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1973-03-02 第71回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会昭和四十八年二月二十六日(月曜日) 委員会において、設置することに決した。 三月一日  本分科員委員長指名で、次の通り選任され  た。       伊能繁次郎君    臼井 莊一君       塩谷 一夫君    田澤 吉郎君       福田  一君    湊  徹郎君       北山 愛郎君    楢崎弥之助君       谷口善太郎君    山田 太郎君 三月一日  臼井莊一君委員長指名で、主査に選任され  た。 ————————————————————— 昭和四十八年三月二日(金曜日)     午前十時六分開議  出席分科員    主査 臼井 莊一君       伊能繁次郎君    塩谷 一夫君       田澤 吉郎君    福田  一君       湊  徹郎君    楢崎弥之助君       山本 政弘君    谷口善太郎君       山田 太郎君    兼務 安宅 常彦君 兼務 寺前  巖君  出席政府委員         内閣官房長官 山下 元利君         宮内庁次長   瓜生 順良君         皇室経済主管  野本 松彦君  分科員外出席者         衆議院事務総長 知野 虎雄君         衆議院庶務部長 三樹 秀夫君         参議院事務次長 植木 正張君         参議院管理部長 前川  清君         裁判官弾劾裁判         所事務局長   池田 英雄君         裁判官訴追委員         会事務局長   大迫 藤造君         国立国会図書館         長       宮坂 完孝君         国立国会図書館         総務部長    鈴木平八郎君         大蔵省主計局主         計官      海原 公輝君         会計検査院事務         総局事務総長  石川 達郎君     ————————————— 分科員の異動 三月二日  辞任         補欠選任   北山 愛郎君     大出  俊君   山田 太郎君     近江巳記夫君 同日  辞任         補欠選任   大出  俊君     山本 政弘君   近江巳記夫君     新井 彬之君 同日  辞任         補欠選任   山本 政弘君     北山 愛郎君   新井 彬之君     大橋 敏雄君 同日  辞任         補欠選任   大橋 敏雄君     山田 太郎君 同日  第二分科員寺前巖君及び第四分科員安宅常彦君  が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十八年度一般会計予算皇室費国会及  び会計検査院所管      ————◇—————
  2. 臼井莊一

    臼井主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  不肖私が本分科会主査となりましたので、よろしく御協力をお願い申し上げます。  本分科会は、皇室費国会、裁判所、会計検査院内閣総理府及び法務省並びに他の分科会所管以外の事項、なお、総理府につきましては経済企画庁を除く所管について審査を行なうことになっております。お手元に配付してございます日程に従って審査を進めたいと存じます。  まず、昭和四十八年度一般会計予算中、皇室費を議題とし、政府から説明を求めます。瓜生宮内庁次長
  3. 瓜生順良

    瓜生政府委員 昭和四十八年度における皇室費歳出予算について、その概要説明いたします。  皇室費昭和四十八年度における歳出予算要求額は、二十一億七千百四十二万六千円でありまして、これを前年度予算額二十一億四千三百十七万六千円に比較いたしますと、二千八百二十五万円の増加となっております。  皇室費歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。  以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費一億一千二百万円、宮廷に必要な経費十九億九千四百四十二万六千円、皇族に必要な経費六千五百万円であります。  次に、その概要説明いたしますと、内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上したもので、前年度と同額となっております。  宮廷に必要な経費は、内廷費及び皇族費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費二億二千七百二十六万九千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費十七億六千七百十五万七千円でありまして、前年度に比較して二千八百二十五万円の増加となっております。  なお、皇室用財産維持管理等に必要な経費には、皇族殿邸建設に必要な経費一億一千八百五十四万五千円が計上されております。  皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上したもので、前年度と同額となっております。  以上をもちまして、昭和四十八年度皇室費歳出予算計上額説明を終わります。  よろしく御審議くださるようお願いいたします。
  4. 臼井莊一

    臼井主査 以上で説明は終わりました。     —————————————
  5. 臼井莊一

    臼井主査 質疑の申し出がありますので、これを許します。湊徹郎君。
  6. 湊徹郎

    湊分科員 最初総務長官にいろいろお尋ねをしようと思ったのでありますが、御都合がつかぬようでありますから……。  現在の日本国憲法のたてまえとして、国民主権という人類普遍の原則をたてまえにいたしておることは当然でありますが、同時に、一方において日本固有の歴史、伝統あるいは国民感情、そういうものを尊重いたしまして、形式論理的にはいささか矛盾と思われますけれども、日本の実態から考えますと、まことに調和のとれた構成になっておるというふうに考えておりますし、これが現在、国民の間に定着しつつあるものと私は信じておるわけであります。  そこで、一番最初お尋ねをしたいことは、天皇地位に関してでありますが、御承知のように象徴としての地位、これは日本国及び日本国民統合象徴としての地位に関する規定及び国家機関として国事行為を行なわれる規定、これはいずれも一条あるいは六条、七条に規定してございますが、私人としての、いわゆる人間天皇と戦後宣言されました個人としての天皇に関する規定は、当然のことながら、ないわけであります。  そこで、第一番目にお尋ねしたいのは、国事行為に関する規定制限列挙的に書いてございますから、きわめて明瞭であります。しかしながら、象徴としての地位に関する規定はなるほど第一条にございますけれども、それに伴う具体的な活動ないし作用、そういうものについてはもちろんございませんし、私人としての地位に関してももちろんございませんから、その辺のけじめというものがしばしば誤解を生むもとになる懸念がございます。そこら辺についてどういうふうな御見解をお持ちか、まずお尋ねをしたいと思います。
  7. 瓜生順良

    瓜生政府委員 天皇象徴としてのお立場でのことで、国事行為として列挙してあるもの以外の公的な御活動範囲とかけじめのことについてのお尋ねが第一点だと思いますが、この点につきましては、憲法の第四条に、天皇国事行為を行なわれる以外の「國政に閲する権能を有しない。」と、こうありますので、「國政に閲する権能」というふうにいわれるようなことでない範囲において、象徴というお立場で御活動になることがあるというふうに存じております。  その範囲につきましては、この新しい憲法占領下に制定されたわけでありまして、それがいま国民生活の中にも定着をしておりますが、いま申しましたようなことの範囲運用につきましても、ずっと憲法制定以来の運用実績が、おのずからこの憲法体制に定着しておるものだろうと思います。  その関係について、ではどういうことをなさるかということについては、これは結局は内閣の責任で運用されると思います。宮内庁皇室に関する国家事務を行なうとなっていますが、これは内閣総理大臣管理のもとにあるわけで、いろいろのことは宮内庁で行政的に処置をいたす、その線に沿って天皇のいろいろの御行動が出ます。  なお、宮内庁内閣下部機関でありますが、こまかいことは宮内庁のほうで扱いますが、大のことになりますと、たとえば天皇外国に御旅行になるような場合、これは閣議の決定というようなことで行なわれるというようにもなっておりまして、そういうけじめ関係は、憲法制定以来の運用実績でおのずから定着いたしておりますが、そのことについては内閣で、またその下部機関である宮内庁で十分考えながら、憲法の線に沿ってやっていく。「國政に関する権能」と、「権能」ということばになっていますが、権能にまでいってはいかぬわけですけれども、そうでない範囲で考えるということに思っております。  なお、私人としてのことにつきましては、これは法的のものでありませんから、憲法等法律にあらわれてまいりませんが、これは一般の方と大体似たものだと思います。
  8. 湊徹郎

    湊分科員 ただいまのお話の中で、たとえば国会開会にあたっておことばをちょうだいしたり、あるいは外国の元首といろいろな親書、親電をかわしたり、御会見なすったり、こういうこともございますし、それから、いま話がありましたように、御外遊については、事実上内閣決定に基づいて過般のヨーロッパ御訪問もきめられたやに伺っております。こういうものはかなり象徴としての公的な行為ということに考えられますが、国内巡幸ということになりますと、かつて終戦後、東北御巡幸をいただいたこともございますし、その後、毎年の植樹祭あるいは国体等にもお出まし願い、札幌のオリンピック大会にもお出かけになり、さらに学士院とかあるいは芸術院授賞式などにもお出ましを願っている。この後段のあたりになると、私人としての御活動なのか公的な御活動なのか、しかと私どもに判断つかぬ点があるのですが、そこら辺については、何か内部でもっておきめになっている一つの基準みたいなものがおありになるのですか。
  9. 瓜生順良

    瓜生政府委員 いまお尋ね国体とか植樹祭地方行幸になりますとか、あるいは学士院芸術院の式典にお出になるとか、そういうようなことにつきましても、われわれとしては、やはり象徴としてのお立場の公的な御活動解釈しております。そこで、それに必要な経費がありますと宮廷費でまかなう。ほんとうの私的な御活動に必要な経費につきましては、これは内廷費という、定額にきまっておりますお手元金で支弁をされるというふうに考えておりますので、そのあたり経費の面からの区別もございますが、概念上も、象徴としてというのと、象徴というお立場ではないが、私人としてというお立場というような点は、われわれとしてもその問題によりまして区別して考えております。
  10. 湊徹郎

    湊分科員 さっきの憲法第四条の「國事に閲する行為」と「國政に閲する權能」、これは判然と文言上はたてわけがついておるのでありますが、たとえば、いままでしばしば問題になったごとく、衆議院解散権、これに関しても、解散という行為国政そのものにとってきわめて重大な影響を持つ性質の行為でございまして、もちろん、内閣の助言と承認という前提があるにいたしましても、したがって天皇としては形式的な行為、こういうことにはなりますけれども、しかし、相当なウエートで国政関係がある、ないしは関与する結果になっておるということは事実だろうと思います。そこら辺、これは国会の側の問題でもございましょうけれども、私は、むしろもう少しはっきりさせたほうが陛下のためにもよろしかろうと考えておる一人なのでありますが、そこら辺の御見解はいかがでございますか。
  11. 瓜生順良

    瓜生政府委員 憲法国事行為として明示されております天皇行為、これはやはり国政に関する権能だと思います。それで、憲法四条は、国事行為として明示されたもの以外の国政に関する権能を有されない、そういうことですから、国政に関する権能国事行為範囲にはやはりお持ちである、こういうふうに考えるわけであります。
  12. 湊徹郎

    湊分科員 この議論は別な機会にいたします。  実は両陛下の御訪米のことについて、ことしの一月二十六日かと思いましたが、毎日新聞トップに、えらい大きな見出しで記事が載ってございました。大体秋ごろの九月か十月ごろ、二週間くらいの予定でもって御訪米なさる、おいでになったついでにメキシコ、カナダまでお回りになるといったようなことがございました。御承知のこの前の御訪欧の途中、ニクソン大統領アンカレジまで来られてお目にかかり、さらにその後キッシンジャーさんもしばしば往来し、田中さんになってからもハワイ会談が行なわれた。そのつど両陛下の御訪米ニクソンさんが非常に期待をしておるというか、希望をしておると申しますか、そういう憶測がなされておるのであります。毎日新聞記事に対しては、その日に宮内庁長官のほうから、さような事実は全然ございません、こういう否定の記事も小さく載っておったように記憶をいたしております。  そこで、ただいまの問題に関しては、さっき申し上げた衆議院解散に関することとはいささか次元は違いますけれども、昨今のような複雑な内外情勢、特に東西の緊張緩和の傾向の中で、日米経済関係がかなりぎしぎし摩擦する面が出ておるというふうな環境のもとで訪米されるということは、結果として国政、特に外交に関して相当な影響を持つであろう。そこで、ずばり言えば、私としては、御訪米など考えなさる時期ではない、こう思います。思いますけれども、しかし、御訪米されること自体はいいことだと考えております。  そこで、さっき申し上げたようなそういう事実があったのかないのか、それから時期が最大の問題であって、そこら辺の判断宮内庁自身がかなり政治的な、慎重な判断をしなければいかぬことだと思いますが、そこら辺についての宮内庁の御見解をお聞きをしたいと思います。
  13. 瓜生順良

    瓜生政府委員 いまお話しのように、天皇陛下アメリカへおいでいただきたいということは、ニクソン大統領アンカレジで口頭で言われ、その後副大統領日本に見えたときもそういう話があり、キッシンジャー氏を通じてもあっております。  われわれといたしましても、総理大臣とか外務大臣の線といろいろ相談をいたしたわけでありますが、これは将来適当な時期にアメリカを御訪問になるということを考えるということで、その適当な時期というのは、まだその判断はついていないわけでありますが、要するに、先ほども憲法上の天皇地位につきましてお話がありましたように、国事行為以外、国政に関する権能を有されない。ですから、御訪問があまり政治的になってはいけないのでありまして、ほんとうに親善を目的とした儀礼的な御訪問ということでありたいわけで、したがって、いろいろ政治的な何か誤解を受けるような、そういうような雰囲気のときには、これはやはり控えるべきものだろうと考えております。それで慎重に検討いたしております。なお、国内国民感情もございましょうし、諸般の情勢を十分に考えて慎重に検討していこうというのが現在の線でございまして、そう簡単にすぐどうというようなことの時期ではございません。
  14. 湊徹郎

