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寺前分科員 地方の自治体からは納本せよと義務づけている。これは金を払うというわけじゃないのです。納本せよというのですよ。出版物を全部納本せよ、官庁も全部納本せよ、こういっているわけです。
国会図書館の機能を強化するためにいっている。だから、同じことは、地方自治体の議会の機能を強化してやるというためになるならば、それは、ぼくは議事録を無料で送ってやるということはお互いにやらなかったら、それぞれの、
国会は国権の最高機関としての機能を強化していくために、地方自治体は地方自治体としての機能を強化していくための、その議会の役割りのためにということで、これはぜひとも私は検討してほしいということをこの
分科会で提起しておきたいと思うのです。
同時に、調整
委員会の事務局を図書館長のほうでやっておられるのだったら、調整
委員会をすみやかに開いて、この問題についても検討すべきだ、私はそういうふうに思います。
それから、副
長官は、先ほどおっしゃったように、検討するとおっしゃっているんだから、
ほんとうに地方自治体としての役割りを強化してやろうというんだったら、当然すみやかに検討しなければならないと思います。
私は、ある人の投書がここにありますので紹介しておきます。
前段は抜きにして、「ところが、毎年大量に発行される
政府刊行物——その中にはまさに中央官庁ならでは収集できない統計その他の情報が載っているものも少なくないが——は、いっこうに公立図書館には無償配布されないのである。公立図書館こそは無料で、広く
一般国民から情報を吸収できるところである。一体これはどうしたことか。
政府が果して図書館機能を低く評価しているのか、
政府刊行物が広く
国民に読まれることを望んでいないのか。それならなんのために手間と金をかけて、数々の
政府刊行物を発行するのか、私にはよくわからない。公立図書館が
一般人と同じ値段で市販の
政府刊行物を買っている姿は、
政府と地方自治体との断絶を
象徴しているような感じで、大きくは
国民不在ということになるのではないか。」云々ということが、その新聞の投書の中に、図書館長をやっている人から出されております。私は、この声をすなおに
関係機関がおくみ取りをいただきたいということで、この問題は終わっておきたいと思います。
それから、私は最後の時間を——この間図書館をいろいろ歩かせていただきました。現場も見せていただきました。そこで率直に感じた問題を提起して御検討いただきたい。あるいは御意見も聞かしていただきたいというふうに思うのです。
それは何かというと、図書館にはさっきも
お話がございましたけれども、従来ここの職員には行(二)という体制と行(一)という給与体制があって、その行(二)の多くの部分の人たちを行(一)に移行するという給料体系の問題がありました。そこで私は、この間、館長さんにもお会いして、一体あなたのところの機能はどうなっているんじゃと聞いてみたら、二月二十六日現在員の表をいただきました。その表を見ると、あなたのところは全部で八百四十五名の人がおられて、そしてそのうち行(一)技術職員といわれる人、並びに行(二)の技術職員という人が全部で九十六名おるという数字になっています。そこで私は、それじゃこの八百四十五名のうちで九十六人が技術職、現場の人の声でいうならば現業というふうにいわれているけれども、これらの人たちが、一体どういう賃金水準にあるのだろうかということについてこの間お聞きしました。そうすると、事務職というのですか、行(一)の事務職といわれる人たち、あるいは指定職とか特例職、そういう人たち、あるいは一等級、二等級の人たち、こういう人たちの全体の数字はどのくらいになるのだというて聞いてみたら、五等級以上の人は三百五十人ぐらいはおりますというのが、この間寄せていただいたときの
お話でした。そうすると、八百四十五人の人がおって、ざっと百人近くが現業の人たち、残りはといったら、したがって七百五十人ほどおられるそのうちで三百五十人以上、だから半数が五等級以上に事務職の場合はなっている。それじゃ現業といわれる人たちはどういう実態になっているのですか。行(二)職から行(一)職に移した。移したけれども、その人たちはそれじゃ五等級以上の人は何人おられますかといったら、十八人だ。百人低どの中から十八人ですから、まあざっと二〇%、二割の人しか五等級以上になれない。片一方の事務職のほうは五〇%からの人がなっている。しかも五等級以上のどこまで行きますのやと聞いてみたら、それは五等級までで、まあいろいろ配慮がちょっとありますというのが
お話でした。片一方は二等級、一等級までずっと行く行政職がある。片一方は五等級どまりだ。一体これはどういうことなんだろう。
それじゃ、現業という人たちはどんな仕事をする人たちなんですかとここで聞いてみたら、私は現場も歩いてみたんですが、たとえばあの玄関を入っていくと、私は、初めは
国会の衛視さんかいなと思った。それで聞いてみたら、いや、私は警務職ではございません、ここの監視といいます、こういう
お話でした。それで班をつくって仕事をしていますのやけれども、館の出入りの問題とかそういう問題とか、あるいはこういう本を見たいのだけれどもどうだろうか。まあ都民相談室みたいな、あるいは図書館全体の相談室の相談員みたいな仕事もやっていますのや。聞いておったら、
国会の警務職の人の仕事よりも、ああいうような仕事もしているかと思ったら、もっと図書館の中の全面的な仕事の中にまで入っておられる。そうですかということで、今度は控室まで入ってみた。控室というのか、たまり場へ行ってみた。そこにおられる人に、あなたたちは一体どういう賃金状態におるのですかと聞いたら、あの監視の人の一番偉くなっている人たちは、監視の中からなっていないのですね。事務職の人が来て保長補佐で、その人が一番偉い
地位につく。そしてそのほかの人たちが、監視さんの一番古い人がやっと五等級までのところしかいかないのだ。月給も聞いてみたら四、五万円は、事務系統のほうに入っていかない人は古くなって差がついているというのが、どうも実態のようです。あの分野が、図書館については非常に重要な位置を占めたと私自身ずっと入っていって
ほんとうにそう思いましたよ。
このごろ地方自治体へ行ってごらんなさい。地方自治体の玄関口にどういう仕事がふえてきているかというたら、一番偉い人が入り口のところにすわりましょうが、いなかの市町村へ行ったら、一市長さん、町長さんがそこへ机をもってくるというのがはやっている。はやっているというのはどういうことかというたら、住民に、一番能力のある人が窓口へ出て、そしてそこでさいはいをして、あそこへ行きなさいという相談に乗ってやるというのが、一番民主的でみんなの期待を受けている。その仕事をやっているのが監視という人の仕事です。こんなりっぱな、図書館の中で一番権威のある仕事だなとそのときにそう思ったのですよ、入り口に入ったとき。ところが、その人たちの扱いというのは五等級どまりだ。なぜ監視の一番偉い人の
地位にもつけないのだろうか、きわめて
一般論ですけれども、私は、これについて館長さんの御意見を聞きたいと思うのです。