。特に、
生命現象
、
生物機能
を解明し、
医療
の
充実
、
環境
の
保全等
に資するとともに、今後の
技術革新
の芽となるものと期待される
ライフサイエンス
の
振興
に力を注いでまいりたいと
考え
ております。 第三は、
原子力
の
開発利用
の
推進
であります。 近年における
原子力発電
、
放射線利用
の急速な
実用化
の進展、
濃縮ウラン
をめぐる
国際情勢
の
展開等
にかんがみ、次の
施策
を重点的に
推進
する
所存
であります。 まず、
動力炉
の
開発
については、
昭和
四十九年
臨界
を
目標
に
高速増殖炉
の
実験炉
の
建設
を、
昭和
五十年
臨界
を
目標
に
新型転換炉
の
原型炉
の
建設
を、それぞれ進めるとともに、これらに必要な
研究開発
を
推進
いたします。 次に、
核燃料対策
につきましては、
ウラン濃縮技術
の
研究開発
の
推進
、
国際共同濃縮計画
への
参加
の
検討
、
海外ウラン資源
の
調査
及び
探鉱開発
の
促進
、
使用済み燃料
の再
処理施設
の
建設等
の
核燃料対策
を総合的に
推進
いたす
所存
であります。特に、
遠心分離法
による
濃縮技術
については、
昭和
六十年までに
ウラン濃縮工場
を稼働させることを
目標
に、その
研究開発
を国のプロジェクトとして強力に
推進
する
考え
であります。 また、
原子力開発利用
に欠くことのできない
原子力施設
の
安全対策
及び
環境保全対策
に万全を期する
所存
であります。すなわち、
原子力委員会
の
機能強化
、
原子炉安全専門審査会
の
審査機能
の
充実
をはかるとともに、
放射性廃棄物処理処分
の
方策確立
のために必要な
調査研究
を
推進
するほか、
原子力施設
の
工学的安全研究
、低
レベル放射線
の
影響
の
研究
を
実施
し、さらに
原子力施設
が多数
立地
する
地域
における
監視体制
の
強化
をはかる等、万全の
措置
を講じてまいりたいと
考え
ております。 さらに、
核融合等
、新しい分野の
研究開発
に力を注ぐとともに、
原子力発電所等
の
立地
の
円滑化
をはかるため、
公共事業
の
促進等
、
原子力施設周辺地域
の
整備
に関し必要な
法的措置
を講ずべく
検討
を進めるほか、
原子力
第一船「
むつ
」の
実験航海
を
実施
する
所存
でございます。 第四は、
宇宙開発
の
推進
であります。
宇宙開発
については、
宇宙開発計画
に基づき、
昭和
五十年度打ち上げを
目標
に、
技術試験衛星I
型及び
電離層観測衛星
の
製作
を行なうとともに、
昭和
五十一年度打ち上げを
目標
に
技術試験衛星II
型の
開発
に着手する
所存
であります。これら
人工衛星
打ち上げのための
Nロケット
については、第一号機に引き続き、第二、第三号機の
製作
に着手するとともに、打ち上げ
施設
、
追跡管制施設等
の
整備
をはかる
考え
であります。 また、国際的な
地球大気開発計画
に
参加
協力
するため、
気象衛星
の
開発
に着手するほか、通信・
放送等
の
実用衛星開発計画
の
策定
に必要な
調査
及びこの
計画
に関連する
長期ビジョン確立
のための
調査
を行なうとともに、
宇宙開発
に関する
国際協力
を一そう強力に
推進
する
所存
でございます。 第五に、
海洋開発
につきましては、
海洋開発
の
総合的推進
の
要請
にこたえ、
海洋開発審議会
において
海洋開発推進
の
基本的方策
について
審議
を進めるとともに、
海洋科学技術
に関する
中核的推進母体
としての
海洋科学技術センター
の
機能
の
拡充
・
強化
をはかってまいりたいと
考え
ております。また、
海中作業システム
の
確立
を
目的
とした
シートピア計画
の
推進
、
潜水調査船
「
しんかい
」の
運用
をはかるほか、新たに
水深
六千メートルまでの
深海
での
調査能力
を有する
潜水調査船
の
開発
に関する
調査研究
を進める
所存
であります。 第六は、
研究開発一般
の
推進
であります。 これまで述べてきた
措置
と並んで、基礎的共通的な
研究
を進めるとともに、独創的な新
技術
の
開発
を
促進
するため、新
技術開発事業
を一そう強力に
推進
し、また、
研究開発
の
実施
にあたって必要とされる
科学技術情報
の増大に対処して、
科学技術情報
の
全国的流通システム構想
の
整備
をはかるほか、最近の
資源
をめぐるきびしい
情勢
に対処し、
資源
の
総合的利用方策
の
確立
を目ざして
調査研究
を進めてまいります。 また、
科学技術
に関する
国際交流
の
重要性
が一そう増大していることにかんがみ、
先進国
との
協力
の
拡充
をはかるほか、
アジア諸国
をはじめ
発展途上国
との
科学技術協力
を進める等、
国際交流
の
強化
につとめてまいる
所存
でございます。 以上、
昭和
四十八年度における
科学技術振興施策
の概要について述べてまいりましたが、これら諸
施策
を
実施
するため、
昭和
四十八年度
政府予算案
におきましては、
科学技術庁分
として、
国民生活
に密接に関連する
科学技術等
の
研究開発
のため約十四億円、
原子力開発
のため約六百二十七億円、
宇宙開発
のため約三百四億円、
海洋開発
のため約九億円等、総額一千八十三億円を計上いたしました。 私は、
科学技術振興
の衝に当たる者として、その使命の
重大性
を十分認識し、いま申し述べました諸
施策
の実現を期して全力を尽くす決意でございます。 ここに、
委員各位
の一そうの御支援と御
協力
を賜わりますよう、お願い申し上げる次第でございます。
渋谷邦彦
4
○
委員長
(
渋谷邦彦
君)
伊藤科学技術政務次官
から
発言
を求められておりますので、これを許します。
伊藤政務次官
。
伊藤宗一郎
5
○
政府委員
(
伊藤宗一郎
君) ただいま
委員長
から御紹介がございましたように、先般来、
科学技術政務次官
に就任をいたしております
伊藤宗一郎
でございます。
委員長
をはじめ、
委員各位
の格別の御教導のほどを切にお願い申し上げる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
渋谷邦彦
6
○
委員長
(
渋谷邦彦
君) 次に、
昭和
四十八年度
科学技術庁関係予算
について説明を聴取いたします。
進官房長
。
進淳
7
○
政府委員
(
進淳
君)
昭和
四十八年度
科学技術庁予算案
について。
昭和
四十八年度
一般会計政府予算案
におきまして、
科学技術庁
の
予算案
は、
歳出予算額
一千八十二億七千三百万円、
国庫債務負担行為額
三百四十六億一千三百万円を計上いたしております。これを前年度当初
予算額
に比較いたしますと、
歳出予算額
百九十三億二千四百万円・
国庫債務負担行為額
六十九億二千二百万円のそれぞれ増額となっており、
歳出予算額
はその比率において二一・七%の増となっております。 次に、
予算要求額
のうちおもな事項につきまして、その大略を御説明いたします。 第一に、
科学技術振興基盤
の
強化
といたしまして十二億九千二百万円を計上いたしました。 これは、
わが国
における
科学技術
を長期的な
観点
に立って、
計画
的かつ総合的に
推進
するため基本的な
計画策定
の一環として行なう
各種調査検討
及び
ソフトサイエンス
の
振興
をはかるため必要な
経費
並びに
科学技術会議
の
運営
をはかる
経費
として一億五百万円を計上いたしました。 また、
筑波研究学園都市
の
建設
の
促進
につきましては、
昭和
五十年度までに概成することを
目途
に、
計画
的に
推進
することとし、
国立防災科学技術センター
の
研究本館
、
無機材質研究所
の無
塵特殊実験棟
及び
共同利用施設
として
科学技術情報サービス
と
研究者
の
交流
の場の
提供
を行なう
研究交流センター
(仮称)の
建設
に着手するなど、
施設
及び設備の
整備
に必要な
経費
といたしまして六億九千五百万円を計上いたしました。 次に、
科学技術普及啓発活動