    湊分科員 次に、先ほど御説明をいただいた皇室費に関連をして、皇室財産現状等についてお尋ねをしてみたいわけでありますが、終戦直後、旧皇室財産が、大分けにすると三つに分けられたわけであります。純然たる国有財産という形になったものが大半であったろうと思いますし、さらに、皇室私有財産という形で残されたものもございます。それから、国有財産に一たん帰属はいたしましたが、皇室の用に供する、いわば一種の行政財産というふうな形で運用されておるものもあります。  以上、大体大分けにして三つあると思いますが、その中でお尋ねをしたいのは、皇室私有財産として残されておるものの中に、例の宮中三殿があるわけであります。ほかの国有財産等については、これはけっこうなのでありますが、宮中三殿は、いろいろな日本公簿上おそらくどこにも記載してないのじゃなかろうかと思いますし、したがって、将来修復を必要とするというふうなときになっていささか疑義を残すおそれがないかどうか、懸念をしておるわけでありますが、この取り扱いが現在どうなっておるかということと、今後どういうふうになさるおつもりなのか、お尋ねをしたいと思います。
  15. 瓜生順良

    瓜生政府委員 宮中三殿につきましては、現在、皇室用国有財産のほうにも記載されておりませんし、はっきり私有財産ではない財産というふうにもなっていないように、ちょっとはっきりしないような形でありまするが、これは両方の解釈が立ち得るわけで、憲法第八十八条でしたか、皇室財産はすべて国有とすということで、すべて国有になりました。そうして、皇室に必要なものについては皇室用財産として提供されるということで、その宮中三殿についても、あるいは皇室用国有財産にすることもできるのじゃないか。そうすれば、将来それを修復したりなんかするような場合の経費宮廷費からも出せるしというふうなこともあって、法制局とかあるいは大蔵省のほうともいろいろ相談したことが数年前にございます。法制局のほうは、憲法解釈上それはぎりぎりの線だが可能である。政教分離といいますけれども、国費をもって宗教団体にこれを支出することはできないと書いてありますが、宮中三殿は宗教団体ではありませんし、皇室宗教団体ではありませんから、それは可能でありますし、なお、臨時の経費というようなことで出すこともできる。私も専門ではありませんが、いろいろ法制的な解釈から可能であるというのが出ましたけれども、しかしながら、なお政教分離というような関係で、何か神事を行なうようなところを国有財産にすることについては、大蔵省の方面でも、国有財産を担当しておられる方ももう少し研究したいと言われて、そのままになっております。  将来どうするかという問題がございますが、宮内庁としては、法制局のほうでもそういうふうにおっしゃっていただいたから、その線でいきたいと思いますけれども、しかし、大きな修復をしたり何かするようなことがありませんものですから、簡単な修理の程度ですとそう経費も要りませんので、その点ではいまのところは支障はありませんが、将来の問題としてさらに研究する必要があろうと思っております。
  16. 湊徹郎

    湊分科員 ただいまの点は、なるべく早い機会にはっきりしていただきたいと思います。  それから次に、皇室関係財産授受に関して、皇室経済法及び同施行法制限がございます。これは何回かいままで改定を加えられてきておりますが、天皇その他内廷費を受ける皇族に関しては、現在、賜与のほうは九百九十万、譲り受けのほうは三百三十万、こういうことになっておりますし、その他の皇族についてはそれぞれ九十万、これは昨年度改められたはずでありますが、未成年の皇族に関しては、いままで十五万円であったものが二十万円、こういうことでございまして、実際の御交際等も、最近は外国との往来がかなりひんぱんになっておりますし、これからもますますふえていくだろう。それに伴って、いろいろな物品その他の授受というものもかなり出てくるのではないだろうかと想像いたしておるのでありますが、これは年間を通じての経費でございまして、大体二十万といえば月一万八千円ちょっと、こういうことで御不自由を感じられないかなというふうな気がするのでありますが、いかがでございますか。
  17. 瓜生順良

    瓜生政府委員 現状としては、この範囲内で一応御不自由がないことかと思っております。  なお、他に贈りものをされる、あるいは物を受けられるという場合でも、外国交際上特に受けられるというのは、特別な公的のような贈答の場合ですとそれからはずれておりますから、それ以外でございますとほんとうに私的なものでありますから、この範囲でよろしいのではないかと思っております。
  18. 湊徹郎

    湊分科員 次に、内廷費定額とそれから皇族費算出の基礎となる定額について、これもいままで幾たびか改定されてきておるのでありますが、平たくいえば、昭和二十七年当時は若干改定はありましたけれども、事実上五年ないし六年にわたってほとんどそのままという状態がかつてございましたし、その後改定されるにしても、三年ないし二年という刻み改定されておるのがいままでの実績であります。  そこで問題は、物価あるいは公務員給与、さらに民間給与もかなり上がっておる昨今でありますので、この改定ルールというものについてやはりお考えいただく時期ではないだろうかという気がいたしております。もっとも、そのために、四十三年まではたしかルールがなかったものを、皇室経済に関する懇談会を四十三年に設けられて、そこでもって一応のルールがきめられたように伺っておりますが、そのきめたルールというものが、今日の常識から考えて実はいかがなものだろうというふうに思うのであります。その辺いかがですか。
  19. 瓜生順良

    瓜生政府委員 内廷費皇族費について、現在のところ、いまおっしゃいましたような四十三年の皇室経済に関する懇談会で了承を得ましたそのルールでやっておりまして、一割以上上げる必要が生ずるまでは改定しない、一割以上上げる必要が出たら改定をお願いするというふうになっております。したがって、その場合に人件費物件費の値上がりなんかを考えながら計算しますと、いまの情勢ですと二年に一回くらい改定ということになると思います。実際の内廷費皇族費がそれで十分であるかどうかという点につきましては、われわれとしてもいろいろ気を使っておりますが、いまのところは何とかそれでなされているように思いますが、しかし、御無理なような点がもし見受けられるようでありますれば、その改定の際に従来のやり方をまたあらためて考え直していく必要があろうかと思うのでありますが、いまのところは、いまのルールでまずよいように考えております。
  20. 湊徹郎

    湊分科員 ぼくらと違って、皇族の方や何かは、みずからこの種のことについてなかなかものをおっしゃりにくい立場にあり、またお気持ちとしてもそういうことはおっしゃらないのが普通でありますから、なおさらお聞きをするのでありますが、現在のルールというものは大体人件費部分物件費部分分けて、その内訳は、内廷費等についてはおそらく八対二ないし七、三くらい、人件費部分が圧倒的に多いだろうと思っております。それを合計した額で一割上がった場合に初めて考える、こういうことでありますが、恩給その他の年金等についても、物価等五%上がったら考えるというのがいまや常識でありますし、特に今年度予算に計上されている恩給費の場合は、公務員給与にそのままスライドするというところまできているわけでございます。それを戦後初めからそういうことで、二年とか三年とかいう刻みで、しかも上げる率等から考えましても、いささか御窮屈なのではないだろうかと思いますので、この点は再度ひとつ懇談会において、ルールについて、現在のほかの諸経費等の状況を踏まえて再検討いただきたいというふうに思いますが、いかがでございますか。
  21. 瓜生順良

    瓜生政府委員 この点につきましては常にわれわれも研究していかなければいけないと思いますので、実情を見まして、いまのルールではどうもいけないということであれば再検討もしなければいかぬと思いますが、しかし、再検討する線はどちらかといいますと、いまいろいろな内廷費皇族費のうちの人件費部分国家公務員ベースアップ率をかけ、その他の諸経費のほうは最近は消費者物価指数の上がったのをかけております。そういう点は消費者物価指数をかけただけでいいだろうか。一般消費者物価指数以上にもっと生活程度が上がってきておるものですから、そういう点は検討しなければいかぬのではないかと思いますが、しかし、一割をこさない場合という制限は、まず、いいのじゃないかと思いますのは、現在のそういう計算の場合に、大体一割くらいを予備費として組んでおられるわけです。そうすると、一年たてば二年目は予備費はなくなりますけれども、結局二年間はそれでもたれるというような計算でございます。特に皇室におかれては、われわれに対しても、質素を旨としていくのだからむだなことはしないようにというふうにおっしゃるものですから。そういってわれわれがあまり消極的になってもいけないと思っております。そういう点も考えながら、いま先生のおっしゃったこともよく含んで、将来の研究問題にしたいと思っております。
  22. 湊徹郎

    湊分科員 いまのは改定率に関してお尋ねをしたのでありますが、絶対額から考えても、現在皇族費算出の基礎になっておる定額は、お一人について一千万円ということであります。常識から考えてみますと、もちろん運転手さんであるとか侍従さん、女官の方、そういう人は国家公務員で、これは当然宮内庁のほうで御担当願うのでございましょうが、そのほかに、私的にお使いになっている方が大体数人はいらっしゃると私存じております。特に高松宮さんなんかは特殊な事情があってもっと多いのではないか、そういうことになると、大体、一年間一人百万円というのは今日の人件費常識でありますから、お雇いになっておる人たちにお支払いになるだけで半分以上は実はなくなってしまう。そのほか品位保持に必要な経費、こういうたてまえでものを考えてまいりますと、お一人一千万円というのはどんなものだろうというふうに感じますが、実態はいかがでございますか。
  23. 瓜生順良

    瓜生政府委員 宮家によりまして、それぞれ事情がありまして、だいぶ違いますけれども、しかし、現在のところ、一千万円というのは必ずしも十分でないかとも思います。特にいまちょっと例をあげられましたが、高松宮さんあたり、いろいろ御活動になっておるお立場上、十分でない点もおありのようにも察しておりますが、しかし、この問題につきましては、なお今後さらに研究をさせていただきたいと思います。
  24. 湊徹郎

    湊分科員 こまかい問題もいろいろお尋ねしたいのでありますが、時間になったようでありますから、以上で私の質問を終わります。
  25. 臼井莊一

    臼井主査 これにて皇室費の質疑は終了いたしました。     —————————————
  26. 臼井莊一

    臼井主査 次に、昭和四十八年度一般会計予算中、国会所管を議題といたします。  まず、衆議院関係予算説明を求めます。知野衆議院事務総長
  27. 知野虎雄

    ○知野事務総長 昭和四十八年度衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十八年度国会所管衆議院関係歳出予算要求額は、百六十六億五千五百六十三万五千円でありまして、これを前年度予算額百四十九億六千五十八万六千円に比較いたしますと、十六億九千五百四万九千円の増加となっております。  要求額を事項別に概略御説明申し上げますと、その第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、百四十六億四千六百八十七万七千円を計上いたしております。この経費は議員、議員秘書及び職員の給与に関する経費、旅費、庁費、議案類印刷費、通信費等の事務費及び庁舎等の維持管理に必要な経費でありまして、前年度予算額に比し、十億四千十二万三千円の増加となっております。  増加したもののおもなものは、議員旅費の日額を国務大臣の旅費額改定に準じて増額計上いたしております。議員秘書につきましては、新たに二十年以上、十五年以上及び十年以上の勤続者に対し、それぞれ勤続特別手当を支給することとし、これに必要な経費を計上いたしております。  次に、海外派遣に必要な外国旅費一億八百四十九万一千円を計上いたしております。  次に、明年の列国議会同盟東京大会開催の準備に必要な経費として、施設関係費を含め、三千三百九十四万七千円を計上いたしております。  第二は、衆議院の施設整備に必要な経費といたしまして、二十億百七十五万八千円を計上いたしておりますが、このうちおもなものは、本年度からの継続工事の本館内委員室等の照明設備改修費四千九百七十七万円、議員会館の暖房汽かん取替費一億二百万円、九段議員宿舎の改築費として、本年六月完成予定の第一期工事分二億三千四百四十万四千円と、引き続き取りかかる第二期工事に必要な初年度分の二億六千五百四十九万六千円との合計四億九千九百九十万円、赤坂及び青山議員宿舎の放送設備等に必要な経費一千百二十三万九千円、国会周辺整備に必要な不動産購入費として十一億五千万円等であります。  第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円を計上いたしております。  以上簡単でありますが、衆議院関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————
  28. 臼井莊一

