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国務大臣(
新谷寅三郎君) これも何回も申し上げたとおりでございまして、杉山
先生にも
お答えをしたところでございますが、一条から、
港湾管理者の
設立による
港湾云々という字を
目的のところで変えましたことによりまして、
港湾管理者がどっかへいっちゃって、いかにも中央集権になって、
港湾管理者の権能が非常に縮小されたというような印象をお受けになるようでございますけれ
ども、その点は、この
法律の全体を通覧してごらんになりますと、そういったのは
一つもないと思っているんです。
港湾管理者の権限を縮小しようとか、あるいは
地方自治体である
港湾管理者の性格を変えようとか、中央集権で、権限を中央に集めようとかいうのはどこにもないです。
むしろ、これは杉山
先生のときにも伊部
先生のときにもそういう御説明をしたと記憶しておりますけれ
ども、現行法でいきますと、現行法四十八条にいろいろ書いてあります。
運輸大臣がこういうことができるという中で、第二項ですが、「
運輸大臣は、前項の
計画を審査し、当該
計画が全国の
港湾の開発のための国の
計画に適合しないか、又は当該
港湾の利用上著しく不適当であると認めるときは、これを変更すべきことを求めることができる。」と書いてあるわけですね。きわめて端的に書いてあるわけです。これはその当時も申し上げましたが、私は非常に近代的ではない、民主的ではない、こう思います。したがって今度は、それをどういうふうにして、どういうふうなルールで
地方の
港湾計画というものを認定し、それに対して補助を与えていくかというルールをこの三条以下につくってあるということを申し上げたわけです。現行法の四十八条でいきますと、
運輸大臣がもうすべての自由裁量権を持っているわけでしょう。自由に裁量できる。そこにはもう基準もない、方法も書いてない。いきなり「これを変更すべきことを求めることができる。」というふうに書いてあります。で、私のほうで今度出しました
改正案では、最終的にはその変更を求めるという字を使ってありますけれ
ども、その前提としまして、まずこういうふうな基本方針をきめますと、それにのっとって具体的な
港湾計画を出していただきたい、その場合には、いろいろな審議の過程を経まして、
地方の実情も十分に聞いた上で、最終的な判断をいたしますというように、主文であるわけですよ。
私は今度の
改正案のほうが、
港湾管理者に対しましては、その立場をより尊重して、きわめて民主的に
港湾計画をきめようとする努力が、これにはっきりあらわれているんじゃないか、むしろ逆にそう
考えているわけでございます。
のみならず、先ほ
ども申し上げましたが、今度は
港湾管理者に対しまして、いろいろの新しい
仕事ができるような権限を付与してございます。この中で、特にいろいろこの
港湾区域内における行為の規制権限でありますとか、あるいは
負担金の
徴収の規定でありますとか、そういったものまで盛り込んであるわけでございまして、現行法に比べまして
港湾管理者の権限を縮小しようとか、あるいは
地方自治体の自治権を侵害しようとかいうような意図は毛頭持っておりません。それは
現実にこれを読んでいただくとわかりますということを申し上げておきます。