の
推進
につきましては、
科学技術
に関し、
国民
の正しい
理解
を深めるための
広報活動
として、
科学技術映画
の
製作
、テレビの放映、
科学技術普及啓発資料
の
作成配布
などに必要な
経費
として一億六千五百万円を計上いたしました。 さらに、優秀な
人材
の
養成確保
をはかるため、
国内
及び
海外
への留学、
研修
、及び
国際研究集会
への派遣などに必要な
経費
として三億二千七百万円を計上いたしました。 第二に、
国民生活
に密接に関連する
科学技術
の
推進
といたしまして、まず、
特別研究促進調整費
の活用をはかることとし、
ライフサイエンス
、
都市科学技術
、
防災科学技術等
の
総合研究
を重点的に
推進
いたしますとともに、不測の事態に対処し緊急に行なうべき
研究
の円滑な
実施
をはかるため必要な
経費
として十二億四千万円を計上いたしました。 次に、
ライフサイエンス
の
振興
といたしまして、
ライフサイエンス
の本格的な
振興方策
の
確立
をはかるための
調査費
と、当面重要な
研究課題
について
理化学研究所
が行なう
研究
に必要な
経費
として一億二千七百万円を計上いたしましたほか、前述の
特別研究促進調整費
十二億四千万円のうちから相当の
研究費
を充当することといたしております。 第三に、
原子力開発利用
の
推進
といたしまし六百二十六億五千七百万円と
国庫債務負担行為額
九十億一千万円を計上いたしております。 まず、
動力炉・核燃料開発事業団
におきまして、
高速増殖炉実験炉
及び
新型転換炉原型炉
の
建設
を進めるとともに、
高速増殖炉原型炉
に必要な
研究開発
など、
動力炉
の
開発
に必要な
経費
として三百二十二億七千三百万円と
国庫債務負担行為額
四十五億四千万円を計上いたしました。また、同
事業団
の
核燃料開発関係
の
業務
といたしまして、
遠心分離法
による
ウラン濃縮技術
の
研究開発
に五十二億百万円を計上し、その
研究開発
を強力に
推進
するとともに、
海外ウラン資源
の
調査
、
使用済核燃料
再
処理施設
の
建設
の
促進
をはかるなど、
動力炉・核燃料開発事業団
に対する
政府出資金
と
補助金
を合わせ四百二十四億八百万円と
国庫債務負担行為額
五十一億一千百万円を計上いたしました。 次に、
原子力船
「
むつ
」の
開発
につきましては、
実験航海
を行ない、その
安全性
及び性能の確認を行なうとともに、
定係港
の
施設
の
整備
などに必要な
経費
として、
日本原子力船開発事業団
に対し、
政府出資金
及び
補助金
を合わせ十三億二千四百万円を計上いたしました。 また、
日本原子力研究所
におきましては、
反応度事故実験装置
の
設置等
により、
原子炉施設
の
安全性研究
を強力に
推進
するとともに、前年度に引き続き
ガス拡散法
による
ウラン濃縮技術
、
核融合
及び
食品照射
の
研究開発
並びに
各種原子炉
の
運転整備
などに必要な
経費
として、
政府出資金
及び
補助金
を合わせ百四十四億九千四百万円と
国庫債務負担行為額
三十八億五千八百万円を計上いたしました。 さらに、放射線医学
総合研究
所におきまして、前年度に引き続き
医療用サイクロトロン
の
建設
を進めるとともに、新たに低
レベル放射線
の
影響研究等
を行なうため二十一億五千三百万円を計上いたしましたほか、
国立試験研究機関等
における
原子力試験研究
、
放射能測定調査研究
及び民間に対する
原子力平和利用研究
の
委託
など、これらに必要な
経費
として十七億六千八百万円を、また、
原子力委員会
の
調査運営
、
核燃料物質
の
借り入れ
及び
原子力関連
の
各種行政費等
として三億四千百万円と
国庫債務負担行為額
四千百万円を計上いたしております。 第四に、
宇宙開発
の
推進
につきましては、
宇宙開発計画
に基づき、
ロケット
及び
人工衛星
の
開発
を
中心
とし、これらに必要な
経費
として三百三億五千八百万円と
国庫債務負担行為額
二百五十六億三百万円を計上いたしました。 まず、
宇宙開発
事業団
につきましては、
宇宙開発計画
に基づく
Nロケット
及び
技術試験衛星
1型、同
II
型、
電離層観測衛星
の
開発
を進めるとともに、
種子島宇宙センター
に
建設
する
Nロケット
打ち上げ
施設
の
整備
、
筑波研究学園都市
に
建設
する
ロケット
及び
人工衛星
の
開発試験施設
の
整備
並びに
人工衛星
の
追跡管制施設
の
整備
を行ないますほか、新たに
地球大気開発計画
(GARP)の第一次全
球実験
へ
参加
、
協力
するため
静止気象衛星
の
開発
に着手するなど、これら
事業
に必要な
経費
として同
事業団
に対し
政府出資金
、
補助金
を合わせ二百九十三億二千五百万円と
国庫債務負担行為額
二百五十六億三百万円を計上いたしました。 次に、
航空宇宙技術研究所
の
宇宙開発関連研究
として、新たに
人工衛星
の三
軸制御
の
研究
を開始するなど、
宇宙開発
の基礎的、
先行的研究
を行なうに必要な
経費
として六億六千八百万円を計上いたしております。 第五に、
海洋開発
の
推進
につきましては、まず、
海洋科学技術
に関する
試験研究
の
推進
、
大型共用施設
の
設置
及び
運用
、
人材
の
養成等
を行なう
機関
として
設置
された
海洋科学技術センター
において、
高圧実験水槽
を前年度に引き続き建造するほか、新たに
潜水技術者
の
研修訓練事業
を開始することとし、これに必要な
施設
の
整備
を行なうなど、同
センター
に対し、
政府出資金
、
補助金
を合わせ五億九千七百万円を計上いたしました。 また、
海中作業システム
を
確立
するため、
海中作業基地
による
実験
の準備、
潜水調査船
「
しんかい
」による
大陸棚資源
の
調査
を行なうほか、新たに
水深
六千メートルまでの
深海
における
調査能力
を有する
深海調査船
の
開発
に関する
研究
を開始するなど、これらに必要な
経費
として三億三千百万円を計上いたしました。 第六に、
研究開発一般
の
推進
といたしまして、新
技術開発
の
推進
、
科学技術情報流通
の
促進
、
国際交流
の
促進
及び
資源
の
総合的利用方策
の
調査
並びに
試験研究機関
の
整備
として百二億九千四百万円を計上いたしました。 まず、新
技術
の
開発
につきましては、新
技術開発事業団
に対する
政府出資金
^
補助金
を合わせ十一億二千七百万円を計上することにより、
研究開発委託契約限度額
を二十二億円に引き上げるなど、その
業務
の
拡充
をはかることといたしました。また、このほか、
発明実施化試験費
の
補助金
につきましては三千四百万円を計上いたしております。 次に、
科学技術情報流通
の
促進
につきましては、
日本
科学技術情報
センター
における
内外科学技術情報
の収集、整理、
提供業務
の
充実
をはかるとともに、新たに広島に
中国支所
を設けるなど、これら
業務
に必要な
経費
として
政府出資金
、
補助金
を合わせ十三億一千三百万円を計上いたしました。 また、このほか、
科学技術情報
の
全国的流通システム
の
具体化計画
の
策定
などに必要な
経費
として一千七百万円を計上いたしております。 次に、
国際交流
の
促進
につきましては、
経済協力開発機構
に所属する
原子力機関
の
共同研究
への
参加
、
外国技術者
の招聘、二国間の
科学技術交流
の
拡充等
をはかるため一億三千八百万円を計上いたしました。 次に、
資金
の
総合的利用方策
の
調査
につきましては、
水資源
の広域的多面的な
循環システム
の
開発
に関する
調査等
、
資源調査会
を
中心
とする
調査
を
実施
するとともに、
資源調査所
における
基礎的調査
の
充実
をはかるため一億六千五百万円を計上いたしております。 最後に、
試験研究機関
の
整備強化
につきましては、七十五億円を計上いたしましたが、これは、当
庁附属試験研究機関
のうち、
航空宇宙技術研究所
の二次元風洞の