    臼井主査 次に、参議院関係予算説明を求めます。植木参議院事務次長
  29. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 昭和四十八年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十八年度国会所管参議院関係歳出予算要求額は、百二億三百三十九万九千円でありまして、これを前年度予算額八十八億七千三百九十一万五千円に比較いたしますと、十三億二千九百四十八万四千円の増加となっております。  要求額を事項別に概略御説明申し上げますと、その第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、八十七億三千六百八十万三千円を計上いたしております。この経費は、議員歳費、議員秘書及び職員の給与に関する経費、旅費、庁費、議案類印刷費、通信費等の事務費及び庁舎等の維持管理に必要な経費でありまして、前年度予算額に比し、五億九千二百十六万九千円の増加となっております。  増加したもののおもなものは、議員旅費の日額を国務大臣の旅費額改定に準じて増額計上いたしております。また、議員秘書につきまして、新たに二十年以上、十五年以上及び十年以上の勤続者に対し、それぞれ勤続特別手当を支給することとし、これに必要な経費を計上いたしております。  次に、海外派遣に必要な外国旅費七千百二十六万八千円を計上いたしております。  次に、明年の列国議会同盟東京大会開催の準備に必要な経費として、施設関係費を含め三千百三十一万六千円を計上いたしております。  第二は、参議院の施設整備に必要な経費といたしまして、十四億六千百五十九万六千円を計上いたしておりますが、このうちおもなものは、本年度からの継続工事の事務局庁舎の新営費十二億五百十七万三千円、同じく本年度からの継続工事の本館内委員室等の照明設備改修費四千九百七十七万円、議員会館の暖房汽かん取替費五千百万円等であります。  第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。  以上簡単でありますが、参議院関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————
  30. 臼井莊一

    臼井主査 次に、国立国会図書館関係予算説明を求めます。宮坂国立国会図書館長。
  31. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 昭和四十八年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十八年度国会所管国立国会図書館関係歳出予算要求額は、二十九億四千五百六十二万五千円でありまして、これを前年度予算額二十五億八千三百九十四万五千円と比較いたしますと、三億六千一百六十八万円の増加となっております。  要求額を事項別に概略御説明申し上げますと、その第一は、国立国会図書館管理運営に必要な経費でありまして、二十七億九千九百七万四千円を計上いたしております。  これは、職員の給与に関する経費、立法調査業務に要する経費、図書の収集及び利用に要する経費、目録・書誌等の作成刊行に要する経費、図書の製本、印刷カードの作成・頒布に要する経費、図書館間協力業務に要する経費並びに図書館業務の機械化に要する経費等でございます。  第二は、科学技術関係資料購入に必要な経費でありましで、一億三千三百七十七万一千円を計上いたしております。  第三は、国立国会図書館の施設整備に必要な経費といたしまして、一千二百七十八万円を計上いたしております。  これは、当館敷地内の造園に要する経費でございます。  以上、簡単でございますが、国立国会図書館関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。     —————————————
  32. 臼井莊一

  33. 大迫藤造

    ○大迫裁判官訴追委員会参事 昭和四十八年度裁判官訴追委員関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十八年度国会所管裁判官訴追委員関係歳出予算要求額は、三千六百四万五千円でありまして、これを前年度予算額三千三百五十二万一千円に比較いたしますと、二百五十二万四千円の増加となっております。  この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費でありまして、前年度に比し増加となっておりますもののうちおもなものは、職員給与関係経費増加によるものでございます。  よろしく御審議のほどお願いいたします。     —————————————
  34. 臼井莊一

    臼井主査 続いて、裁判官弾劾裁判関係予算説明を求めます。池田裁判官弾刻裁判所事務局長
  35. 池田英雄

    ○池田裁判官弾劾裁判所参事 昭和四十八年度裁判官弾刻裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。  昭和四十八年度国会所管裁判官弾刻裁判所関係歳出予算要求額は、三千三百三十四万六千円でありまして、これを前年度予算額二千八百八十七万三千円に比較いたしますと、四百四十七万三千円の増加となっております。  この要求額は、当裁判所の裁判長の職務雑費、委員旅費及び事務局職員の給与に関する経費、事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費、庁費でありまして、前年度に比し増加となっておりますもののうち、おもなものは、職員給与関係経費増加によるものであります。  以上簡単でありますが、裁判官弾刻裁判所歳出予算概要でございます。  よろしく御審議のほどお願いいたします。
  36. 臼井莊一

    臼井主査 以上で説明は終わりました。     —————————————
  37. 臼井莊一

    臼井主査 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安宅常彦君。
  38. 安宅常彦

    安宅分科員 私は、国会内の予算の中で、特に国会職員の処遇、こういう問題に限って質問を申し上げたいと思います。  まず、国会職員の処遇の一般的な問題でありますが、私ども労働組合の出身でございまして、山形県の労働組合評議会の議長当時に、実は私、衆議院に席を持つことになりました。国会職員というのは、私ども、他の官公庁あるいは民間、いろいろな職場がありますが、そういうところの職員といいますか、労働者といいますか、こういう働く者の処遇というものの指標たるべきような、何と言うんでしょうか、モデルみたいなそういう待遇というのがなされているのであろうと思って来たんですね。ところが、そうじゃないんですね。私も長い間議院運営委員会に所属しておったものですから、そのことで、いろいろ議院運営委員会の性格上、議長の諮問機関みたいなそういう職能もあるものですから、その中ではいろいろ論議も長年にわたっていたしました。考えてみますと、どうしても納得いかない問題がたくさんあるのです。いままで論争したわけですが、今度は外に出たというんでしょうか、議運をやめたからといって、あのときしゃべったのは責任ないのだとは私は言いませんけれども、そういう立場から、大所高所にわたってちょっと一般論的な質問をしてみたいと思うのです。  たとえば、国会が非常に長くなって夜おそくなったり、いろいろなことがございますね。そのときに、女子職員、こういう人々が深夜にわたって居残りをしているというのは、どうしても私どもは、労働基準法その他からいって納得できないのですね。そのことを盛んに言ったものでありますが、こういうことについて、衆議院事務総長、参議院の次長さん、それから国会図書館の館長さんおいでですから、順次ひとつそういうことについて——なるほど国家公務員法あるいはそれに準拠した国会職員に関するいろんな法律は、労働基準法は適用になっていないかもしれません。だけれども、そういう問題について深夜勤務に女子を使う。これは速記者だって女子の人はおられます。だから、こういうことについてどういう見解を持っておるか、そういうところからお三人に簡単に聞きたいと思うのです。あなり長くやると私の質問時間は少ないから……。
  39. 知野虎雄

    ○知野事務総長 国会職員の処遇のことにつきまして、いろいろ御配慮ありがとうございます。  ただいまお話がございました女子職員の問題でございますが、衆議院はたいへんこういう忙しいところでございますが、最近やはり女子職員は、夜おそい勤務は避けるようにできるだけ早く帰ってもらう、それから、たとえばストでございますとか、そういうふうなことで交通が麻痺しそうなときには、女子職員はもう早く帰ってもらうというふうな措置をとっております。ただ各党の控室に派遣しているような職員もございまして、こういう人たちがなかなか帰りにくいことがあります。いつかもそういうことがございまして、党の職員が帰っておるのに、わがほうで派遣しておる職員だけが残されたというような事態がございましたので、私のほうからは、各党に要望いたしまして、そういうときには先に帰していただくようにお願いしたこともございまして、大体われわれはそういう考えで、女子職員のおそい勤務は避けるように扱っていきたいと考えておる次第でございます。
  40. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 参議院におきましては、一般の事務職員につきましては、十時以降の場合帰すということをたてまえとしております。速記者の場合でも、女子の速記者は十時以降はなるべく帰して、男子の速記者で行なうというような方式をとっております。  ただ、私どもの各会派の控室に二十五人ばかりの女子をそれぞれ配属いたしておりますが、深夜の国会等になりまして、こういう会派にいる女子職員というのがなかなか帰りにくい実情がございます。これは各会派の事務局長にも、なるべく帰すようにとお願いしておるのでございますが、実態としましては、こういう職員がときには残るということがございます。  大体以上でございます。
  41. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 図書館におきましては、女子職員は非常に多いのでございまして、約三七%の職員がおりますが、両院事務局の勤務体制と異なりまして、深夜業務はいたしておりません。  それから、特に両院事務局と同様にサービスをいたしておる調査立法考査局等を中心にした部門には、女子職員はあまり採用しておりません。
  42. 安宅常彦

    安宅分科員 国会図書館の館長さんに聞きますが、アルバイトの人は夜間専門のがいると思うのですが、あれは女の人は入っていないのですか。
  43. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 そういうのは入っておりません。
  44. 安宅常彦

    安宅分科員 いるそうじゃないですか。
  45. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 いや、おりません。
  46. 安宅常彦

    安宅分科員 各党派の分だけがたいへん悪いので、うちのほうはやっていませんというふうに聞こえる答弁ですが、しかし、たてまえであるとか、なるべくであるとかいうことばをあなた方は使っている。各党派の分は私も気がついて、当時厳重に注意しろと私は言った立場なんです。だからそれを知っているのです。しかし、それは厳重にやらなければならない政党そのものが、そういうことを違反しているのですから。しかし、あなたのほうも、なるべくとか、たてまえではだめなんです。こういうことはきちっとしなければならないのではないですか。私はそう思います。そういうことについて、やはりはっきりした態度をとるべきだと思います。  さらにこの問題で申し上げますが、特に女の人の給与の、つまり賃金の移り変わりというものを見ていますと、これも賃金の問題でいうならば、日本の労働法上、男女同権が正しいと私は思っている。ところがたいへん女の人の昇給がおくれており、あるいは昇格もおくれており一これは私資料を持っておりますが、一目瞭然ですね。女の人というものは軽く見て、男は能力があって女はないものだというような古い考え方で、国会運営をする事務局のほうがそういう考え方であるとすれば、これは民主国会の名にふさわしくない、私はそう思いますが、それはどうですか。現時点でそういう状態になっているのではありませんか。
  47. 知野虎雄

    ○知野事務総長 男女平等が憲法の原則であることはおっしゃるとおりでございます。衆議院におきましても職種によって異なりますが、速記者につきましては、全くこれは平等でございます。ただ、警察職というふうな職種もありまして、何もかも一緒というわけにまいらぬこともございます。一般につきましては、やはり国会の職務からいいまして、能力によってやっていくということにならざるを得ないかと思いまして、五等級、それから四等級、三等級、そういうようなところにも女子職員が昇進をいたしておりますし、実力があれば平等に扱っていくのがたてまえでございます。
  48. 安宅常彦

    安宅分科員 参議院さんはどうですか。
  49. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 女子職員の処遇につきましては、確かに先生が御指摘になりましたように、一般の男子職員に比しておくれが目立っておることは事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、まず女子職員を五等級に昇格させていくということを当面の課題といたしまして、四十四年以降、逐次、非常に勤務年数の長い女性あるいはそのポストにおって係長にふさわしい仕事をしておる、こういう場合に、男子と同じような形で五等級に上げていくという方針で、ただいま実施しておるところでございます。この方針は今後もなるべく継続してやっていきたいと思っております。
  50. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 図書館に関しましては、男女は絶対に平等でございまして、特に調立とか、女子の課長が二人もおります。
  51. 安宅常彦

    安宅分科員 私は国会図書館に問題があると思っているのですよ。いいですか。あなたのほうは、具体的にいわゆる行(一)、行(二)という給料表の適用の問題から入ろうと思って、言うなればいまのはまくらことばみたいな前置きなんですよ。あなたのほうが衆議院なんかと比較してたいへん困るということが、職員の中からたくさん出ています。男女同権であるかないかということは、今後時間があればずっとやっていきますが、あなたは新任早々であるからそういうふうに知らないでおられるのではないかと思いますが、あとでしまったというふうなお顔をなさらないようにしてくださいよ。  それから、参議院の事務総長さんに聞きますが、行(一)、行(二)の場合ですが、これは衆議院で非常に問題がありまして、私はこれから衆議院事務総長に集中的に質問しようと思っているのですが、あなたのほうの職員組合の教宣部のニュースがあるのですが、私、ひょんなところから手に入ったのですけれども、営繕、設備課の代表だというそういうニュースですけれども、「衆議院では今後行(二)表の撤廃は要求しないという。」つまり、これは大蔵省にという意味なんでしょうか。あるいはどこに要求しないのか。行(二)表の撤廃をしろという職員の要求なんだけれども、あなた方はそういうことはやらない。「一方わが参議院は衆議院に追従しようとして議運でたたかれ、口先で撤廃要求を続けるというがその実態はどうでしょうか。衆議院行(二)定員六十名、実数六十二名であるのに、わが参議院は定数二十九名に対し、五十九名と大幅に上まわって運用しているではありませんか。」、つまり、行(二)の定数は二十九人とあなたのほうはなっているが、現実に行(一)にも何にもやらないで投げたまま、五十九人そのまま行(二)にしている。これはどういうわけか。たいへん不満なニュースが出ているのですが、定数二十九人しかいないのに、どうして五十九人置かなければならないのですか。それをちょっと……。
  52. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 定数関係で申し上げますと、ただいま先生の仰せのとおりの状態でおります。  これは、実は私ども現場の職員の需要はなるべく埋めるという方針をとっております。したがいまして、電話交換手とか運転手あるいは保手、用務員という人たちが、ここ数年の間に庁舎の新営あるいは構内の増加というようなことで、逐次ふやさざるを得ないという形でまいっております。したがいまして、その形でまいっておりますために、やむを得ず行(一)の定数を食って行(二)の職員を採用するという形でまいったわけでございます。  一方、仰せのように行(二)から行(一)へ移行ということが行なわれておりますが、私どもとしましては、その移行の場合に、行(二)職員の号俸、等級の高い者から移すという方針で移してまいったわけでございます。したがいまして、現在残っておりますのは、主として三等級、四等級、これも用務員が主でございます。
  53. 安宅常彦

