○紺野
分科員 これからつくられる
新幹線の問題について、そういう立場を踏まえた上で私は
質問したいと思います。
それは東北
新幹線の問題でありますけれ
ども、この東北
新幹線が
東京駅から、現在の六番線、七番線ホームから、これにドッキングをして地上通過で神田駅の上を通過して、一時地下に入って、再び日暮里のほうから地上に出て、
東京都の過密地帯、北区その他の区を地上通過して、埼玉県の戸田のほうに出るということになっております。これに対して、つまり世界的に最も過密な
東京の中でこのような地上通過をやることに対して、住民とともにその通過する自治体はほとんど反対を
示し、また住民も猛烈な反対
運動を展開しております。千代田区はもちろん、台東区、荒川区、北区、板橋区また埼玉県の沿線市町村は、現在のこの
路線計画に対して絶対反対の態度をとって
運動しております。そしてその特徴は、自治体自身が反対している。区議会あるいは区長、それから
東京都においても美濃部知事がこれに対して、納得いくまで自分は許可しない、反対であるという立場を表明しております。こういうふうな、住民と自治体があげて反対をしているということをあくまでも無視して、そして住民と自治体の反対を押し切ってこれを
実行しようとしているのかどうかということ。
それから、この
計画自身が非常にずさんではないか。こういう住民の反対
運動が出てくるということも、そのずさんさに原因している。
昭和四十六年一月十八日に
基本計画が
決定された。そして九カ月後にすでに工事の実施
計画が
運輸大臣によって許可されている。住民の
意見が何ら反映されておらない。こういうふうなずさんなものですね。そこからこういうことが起きていると思いますけれ
ども、特に重大なことは、第一ボタンというか、一番のスタートのところになる神田駅の地上通過の場合には、これを見てもらえば非常にはっきりします。これは一番上のレールのソベルでもって二十一メートルの高さ、この構造物によればそういうふうになっている。しかもここの本体からわずか六メートルのところに、こちらの道路のビルディングがあるのですね。わずか六メートル離れてビルディングのわきを二十一メートルの一番上のレールのレベル、そこをまた電車が通る、そういう構造になっている。こういうことは、大きな絶壁をつくって、最も繁華街の神田
地域の、いわば
地域社会を全く荒廃させてしまうというふうな、非常に乱暴な
計画になっている。これに関係する高架下の方々が二十数年にわたってここに財産をつくり
営業してきた、そういう方々の権利もじゅうりんされるというだけではありません。
地域全体の町の町づくりも犠牲にしてしまう。
地域社会を犠牲にするような乱暴な
計画にこれがなっているということですね。
それからさらに、これは公害その他によって、北区の
方面でも、地上通過、高架でいく場合に大きな問題になるわけですけれ
ども、特にこれが埼玉を通るときには、桜木団地を全くぶちこわしてしまうという
計画になっているといわれております。やはり団地は
一つの
地域社会であって、現在では単に個人の集まりと見るわけにはいかないというふうなことから見て、その団地、これは住宅
公団の団地ですけれ
ども、それ全体をつぶしてしまうような乱暴な点もあるわけですね。しかも熊谷市のところでは、日立の工場あるいは新
日本製鉄の工場は敬遠をして、また自衛隊がありますけれ
どもそこを敬遠して曲がっていくけれ
ども、いわゆる住民の居住権や生存権や
地域社会の町づくりをしていこうという権利に対しては、全く無謀な態度でふっ切っていくというような
計画になっているわけですね。
そういう点から見て、特に千代田区の神田周辺の町会、鍛冶町、外神田、内神田、佐久間町、須田町あるいは鎌倉町というふうなところがあげてこれに対する対策委員会を持って、あくまでも地上通過に反対である。この
計画を変えて地下にもぐるようにしてくれというふうに要求しているわけでありますけれ
ども、このような住民を無視する、自治体の態度に対しても無視するやり方であくまでも強行しようとしているのかどうか。この再検討をする必要が断じてあるとわれわれ思いますけれ
ども、どうか。この点について最初に
答弁を求めます。