整備
、
金属材料技術研究所
及び
無機材質研究所
の
研究機器
の
整備
、並びに
国立防災科学技術センター
の
地震防災
の
研究等
、
各種研究
の
実施
及び
運営
に必要な
経費
のほか、
理化学研究所
の
研究運営等
に必要な
政府出資金
及び
補助金
であります。 以上、簡単でございますが、
昭和
四十八年度の
科学技術庁予算案
のうち、
重要項目
につきまして、その大略を御説明いたしましたが、このほか、
一般会計予算総則
におきまして
原子力損害賠償補償契約
に関する法律第八条の
規定
による国の
契約
の
限度額
を三百七十五億円にいたしますとともに、また、
動力炉・核燃料開発事業団法
第三十四条の
規定
により、
政府
が保証する
借り入れ金等
の
債務
の
限度額
を四十四億円及びその利息に相当する金額とし、これを
使用済核燃料
再
処理工場
の
建設資金
の一部に充てることといたしております。 以上でございます。
渋谷邦彦
8
○
委員長
(
渋谷邦彦
君) 本
調査
について御質疑のおありの方は、順次御
発言
を願います。
辻一彦
9
○
辻一彦
君 きょうは、
長官
の
所信表明
に対しては一、二点だけポイントだけをお伺いして、別の機会に詳しくお伺いをいたしたいと、こう思います。 二月の二十三日に、ある新聞に、
原子炉
の安全上の
問題点
について
事故
の分析結果が出され、それに対して二月の二十四日付で
科学技術庁原子力局
の
見解
が出ております。きのう午後、私、ちょっとそのコピーを見たものでありますから、事は
原子炉
の
安全審査
に対する
疑問点
であり重要な点であると、こう
考え
まして、緊急に若干の
質問
を行ないたいと、こう思うわけであります。
科学技術庁
が出された
見解
がありますが、これを見ますと、今日の
原子炉
の
安全審査
についての
論議
でありますが、この中に、「現在の評価は
TID
−一四八四四に代って一九七〇年に出された
軽水炉
に関する
安全指針
によって行なわれており、最近は
TID
−一四八四四で計算された例はない。」と、こういうように出ております。私は、本
委員会
で、昨年の三月であったと思いますが、安全と距離という
観点
からこの
TID
−一四八四四についてはかなり
論議
をした記憶があります。それはまあ別として、ここに出されたその
見解
の「最近は
TID
−一四八四四で計算された例はない。」と、このことは間違いないかどうか、その点をまず
局長
からお伺いしたいと思います。
成田壽治
10
○
政府委員
(
成田壽治
君)
日本
におきましても、また、
アメリカ
におきましても、従来の
TID—
一四八四四だけによって計算して
安全審査
をやっている例は、
アメリカ
においては一九七〇年に新しい
審査指針セーフティガイド
が出ましてそれによってやっておりますし、
日本
におきましても
日本
の
安全立地基準等アメリカ
の新しい
基準
に非常に近い
内容
のものでやっておりますので、最近は
TID
−一四八四四だけによるものはないというふうに思っております。
辻一彦
11
○
辻一彦
君 じゃ、次に、一九七〇年に出た
軽水炉
の
安全指針セーフティガイド
というのがありますが、一体その何項で現在
安全審査
が行なわれておるか、この点どうですか。
成田壽治
12
○
政府委員
(
成田壽治
君) 一九七〇年十一月にできました
安全指針
の第三項、第四項によって行なわれていると聞いております。
辻一彦
13
○
辻一彦
君
ナンバー
三、
ナンバー
四というのは、それぞれ、PWR、BWRについての
項目
であると思いますが、具体的に計算できる
内容
ではないように
中身
を見ると思いますが、その点どうですか。
成田壽治
14
○
政府委員
(
成田壽治
君) 具体的には、その後の
技術
の進歩によって新しい工学的な
安全施設
がいろいろつくられ、また、その
安全性
が実証されておりますので、たとえばスプレーとか
フィルター等
の工学的な
安全施設
の効用と
効果
、
放射能
が放出されるのを除去低減するための工学的な
効果
というのは十分取り入れて、たとえば
フィルター等
につきましては、
アメリカ
では九〇%ないし九九%の
除去率
であるというふうに聞いておりますが、そういう新しい工学的な
安全装置
のほうの
効果
を取り入れて、そして実際そのつど具体的な
内容
によって審査しているというふうに聞いております。
辻一彦
15
○
辻一彦
君 私は、きょうは、三十分という時間で、非常に時間がないので、
質問
の要点だけ答えていただけばいいと思います。ゆうべちょっとセーフティガイドの三、四項を拾い読みしましたが、あの
中身
では具体的に計算されるには
具体性
はなかなかないのではないかと思います。 そこで、それでは、一昨年の六月に
緊急冷却装置
の問題がありましたですね。それから一昨年の九月に
国家環
境政策法の発効によって
環境
上いろいろレポートがつかなければ
アメリカ
では
原子炉
認可がなかなか出ないと、こういうふうになっておると思います。そこで、一昨年六月あるいは九月以降、百万キロワットクラスの
原子炉
で
アメリカ
で認可された
原子炉
は幾つあるか、これをお尋ねいたします。
成田壽治
16
○
政府委員
(
成田壽治
君) 具体的に何基あるか、いまちょっとデータで調べておりますから、後ほどお答えいたしたいと思います。
辻一彦
17
○
辻一彦
君 それじゃ、数はあとで調べてもらっていいですが、一番新しく認可された百万キロワットの二つ、最新の日付の認可された二つのもの、これについての最大仮想
事故
の
事故
解析を原文でいいからすぐ入手できますか。
成田壽治
18
○
政府委員
(
成田壽治
君) さっそく手配して取るようにして御提出したいと思います。ただ、
アメリカ
の例でありますので、あるいは時間その他また御相談してそのように努力したいと思っております。
辻一彦
19
○
辻一彦
君 去年三月二十四日に、私、AECの
原子炉
規制部長等の証言
内容
等について資料を要求して、そのときに、
アメリカ
の大使館を通して早急に手に入れるという御
発言
がありました。今回も、これは大使館を通して直ちに原文を入手できるようにしてもらいたいと思いますが、そのために何日間ぐらい必要ですか。
成田壽治
20
○
政府委員
(
成田壽治
君) 具体的に申し上げるまだ自信がないのでありますが、ただ、非常に部厚い資料でありますと、これはコピーを大使館の職員にやってもらうのですが、プリント代金等も相当かかるようでありまして、その点も当然用意してやらないといけませんので、極力早く御提出するということでお願いしたいと思います。
辻一彦
21
○
辻一彦
君 いや、膨大なものでなくていいですよ。仮想
事故
における
事故
解析の過程が明確にわかる点で、そういうものを
日本
の場合とすぐ比較のできるものであればいいと思うので、それを原文でいいからすぐ大使館を通して飛行機で送らせて手に入れるようにしてもらいたい。十日間でできませんか。
成田壽治
22
○
政府委員
(
成田壽治
君) 問題の個所だけ限定するならばそれほど時間がかからぬと思いますので、そのように努力したいと思います。
辻一彦
23
○
辻一彦
君 次に、最近
わが国
政府
が認可した東海二号、福島六号の仮想
事故
の
事故
解析、これを——ここに
安全審査
の報告書が来ておりますが、この程度では結果しかわからないので、出発点からどういう安全度を見て解析をしたか、それが
アメリカ
と比較して明確にわかるように、それについての二つの
事故
解析を、これは詳しいものが必要と思いますが、それを出してもらいたいと思いますが、できますか。
成田壽治
24
○
政府委員
(
成田壽治
君)
日本
の最近の許可をしました二つの炉につきましては、二つの想定
事故
の解析資料で御説明したいと思います。
辻一彦
25
○
辻一彦
君 いや、御説明じゃなしに、だれが見ても専門家が見ればすぐわかるような資料として出してもらいたい。これはもうすぐ一週間ぐらいでできますね。どうですか。
成田壽治
26
○