    安宅分科員 いや、そんなことば聞いてない。行(二)の定数二十九名なのに、なぜ五十何名置かなければならないかという、ただそれだけです。——わかりました。行(二)の人をよけい採用しなければならないということですか。
  54. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 そういうことでございます。
  55. 安宅常彦

    安宅分科員 それがおかしいですね。営繕とか設備課の代表というのですから、そういう職種の人なんですけれども、「衆議院では最初から行(一)表で採用しているのですから参議院でも当初から行(一)で採用できないことはないはずです。」とこのニュースに書いてあるのですが、その職種によって幾らでもできるのだろうというニュースです。これはニュースですから……。  だけれども、行(二)の人をたくさん雇わなければならないので、行(二)のほうは定数よりもよけいたくさん使っている、こういうことになりますか。行(一)のほうが定数が余って空席になっているという意味ですか、これはどういうことですか。
  56. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 行(一)のほうの定数を食って行(二)を採用しておるということでございますから、その分、行(一)にしわ寄せがいっているという形になっております。
  57. 安宅常彦

    安宅分科員 しわ寄せじゃなくて、職員の人は行(二)なんか要らないのだと言っているのです、原則的に。それはただ、運転手さんとかなんとかは初任給が高いから、そういうときのことを考えて涙をのんでいると思うのです。そういう差別をすることが、大体私ら反対なんです。こんな職階職務給なんて、本来ならばぼくは反対なんだ、原則的に。ただ現実の問題としてこれがある以上、行(二)はいやだと言っているのです、みんな。それで営繕とか設備とか、そういうところの人々は、そういう定数というものを、上のほうというか、上とか下ということはないでしょうけれども、みんな行(一)というのは行(二)よりもいいものだという感覚がある、職員の中に。だから、行(一)を余しておいて行(二)をとらなければならないというのは、どういう意味ですか。それじゃ行(二)の先の人をどんどん行(一)にやって、そうして行(二)のほうをとったらいいのじゃないですか。こっちのほうは定数より過剰な人を使っておいて、行(一)のほうは実はその分を食っているのだなんて、そんな理屈はおかしいのじゃないですか、どうなんです、これは。
  58. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 保手につきましては、確かに当初から行(一)でとるという方式も考えられます。しかし、初任給その他の関係がございまして、私どもではずっと一応行(二)でとりまして、これは有利な初任給でとりまして、比較的早い機会に行(一)のほうに移していくという方法をとっております。
  59. 安宅常彦

    安宅分科員 まあ私は衆議院予算委員ですから、あなたのほうの予算の中まであまり言いたくないけれども、では定数なんというのは何にもならないということですな。定数というのは員数だということですか、参議院さんでは。私は、国会職員の全部のことを見渡して申し上げていますからね。これははっきりしてもらわなければいけませんよ。さっきの夜間の問題のように、各党派の人方は困っておるが、わがほうはたてまえ上こうなっていますとかいう適当な答弁では、あなた、今度はのがれられませんよ。定数というのははっきり二十九名だったら、なぜ二十九名にしておかないか。そんなばかなことがありますか。員数ですか、それは。
  60. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 行(一)の定数の下の等級を行(二)で流用することは認められておるわけでございます。したがいまして、いまはそういう方法でやっておるのでございます。いずれこの移行の問題が解決つくと申しますか、そういうような時点では、こういうオーバーという形は解消せざるを得ないということを私ども考えております。現実にこの移行の問題は毎年七月に行ないますので、ただいまもこういうオーバー分をいかにして解消するかということを検討中でございます。
  61. 安宅常彦

    安宅分科員 そうすると、行(一)の定数は行(二)のほうで食ってもいいが、その反対の立場はあり得ないのですか。どこで、いつ、だれがきめたのですか、こんなことは。どの法律の第何条にありますか。
  62. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 これは人事院規則に基づいた「等級別定数の運用について」という通知にその流用の件がございます。
  63. 安宅常彦

    安宅分科員 人事院規則というのはあなたのほうにも適用するのでございますか。
  64. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 基本といたしまして、私ども国会として特別なもの以外については、一応一般職の公務員の方式を踏襲してやっておるわけでございます。したがいまして、こういう運用につきましても、人事院規則と同じ扱いをしておるわけでございます。
  65. 安宅常彦

    安宅分科員 だから、人事院規則は適用するのかしないのかと聞いているのです。
  66. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 ずばりの適用ではございません。これを準用してやっておるわけでございます。
  67. 安宅常彦

    安宅分科員 それでは適用しないということですか。
  68. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 法律的に申し上げれば、適用は関係はございません。
  69. 安宅常彦

    安宅分科員 そうすると、行(一)、行(二)にまた話を戻しましょう。行(一)の定数というものは行(二)に食わせてもいいけれども、行(二)の定数というのは行(一)に食わせてはならないということですか、どうなんですか、それは。どっちですか。
  70. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 行(一)の下位の定数を行(二)で使うということは認めておりますけれども、行(二)の定数を行(一)で使うということは認めておりません。
  71. 安宅常彦

    安宅分科員 それは人事院規則ですね。
  72. 植木正張

    ○植木参議院事務次長 さようでございます。
  73. 安宅常彦

    安宅分科員 そういうばかみたいなことが行なわれていては、職員が浮かぶ瀬がないということですよ。それじゃ定数なんというのは員数だということです。そうじゃないでしょうかね。そういう運用ができるのだったら、定数というのは何も必要じゃないでしょう。衆議院議員四百九十一名、だけれども、参議院に食っていいけれども衆議院に食っては悪いなんといったら、その倍数にしてもかまわないという理屈と同じみたいなものになる、俗論で言うならば。そういうことだったら、何も重々しく参議院の行(二)の定数は何名でございますなんて、別表にもどこにも書く必要はないでしょう。要らないのじゃないですか。そういう考え方は官僚的な解釈というのです。そうじやないですかね。これだけ言っておきましょう。  それで、衆議院に移りますが、長年の間、行(二)ということが問題になりまして、なるほど自動車の運転手さんや、いろんな意味のそういう特殊な技能を持っている人は高く採用する。初めはそういうことでないとなかなか集まらなかったのです。インフレの時代、昭和二十二、三年ごろは特にそうだったのです。私は当時、いまの郵政省の給与、人事の仕事をしておりましたから、よくわかるのですね。それから連合軍が進駐してきた。その場合に、連合軍の中の電話局に採用になる女の人はいなかった。そんなものはいやだという。特別の倍ぐらいの給料表をつくって、そうしてお願いをした。あぶないからいやだというのです、そんなものは。いつ暴行を加えられるかわからない。特別電話局という、そういう制度があった。国家公務員法や何かできたばかりで、そのころは、いまみたいにかちっとなっていなかったからでしょうけれども、そういう採用のしかたをしたものです。そういうなごりなんです。こういうものは。あるいはまた経済情勢もからんでいるでしょう。しかし、それを今度は日本流に、身分あるいは職階というものを非常に官尊民卑の考え方で律するくせのある役人さんたちが、そのまま上がっていったら課長よりも給料だけは高くなっちゃうじゃないか、おかしいじゃないか、こういう論法にすりかえて、何年かたてば追い越されてしまう、そういうシステムにしてしまったのです。そこに問題があるのですよ、こういうものは。  労働力の評価というものは、そういうふうに正しくするならば、大体そういう特殊な技能を持っている人が衆議院に必要だとすれば、高給で迎えるのがあたりまえなんです、本来は。途中ででんぐら返っていくなんということを考えること自体、何か東大閥が一番えらくて、その次は私大出で、その次は大学を卒業しない人でなんという、そういう考え方、思想が、給料表の適用にまであらわれているだけの話なんです。  だから、私どもはこれじゃいけないと思って、行(二)の人々を行(一)に逐次かえていく、そういうことをいろいろと衆議院あたりで相談いたしまして、昭和三十何年ぐらいでしたか、ちょっと私忘れたのですが、逐次行(二)を減らしていって、行(一)にどんどん振りかえていったはずなんです。聞くところによると、ことしそれがストップになったと聞いている。ことしからは行(二)のほうは減らさない、六十名だかに押えちゃって。これは事実ですな。
  74. 知野虎雄

    ○知野事務総長 事実でございます。
  75. 安宅常彦

    安宅分科員 六十名以下には減らさない。あとは行(一)のほうに自然とだんだんやっていくという方式はとらないというのは、科学的根拠があるのでしょうか。
  76. 知野虎雄

    ○知野事務総長 少し説明を加えさせていただきます。  行(一)への移行の問題につきましては、四十年ごろでございますが、当時、わが衆議院について申し上げますと、定員千六百名くらいのときに三百五、六十名も実は行(二)適用者がおったわけでございます。これは衆議院という職場から見まして、できるだけ大ぜいの人が一体になって仕事をしていかなければならぬという特殊性から見て多過ぎる、これはうんと大幅に減らさなければなるまいということで、われわれのほうでもそのことを提唱いたしまして、当時、野党の筆頭理事として議院運営委員会におられました安宅先生に非常に御協力をいただきまして、今日まで大幅移行を果たしてきたわけでございます。数年の間にそれが実は六十名に大幅移行を果たしまして、現在の千八百名の定数に対しまして六十名というのは三孝。昔は二〇%から二五%くらいおりました。それが三%くらいになりまして、これは厚く御礼を申し上げますとともに、われわれが所期しました大きい目的を果たしてきたわけでございます。  ところで、衆議院に残っております六十名の行(二)の人たちというのは、約四十名くらいが本館それから会館、宿舎等の清掃業務を受け持ってもらっております用務員さんでございます。それから、十数名が初任に近い運転員でございます。こういう人たちは、実はその後、行(二)の給料表が非常に改善されましたことが一つと、それから特に初任給につきまして大幅改善を見ましたという点がございまして——われわれのほうでは、実は中高の年齢層の、そういう方々を現実に必要とします。そうしてそれを採用するのに、実は非常な採用難でございます。そういう人たちを採用するにあたりまして、用務員さんに例をとってみますと、いまの改善された初任給でいきますと、数千円の差が出てまいります。それから運転手さんにつきましても、国会議員の生命を預かっておりますので、私のほうは、運転免許を取ったらすぐ採用するというわけにいかない、どうしても五年ないし十年の経験年数を持った人たちを採用したいということでやりますと、そういう人たちの採用につきましては、約一万円くらいの給料の差が出てまいります。もちろん、採用したあとの問題はございますけれども、そういうふうな必要性がございまして、六十名くらいの人間をどうしても置いておきたいということで、昨年の議院運営委員会にそのことを申し上げまして、一応衆議院ではこの程度で打ち切りたいということで了承をされましたものですから、今度は要求をしなかったということでございます。
  77. 安宅常彦

    安宅分科員 たいへんほめられたのかひやかされたのかわかりませんが、国会における歴代の事務総長の中ではたいへんな実力があり、識見特にすぐれているといわれている知野総長がそういうことを長々とここで説明をするとは、私は実は思わなかった。いまのは皮肉ではありません、しっぺい返しでもありません。私は、だからこそ言うのです。六十名というのは科学的根拠があるかということは、たとえば六十名という人が常にいなければならないという理由はないという考え方なんです一参議院みたいに、二十九名にまで減らした、こう言うけれども、そのまま投げておくなんというばかみたいなことをしておくのよりは、あなたのほうはよっぽどいいと思うのですよ。だけれども、その六十名を確保しておくということの中で一つ矛盾があるのは、用務員さんなんかはそう違いはないじゃないですか、自動車の運転手さんと違って。それも数千円と言うが、私の調査だとそんなにならないみたいですね。そうしてこの人たちはいつかは、大体十年くらいで追い越されるんですね、そうでしょう。そうして長い長い暗い生活をしなければならない。これは参議院のニュースに書いてある。衆議院だってその分は同じだと思う。自動車の運転手さんなり用務員さんなり、こんな安い給料では実際集まらない。だからこそ、そういう制度をつくったならば、初めばかり砂糖分のいっぱい入ったお菓子を出して——酒だって初め特級酒を飲ませて、うまいうまいとやって、だんだん酔っぱらってきたらあと二級酒でごまかしてしまって、最初からずっと最後まで特級酒を飲ませたみたいなことをする料理屋があるそうですが、それと同じみたいなことじゃないですか。だから、それらの人々の給料とその間差ですね、こういうものを、もし昇格がなかなかできないということがあったならば、ダウンしない給料表をつくるとか、そういうところにあなた方は重点を置くべきだ、私はそう思っておる。そうでなければ、初めばかりかっこうよくて、あとでは、おまえら運転手じゃないか、用務員さんじゃないか、だから給料が低いのはあたりまえだという考え方は間違いだということを言っているのですよ。そこのところは、はっきりしてくださいよ。用務員さんが実際上、労働力の不足から集まらないでどうにもならないというのだったら、事務総長より給料が高くたってそれはかまわないと思う。そういうことはいま世間では幾らでもできているのです。当然じゃないですか。こんなことは、私はそれでいいと思っているのです。だから、あなた方の身分的なそういう思想というものを幾らかでも薄めてもらえないだろうかな、こう思っております。この問題は、そればかり時間かけていたらえらいことになりますから、次に移らせていただきますが、この六十名ということでひっかかる問題ですから、これに関連します。  特に行(二)で働かされている人々は、行(一)に行く一望みが先細りになった。しかし三十名くらいにしてみたところで——全体の構成からはいまは三%とあなたは言った。しかし、自動車の運転手さんの構成からいったら三%じゃないです、相当の人数ですよ。ですから、そういう考え方でもっていくと、六十名というのはまだ減らしてもいいところだと思っています。  ですから、ことしは議院運営委員会決定があったそうですから、それに私は前の議運をやっていたから、いまの議運の諸君がいけないなどという意味にとられる発言はあまり言いたくない。だけれども、来年度はもう少し移してくださいよ。だって科学的な根拠がないのです、あなたのは一般論で私に答弁していますから。科学的な根拠は何かと聞いているのですよ。十年後に追い越される。あるいは追い越されない方法がないか。あるいはまた、初めは高いけれども、それでいいじゃないかというところにとどまっておって、そうしてそれに安住して、いままでせっかく減らしてきたのを、それじゃ六十名以下にすれば、今度はいわゆる行(二)で採用する人員が確保できないところまで来ているというのだったら、あるいはまた問題があるけれども、私の見るところではそうではない。十名やそこらは逐年ずっと減らしてきた順序で、ことし来年あたり減らしておってもそこまで至らないと、これは私の判断です。だから、どうですか、ことしはそうしたけれどもやはり来年あたりはその辺は考えてみなければならないなという気持ちはありませんか。
  78. 知野虎雄

