○岡本悟君 それからもう
一つ。
先ほど
阿部委員から
自動車の公害を少しでも軽減するために、大都市における大量、高速の輸送
機関の強化につきましてお尋ねがあったのでありますが、私も全く同感でありまして、
運輸省も政府全体としてもその
方向で進んでおられることは十分
承知しておりますが、地方の実情を申しますと、
東京とか名古屋とか
大阪とか、そういう大都市のみならず、人口五十万前後の都市にありましても、人口の都市集中の
現象によりまして、どんどん団地が造成されておりますことは御
承知のとおりなんです。その団地がほとんどすべて足なし団地でございまして、しようがないからみんなマイカーで通勤するというようなことになる。それが非常な渋滞、混雑に拍車をかけまして、騒音なり
排気ガスをまき散らし、しかも、そのために肝心の公共交通
機関というものは非常に効率が落ちまして、公共交通
機関の経営者の経営にも甚大な影響を与えておることは言うまでもございません。
そこで、私が申し上げたいのは、
一つは大都市のみならず、いま
運輸省、政府がやっております大都市の大量な交通
機関に対する助成のみならず、こういった地方の中核都市に対しましても、そういう
方法を講ずる必要があると思います。進める必要があると思います。
地下鉄は建設費も高うございますし、でありますから、人口五十万前後のところにアプライする場合の最適の交通システムであるかどうかわかりません。むしろ私は、昨年、臨時国会で成立しましたモノレール
整備促進法によりまして、モノレールのほうが建設費が安うございますから、そういったものを助成する道を講ずるとか、さらに最近、それこそたくさんの都市交通
機関としての新交通システムの範疇に入るような新しいものが出ていることも御
承知のとおりであります。一部には、アメリカのモーガンタウンでいま使用に供されておりますし、それから最近、ダラスの空港とダラス市内とを結ぶ新しい交通
機関が建設途上であります。
で、都市の性格なり実情に応じて、新しい交通システムを選択さして、そしてできるだけ大量に運ぶ。そうして個々のマイカーによる通勤をやめさせるという
方向に進むことが、望ましいことは言うまでもないことでありますので、そういうふうな新しい交通システムもすみやかに
検討されて、そうしてこの都市にはどういう大量の交通
機関を与えるかどうか。またそれに対しまして、建設する場合には思い切った補助をする。こういう
方法を講じないと、これはもう大都市のみならず、そういう中堅都市も全部窒息
状態です。これは御
承知のとおりなんですが、そういう点について留意していただきたいし、ぜひとも四十九年度の予算
措置におきましては、そういう道を開いてもらいたいと思うわけです。特に、これは政務次官にもお願い申し上げておきます。
それからもう
一つは、
局長、本年度の予算に、これはまだ成立しておりませんが、いわゆるニュータウンに対して、足がありませんから鉄道建設公団
方式によりまして、鉄道による便宜を供与しようという
方法も講じられておりますが、もう
一つ、あなたの所管の分野で、団地に対するバスの輸送力を提供しようというので、命令路線的な
方式をとられて、そうして、それに対しては赤字をある
程度補てんしてやろうという予算を獲得されておるわけなんですね。これはまだ、どういうふうに実行に移すか、詳細には私も
承知しておりませんが、いま地方の実情を申し上げますと、先ほど申し上げました中堅都市におきましては、足の問題は非常に切実な問題になっているわけなんです。団地がどんどんできる、足がない。したがってバスのぜひとも路線を開設してもらいたいという要望が非常に強い、どこでも。ある陸運
局長の話によりますと、もう朝から晩まで、この問題で陳情に応対しておるというふうな目にあっているケースも相当あるようですね。それは無理もないんです。足がありませんから非常に通勤に時間がかかる。しかたなしにマイカーによって通勤するというようなことになりますので、それは無理もないと思うのです。
ところが受けるほうのバス事業者からいいますと、これは御案内のとおりでありまして、非常に経営が悪化している。したがって、むしろ路線を新しく開設するというよりか、もうできるだけ路線の整理といいますか、路線を縮少していきたいという
方向にあることも、これもまたやむを得ないところだと思うのです。
そこで、これも来年度の予算にはぜひとも、いま四十八年度予算で初めて顔を出しました命令路線的な
方法をなるべく数多くの地域に適用してもらって、救済しないとたいへんなことになると思うのです。その点につきまして、
局長が当面の責任者でありますから、あなたの決意を聞いておきたい。地域の実情は非常に急迫してきておるということですね。もうとにかく足がないのですから、バス路線をとりあえずここにつけてくれという要求がたくさんあるんです。だから事態は非常に急迫しておるということをあらためて認識してもらわないと、そういった新しい予算折衝についての情熱がわいてこないと思うんですが、そのことを強く訴えまして、あなたの決意をお聞きしたいと思います。