政府委員
(
成田壽治
君) 早急に資料として提出したいと思います。
辻一彦
27
○
辻一彦
君 じゃ、早稲田の藤本さんが
事故
解析の結果を一部新聞に報道され、
科学技術庁
の
見解
が出ておりますが、その詳細はいまの二つの資料の提出を待って
論議
をいたしたい、こういうふうに思います。ただ、これは「科学」の二月号に同じく藤本論文が出ておりますが、その中で、一点だけ、ヨード一三一の大気放出における
問題点
が出ておりますので、このことをちょっと具体的に伺いたいと思います。時間的に、資料を頼んだのですがちょっと間に合わぬようでありますが、私のほうにも調べたのがありますから、それを援用して質疑をいたしたいと思います。
政府
の
安全審査
専門
委員会
がやったところの報告書があります。あるいは公表された報告書のコピーがありますが、それらをずっと見て、仮想
事故
における大気の中に出るいわゆる
放射能
を帯びたヨード一三一に非常にばらつきが多い、こういうように思うのですね。これは
原子力
局のほうで
科学技術庁
が出したところの
安全審査
報告書によれば、たとえば美浜の百石炉は、仮想
事故
における大気への放出量は、ヨードが五〇キュリー、それから高浜一号は一、四三〇キュリー、それから敦賀の改定した三五万キロワットのほうは八、五〇〇キュリー——資料は来ているんですか、
局長
。
成田壽治
28
○
政府委員
(
成田壽治
君) ええ、いまちょっと簡単なものを……。
辻一彦
29
○
辻一彦
君 出たら出してください、私に。頼んだのがあるならば。
成田壽治
30
○
政府委員
(
成田壽治
君) いまこれはペン書きしたものでございますが……。
辻一彦
31
○
辻一彦
君 それから大飯一号炉は一、一六五キュリー、女川は一万二、三〇〇キュリー、浜岡は一万二、〇〇〇キュリー、福島六号は二万六、〇〇〇キュリー、東海二号は二万六、〇〇〇キュリー、こういう数字がこの報告書をざっと拾って見たところにあるわけでありますが、それに大体間違いありませんか。
成田壽治
32
○
政府委員
(
成田壽治
君) 私が持っているメモに、いま先生が御指摘した炉が載っていないのもありますが、載っている限りでは、私の持っている大まかな計数でございますが、正しいようでございます。
辻一彦
33
○
辻一彦
君 私は、こまかい端数は別として、きょうはちょっと大まかな
論議
でいきたいと思います。 そこで、まず第一に、この数字の中から、女川、浜岡は一万二、〇〇〇キュリーのヨード一三一が仮想
事故
の場合に放出される、福島六号、東海二号は二万六、〇〇〇キュリーが同様に放出される、このことは間違いないですね、念のために。
成田壽治
34
○
政府委員
(
成田壽治
君) 女川とそれから福島六号は私のメモには載っておりませんので、はっきり言えませんが、たぶん正確じゃないかと思います。
辻一彦
35
○
辻一彦
君 東海はいいですね、二万六、〇〇〇は。
成田壽治
36
○
政府委員
(
成田壽治
君) 東海二号につきましても、まだこれでは載っておらないわけであります。敦賀と、福島一、二、島根等が私のメモでは載っております。
辻一彦
37
○
辻一彦
君 福島六号は二万六、〇〇〇、間違いないですね。
渋谷邦彦
38
○
委員長
(
渋谷邦彦
君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
渋谷邦彦
39
○
委員長
(
渋谷邦彦
君) 速記を起こして。
成田壽治
40
○
政府委員
(
成田壽治
君) 福島六号のデータは、私の手元にいまないのでございます。
辻一彦
41
○
辻一彦
君
技術
庁が私どもに出されたそれぞれの福島と東海の末尾に、二・六掛ける一〇の四乗キュリー、だから二万六、〇〇〇キュリーと出ておりますから、これは間違いない、確認いたしたいと思います。 そこで、
一つ
は、美浜の一号が五〇キュリーという放出量があるのに、その隣の敦賀は同じように三五万キロワット程度でありますが八、五〇〇キュリーというこの開きは、まあ専門的なことはきょうやっても時間がありませんから、ごく要点だけでいいですが、なぜこれだけの大きな開きがあるのか、この点どうですか。
成田壽治
42
○
政府委員
(
成田壽治
君) 美浜一号は、御承知のように、PWRであり、隣の敦賀はBWRでありまして、BとPの炉の炉型の違いから、ヨウ素の放出量の違いが、まあ大まかに言うとその違いが出ていると思います。
辻一彦
43
○
辻一彦
君 それでは、Pのほうは数が低くて、Bのほうが大きいということでありますが、女川、浜岡、福島六号、東海二号、いずれもこれはBWRになりますね。 そこで、じゃ、戦後における
原子炉
の一番大きな
事故
に、
一つ
はウインズケールの
事故
があります。もう
一つ
は、
アメリカ
のSL−1、これは宿直員が三名死亡したという
事故
がありますが、ウインズケールの
事故
のときに大気中に出たヨードの量は、およそ幾らですか。
成田壽治
44
○
政府委員
(
成田壽治
君) いまちょっと手元にありませんので、これも即刻調べてお答えいたしたいと思います。——この資料によりますと、二万五、〇〇〇キュリーというふうに出ております。
辻一彦
45
○
辻一彦
君 私のこの控えには二万キュリー程度と出ておりますから、いまの
局長
の言われた二万五、〇〇〇キュリー、その二万五、〇〇〇キュリーが大気中に放出されたときに、ウインズケールにおける被害の状況というか、それは、どういう状況でしたか、大まかに。
成田壽治
46
○
政府委員
(
成田壽治
君) これは三レム以上の被爆者が十四名で、それから二百平方マイル以内の牛乳の出荷が停止
措置
をとっております。これが被害の大きい点だと思います。
辻一彦
47
○
辻一彦
君 二百マイル以内は、何ですか、もう一度……。
成田壽治
48
○
政府委員
(
成田壽治
君) 牛乳——ミルクの出荷停止でございます。
辻一彦
49
○
辻一彦
君 幅十五キロ、長さ五十キロにわたって農作物が汚染をし、牧草が汚染をして、それを食べた牛の牛乳が一・五カ月——一カ月半にわたって廃棄をされた、そのための被害額七万ポンド、当時の二十一年前のお金に直して七千万円と、補償費だけがですね、こう一応いわれておりますが、まあミルク等による汚染はいま答弁があったわけです。 そこで、ウィンズケールの
原子炉
は、ずっとこれはプルトニウム生産をねらいにした小さな
原子炉
でありましたし、いまの東海あるいは福島は、二〇万キロワットの非常に大きな
原子炉
でありますが、しかし、いろいろな
技術
の変化によって変化があるということは当然であります。しかし、ウインズケールの
原子炉
が
事故
を起こして大気中に二万五、〇〇〇キュリー放出された。それによって、いま言ったような被害が起き、幅十五キロ、長さ五十キロにわたっての牧草等の汚染があったと。それに対して、
政府
が出している
安全審査
報告書の
中身
に明確にあるように、福島六号、東海二号炉、いわゆる一一〇万キロワットのBWRにおいては、二万六、〇〇〇キュリーのヨードが最大
事故
の場合には放出されると、こういうようになっていますね。この結果を比べ合わせて、二万六、〇〇〇キュリーが出るという
安全審査
の結論は、安全と思われるかどうか、この点いかがでしょうか。
成田壽治
50
○
政府委員
(
成田壽治
君) ウインズケールの場合の二万五、〇〇〇キュリーに近いものが東海二号の沃素の大気放出量として仮想
事故
の前提にはなっておりますが、われわれは、仮想
事故
というのは、実際は
技術
的には
考え
られない
事故
、それをまあ安全をとって、もしも起きた場合はこれは当然災害
措置
等の対策をとっておるのでありますが、われわれは、いまの段階では仮想
事故
として想定しておりますが、それは
技術
的には
考え
られない
事故
を万が一想定してやっておるわけであります。 そして、英国のウインズケールの場合は、これは非常に古い炉でありまして、そういう意味で
安全装置
等も十分でないということで二万五、〇〇〇の沃素の放出になった
事故
が起きたのでありますが、われわれのいま
