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神崎分科員 まことに何かたよりないような御
答弁ですが、そういうように聞いておりますとかいうようなことでは、私少しきびしいことばを使わなければいかぬことになってくるのですが、それは
建設省が当然これに介在をしているからであります。
そこで私は、もしこの
計画が実現されたらどういうことになるかということの具体事例と、今日までこの
計画を中心にして動いてきた周囲の事情をやや具体的に申し上げたい。時間の
関係で、語ればこれは尽きないくらい長いものですが、簡単に申しますと、まず総理
大臣の施政方針の演説の中で、「教育は、次代をになう青少年を育て、民族悠久の生命をはぐくむための最も重要な課題であることを思い、理想的な教育の
条件と環境の確立にたゆみない努力を傾ける所存であります。」総理
大臣もこういう所信を演説の中で言われております。したがって、もしこの
計画が実施されるということになると、まずどういうことになるかといえば、総理
大臣の所信表明演説と正反対に学校、保育所、その他が非常に大きな被害を受けるというのは、この路線でまず大阪の阿倍野区の
昭和中学の一部が削られる。それから、近接地で最も被害を受ける学校は文の里中学、北田辺小学校、それから大阪市立大学、さらにその周囲に保育所、幼稚園等が六カ所もあります。そこで北田辺小学校PTA会長の大野敬一郎さんという方が当地の新聞記者の設問に対して談話を発表されておるのを紹介しますと、
関係者は将来性のある子供の幸福を第一に考えてほしい。高速道路が学校と密着するようでは、子供たちは勉強も満足にできなくなる。それに車がふえることによる交通事故も心配です。また人間性を無視した野蛮な暴挙は許されない、こういうふうにPTAの会長が談話を新聞に発表された。しかも一方では、中小企業等の関連から商店街を育成するあるいは商店街の近代化という問題がやかましくいわれ、私も商工委員ですから、その立場からもこの問題を委員会でもいろいろお尋ねしたり要求したりしますが、これをやられますと、八百世帯が立ちのかされる。さらにその中には美章園という商店街、南田辺商店街、長池商店街、鶴ケ丘商店街、こういうものが分断されて、それがために商売はできなくなって、残されたものも分断される。買いものに行こうと思えば、この高速道路をまたがって行かなければならない。そういうようなことから、周囲の方が二万人も署名をして陳情しているのです。
時間がございませんから、その現況をずっと先に言います。これは一月十日の朝日新聞です。ここに
大蔵省の
藤仲貞一さんという主計官の方が、こういう大きな見出しで「『高速泉北線』バッサリ」「住民のうらみ買いたくない」金を出して住民からこれだけうらみを買うなら、金を出さないというので、当初
予算でこれがばっさり三億円ですか、削られた。そこで住民はこれで非常にほっとして、やれやれこれでわれわれ被害から免れると思って喜んだのですが、いつか知らないうちにこれがまた復活しておるといういきさつは一体どういうことにあるのか。これはその当時のたくさん資料があります。これも当時の新聞ですが、朝日新聞です。これについて三日にあげず大阪市と大阪府へ
地域の人は仕事もしないで陳情にこれつとめているのです。そのときに一応その審議会で——私はたまたま審議会のときには行ったのです。東区の国際ホテルですが、これはまことに異様な
状態で、四、五百人の住民の前でやられたのですが、あっという間の強行採決で、だれが何を言うたかわからぬような
状態でやられたのです。その
あとで住民の代表が市長に面会を求めたところが、なかなか市長は会われなくて、ついにこの日に会って、どういうことを言っているかといえば、次回に皆さんに会うまでは府に回答いたしません。そういうのは公害性の問題で相当やかましくいわれているから問題が大きくなる。そうしてこれでついには回答しませんということを市長が言っているのですね。先ほど
大臣言われたように、大阪府の知事から、これは住民も非常に反対をしているし、非常に重大な問題だし、そしてこれについては公害性の問題からきびしく
質問書などを発表しておるわけですが、だから、そういう段階だからもう一回検討すべきであるということを知事から市長のほうへ返ったんですね。そうしてその公害性についての安全性を保障する、そうしてあらためて知事のほうへ持ってくるという段階が昨年末から続いているんですから、その過程でいまの