    ○知野事務総長 それほど科学的根拠があるかと言われますと、その点はあまりありませんけれども、やはり役所でそれだけの必要な人を確保しなければならないという現実的な要請もございまして、一応そういう態度をとっておるわけでございます。その必要というのはあるわけでございますが、行(二)の中でも大体年間千人くらいの人たちが交代をしてまいりますから、そういう中で一つは行(一)に移ってまいります。もう一つは、行(一)への移行をさらにやるという意味ではございませんけれども、たとえば宿舎等の統合整理によりまして、宿舎に勤務をしております用務員さんで仕事がなくなってまいる人がございます。将来はそういう人たちを行(一)に定数を移していくという意味で、行(二)表というものがさらに減っていく可能性はございます。
  79. 安宅常彦

    安宅分科員 来年あたりはそれを——あなたのほうは十名しか交代していないというのです。六十名残しているのだからまだまだ余裕はあるはずだ、職員の要望にこたえたらどうかというのに、宿舎のほうで少し何とか考えましょうという答弁は、ずらした考え方ですからね。来年あたりは考える意思があるかないか。ないならないでけっこうです。あるならあるでけっこうです。時間がないからただそれだけ。
  80. 知野虎雄

    ○知野事務総長 移行につきましては、今日、従来どおりの考えでおります。
  81. 安宅常彦

    安宅分科員 従来どおりというと、逐年ずっと減らしていったという方針は絶対にとらない、こういうことですか。
  82. 知野虎雄

    ○知野事務総長 議院運営委員会で御了承いただいておりますのも一応ということでございまして、将来末劫、絶対にやらぬ、情勢の変化があってもやらぬという意味ではございません。
  83. 安宅常彦

    安宅分科員 それでは今度は、これらの人々が行(一)に行った——時間がないのでここを簡単に言いますけれども、非常に重要なことなんですけれども、あなたのほうは運用でもって、何と言うんでしょうか、四等級というものに、技術職員で移行になって頭打ちになった人々を何人かやっているのだそうですね。運用でやるくらいなら、技術職員というものの中に四等級というものの定員をつくるべきだと思うんです。どうですか。
  84. 知野虎雄

    ○知野事務総長 行(一)に移行しました人たちは、技術職定数の五等級、六等級というところにいまおるわけでございます。四等級の問題は、一般職につきましてもこれは課長補佐でございます。そういう意味で、何人かの係長、何人かの課員をかかえるという監督的な意味がございます。そういう意味で、行(二)から移りました人たちは職務の内容からいいまして、どうしても範囲が狭まってくるのはやむを得ません。しかし、せっかく行(一)に移りましても、そのまま永久に据え置きというのでは、これはやはりせっかく努力をしてやったかいがございませんので、われわれは運用をもちまして行(一)の四等級に移す方法を、今日まで多少ではございますけれども、衆議院におきましてはやってまいりました。ことしは四等級への暫定定数というものも認められております。そういう意味では、今後は多少道は開けてくると考えておる次第でございます。
  85. 安宅常彦

    安宅分科員 そういうことが私は正しいと思うんですね。暫定定数というのはどういう意味かどうもわかりませんけれども、これは大蔵省といろいろ折衝した結果そうなったと思うのですが、国会の中の職員のこういう格づけとかなんとかいうのは、人事院規則に準拠はするといっても、それはあなた方準拠しなきゃぐあいが悪いと思って準拠しているだけの話、こういうものは、給料表でもあなたのほうで独自につくられるもの、それから予算だって本来は、国会予算ですよ。ここにきょうおいでになっている方々は、各所管の長が来ておられますけれども、一般の行政官庁と違って、大蔵省の指図を一々受ける必要が本来ないものなんです。立法機関——衆議院、参議院などは特にそうなんですよ。大蔵省が反対だと言えば、ああそうですか、私はこれでいいと思っておる、あと最後には、国会判断だと言うことぐらいの権能ほんとうは持っておるあなた方なんだ。一々大蔵省の主計局長のところに頭を下げに行ってぺこぺこしておるなんて、私は大きらいなんだ。しかも、そればかりじゃなくて、定数の技術職員を何名置くかまで一々指図を受けておるというのは、立法府の独自性、権威にかかわる問題だと思っておる。そのくらいは堂々とやったらどうですか、それが一つ。  もう一つは、課長補佐あるいはまた係長という、ある程度の人を使うという前提でこの四級職というものはつくられているという考え方は、先ほど言ったように、勤続年数も相当高いし、いろんな意味で、たとえば電電公社なら電電公社、私、出身ですから言いますが、東京や神奈川あるいは大阪、そういうところは人事の異動がどんどんあるんです、もっと高い電気通信産業というのがありますから。いなかに行くと、電話局なんというのは月給が高いほうだと思ったところが、なかなか採用が困難。こっちのほうはばらばらと採用する。それでやめていく人が多いから、人事の交流がある。そうすると、試験なんかは東北のほうがむずかしいのだけれども、そっちの人は人事が停滞して、いつまでも係長、課長にならない。こっちのほうは職制の運用がきく。中心部ですから、管理機能もある、職制がある。そうすると、東北の試験を落第してこっちで採用になったのが、課長だ何だに早くなる。そういう矛盾があるんです、この職階職務給というのは。  だからそういう場合、あなた方ここの管内だけだから気がつかないでいるかもしれないけれども、そうでなくて、これらの人々は、たとえば大工さんだって——大工さんはそうだったかちょっと忘れましたけれども、ある国家試験なんか、いろいろ技能検定試験があります。しかし、試験に合格しなくとも勤続年数何年以上になったら一級なんとかになるという便法は、どこの社会だってやっぱりつくられております。そういう番外もある。だからそういうことを考えたら、人を使うことが前提だなどというかたいことを考えないで、やっぱりある程度のそういう年限に来たら、能力があるかないかの問題よりも、その職種がないんですから、係長というポストがないんですから、だからなれないなどというふうにしておくことは私はたいへん間違いだと思います。  ですから、私があなた方に要求することは、一つは先ほど言ったように、いつまでも昇格できないで、だんだんだんだん昇給期間が延びて、昇給する金額も少なくなっていく給料表を直すことが一つ。  それから、そこまでこないうちにできるならば昇格させることが一つ。昇格したならば、今度は四等級までいくのに、ほかの若い人が係長だ何だになっているのに、行(二)からいった人たちが、古い人でもいつまでも五等級でストップしていなければならないという制度を至急にこれは考究すべきだ。そうして、これらの人々の待遇というものをもっと上げていくということをあなた方は直ちに実施すべきだと私は思う。それを私は要求します。どうですか、私の論議は間違いですか。
  86. 知野虎雄

    ○知野事務総長 国会予算のことにつきましては、先ほど仰せられたとおりでございまして、国会のほうで二重予算といいますか、そういう権限もあります。  この行(1)の移行を一応打ち切りましたのは、これは大蔵省が認めないからだということではありませんでした。私のほうで必要だということで一応やったということでございます。  それから、いまの五等級、六等級におる人たちをどんどん上げていけ、こういうことでございますが、これは先ほど申し上げましたことで御理解いただけると思うのでございますが、安宅先生のおっしゃるのも一つのこれは確かにりっぱな御意見でございまして、ただ六等級の人をどんどん上げていくというふうなことは、やっぱり職務の内容によりまして給料表というものがきまっておるものですから、そうなかなか簡単にいかないこともございます。ただ私のほうは、いままで職種の転換といいますか、ここで事務職員に移ったり、あるいは衛視さんに移ったり、技術員に移っていったり、そういうふうなこともございますので、そういうこともかみ合わせまして、何も人事院規則のままにやらなければならないこともございませんので、事務総長としては運用の妙を発揮してまいりたいと思っております。
  87. 安宅常彦

    安宅分科員 運用の妙でなくて、私は運用の妙を要求はしておりません。そういう制度をつくりなさいと言っているのです。  特に国会図書館の場合、これは衆議院と比較して枝葉に入る人たちが非常に多過ぎるし、それから昇格移行後の処遇というのは非常におそいそうですね。私はきょうは時間がないから言いませんけれども、こういうことは、衆議院と同等にしてもらえないかと言う職員が非常に多いんです。あなたのほうではすぐ衆議院のところに来て、どうなっておるのか、それから私が言ったような事柄について、衆議院よりひとつ先に国会図書館がやってみよう、衆議院の事務総長なかなか頭が鋭過ぎて、形式にこだわり過ぎるようだぐらいのことをあなたがやるべきじゃないかと思うが、どうですか。
  88. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 だんだんの御注意でございますが、よく五等級、六等級、それから四等級になる定数等を審査いたしまして、衆議院の事務当局からは、かねがね国会図書館の定数確保については御協力をいただいておりますものですから、よく連絡をとりまして確保していきたいと思っておりますが、四等級暫定定数がことしなかったというのは、私のほうに適格者がないので遠慮して、ほかの定数をいただいた、こういうことでございますから、御了承をお願いいたします。
  89. 安宅常彦

    安宅分科員 それから、こういうことはよく職員組合とも相談して——今度私は議運をやめたから身軽になったという意味じゃないけれども、職員組合のあと押しを必死になってやりますから……。職員組合と話し合いというか団体交渉——国家公務員に団体交渉権、罷業権を与えるのは当然だといういまの風潮の中で、もう当然団体交渉という立場でやっていいと私は思っております。だから、そういうことを含めて、あなた方はよく職員組合と相談をしてやってもらいたい。これは念を押しておきます。これはいかがでしょう、職員組合とこの問題で相談することは。
  90. 知野虎雄

    ○知野事務総長 私は組合の諸君とはしょっちゅう会っておりまして、聞くべきものはよく聞いておりますし、聞けないものもありますけれども、そういうところは率直にいい意見は取り入れるという態度でございます。
  91. 安宅常彦

    安宅分科員 つまり労使対等という立場、そこまでいかないやり方というのは非常に問題が多過ぎることになりますから、それは注意してください。これはきょう詰めようとすれば、団体交渉権の問題で時間を費やしたらとてもかないませんからきょうは言いませんが、あと押しはしますよ。  次に、自動車の営業車のことですが、これは非常に前から問題になっておるのですが、あなたのほうは営業車を入れたですね。それで、在職二十五年以上だとか、それからいろんなことで自動車が借りられるというか、いただけるというか、そういう議員さんに聞いてみると、いやなんですね、あれは。青ナンバーで、それで営業車だ。おれは今度二十五年になったから自動車をもらったんだって、あれは選挙区の人に言っているに違いないのです。私はまだ経験がない。経験浅うございますからわからぬけれども。ところが、来てみたら、何だ、官庁の車じゃなくて、要すれば営業車じゃないか。国際自動車株式会社とかなんとか書いてある。あれじゃ、もらったんじゃないな、あいつは、というので点数が落ちるそうだね。だから、その点、みんな非常にいやがっている。あなた方もそれを感じて、どこかで使ったり各党のフリーのところ、そういうところに適当にまぶって、一生懸命努力、苦心惨たんしておられるようだけれども、そういう経費の計算や何か、きょうは私はしておりませんけれども、いろいろな意味で問題が、やはり一長一短あると思うのです。  こういう状態に移るときに私、議運をやっていたのですが、人員を、いままでの人を減らさない、そういうことが当時確認されたという記憶をしています。したがって、こういうことを考えながら、四十八年度で今度は営業車を何台導入するのか。そしてまた新しく、そういう営業車じゃない、昔からのやり方の自動車の運転者さんというのは何人くらい採用し、車をその分何台入れるのか、それをちょっとお聞きしたいのです。
  92. 知野虎雄