日本
でつくっておりますところの炉においては、まあ仮想
事故
の前提としては計算しておりますが、それは
技術
的には
考え
られない、ただ万が一にそういうことがあった場合にはどうするかというまた災害
措置
も
考え
てやっておるわけでありまして、ウインズケールの場合に
事故
が起きたから、この場合も将来可能性があるとか、あるいはそういう蓋然性があるということは、ちょっと言えないのじゃないかと思います。
辻一彦
51
○
辻一彦
君 時間がないから、詳しくは踏み込めませんが、ウィンズケールは古い
原子炉
だ、これはまあ当然です。しかし、
事故
が起きて煙突から大気中に出た、あるいは
原子炉
から外に出た量が二万五、〇〇〇キュリーということは、これも私は推定でありますが事実であると思うのですね。それから
安全審査
専門
委員会
がいろいろな角度から審査をして、最大の悪条件において起こった場合にこれだけの量が出るという計算をして、その計算した量が二万六、〇〇〇キュリーと。これも皆さんが審査された結果であるから間違いないと思うのです。それが、あり得べからざる
事故
であるから、そんなものは別だという。これは、
安全審査
専門
委員会
がいろいろな角度から最悪の条件を、たとえば大きな地震が起きて冷却水のパイプが破断するとか——これはないとは言えないことですね、そういうことを想定して、そしてその場合に一番悪い条件で二万六、〇〇〇キュリーが出ると、こういう結論を審査の結果出したので、それはあり得べからざることであると、こういうことによってこの問題をすりかえるということは、私は
安全審査
として許されないと思いますが、その
見解
はどうですか。
成田壽治
52
○
政府委員
(
成田壽治
君) 私は仮想
事故
の前提としてこれを使ったということで、あり得べからざるケースとしてという意味でもしもそうおとりになったら、私の言い方がまずかったと思いますが、ただ、仮想
事故
で、まあ
技術
的には
考え
られない
事故
、それを
技術
的に採用しまして、その場合にどうするかという災害
措置
等の方法も当然
考え
ているわけでございます。そういう意味で申し上げたのでございます。
辻一彦
53
○
辻一彦
君 しかし、それは非常に矛盾がありますよ。昨年の三月、私は、保険の問題ね、いわゆる被害が起きた保険の問題についてかなりな時間を費やして追及したときに、起こらないんだからそういう計算はできないということで、保険や賠償についてはあまりお
考え
になっていないような御答弁があったわけですね。しかし、いまのによると、そういう災害のときにはそれを計算をして保険のことを
考え
るという矛盾がありますが、これは別として、最悪の条件を
考え
て、そして仮想
事故
というものが計算をされる。その場合に、これだけの二万六〇〇〇キュリーが大気中に出ると。これが
環境
にどういう
影響
を与えるか。おそらく、これは、人体の直接被爆というよりも、むしろこの場合には農産物の汚染によって野菜を人間が食べる、あるいは牧草を牛が食べてミルクになって人体へと、こういうコースをまず
考え
ますが、人体被爆の問題も私はあると思いますね、計算すれば。しかし、こういうことが
環境
上
安全審査
の中で
わが国
においては何ら
考え
られずに審査が進んでいる、このことについて私は非常に問題ありと思いますが、この点ひとつ
局長
なり大臣の
見解
を伺いたい。
成田壽治
54
○
政府委員
(
成田壽治
君) 二万六、〇〇〇キュリーの問題でございますが、これは、ただ、ウインズケールの場合と、東海二号の煙突がどのぐらい高い——まあ最近は非常に高くやっておりますので、拡散の範囲等も、同じ二万キュリーでありましても、また
影響
の範囲はかなり違うと思います。 それから沃素の場合は、牧草とかそういうのに
影響
が非常に大きいと。それで、英国の例のように、牛乳の出荷停止等の
措置
をとっておりますが、われわれの場合は仮想
事故
として東海二号に二万六、〇〇〇キュリーの前提を置いておりまして、これは理論的に
技術
的には
考え
られない
事故
でありますが、もしも起きた場合のためには、
防災
計画
による緊急
措置
等も、公共団体を
中心
に、これは万が一のためでございまして、
原子力
の場合はあり得ないようなケースでもあるという万が一の場合の
措置
を十分
考え
ておるのでありまして、これは
防災
措置
の問題として
考え
ておるわけでございます。
辻一彦
55
○
辻一彦
君 まず、第一に、それじゃ、各自治体等における具体的な
防災
計画
を提出をいただきたい、各
原子力
基地におけるですね。——出せますか。
成田壽治
56
○
政府委員
(
成田壽治
君)
原子力発電
所があります福島あるいは福井県等において、県市町村等が
中心
になって
防災
計画
をつくっておりますので、これをまとめて提出いたします。
辻一彦
57
○
辻一彦
君 大臣にお伺いしたいのですが、わずかの時間でこの問題は深く入れませんが、従来から、
わが国
において
環境
に対する問題が非常に問題ありということをこの
委員会
でしばしばそれぞれの
委員
から指摘をされておりました。いまこれを見ても、仮想
事故
、最大の悪条件における
事故
では、二万六、〇〇〇キュリーのヨード一三一が出て、そして広範な
地域
に汚染があることが仮想
事故
が起こればあると。そうすれば、私は、
安全審査
の
中身
ですね、こういう問題についても審査をすべきであると思いますですね。この点についてどうお
考え
ですか、大臣。
前田佳都男
58
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) ただいま辻
委員
のたいへん深い
研究
に基づきまする
質問
並びにやり取りを実はずっと拝聴しておったわけでございますが、この問題は非常に重大な問題である、万一の
事故
ということも十分想定いたしまして、
安全審査
の場合はそういう点も十分
研究
し
検討
しなければいけないというふうに
考え
ております。藤本教授の論文が出ましたとき、私もこれはたいへんだと思いまして、実はすぐに事務当局を呼びまして
検討
を命じたわけでございます。しかし、実は、そのときは、まだ新聞に出ておる程度のことしかわからないという私に対する説明でございまして、いずれ、雑誌の、「科学」とかいう雑誌に出るそうでありますから、そのときにさらにもっと
検討
しようということであったのでありますが、その間、「
原子力
特報」とかいうパンフレットがございますが、そこから急いでこの問題についての
見解
を問われたというわけで、
原子力
局で、一応の、まあそういう
質問
が多いから、それについての
見解
といいましょうか、そういうものを出したようでございます。この問題も、非常に大事な問題でありますから、さらに私は
原子力
局に徹底的に
検討
するようにいま命じておるわけでございます。
原子力発電
につきましては、安全ということに力を従来からも注いできたと思いますが、もちろん安全の上にも安全といいましょうか、一生懸命に万一のことも
考え
てそういう
施策
を講じなければいけない、
考え
なければいけない、そういう姿勢でいかなければいけないということと、それから地元の
理解
と
協力
を求めるというふうな姿勢で臨みたいと
考え
ております。
辻一彦
59
○
辻一彦
君 いまの大臣の御
発言
は、非常に重大な問題である、
安全審査
会におきましても十分
研究
し
検討
する必要があると、こういう御答弁であったわけですね。それでは、福島六号、東海二号炉においては、この審査が欠けておりますが、私は、そういう
観点
からいえば、再審査の必要ありと見ますが、この点どうですか。
前田佳都男
60
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) その問題は、実は、私、まことに残念でありますが、私の就任が昨年十二月二十二日でありまして、その当時のいきさつは存じておりませんし、その点は
政府委員
から答弁をいたしたいと思います。
成田壽治
61
○
政府委員
(
成田壽治