藤仲主計官がこういうふうに金をつけて住民から反対されるようなものにはつけないというような発言があって、大阪の新聞は、世論が大きいですから、こういうような大きな扱いをして出した。われわれも住民も一緒にほっとした。ところがそれがまた生き返っておるということですね。その間一体どういうことになっておるのかということが
一つ。
それからもう
一つは、これは大阪の市立大学が道路によって非常に大きな公害の被害を受ける関連もありまして、これも十二月二十六日の朝日新聞ですが、市大の教官グループが、御
承知のように公害で国際的に有名な方もここにいらっしゃいますが、この方々が「騒音・排気ガス防止」「具体的な策示せ」「高速泉北線、市長に
質問状」こういう形で公開
質問状を出した。これに対してがんとして答えようとしておらない。それでまた業を煮やした住民は、今度は黒田知事のところへ行って一部始終を陳情したのですね。それについては、これも十二月十九日の朝日ですが、「黒田さん一歩後退」「年内申請見送る」「詰寄る住民に約束」それで学者グループは「知事に不認可要望」こういう形に出ている。そうして
予算がなくなったというので住民が警戒を解いたとたん、約束ほごの強行だという形で知事の前に座り込みする。こういう形に、非常に重大な影響のある、またこういうことを与える道路というものについては、これでもなお強行されていくのか。こういうようなことがもしも通るようなことになって、強行されるようなことになればこれはたいへんなことである。冒頭に
大臣おっしゃったように、
地域住民との話し合いというものが——もう
一つは北田辺保育園の園長さんがるる陳情されて、これができたら子供はこうなるという長い陳情書を私のところにも送っているし、
関係のところに送っておりますけれども、もうこれは時間の
関係で省略しますが、いま言うたのと同趣旨のものであります。
それからもう
一つは、もう一ぺん
大臣にひとつはっきりと確認してほしいのは、大阪市総合
計画局が出した
計画、これは新聞記事じゃないのです。私の発言は新聞記事じゃないのです。ここにはやっぱり定めとして、
地域住民の意見を書かなければならぬということになっているのですね。それをここで摘出しますが、まず美章園の高速道路に反対する会の会長さんですが、名前はこういう
場所ですからごらんになっていただいたほうがいいと思いますが、まず公害問題が第一で、第二は
計画案に対して地元住民の意見が反映されておらない、こういうように四十七年の一月十七日付で発表されておる。それからもう
一つは、これも第一は公害問題第二は地元の意見を聞かない、これは二月二十二日の文の里
地区の代表が言われている。それからもう
一つは、鶴ケ丘の高架線
工事の対策委員会の方で、公害問題についての善処方を訴えている。もう
一つは、市立大学の教授、教官の有志ですが、まず第一に
計画を延期せい。第二は地元住民の意見を聞くことだ。三番目は環境被害に対してどういう対策をもっているか。もう
一つは、文の里の四丁目の代表者ですが、これもまず第一に地元の意見を聞いていない。それから第二は公害問題なんですがね。こういうような形で、
大臣はおっしゃるような形で言われていますが、そうしたら全然意見を聞いていないかといえば聞いているのです。私も知っていますが、どんな形で聞いているかといえば、名前は言いませんが、ある小さな幼稚園に、ものの二十人も入れば一ぱいになるような小さな教室に、
地域の該当者でないような、たとえば大阪で、御存じかもしれませんが、日赤奉仕団とかあるいは何といいますか、民生委員だとか町の有力者、こういう方々を数人集めてそこで話をしているというようなことは二、三やっているのですがね。そういうことだけをやっておいて、これは市がみずから出す公文書でしょう。こういうものでも、こういう意見のあるということを記載しなければならぬような現状、しかも初めは主計官すらも、私は大阪に住んでおるので大阪
地区の
気持ちもよくわかるし、特にそこはよく知っているからという形で
藤仲さんも言われておるのですがね。それで金をつけて恨まれるようなことについてはやめるんだ、こういう形で言われているのですが、こういう
状態は
大臣、一体どういうふうにお考えになりますか。