○
村上(弘)
分科員 窓口一本化は明らかに憲法違反であるし、地方自治法の
住民の権利の条項に違反しておる。これはもう明白です。違法なそういう状態を早くなくするということのために関係
当局が
努力を払うべきだ、これも当然だと思うのです。
ところで、こういう窓口一本化による
行政に対する介入や干渉というものは、単に同和
行政の面だけでなくて、
奥野さんが担当しておられる同和
教育の面にも及んでおるわけです。同和
教育の
内容や
教育の人事にも及んでおって、きわめて深刻な事態なんです。
たとえば大阪では、
昭和四十四年三月以来いわゆる矢田問題というのが起こっています。それから四十六年十二月以来淀商高問題というのが起こっています。それから四十七年四月以来吹田二中問題というのが起こっています。これはすべて解同朝田一派の組織による介入、干渉によって、
教育の人事あるいは
教育内容がいろいろと左右されておる、こういう状態が生まれておるわけです。
たとえば矢田問題を見ますと、これは
昭和四十四年三月、大阪市教員組合の東南支部の役員選挙のときに立候補した木下という
先生が役員選挙のあいさつ状を出した。ところが、このあいさつ状の
内容が、朝田解同矢田支部の一部幹部から、これは差別文書だ、こういう不当な言いがかりをつけられて糾弾されたことからこの問題が始まっているわけです。
では、このあいさつ状の
内容はどうかといえば、こういうことです。「労働時間は守られていますか。自宅研修のため午後四時頃に
学校を出ることができますか。仕事に追いまくられて勤務時間外の仕事をおしつけられてませんか。」「
教育の正常化に名をかりたしめつけや管理がありませんか。越境、補習、同和などどれを取上げてもきわめて大事なことですが、それに名をかりて転勤、過員の問題や特設訪問や研究会や授業でのしめつけがみられて職場はますます苦しくなります。」これがあいさつ状です。この文書が差別文書だ、こう言っておるわけなんです。これがもし差別文書だとするならば、これはもう六十八国会の
奥野議員の質問なんかも大差別ですよ。これは抵抗を受ける、トラブルが起こる、新たな差別を生んでおるなんて追及しておるのですから、あなたは差別者ですよ。こういうふうな言いがかりをつけて、そして差別者として暴力的糾弾が始まっているのです。そしてこの解同朝田一派の言い分に対して大阪市教委は言いなりになっている。十一人の
先生があいさつ状に推薦人として名前を並べておるのですね。この十一人の
先生も差別者だということになっておる。そのうちの八名の
先生は授業を奪われて、それまでの労働慣行であった本人の意思を全く無視して、年度途中に一方的に配転させられておる。
昭和四十六年の二月から、そのうちの八名は、大阪市
教育研究所に入れられておるわけです。今日まで約三年半
教育の現場から離されておるわけです。大阪市教委はことしの二月にも、市教組の大会決定の現場に復帰させるべきだという決議を無視して、引き続き研究所勤務を命令しておるわけです。さらに、こういう木下文書が差別文書であるということを踏み絵にして、教員人事だけじゃなしに、あらゆる面に糾弾と介入が及んでいっている。
たとえば、最近の事例としては、これは大阪市役所のほうですが、昨年八月末まで浪速区の
青少年会館で同和事業
指導員だった橋本浙子さんという二十五歳の人が、矢田問題を差別と見るか見ないかと聞かれて、認めないということを言ったら、それを理由に職場を追われて、六カ月近く中之島の中央公会堂の一室に事実上幽閉されておる。研修をやりなさいという理由で職場から引き離されて、幽閉状態に一人で置かれておるわけです。橋本さんは
昭和四十五年の春に浪速短大二部を卒業して、私立の栄隣保館の学童保育
指導員となって、学童保育の創立期の基礎づくりを一生懸命にやっておった人です。朝田一派の圧力で大阪市がそういう
措置をとりて現場から離れたときに、「
先生がいてへんようになって
子供と泣いていました」と父母が語っているのです。こんなふうなことが起こっておるのです。不適格者じゃないことは明白です。ところが配置転換された。
学校の
先生もそういう言いがかりで配置転換されておる。
こういう窓口一本化が
教育面にまず及んで、教員人事が彼らによって左右されておるという事態について、
奥野さんがかつて質問をしたことが、より深刻に
教育の面に及んできております。こういうことはないと思われますか。そういうことについてはどう思われますか。