君) その点につきましては、従来も、仮想
事故
としまして、当然、まあ仮想
事故
の
考え
方の問題でありまして、
安全審査
会においても、そういう福島六号、東海二号は二万六、〇〇〇キュリーの沃素濃度、これを仮想
事故
の要件として、そして軽居住
地域
、低人口
地域
等の境界等もきめておるのでありまして、そしてそれがもしも起こり得ないと
考え
られるような仮想
事故
が起きた場合は、それは
防災
等の緊急
措置
の問題と、そういう
考え
方で従来やってまいっておりますので、われわれは
安全審査
をやり直す必要はないというふうに
考え
ております。
辻一彦
62
○
辻一彦
君 いや、さきの質疑を通して、短い時間でありますが、二万六、〇〇〇キュリーのヨードが出た場合にどういう
環境
上に汚染が起こるかということは、計算がされているだけで、
検討
されていないということが明らかになったと思う。だから、その問題が重大であり、今後十分
研究
し
検討
する必要ありというならば、この問題について審査をやり直す必要が当然あるんじゃないか、私はこう思いますが、
局長
、その点いかがですか。
成田壽治
63
○
政府委員
(
成田壽治
君) 二万六、〇〇〇キュリー出た場合の
影響
等も、これはまあ具体的な地点によっていろいろ違うのでありますが、そういう意味の仮想
事故
という前提で計算しておるのでありますから、われわれは、その
影響
がどうという
調査
は
安全審査
会においてやる必要はなくて、それは、そういうことがもしもあるとしたら、先ほど言いましたように、災害
措置
の問題として、地方公共団体等と十分相談をしてその方向で対処していくべき問題だというふうに
考え
ています。
辻一彦
64
○
辻一彦
君 時間がないので打ち切りますが、
防災
対策の対象と言われるけれども、
防災
対策を立てるなら、どういう汚染があり、どういう範囲にどう広がるかという
検討
がなければ
防災
計画
は立たないのですよ。そうすれば、その基礎には、
安全審査
専門
委員会
においていわゆるヨードが出れば一体どういう範囲の汚染がありどうなるかという
検討
なしに、地方自治体がどうして
防災
計画
が立てられますか。そういう意味で、私は、時間がありませんから、三十分を守らなければいけませんのでやめますが、これは再審査の必要がありと要求をしておきたいと思います。この
論議
はいずれあとのまた適当な
委員会
において十分ひとつ資料の提出を待ってなお
論議
をいたしたいと思います。 資料公開、公聴会の問題、それから
長官
の国防
会議
に対する
見解
等、私は尋ねたい点があるのでありますが、三十分という時間ではどうにもならないので、この問題は次に保留して、私の
質問
を終わります。
矢追秀彦
65
○矢追秀彦君
質問
時間が十五分でありますので、
濃縮ウラン
の問題について少し伺いたいと思います。 このたび、AECから、
濃縮ウラン
の供給
契約
についての新しい
基準
を
わが国
に提出してきた、こう聞いておりますが、その
内容
について御説明をいただきたいと思います。
成田壽治
66
○
政府委員
(
成田壽治
君)
アメリカ
の
原子力委員会
が、一月の十九日、
アメリカ
の国会
原子力
合同
委員会
に対して、新しい
濃縮ウラン
の
基準
をこういう形でとりたいというので承認を求めて国会に提出になっております。現在、
アメリカ
の国会で、公聴会の開催が近く行なわれるようでありますが、いろいろ審査中と聞いております。 そのおもなる
内容
としましては、まず、初装荷用の
濃縮ウラン
については、引き取り時期の八年前までに
契約
を締結すること。現在は、引き取り時期の二、三年前に
契約
を締結するのが現行の方式でありますが、それが八年前ということになりますと、電調審の
計画
もきまっていない、その
立地
地点の話も十分ついていないという段階で
契約
をしないといかぬという点であります。 それから第二の点としては、初装荷用の濃縮代金の三分の一を前払い金として三年間にわたって払えということであります。これも、現行は、前払い金というのは必要ないということになっておりますが、三分の一の前払い金を取るということであります。 それから第三番目としては、取りかえ燃料につきましては、常時、将来にわたっての十年間の必要数量を確定しておけということであります。これも、現行は五年程度でありまして、非常に長い
契約
の約束を保証させるということであります。 それから
契約
の過怠金といいますか、途中で約束を破った場合には金を取るという、
契約
解除の場合の金が、たとえば五年以内なら七五%を取るという、非常にきつい条件になっております。 ただ、
アメリカ
当局は、新しいこの方式は、これから世界の各国の
濃縮ウラン
の需要に備えるためには、新しい工場の新設、増設等をやる必要があるので、そのためには、工場をつくるには八年も前から
契約
金を取って確定していないと、需要にマッチした供給能力をつくれないと、そういう商業ベースの新しい方式であるという説明を加えております。
矢追秀彦
67
○矢追秀彦君 これの今後の見通しでありますが、議会のほうの了解が通れば、もう直ちに
実施
ということになってくるわけですか。その前に話し合い等は行なわれる余地はあるのかないのか、その点はどうですか。
前田佳都男
68
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) ただいま
原子力
局長
から御説明したとおりの
内容
でございますが、この
内容
は、相当きびしい、きつい
内容
であるわけでございまして、はたして現在の
わが国
の
原子力発電
の
設置等
の状況から、こんなきびしい条件でいけるのかどうかという点をわれわれは非常に心配しております。 それに対しましてわれわれはどういうふうに
考え
てどういう
措置
をとろうとしておるかということを御参考に申し上げたいのでございますが、この間、二月の中旬、
アメリカ
の上下両院の合同
原子力委員会
——JCAEと言っておりますが、その
委員長
のプライス、ハンセン、ホスマー、その三人が参りましたので、そのときに、こういうきびしい条件じゃ困るというふうなことを申し入れをいたしております。また、三月の五日に東京で開かれる予定でございますが、日米
原子力
会議
というものを開くつもりでございますが、その場で、米国の
原子力委員会
の
委員
にさらに申し入れをしたいというふうに
考え
ております。それから三月の七日、八日に、JCAEすなわち
アメリカ
の上下両院の合同
原子力委員会
の公聴会が開かれる予定でございまして、その
会議
に
日本
の産業界の代表が
わが国
の実情を訴えて米国に働きかけたいと、そういうふうに
考え
ております。
矢追秀彦
69
○矢追秀彦君 まあいろいろお
考え
になっているようですけれども、これが少しぐらいゆるまる可能性というのはあるのですか。その見通しはどうですか。
成田壽治
70
○
政府委員
(
成田壽治
君) われわれが接している限りで判断しますと、やはり基本的な事項はかなり向こうとしては強い態度でおるようでありますが、ただ、これも、実際具体的に当たり、また、公聴会の結果を見ないとわかりませんのですが、たとえば八年前というのが、あるいは若干の短縮になるかどうかという点の弾力性はあるように聞いております。それで、いま、ヨーロッパ諸国も、
日本
も同様、各電力業界、関連業界等で慎重に
検討
して、公聴会等で外国の消費者の意見も十分反映させて改善を迫ろうということになっておるわけでございます。
矢追秀彦
71
○矢追秀彦君 先ほど
問題点
は一応出されましたけれども、八年前までの
契約
ということが
わが国
に大きな
影響
を及ぼしますが、もう
一つ
は、
契約
の解除にしても、特に料金ですね、上限の料金額は廃止するということで、こうなりますと、かなり負担が大きくなる。要するに、値上がりはもう必至であると
考え
るわけです。この辺が、
日本
の電力業界、これからの
原子力発電
所の、いろいろな
環境
問題も出てきておりますし、そこへもってきてこれが来ると、
原子力発電