    ○知野事務総長 現在、永年在職議員の方々には営業車は回しておりません。これは全部官用車でございます。  それから、現在百六十人の自動車運転員の定数がございますが、これは確保してまいります。減らすことはございません。  ただ、永年在職議員の車につきましては、別にほかの処遇を考えるべきでないかという議論がございまして、その点は現在、議院運営委員会の庶務小委員会で検討することになっております。
  93. 安宅常彦

    安宅分科員 だから、検討することになっている中で私は言いたいのだけれども、たとえば議員なら議員として、いろいろな私語もあるし雑談もあるし、身辺のことも話しますよ。ほかの会社から来た運転手さんが前に乗っていたら——党内の話もあるだろうし、いろいろな話がある。たとえば郵政省で、郵便配達さんが足りないので、その辺のおかあさん方をアルバイトに頼んだなんといったら、いやんなっちゃって橋の上から捨てたとかいう、あまり郵便物が重過ぎてなんという話が出たとか出ないとか聞いているけれども、そういうものとちょっと類似したことをわれわれ感ずるのですよ、あの人たちの車に乗っていると。だから、営業車の導入というのは、相当これは慎重な配慮をしてもらいたいと思うのです。いままでの方法が何だかんだいうけれども、これも予算関係だなんて言わないで、やはり続けるものは続けていきたいと、私どもはそう思っている。ある程度はやむを得ないという議論が、あなたと今後の話し合いでできるかもしれぬけれども、こういうことは人員を減らさないというだけではなくて、いままでの方法がやはり長所もあるということで、ふやしていくという方向に考えてもらいたいと思うのですが、どうですか。乗りにくいんですよ、ああいう車にはなかなか。
  94. 知野虎雄

    ○知野事務総長 現在営業車というのは、ある程度各党がフリーで使う場合のほうに転用しているわけでございまして、常任委員長でございますとか、そういう永年在職でございますとかというのは営業車ではございません。この点は今後また、よく先生とも話をしてまいります。
  95. 安宅常彦

    安宅分科員 それから勧奨退職というのは、衆議院も参議院もみなやっておられるようですが、勧奨退職を、肩たたき、ニコポンなんと私ら言っておるのです、労働者という立場で。それが堂々とまかり通っているのですね、衆議院は。あたりまえだという慣習になってしまったですね。これは一歩誤まればたいへん悪いことになるので、こういうことについては、私は基本的には、やってはいけないと思っている。ところが、もう実際問題としてやられている。  これは、あなた方の国会図書館あるいは参議院、衆議院問わず、考えてもらいたいですね。あなた、えらい人からぽんとやられて、あなたどうですかと言われたら、来年あたり子供が大学を卒業するのでもう一年くらいと思っていても、気をつけをしてしまって、はい、よろしゅうございますなんと言って、あとで奥さんに、何よ、あなた、なんておこられている。そういう状態というのはあるのですから、こういう勧奨退職というのはやめるべきだと私は思う。  そのことでまた議論すると時間がなくなるので、いま定年というか、勧奨退職の年齢というのは、衆参、図書館、こうずっと比較してみますと、衆議院が六十三歳で一律で、参議院は六十四歳で、用務員さんは六十八歳だそうですね。あと国会図書館は一律で六十五歳。これはいいか悪いかは別。しかし、民間の各企業でも、定年というのは非常に延びている現実です。特に衆議院の場合なんか、六十三で退職勧奨されてから、今度、代議士さんの個人の運転手を元気でしておる人までおるそうです、制服を脱いで。だから、そういうことを考えますと、何だ、年とって目ぱちぱちで見えないんだなんという考えはいまや間違いで、人生わずか五十年なんて織田信長の時代。だからこういうことを、少なくとも衆議院の場合には特にもう少し延ばすべきだと私は思っている。どうですか。
  96. 知野虎雄

    ○知野事務総長 勧奨退職といいますか、公務員に法律上の定年がないのはもう事実でございますが、と申しまして、衆議院千八百名の定数を持ちまして国会審議のサービスといいますか、国民に対する義務からいきまして、そのワクの中で最大限の能率を発揮しなければならぬということもまた一つの要請でございます。そうなりますと、無制限にというわけにはまいりません。そういうところで、私のほうは六十三歳をもちまして勧奨をきめておるわけでございますが、だいぶんこれも長い間もう定着してきておりまして、しかし、これは、やはり私どもが一緒に苦労してきた同じ職場の人間でございますから、それにあたりましては非常にこまかな配慮をしております。たとえば半年とか一年で年金がつくとかというふうな場合でございますとか、またありがたいことに、やめていかれる人の中で、自分の子供をもう一ぺん衆議院につとめさせたいという人もおりますので、そういう場合には試験の機会を与えますとか、かなりこまかな配慮をしてやっております。  参議院、図書館よりは衆議院のほうが一年早いという点がございましたが、これは議員さんも、衆議院でございますと平均年齢五十五歳ちょっと、参議院ではやはり六十歳半ぐらいでございます。やはり仕事も激しうございますし、多少衆議院のほうが一年ぐらい早いのはやむを得ないかと思っておる次第でございます。
  97. 安宅常彦

    安宅分科員 総長、それは総長らしくないことばですね。そうすると参議院はむくれるだろうし、国会図書館は老いぼれでもかまわないということに聞こえる。国鉄総裁が、おれのところはたばこ巻きとは違うぞなんて言って国鉄職員のきげんをとろうとしたけれども、さっぱりストライキが絶えないと同じで、やはりそういうことばではちょっとまずいのです。そういうことについて、やはりこれも職員組合と話してください。こういうことは、いろいろ温情的なことはあるったって、やっぱりこれはあなた、いけません。労使対等ということがどうしても頭にまだ入らないみたいですから、そういう立場で言うならば、きちっとした相談をしていただきたいと思います。  時間がないから次に移りますが、私ども議運をやっておるときに、何か国会周辺のところに相当のあき地というか、買ってくれといわれている敷地もあったりして、相当買ったはずですが、どういうものを建てるかも大体聞いておりますけれども、いま、職員のちょっとしたキャッチボールをするところとか、全然ないですね、あまりかっこよくしちまって。非常に構内が広くなったわりに何もないのです。ただ、自動車のあそこの信号のところなんか、こんな設計したものだから、ぐるっと回っていく設計をしたものだから、自動車が突っかえるみたいな道路をつくったぐらいで、あといいことないです。構内やその周辺広げても。  だから、特にその中で私は書いたいのは、職員の福利厚生について、そういう買い上げた土地、そういうものはどういうふうにしているかについて聞きたいし、それから、さっき勧奨退職の話が出ましたけれども、私は、たとえば二十五年の勤続であるとか三十五年の勤続であるとか表彰しているようですけれども、聞いてみますと、いまでも何か、やはり一万円足らずの記念品だそうですな。そんなものいま、はやらないです、どこの官庁だって。出かせぎに来た労働者だって、来年も来てくださいというので、奥さんを招待して伊豆半島観光旅行だ、二泊三日でやって。たった一年来る出かせぎ労働者に対しても、みんなそうです、よ。衆議院は何ですか。国権の最高機関の職員だなんていいながら、花びん一つ、七千円ぐらいのをくれて、三十五年、免状だけりっぱなんじゃ話にならないじゃないですか。そういうことと、休憩所とか運動場とかそういうことを含めて、この表彰のあり方について、もっとはっきりしたもの、たとえば奥さんとともにどこか旅行できるとか、こういうぐらいの——たとえばですよこれは。こういうぐらいの金を準備するぐらいの度胸はないですか。どうですか。
  98. 知野虎雄

    ○知野事務総長 ちょっと少し時間をいただきまして御説明させていただきます。  国会周辺の整備に伴いまして、ここは立法、司法、行政の官庁が密集しておるところでございますから——整備の途中で、まだ未整備のあき地を暫定的に利用した時代は別としまして、現在、国会周辺に野外の運動場を持つことは不可能でございます。ただ、私どもは、国会職員の特殊な勤務体制から見まして、国会のいろいろな施設を整備する段階で、たとえばプールでございますとか、あるいは柔道場、剣道場、体育室、それから教養室を設けて、女子職員のお花とかお茶の練習とかそういうことのできるものを確保してまいりまして、そういう点では、中央官庁の中ではおそらく衆議院が一番そういうものを持っておるんだろうと思います。今後も、衆議院庁舎と申しますか、衆議院の事務局庁舎をつくります際にそういうふうなものをなおふやしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから、職員集会所のお話がございましたが、いままでは、実は職員集会所といいましても、まことにちゃちなものでございまして、苦労をかけている職員に報いるというほどのものではなかったと思います。これはまだ買収が済んでおりませんので、申し上げてもどうかと思いますが、ことしの七、八月ごろに買収することを予定しております中に、坪数からいうと二百坪、建物からいいますと一階七十七坪、二階二十六坪ぐらい、百坪ぐらいの、二十室ぐらいのりっぱな民家を買収することになっておりますので、これを職員の集会所に充てる計画を持っておりまして、そこで研修なり懇親なり、いろいろなことで労苦に報いたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  それから勤続表彰でございますが、これは二十五年在職をしましたこと、それから三十五年在職しましたことに対して職員の表彰をしておりまして、いま仰せられましたように、りっぱな表彰状と記念品を議長が贈って労に報いておるわけでございます。この表彰にいろいろな意味の特権が伴うようになりますことは、いろいろ問題がありますが、御趣旨を体しまして、可能なことは考えなければなるまいと思っておりますが、その具体的な方法につきましては、いまここで、ああするこうすると言うことは、ちょっと申し上げかねる次第でございます。
  99. 安宅常彦

    安宅分科員 私も質問がへたなのかもしれませんが、なかなか懇切丁寧なもので、時間がなくなりましたけれども、国会図書館にちょっとお聞きしたいのです。三つぐらいあるのですが、個条書きみたいな質問をしますから、それに答えてください。  特に国会図書館に働いている御婦人の問題なんですが、あなた、さっき三七%だと言いましたね。これはパーセンテージのとり方ではいろいろあると思うのですが、奥さんなんかも相当多いようです。私が聞いたところでは、こういう人たちに対する産前産後の十二週間の休暇というのは与えられていないという状況です。与えておるけれども、それは予算上の措置がないから、あとの人が非常に困る。そして、休暇代替要員というのは、これは各官庁とも認めてないと思うのですが、七〇%以上の女子職員を擁する職場では、一般官庁といえども、アルバイトでございますが、庁費か何かで一〇〇%を補充しておるのですよ。そういうことを考えると、庁費でやっていいということは私は言いませんが、しかし、国会図書館ともあろうものが、産前産後の代替要員ぐらい確保すべきだと私は思っています。そして、現在あなたのほうでは、庁費でやる人たちも、四週間しかいままで保証されていなかったわけですね。それを今度六週間分ですか、確保したというふうに聞いているのです。だから、これと合わせて最低十週間を確保できるようなことをあなたのほうで考えてもらいたい。そうすれば、あとの残りの人が労働過重にならないで、産前産後の休暇というのは堂々ととれるのじゃないか、私はそう思っております。そして、生理休暇なんかも、あなた方の職場ではほとんどとってないそうです。それはいけません。どこの官庁だって、あとの人が困るだろうと思って生理休暇をとらない職場なんて、いまはないのです。私は、一番モデルみたいな労使関係にあると、国会に籍を置かせてもらった当時考えたが、まるでもう天地雲泥の差だというのは、こういう点にもあるのですよ。  こういうことは、ただいま私が言ったように、十週間ぐらいの予算措置というもの、当面最低これぐらいはやれるはずだ。いままで四週間やってきて、それで今度六週間の庁費の分七十万円だかついたそうですから、それでがまんしないで、いままでも前例として四週間やってきたものにプラスして、十週間くらいは確保できるはずだという私の計算です。こういうことをやる意思があるかどうか。  時間がないのであとずっと続けますが、非常勤職員のことですが、あなたのほうは非常にずるいやり方をしているのですよ。やはり人事院規則というものを横目でにらんでいるようですね。ですから、一番長く一カ月問働いている人でも、十九日というのが多いようですね。二十日以上だというと、労働基準法のいろいろな問題で今度は困るからでしょう。だから十九日にしているのですよ。こんなずるいやり方は脱法行為だと私は思う。本来なら脱法行為ですよ。なぜ、臨時でも何でもいいから——臨時というのはおかしいのだけれども、非常勤職員でも二十五日稼働なら二十五日稼働で、そして現在の民間産業の人たちがやっているようなことをなぜやらないのですか。そのために月収というのはべらぼうに少ない。結局、予算上は今度一千四百六十円だかになるのだそうでございますけれども、実際はそれよりも上で使うのでしょう。しかし、どっちみち計算してみますと、生活保護家庭の給料より足りないみたいな金で国会図書館の重要な仕事をしてもらう人々を採用するということは、私は間違いだと思っている。こういうことは稼働日数をふやすなり、今後それらの方々に対して、年次有給休暇だとかいろんなものを与えなければならない、やめるとき退職手当を与えなければならないというようなことがあったとしても、それくらいの処遇をすべきだと私は思うのです。半分就職しているような就職していないような、ルンペンプロレタリアみたいな人を、国会図書館が大ぜい東京都内につくる役割りをしていることは、私は間違いだと思う。そんなことができないのだったら、これらのたくさんの人々をあなた方は非常勤職員として採用しなければならないほど仕事が多いならば、なぜ先ほど言ったように定数定員というものをふやさないのですか。ここのところの矛盾というものをはっきりここで答えてもらいたいと思う。  それから、私はここで国会手当というものにちょっと触れたいのですが、これはいつも問題になるのです。私が議運にいたときも問題になったのですが、国会手当というのは、今度少し変わったようですけれども、国会図書館の人たちの国会手当は衆議院と参議院の大体半分なんですね。何か差があるという理屈は——これは時間がないから論戦しません。あなたとはえらい論戦したこともあるし、あなた方の前任者とも論戦したことがあるから言うのです。だけれども、半分という手はないと思うのですね。〇・九、〇・九と〇・五一になったそうですけれども、これは科学的根拠はないですね。はっきり言うならば目の子勘定ですね。もっと詰めたことをやって、本来ならばこういう差はなくすべきだと私は思う。直せないような顔をしてますよ、事務総長ぎょろりとにらんで。さっき平均年齢まで言った総長だから、その他仕事の内容、いろいろ言いたいでしょう。言いたい気持ちはわかるけれども、しかし半分という手はないと思う。こういうことについて、私は基本的には差は撤廃すべきであるという立場から、衆議院の事務総長は私をにらんでおるけれども、どうですか国会図書館長、そのことについてのあなたの胸のうち、ほんとうの意見というのは。差をつけていいか悪いか、差をつけてもらいたくないなという気持ちなら、そこのところをはっきり言ってください。  この三つについて質問して、私の質問を終わります。
  100. 臼井莊一

