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政府委員(
岡部保君) ただいまの御発言の三点でございますけれ
ども、まずその三点、
一つ一つについて私の
考え方を申させていただきたいと思いますが、まず列島改造に沿ったいわゆる地方港の拠点開発というものを考えなければならない、そういうことのために、この
一つの
法律の改正があったという御発言、これはこの
法律改正の具体的な内容で申しますれば、
計画的な開発、
利用及び保全の体制を確立するというあたりをさしておっしゃっていることだと存じます。この点につきましては、私
ども確かに、いわゆる先ほ
どもお話がございましたが、いわゆる列島改造論、田中総理の著書である列島改造論ということ自体は別にいたしまして、現
段階で日本列島をやはり改造しなければならぬのだという
感じは私、否定いたしません。そういう
意味で、確かに過密過疎の解消ということを、どういうやり方をしたらできるのかという点が確かにあると思います。
そういう
意味で考えるならば、確かに地方というもの、いわゆる地方都市を開発し、それに伴うというか、それと同時に成立すべき地方の
港湾の開発というものを考えなければならないという観点に立てば、私はそういう
計画の
考え方というものが、私たちにないということは否定いたしません。まずそういう
考え方があるのは事実でございます。ただ、それとこの
法律の改正でそれが直接結びつくかどうかという点になりますと、私はそういうものではないという
感じでございます。といいますのは、いままでも再三再四申し上げておりますように、いわゆる
計画法的な手法、こういうものが、いままでの
港湾法の四十八条の「
計画の審査」という
段階では、あまりに簡単であり過ぎたと申しますか、逆に言えば、
運輸大臣が、自由裁量の非常に範囲が広いような点がございました。それをいわゆる最近の
計画法的な手法、ほかの
法律と非常に似通っておりますが、そういうような手法を取り上げて、ここで
整備したということでございまして、決してこの
法律改正自体を考えますとそういうことではないという気がいたします。
それから第二点の、公害を放置できない、そういう
段階になってしまったから、
環境保全を表に出さざるを得ないという点につきましては、これは私
ども、ちょっと
先生のおっしゃり方が非常にどうも困りますので弱るのでございますけれ
ども、
現実の問題としては、ある
意味で肯定せざるを得ない点がございます。いままで確かに、私
どもの
港湾整備という面で、環境問題というものに対する関心が薄かった点が多々あります。その点で、たとえば工業港の
一つの
計画をもってみましても、実際に環境問題という点から見て、やはり
計画をもう少し改正しなければいかぬ、改めなければいかぬという点がございます。そういう点で、確かに大いに反省をいたしておるところでございまして、どうもこうなってきてうるさいから表に出さざるを得ないという
意味ではございませんで、いままでの、ほんとうにわれわれの誤りを正すというつもりで、確かにこの環境問題というものを、この
法律に十分織り込まなければいかぬという点で、これではまだ不十分ではないかという御批判はあると思いますけれ
ども、できるかぎりの織り込み方をしたつもりでございます。
それから第三点の、大都市開発、過密化を避けるという
意味、これは先ほどの第一点と同じような、ちょうどうらはらの
関係になる問題だと思います。ここで確かに大都市周辺と申しますか、いわゆる東京湾、大阪湾の開発という問題がはたして今後、いままでのような調子でいいかどうか、これを
港湾の
計画上から見ても、私
ども非常に反省をしておりますし、これから新たな
考え方で進まなければいかぬというのは事実でございます。ただこれは、そういう
計画の
一つの
考え方というものがあるということであって、この
法律改正の
計画手法という点については、これはやはり別の
考え方で、この
計画法的な手法をここで
法律的に
整備したというふうに御理解いただきたいと考えております。