所というもの、あるいはこれからの
わが国
の
原子力
エネルギー政策には相当の変更が出てくるわけでございますけれども、特に料金の問題はどういう
影響
が出そうですか。実際にこの上限が廃止されると必ず上がると私は思いますけれども、その点の見通しはどうですか。
成田壽治
72
○
政府委員
(
成田壽治
君) 今度の方式では、上限料金制が廃止になって、現在はSWUキログラム三十二ドルというような上限制がありますが、廃止になっておりまして、それで相当近い将来にいま三十二ドルが三十八ドル半ぐらいになるのではないかとすでにそういう情報も得ておりまして、これは
アメリカ
の物価あるいは労賃等の上昇等によって相当上がっていくことが
考え
られるのであります。そういう意味で、
原子力発電
が大きなウエートを占める場合に、このウラン濃縮代というのはかなりのウエートを占めますので、料金のはね返りというのは非常に憂慮されるところで、これはまあ今後の料金問題に対しては今後いろいろ折衝等を続けていかないといけないと思いますが、そういう意味でも、今度一万トンのストックパイルを買ったというのは、これは現行の安い料金で今後ずっと使えるという意味で、そういう意味のメリットはありますが、これは一時的な問題でありまして、料金に対するはね返り等は非常に憂慮しておるところでございます。
矢追秀彦
73
○矢追秀彦君 先ほど、
アメリカ
がこういう態度に出てきたのは
経済
性の問題があると言われましたけれども、それだけではなくて、
アメリカ
が
原子力
関係についてはやはり大きな力を世界で持ちたいというそういうことがあるのじゃないかと思うのですが、その辺はいかがですか。
前田佳都男
74
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) 矢追
委員
御指摘の気持ちがあるかどうか、それはわかりませんけれども、とにかく供給の多角化というか、それをはかるように、国際濃縮
計画
とか、あるいは濃縮の
技術
の国産化であるとか、そういう点にやはりわれわれは取り組んで、だんだんと
濃縮ウラン
についても
技術開発
を自主的に
開発
するという方向にわれわれ精力的に今後進めなければならぬということを
考え
ております。
矢追秀彦
75
○矢追秀彦君 結局、最近の
アメリカ
の対日政策、特に
経済
面においては、ドルの切り下げ、また実質的な円の再切り上げということになってきたわけですが、ずっといろいろな動きから見ますと、その一環としてこういう
濃縮ウラン
についても同じような傾向で出てきておる。そういうふうに、
アメリカ
の
経済
政策の大きな転換、さらにその上に
アメリカ
が核の面では優位をとっておきたいという、それが私はもう十分感じられるわけであります。そうなりますと、先ほどいろいろ手を打つとおっしゃいましたけれども、ただ単にこういう産業界の代表を公聴会に送るとか、来た人にいろいろ言う程度ではだめであって、もっと
政府
としてきちんと、これはまあ議会にかかっておりますからちょっとむずかしいかと思いますけれども、
原子力委員会
——AECのほうにはかなりのことが言えると思います。その点、もっと強い態度、強い姿勢で米側に説得をするなりあるは働きかけはできないものかどうか。先ほど
長官
の言われたことは全面的に悪いとは申し上げませんけれども、何か弱いような気がするのですが、その点はいかがですか。
前田佳都男
76
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) 現在の時点におきましては、われわれ、先ほど申し上げましたような方法で、また、事実上米国の上下両院の合同
委員会
というのは非常に実権といいましょうか、われわれの知るところでは非常な力を持っておるようでありまして、その意味において、この間プライス
委員長
、ハンセン、ホスマーの三君に対しましてもこの点は相当強く言い、まあどの程度の反応があったかわれわれもわかりませんけれども、はっきりは言えませんけれども、とにかくこういう問題は
日本
だけじゃないと、
アメリカ
の電力業界だって同じような問題があるのじゃありませんかということも実はざっくばらんに話をいたしました。
アメリカ
だって
原子力発電
の稼働をするまでに相当時間がかかっておるようでありまして、その点が同じような問題があるのじゃありませんかといって相当強く述べたつもりでございます。が、さらに強く、これじゃ困るのだということをさらにあらゆる機会を通じて向こうに意思を伝達したいというふうに
考え
ております。
矢追秀彦
77
○矢追秀彦君 先ほど
長官
の
所信表明
でもありました、結局、
昭和
六十年までに
ウラン濃縮工場
を稼働させることを
目標
に特に
遠心分離法
の場合はやるということでありますけれども、もしこれがかりに今度の新
基準
になってしまった場合、こういうふうな調子では、ほんとうのその間の供給がないわけですから、また、電力会社としても負担が大きいからできないということになれば、いろいろな問題が出てくると思いますけれども、その場合の対策というのはどうされますか。もしかりに国でそういうことが買うことができるのかどうか——ためておくことがですね、その点はとうですか。
成田壽治
78
○
政府委員
(
成田壽治
君) 御指摘のように、
日本
が、自主
開発
、
濃縮ウラン
工場をつくる、これもうまくいっても
昭和
六十年ごろまでに稼働ということで、かなり先でございます。その前の段階は、
アメリカ
と、あるいはフランスと、具体的な話も
検討
会をやっておりますが、外国と共同で濃縮工場を外国の適地につくるという構想も進められておりまして、これは日米、日仏等の
検討
もやっております。そういう意味で、大臣おっしゃったように、
濃縮ウラン
の供給源の多様化というのを、これはもちろん
アメリカ
にも相当依存しないといけませんのですが、そういう方向で
日本
の国産化工場ができるまでのいろいろな手を打って、入手の多様化を進める方向でいろいろな対策を
検討
しておるわけで、また、実際にいろいろ
政府
も予算を出していろいろな
調査
の助成等をやっておるわけでございます。
矢追秀彦
79
○矢追秀彦君 もしかりにこの
基準
が通った場合、いま申し上げたように、これからの要するに
原子力発電
所の
建設
計画
が大幅な変更をせざるを得ぬと思いますけれども、先ほどからずっと辻
委員
が議論されたように、
安全性
の問題もありますし、それから
環境
問題もあります。そうでなくても反対の強いところへもってきてこういう問題が出てきた場合、やはり根本的に
原子力発電
所というものを
わが国
としてはもう一度洗い直してやり直さなくちゃいけないのじゃないか、ここまで
考え
るわけですけれども、その点はいままでの
計画
をそのままお進めになりますか、それとも、事態の変更によってはその点も考慮されるかどうか、その点をお伺いして、時間ですから、終わりたいと思います。
前田佳都男
80
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) 矢追
委員
のたいへん御心配をいただいた御
質問
でございますが、われわれといたしましては、御指摘の点、
原子力
の
安全性
、
環境
の調和という点に力点を置き、さらに供給源の多角化といいましょうか、そういう点を
考え
つつ、
原子力発電
というものを進めていきたいというふうに
考え
ております。
矢追秀彦
81
○矢追秀彦君 そういうのじゃなくて、いま非常に問題が起こっておるわけでしょう。だから、そこへもってきてウランの供給がもしかりにこういうきびしい状態になった場合、とうてい
わが国
としてはこれに対応できないと思うのですね。そうすると、いま言われた、対応して
考え
ていきたいじゃなくて、これからずっと、この間まで
計画
ができていますよね、それが全部変更しなければならぬと思う、その辺の変更はされるのかどうかと、この辺を伺っているわけです。
前田佳都男
82
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) 現在の段階においては、まだ変更する必要はないという