    臼井主査 安宅君に申し上げますが、時間が参りましたから……。
  101. 安宅常彦

    安宅分科員 はい、終わりますから。
  102. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 最初に、女子職員の産休代替要員の問題でございますが、先ほども申し上げましたとおり、女子職員が非常に多いので、既婚婦人が約百名以上おりますものですから、大体この三カ年におきましては、一年に十七名から二十名近い女子職員が出産しております。それで、今年度と前年度に、いま先生お述べになった四週間程度の代替要員を活用しておりました。四十八年度の予算要求につきましては、代替要員の予算を要求いたしましたが、認められませんでした。しかし、昭和四十七年度四週間程度をまかなった経験によりまして、四十八年度におきましては、いろいろな庁費等も込みになって増額いたされた分野もございますので、それらをひっくるめまして操作をいたしまして、代替要員の採用をまかなっていきたいと思っております。いますぐそれで、四週間と六週間だから十週間というような御意見でございましたけれども、そこいらははっきり申し上げられませんが、なるべく多くやっていきたい、こう考えております。  次に、非常勤務職員でございますが、先生が声を大きくされてお述べになりました、常勤職員を採用せず、非常勤職員でまかなっておるのじゃないかというお疑い、御意見でございますが、私もまだ新任でございますので、断定的なお答えはできませんけれども、もしもそういうことがありますればゆゆしいことでございますので、よく研究いたしまして善処いたしたいと思いますが、先生御承知のとおり、図書館の業務は、両院の事務局と異なりましていろいろ間口の広い業務がございまして、ことし大蔵省にお認め願った非常勤職員並びに賃金支弁の職務等を見ましても、時を限って終わる仕事がございます。一番ティピカルな例でございますが、会議録索引業務につきましては、これは年度ごとにやっておりますが、三カ年ぐらいおくれておりますので、このものを処理いたしますために十何名のをもらって……(安宅分科員「次の人が控えていますから、それはいいです。みんなわかっているのだ。やるかやらないかだ」と呼ぶ)そういうふうにして臨時の業務がございますので、私たちといたしましてはそういう業務を見計らって善処していきたい、こう思っておるわけでございます。  それから、国会手当の件につきましては、衆議院並びに参議院当局の御協力を得まして、私といたしましては——特に国会手当はここ一、二年の間に一カ月ということに両院は相なるわけでございますので、その場合に国会図書館が何%であるかということも非常な重大問題でございますので、両院総長の御協力を得まして努力いたしたいと思います。(安宅分科員「いやいや、あなたは参議院、衆議院と同じでいいと思わないかと聞いているのだよ」と呼ぶ)むろん同額であっていただければ幸いでございます。われわれは可及的努力をいたす、こういうことで御了承お願いいたします。
  103. 安宅常彦

    安宅分科員 ありがとうございました。
  104. 臼井莊一

    臼井主査 次に、寺前巖君。
  105. 寺前巖

    寺前分科員 私は、きょうは図書館の問題について聞きたいと思うのですが、官房副長官お見えですね。  国会図書館というのは、もう私が言うまでもないこと、国会は国権の最高機関でありますし、したがって、その国権の最高機関を権威あらしめるために非常に重要な位置を占めるというふうにいわなければならないと思います。同時に、国民に対してもあるいは政府各機関に対しても、この国会図書館が大きな役割りをするという使命を持っていると思います。そこで、この国会図書館の権威を高めるためには、館法で示されているように、官公庁の出版物はもちろんのこと、民間の図書についても、納本しなければならないということがそこから生まれていると思うのです。はたして国権の最高機関にふさわしい状況で官公庁の出版物ないしは民間の出版物がここに収録されているのかどうか、私はそのことを非常に心配するわけです。  私は、最初に図書館長に、現状どのように、これらの官公庁の出版物やあるいは民間の出版物が集まっているのか、はたして権威ある事態をつくっているのかどうか、国会審議を保証する状況が国会図書館にはあるのかという問題について、説明をしていただきたいというふうに思います。
  106. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 お答え申し上げます。  わが国立国会図書館は、全館をあげて国会の議員各位の御活動を御補佐申し上げるわけでございまして、そのためには、全国はもちろん、外国からも図書館資料を全部収集いたしまして、基礎的な調幾等を中心にいたしまして御補佐申し上げる役目を持っておりますが、その意味におきまして特段の処置をいたしておるわけでございますが、納本につきましては、官公庁出版物につきましては、幸い中央官庁は、最高裁は司法部でございますが、それ以外に、各省庁にはそこの図書館がございまして、これがわが図書館の支部図書館と相なっておるのでございます。これの機関を経由いたして納本をお願い申し上げておる。また、都道府県その他の地方団体及び公社公団等におきましては、直接当該機関からいただいておる。こういうことでございますが、一般の民間につきましては、出版業者の発行のものは、社団法人日本出版取次協会の窓口を通しまして納本をいただいておる。また、一般個人につきましては直接納本いただいておる。こういう組織をもちまして、われわれはわが日本に発行される図書は、必ず民間のものは一本、それから官公庁のものは規定では三十部、こういうことに相なっておりますが、そういう制度になっておるので、こういう制度が所期する効果をあげるべくいままで努力いたしてきたわけでございますが、弄前先生の御質問の、はたしてどういうふうに集まっておるかという点につきましては、数字を申し上げてよろしゅうございますれば申し上げますが、四十六年度につきましては国の機関が二千九百八十二種、これはタイトルでございます。それから地方公共団体が三千八百三十二種、それから国公立大学が四百四十種でございます。それから民間のものは二万九千七百四十冊、これは冊でございます。合計三万六千九百九十四種という数が集まっておりますが、この集まった数字が全出版物の何%になっておるかという数字、すなわち全出版物が完全に納本されておるかという点につきましては、われわれが把握できない数がどのくらいあるかという点に確信が持てませんので、はっきりしたお答えは申し上げられないのでございますが、納本漏れの点につきましては、図書館で、月報とかいろいろな書誌、そういったあとから出ますものを調査いたしまして、納本漏れを請求いたしております。その数は、官公出版物につきましては、四十六年、千三百件の納本漏れの通達を出しました。それから民間出版物につきましては三千六百八十一件納本漏れの通達をいたしました。その結果、通達をいたしました件につきましては、官公庁も御協力をいただきまして、請求件数に対して八〇%である千四十件納まっております。それから民間出版物につきましては、納本漏れを通達いたし、お願いしたものに対しまして、九〇%の三千三百三十五件納入されておるような状況でございます。  以上でございます。
  107. 寺前巖

    寺前分科員 そうすると、いまの御答弁でいうと、これはタイトルの話で言っておられたんだから、もうひとつはっきりしないのですが、三万六千九百九十四タイトルということになって、民間が二万九千七百四十冊、こういう話だから、差し引きずると、冊と見て七千種ほどが国公立関係のものになるというふうに理解してよろしいな。そうすると七千種ほどの納入数があって、やあやあ言わなかったら入らなかったという件数が千三百件あった、そういうことですね。そうすると、ざっと二割はやあやあ言わなんだら政府刊行物は入らない、これは図書館の側の努力がないことには放置されるという状態にあった、こういうふうに解釈していいですか。
  108. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 残念ながらそのとおりでございます。
  109. 寺前巖

    寺前分科員 それは、おたくらのほうで努力をされていろいろな形で納入状況をお調べになったんだから、たいへんなことだったろうと思うのですが、私は公害の関係でちょっと調べてみたのです、ここ数年来公害が非常に大きな位置を占めてきましたから。おたくのほうの資料の中にこういうのがあるのです。「参考書誌研究」というのがあるのです。それの第三号で、「中央官庁刊行公害関係資料目録稿」というのがあります。これには御丁寧に——これはよく研究されたと私は思うのですが、ずっと公害一般は、中央官庁のものです、これを見ると、納本されているものと納本されていないものがきちっとよく研究してあります。図書館の皆さんにはたいへんな御努力だったと思います。これをずっと拾い上げて数字を出してみたら、納本の状況は、それによると四四%しか出てきませんね。この中で、中央官庁の出版物で納本されているのが一体何ぼあるか、拾い上げて数字を勘定してみたら四四%くらいです。先ほど言われたのは、人為的に一生懸命調べて、二割は納まっていない。国民の非常に関心のある公害について積極的に集中的にお調べになった。そうしたらもっとひどい状況だった。しかもこれを見ると、必ずしも公害の資料が全部集約されておるようにはなっていないようです。だから、かなりの集約したものを追求しても、半分は入っていない。そうすると、国会議員が国権の最高機関として努力をしようということで図書館へ行っても、ともかく半分は現実的には見られないという姿になる。私は、これはゆゆしい問題だと思うのです。国権の最高機関に中央官庁の出版物が集まっていないというのは、私はたいへんな問題だと思うのですが、今度は政府の側のこれに対する見解を聞きたいと思うのです。
  110. 山下元利

    ○山下(元)政府委員 法の趣旨に照らしまして、政府の刊行物は図書館に納めることになっておりますが、もし不十分の点があるとするならば、十分実情を調査いたしまして、そしてまた、趣旨の徹底を期さねばならない、かように考えております。
  111. 寺前巖

    寺前分科員 副長官は不十分な点があればと、こうおっしゃる。それじゃ、いままでそういうことはなかったというふうに解釈して、今日まで政府、官庁は全部そう思っておったのですか。
  112. 山下元利

    ○山下(元)政府委員 十分努力はしてまいったつもりでおりますけれども、御指摘のような点があるとするならば、さらに調査いたしまして、善処いたしたいと思います。
  113. 寺前巖

