○
土橋分科員 私は郵政
大臣も米澤
総裁もたいへんお忙しいと思うのですが、これから申し上げるあるいは
質問をする内容についてよく聞いていただきまして、電電公社当局が、あるいはまたそれと非常に
関係の深い電気通信共済会がやっておる財産取得の問題について
質問を展開したいと思うのであります。この問題は、すでに新聞紙上、大映という会社が世間の批評によりますれば
計画的ないわゆる詐術を
中心とする倒産を行なって、そして大映という映画
産業を個々的に財産を分割して、そして債権者はそれぞれ一定の利益を得る、そして会社当局はつぶれていくという、こういうことに富士銀行が一役買っておったというように新聞が報道しておるのであります。この事態と全く同じような事態が六九年の当初、日活撮影所をめぐりまして、電電公社の分身ともいうべき、これは資金の面においても役員の構成の面においても電電公社とは非常に深いつながりを持っておる共済会が、日活という映画
産業資本家の東京都下調布市にあるところの撮影所約二万坪の土地の購入に関して、全く同じようなことをやっておるという事態でございます。
そのやり方は、当初の推定価格にいたしまして三十億ともいわれ、あるいはそれ以上の土地ではないかといわれる二万坪の
地域に広大な撮影所その他付属の施設がございます。これは多摩川の流域に面しまして、こういう映画
産業にとっては究竟の場所であると推定できる場所でございます。それのちょうど東側に大映の同じような撮影所がございます。この日活の撮影所あとを、当時住友系の大和土地というのを通じまして、大和証券の子会社であるところの大和土地というのを通じまして、住友財閥から社長の堀久作さんが当時の金にいたしまして約三億円くらいの借財を背負っておりました。それをそのままにいたしまして、大和土地のあっせんに基づきまして電電公社が話を持ちかけて、表向きは、電電公社はいわゆる七カ年
計画で膨大な施設を米澤さんも要求し発展の途上にございましたので、しかし電電公社として買うのはまずいということで、ダミーとして電通共済がその表に立ったわけでございます。当時の契約その他の内容については私が申し上げなくてもよく御承知かと存じますが、これは電通共済ではなく、その本体は明らかに電電公社であるということが明瞭でございます。それは当時折衝に参りました調布市議会に対しまして、たとえば十六階建ての建物あるいは十三階建てあるいは十階建ての建物を建てるということで、図面をもちまして懇請をし、その協力方を要請しておる、そういう文書がございます。そういうものを見ましても、明らかにその中には電電公社の建築
関係の幹部諸君の名前が出ておりますし、またその地図も明らかに電電公社の策定をした住宅
建設のものでございます。したがって、電電公社が、俗に言わしていただくならば陰に隠れておって、共済の山本英也会長を通じましてこれをしゃにむに、現在東京地裁の第九民事部の法廷において明け渡し請求が行なわれておるわけでございます。
当時日活撮影所は、いま申し上げましたように負債その他の
関係で四苦八苦しておりまして、金額にしまして大体十三億四、五千万円前後の金で、二カ年の猶予期間を置いてそれが譲渡される、こういう契約を結んでおります。そしてその中には利息金を取ることも規定しておるし、また契約は違約した場合には違約金を徴収することも規定いたしております。でありますから、これは世間に行なわれておる譲渡担保契約であることは明瞭でございまして、この辺は第十回目の裁判で明瞭になると思いますが、それにもかかわりませず、七一年でございますか、訴訟になってから約二年有半を経て明け渡しができない、こういう問題でございます。
そこで一番大きな問題は、堀久作さんをはじめ、いま堀雅彦さんという子供さんが社長でございますが、冒頭申し上げましたように、最近の映画
産業というのは、いろいろな
関係で特に退廃文化あるいは腐敗文化をまき散らして、粗製乱造したということと、テレビの普及によりまして、必然的な傾向かもわかりませんが非常に斜陽化しているといわれております。そこで、労働組合のほうでは堀一族、社長を
中心といたしまして文化的な
産業を守らなければいかぬ、それにはいまつくりつつあるところのたとえば「戦争と人間第三部」とか、「母とストライキ」とかあるいは「大地の冬に生きる仲間」であるとか、親子映画のようなものをどんどん上映をして、文化的なかおり高い、一般
国民の芸術あるいは文化の指導にも役立つようなものをつくっていこうじゃないかということにやっと最近は会社当局も気づきまして、買い戻し要求をしておるという事態でございます。それにもかかわりませず、依然として山本英也会長を
中心として明け渡し請求をしておる、こういうことでございます。
そこで、一体電電公社としてはこういう問題について、積極的に文化
産業を守る観点、あるいは千名、家族を入れるなら四千名の争議行為によってもんちゃくを続けておる堀久作社長を先頭とする日活撮影所について、十分な配慮することなくなぜこんなことをやったのか。
特に山本英也会長は、私の記憶に間違いがなければ、
昭和二十四、五年前後には
郵政省の労務課長か何かをしておったように記憶しております。また二十七年電電公社ができまして、この資料にも見られますように、彼は電電の最高幹部である職員
局長あるいはまた経理
局長、特に総務理事などを歴任をいたしまして、そして退任をして現在電通共済会の会長になっておるわけです。ちなみに申し上げますと、関西の会長をしておる中山君にいたしましても、大体あのレッドパージ当時の、いわゆる労働者を痛めつけあるいは労働者を職場から追放することについて尽力をしたといわれる幹部の一人でございます。
これがいま申し上げますように非常な戦いになっておることを百も承知の上で、しかも労働組合からは、その日活の財産について債権の担保あるいは場合によっては貸借させるかもわからぬというようなことに対して、やはり一定の債権として担保を
供用しております。また労金から借りた金なんかも担保設定をしておるのですが、そういうことを百も承知の上で、そういう
状況を知っておりながら、労働組合を堀久作とともになくする、これを要するに壊滅をさせるという野望を持って、策謀を持ってこの売買契約を締結したような節が多分に見受けられるのであります。かようなことは、たとえば同じ日活でも天城のホテルの問題あるいは修善寺にあるところのカントリークラブの売却問題について平和相互銀行というのが一役を買っております。これは藤井丙午氏などとも
関係が深いといわれているところでもありますが、こういうことを公社が、しかも公社法の第一条の規定を見ればだれでもわかっておりますように、電信電話業務を通じて
国民に奉仕をして社会
福祉に貢献しなければならない電電公社がなぜこんなことをやったのか、私は明確な
答弁を要求したいと思うのです。また本日山本英也会長は見えておりませんので、一体なぜこんなことを百も承知の上でやっておるのか。この責任は私は郵政
大臣には直接ないと思いますけれども、しかし郵政
大臣も監督行政上の
一つの責任があるんじゃないかというふうに考えておりますので、時間が三十分ですから、いま申し上げたことについて、そうであったかそうでなかったかというふうな簡単な答えでやっていただきたいというふうに思います。