考え
方のもとに強力に進めていきたいと、あらゆる努力を尽くして進めていきたいというふうに
考え
ております。
星野力
83
○星野力君 私は、昨年暮れに設立許可になった三つの
原子力発電
所の問題について、特に愛媛県の伊方
原子力発電
所についてお聞きしたいのでありますが、昨日資料を請求いたしたばかりで、まだ入手いたしておりませんし、きょうはわずか十分でございますから、資料を入手した上でまたの機会に具体的にお聞きしたいと思います。 きょうは、ほんの二、三の点を主として大臣にお聞きしたいのでありますが、伊方の
原子力発電
所については非常に激しい反対運動が起きておりますことは、御存じだと思います。農民や漁民あるいは一般住民からそれぞれ反対が起きておりますし、また、科学者の側からもいろいろの反対や議論が出ております。たとえばあの
建設
予定地が顕著な地震地帯だというだけでも
立地
条件としてはきわめて不良であると、こういう意見も出ておりますが、大臣、それらの事情を御存じのはずだと思います。なぜこういう状態の中で設立を許可されたのか、反対者の主張を十分考慮された上でのことかどうか、まずその点をお聞きいたしたいと思います。
前田佳都男
84
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) 伊方の発電所につきましては、
昭和
四十七年の五月十二日に
原子力
安全審査
会の伊方部会というものの
審議
を経まして、十一月の二十九日に総理大臣が許可をいたしております。それに対しまして、本年の一月二十七日、伊方発電所
原子炉
設置
許可取消処分の異議の申し立てが出ております。その異議の申し立てば行政不服審査法に基づく異議の申し立てでございますが、その点につきましては当庁といたしましても目下慎重に
検討
しておる最中でございます。
星野力
85
○星野力君 いま大臣からもちょっとお話がございましたが、用地の問題につきましても、なお十数人の地主が土地買収を拒否しております。ある者は裁判を起こしておりますし、他の者も裁判を準備しておるという状態であり、また、海面の埋め立てにつきましても、いまお話のありましたように、行政不服審査法に基づく審査請求がなされ、さらに埋め立て中止の仮処分の申請も出ておると思います。それから発電所の揚水につきましては、保内町の町民が、審査報告書の水の需給推定は虚構である、でたらめである、町の揚水量だけでもすでに限界に達しておる、その上原発に取られたのではたいへんだということで、ここでも激しい反対運動が起きておるわけでございます。その上に、先ほども申しました科学者の側からのいろいろの反対議論、そういうものも出ておりますが、私は、こういう状態では、少なくとも発電所
建設
工事は、現にそういう反対の中で
建設
工事が強行されておるのでありますから、少なくとも工事を中止させるべきではないかと思うのであります。揚水の問題
一つ
をとりましても、これは決定的な障害になる問題ではないでしょうか。その点についてどうお
考え
になりますか。
前田佳都男
86
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) ただいま、この異議の申し立てにもございます土地の問題並びに揚水の問題、漁業権の問題が、裁判中のものもございますし、いろいろ係争中であることは、よく存じております。これらにつきましては、私が着任する以前からの問題でございまするけれども、これを許可するにあたりましては
原子力
局におきましても相当地元ともよく打ち合わせ等をしたようでございます。その点につきましては
原子力
局長
から御答弁をいたしたいと思います。
成田壽治
87
○
政府委員
(
成田壽治
君) 土地の問題、工業取水の問題、あるいは漁業権の問題等、問題が多々ありまして、この点は県あるいは関係市町村長等と十分いろいろな
検討
をやりまして、
安全審査
会の答申も出ましたので、
原子力委員会
並びに
政府
として許可を出したわけでございます。特に問題の取水の問題につきましては、これは県等のいろいろな
調査
を聞きまして、たとえば十年に一回の渇水期におきましても大体平均三万三千トンのパー・デイの供給力があると、そして最低の場合でも一万六千トンという供給余力があるというデータになっておりまして、それから需要につきましても、将来の需要増加を織り込みましても大体パー・デイ一万トンであると。それで、今度の伊方発電所の工業取水は、パー・デイ千トンと、最大の場合でも千五百トンということでありますので、われわれ、県あるいは保内町等のいろいろなデータからしまして、需給上もまあ問題ないというような
検討
の結果、この水の問題については、一部にいろいろな異論がありますが、そういう意味で需給上問題ないだろうと。それからもう
一つ
は、全体の需給の問題としては問題はなくても、これは地元の町民等にも非常に重大な
社会
的あるいは心理的な
影響
がある問題でありますので、われわれは、許可に際しても、
局長
名で、知事、保内町町長、それから電気
事業
者に対しても、取水の問題については慎重に地元と接触をして適切な
措置
をとるようにというような、念のためそういう注意の要望も出しておりまして、われわれは、需給上はデータによって問題ないという結論を得ておりますが、ただ、実際上、いろいろ保内町の方々の問題もありますので、地元等の県知事あるいは町長、
事業
者等に対してその点の十分の配慮をするようにという要望も一緒に出しております。
星野力
88
○星野力君 大臣も
局長
も事前に十分地元とは打ち合わせを行なっておると、こう申されておりますが、実はその点が十分でなかったためにこういう問題が続発してきておるわけでございます。しかし、その点については、さらに他の機会に具体的にお聞きします。 時間がもうまいりましたが、総理に対していまこの問題で異議申し立て書が出ておりますですね。その異議申し立てに対してはどういうふうに御処置なさる
考え
か、それだけ
一つ
お聞きしておきたいと思います。
前田佳都男
89
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) この異議申し立てば、行政不服審査法に基づく異議申し立てでございまして、当庁におきまして
原子力
局において十分その異議の申し立ての
内容
を審査いたしまして、また、
原子力委員会
にも連絡をし、そうして内閣総理大臣にこれをわれわれのほうから上申をして、内閣総理大臣の決定を待つと、そういうふうにいたしたいと思っております。
星野力
90
○星野力君 異議申し立て書に対して慎重に御
検討
なさるのはもちろんけっこうでございますが、
検討
中にもどんどん
建設
工事は進められておると、そういう事態でございます。なるべく早く結論を出していただきたいと思いますが、大体いつごろ結論が出ますですか。
前田佳都男
91
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) 相当詳細にわたる異議申し立てでありますので、にわかに——にわかにではございませんけれども、そう簡単にそれの結論を出すというわけにもいかぬと思います。相当慎重に
検討
せにゃいけませんので、大体三カ月程度かかるのではないかというふうに
考え
ております。
星野力
92
○星野力君 三カ月程度と、こういう御答弁でございますが、その間にも工事が進められておりますし、
検討
されていずれもこれは重要な問題を含んでおると私は思うのでございます。その期間中でも工事を中止させるお
考え
はないかどうか、お聞きしたい。
前田佳都男
93
○
国務大臣
(
前田佳
都男君) 行政不服審査法の異議の申し立てがございます場合、その処分の効力、執行、手続の続行を妨げないという、そういう
規定
に相なっておりまして、いまのところそれを中止する
考え
はございません。
渋谷邦彦
94
○
委員長
(
渋谷邦彦
君) 他に御
発言
もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十二分散会