    寺前分科員 私はここで、ちょっとお門違いになるのかどうかわかりませんが、図書館長に聞きたいと思うのです。これは図書館法の中で、十二条ですか、国立国会図書館には連絡調整委員会を設けて、行政機関と立法機関と司法機関がこの機能を果たすためのそういうものをつくり上げるということになっていると思う。これは、国権の最高機関にふさわしいような事態をつくり上げたい。しかもその法律の十三条では、勧告権を持っていることも明確にされておる。そうすると、事態は、あなたの言われた数字を見ても約八〇%くらいしか納本されていない、しかし、出版状況はよくわからないという前提においての話。一分野の公害の分野をお調べになったあなた方の資料を見ても半分は入っていない。これは非常に重大な問題だ。このような重大な事態をかかえているときに、ちゃんと法的にも、行政、司法、立法の各機関が調整してその使命を果たしていかなければならないし、下部に対しても勧告権を持っているというこの調整委員会は、一体どのような機能を果たしたのか。私は、歴史的にこの連絡調整委員会がやってきた状態と、今日果たしている状況について説明をしてほしいと思います。
  114. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 官公庁出版物の納入の件につきまして、先生がいまお示しの公害関係につきましての数字をちょうだいいたしたわけでございますが、よく調査いたしまして、その実態を把握いたしたいと思います。私どもの専門にこれを取り扱っている担当官の調査によりますれば、大体、各庁出版物で、私たちがいろいろな機関の目録や閲覧状況その他をできるだけ調べまして、調査いたしますと、約七〇%が入っておるのじゃないか、こういうデータが出ておりますので、先生がたびたび五〇%とおっしゃるのは、全体といたしましては半分しか納まってないじゃないかというのは、私もよく研究をさしていただきたいと思います。  それから、連絡調整委員会の件につきまして御指示をいただきましたのでございますが、私たちはこの連絡調整委員会の事務を扱っておる者でございますけれども、三十六年に一回、両院に勧告されて、それから両院の議運委員長の名前で、各省庁、最高裁判所等に納本の趣旨の徹底の通達を出した先例が一回ございます。むろん館法のきめておりますこういう最高の機関から御指示をいただくことはまことにけっこうなことでございますけれども、私たち事務を取り扱う者といたしましては、私もまだ就任浅うございますけれども、私たちの守備範囲のところで何か欠点がありはせぬかということを調査研究いたさなければならないと考えております。その点につきましては、部下を督励いたしまして、納本の事務を取り扱っている調査陣を強力化いたしましてやってみたい、こう考えておりますが、行政官庁におきましては、とにかく中央官庁におきましては、当該の図書館がございます。これがわが館の支部図書館でございますので、このりっぱな機構を活用いたさなければならないわけでございまして、この図書館長とも年に数回お会いしておるのでございますから、このルートをもう一度洗い直しまして、強力にお願い申し上げようと考えております。  それからまた、最近、行政官庁広報担当の職員が非常にふえてりっぱな運用をされておりますものですから、この広報関係の職員に対しましてもお願いを申し上げるわけでございますが、そういう節は、ただいま御臨席の副長官等の御協力もいただこうと考えております。  そういった方面につきまして、まだ私たちのところで大いに努力いたさなければならないところを痛感いたしておりますので、その点について大いに努力した後に、調整委員会のほうでまた必要であるということでございますならば、私たち図書館を御管轄いただいている議運委員会、特にその下の図書館小委員長ともよく御相談申し上げまして善処いたしたい、こう考えております。
  115. 寺前巖

    寺前分科員 一つ、あなたのいまの御答弁の中で、前提がわからないのに、七〇%ぐらい納まっているだろうというお話がありました。それじゃ、私ははっきり言いましょう。あなたのほうで出しておられるところの公害の、これ一つずつ、納まっているもの、納まっていないもの、しるしがついておる。これでいくと、パーセントは四四%になる。そうすると、公害関係の資料に限って、国民の大問題になったから政府はより少なくしか納本しなかったというような解釈になりますよ。くだらぬものだったら、たいして要らぬものだったらたくさん納本したけれども、国民が集中的に見ようとするもの、国会議員があの公審国会といわれるものを準備したもの、こういうようなものになってくると、資料はますます少ない。こういうふうに解釈せざるを得ないわけだ。あなたは別に納める側じゃないので、もらうほうだから、別に、どうということないといえばそうかしらぬけれども、それは、あなたのほうはしかし積極的に集める仕事がある。しかし政府は——そうなると、ますます事は重夫だ。国民から隠すという仕事になってくるじゃないか。  特にこれは学者の中で言われている話。司法分野の資料においては特に納本状況が悪いということは、学者の定説になってきておるのです。国民の中でいまの焦点として知りたいという問題になってくると、隠されていくというような問題になっていると、私は事は重大だと思う。同じ問題は——国鉄の赤字問題をめくって毎回国会でわいわい問題になってくる。そうすると、国鉄関係の資料の納本状況がやはり悪いという事実が一部の諸君たちの中で言われているのです。そういうような態度になったらいけないわけなんだ。だからこれははっきりと、すべての出版物については納本させるということを閣議においても確認して指示をさせなければ、事務屋が悪かったということでは済まない問題だと私は思うのです。副長官、よろしいか。はっきりしておいてもらう必要がある。これはひとつあとで答弁を願いたいと思う。  もう一つ、館長は、連絡調整委員会が開かれたらけっこうなことだ、また、必要があればあれだけれども、事務的にやっていきたいというようなお話でしたけれども、調整委員会というのはいつから開かれてないのですか。調整委員長はいまだれですか。
  116. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 三十六年に一回開かれただけでございまして、その後、人がかわりましたけれども、構成は、両院のそのときの衆参の議院運営委員長でございます。それから内閣は、総理が御任命になる国務大臣でございまして、これは文部大臣でございます。それから最高裁は、最高裁長官が任命なさる最高裁判所の裁判官でございまして、いまでは田中判事がなっております。
  117. 寺前巖

    寺前分科員 図書館長、聞きますが、三十六年から今日に至るまで全然開いていない。全然開かぬでおいて、事態は、たとえば公害国会が準備されて行なわれた、ところが納本状況は、ここに提起されただけでも四十何%。それであなた、使命を果たしていたと思えるのですか。私は、当然のごとく調整委員会を開いて検討されてしかるべきではないかと思う。しかも、それまで調整委員会というのは毎年にわたってずっとやってきたのでしょう。ぼくも調べてみましたけれども、何年に第何回をやって——第八回までやったのかな、ずっとやってきておりますよ。そして一番最後の調整委員会のあれに基づいて、当時の調整委員長からあるいは衆参両院の議運の委員長から、それぞれにいろいろな通達というのですか、勧告というのですか、出ていますよ。その勧告を見たら、「国の諸機関においては、国立国会図書館法第二十四条の規定に基づく出版物の所定部数の納入を完全に履行すること。」ちゃんときびしい指摘をしていますよ。それから議運の委員長名で「貴省庁所属の各機関の刊行物について、国立国会図書館に対し所定部数の納入を完全に履行すること。貴省庁所属図書館の制度上の地位及び機構を明確にするとともにその予算と定員の充実をはかること。」ちゃんと三十六年の十二月の調整委員会の名前でやられているのですよ。そうしたら、これがはたしてやられたのかどうかということは、調整委員会としても、勧告を出した以上はそのまとめが要るじゃないですか。どういう状態になったのでなしに、勧告だけして、あとそれ以来全然開いたことがない。あなた、それは事は重大だと思いませんか。やってもらったらそれにこしたことはないということではなくして、はっきり法律に基づいてそういう機関がある以上は、ちゃんと会議を招集すべきだ。そして現状について、あなたのところが事務当局としての世話をするのだったら、事務的報告もして、こういう状態になっております、いついつの勧告の結果はこういう状況でございまして、まことに申しわけない、だから調整委員会としても御検討いただきたい。やってあたりまえじゃないかと私は思う。私は、さっきみたいなあいまいな態度ではだめだと思う。これは御答弁をいただきたい。  それから副長官、三十六年にそういう勧告を政府機関は受けているのです。だからそういう勧告を受けた以上、その勧告に基づいてちゃんと政府機関として、それこそ毎年状況についても調査をして、そして国権の最高機関がその使命を果たしていくことができるようにあなたのほうも指示をして、整理をしてやらなければならないと私は思うのですが、それについて副長官の意見を聞きたい。お二人に聞きたいと思います。
  118. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 お答え申し上げます。  もう寺前先生の御趣旨のとおりでございますので、私どもといたしましては、直接監督をいただいておる両院の所掌委員長とも十分御相談申し上げるつもりでございます。むろん私といたしましては、先ほど申し上げました館としてまだやらねばならない点につきましても、大いに努力をいたすつもりでございます。
  119. 山下元利

    ○山下(元)政府委員 御趣旨の点につきましては、十分調査いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
  120. 寺前巖

    寺前分科員 私は、いま国立国会図書館の問題について聞きましたが、あわせて、地方は、地方自治体としての機能をちゃんと持っておりますし、そこには都道府県の議会図書館があります。また、教育委員会所属としての図書館その他の形態で、この種類の活動がなされています。政府機関は、その議会図書館や都道府県の図書館に対して納本する義務があると私は思うのですが、法的にはどういうふうになっているのか、ひとつ図書館長から、図書館のことだからよく御存じだと思うので、ちょっとお聞きをしたい。そしてそこに納本されている状況はどういう状況にあるか、御存じだったらここで御説明をいただきたいというふうに思います。
  121. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 お答え申し上げます。  地方の都道府県議会等に対しまして、中央の官庁の刊行物が支給されなければならないという根拠規定は、地方自治法の第百条でございまして、ちょっと長いですがお読み申し上げます。「政府は、都道府県の議会に官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。」この規定がございますが、この規定国会図書館とは直接関係はございません。  国立国会図書館は、館法に基づきまして地方議会に援助義務がございますが、先年、全国都道府県議会議長会事務局長から依頼がございまして、図書館が納本事務をやっておりますその機会に、地方に対しまして政府の刊行物が送られる場合は一緒にもらってきてもらいたい、こういう御依頼だったものでございますので、われわれ三十部という規定がございますが、そのときは二十部ということで協定文に書いてございますが、寺前先生御承知のとおり、図書館でさえ三十部なんてそういう部数は、宣伝パンフレットのたぐいですとどうか知りませんが、少し金目のかかる大きなものは、さようなものはいただけない予算の制約がございますので、そういうこともあわせて、中央の官庁刊行物が地方議会にこの法律の求めている趣旨のとおりに行っていないことは確かでございます。それでございますので、私たちは、その都道府県議会議長会事務局との約束の点もありますので、ずっと継続してその業務をしてまいりましたが、その事務局自体が、われわれを通さずして、直接官公庁に働きかけてもらう場合もあるわけでございまして、その数をひとつ申し上げたいと思います。  むろん図書館で刊行いたしますものは、その地方議会に御必要のないものは省きますが、図書館の刊行物は全部送っておりますから御了承を願います。  政府の刊行物につきましては、昭和四十六年度におきましては、中央官庁刊行物が七千三百七十  一冊でございます。四十七年度は年度途中でございますけれども、一月末日までに五千六百四十五冊行っております。それから図書館を通さずして行きますもの、直接都道府県議会の事務局を通して行くものは、四十六年度については四十九標目、七千三百三十冊、それから昭和四十七年度には、これは二月までの期日でございますが、四十七標目で九千百五十四冊、こういう事情に相なっております。むろん足りない分につきましては、都道府県議会はブロック別をつくりまして、そのブロックの中心地でその書籍を閲覧に供しておる、こういうことでございます。
  122. 寺前巖

    寺前分科員 副長官聞いてください。私は昨日、私の出身地の京都の議会図書館に、現状——国からもらっている状況はどういう状況になっているのかというのを調べてみました。三種類のルートを通じて政府の刊行物をもらっています。一のです。何ぼいただいたかというと、政府資料が十七種の四十冊、雑誌が十二種の百九十冊、新聞が二種の九十六。全国議長会を通じていただいたものが、政府資料十種の三十三冊、雑誌が十三種の百四十八冊、新聞が一種の十二。専門図書館からいただいたもの——これはほとんどパンフ、PR版のものだ。これが百六冊、こういう実態になっている。  そうすると、全部合わせたところで政府資料というのは七十冊前後だし、雑誌を入れたところでそれは五百冊までのものです。政府刊行物というのはさっきのお話で、図書館に入ったというものでさえも七千冊からある。出版物からいうならば一万何ぼが出ているということはきわめて明らかなことです。そのほんの一部分しか地方の議会の図書館には納本されていない。これが実態です。  私は地方自治体が、やはり国の法律のもとにおいて地方自治体の活動がある以上は、国の政治がどうなっているかということについて、地方自治体の議会の機能が、権限が、その活動が強化されるためには、政府機関みずからがここに積極的にその出版物を送るというのは当然のことだと思います。また、その活動があってこそ初めて、地方自治体も国会図書館に対する納本の義務があるけれども、そのことに対する積極的な意欲も地方自治体に出てくるものだといわなければならないと私は思う。そういうことを考えてみたときに、実態上からは、政府がこれらの出版物に対して、議会の機能を強化してやろうという立場から納本されていないということは、きわめて明らかです。これは抜本的に改善してもらわなければならない。これに対する副長官の御見解を聞きたい。  それとあわせて、これは国会のことではありますけれども、事務総長に私はお伺いしたいと思うのです。  議事録というのは、国会が何を審議しているかということがそこには全部載りているものです。どういう見解で検討されたか。地方議会の図書館というのはこういう議事録を持っておりたい。また、持って初めて地方自治体としての機能を発揮する上において大きな役割りをするものだと思う。だから、国会の中で重要な審議をしているこの議事録、これを地方のこれらの図書館になぜ納本してやらないのだろう、送ってやらないんだろうか。今日、ほとんどの地方自治体のこの議会図書館は、政府刊行物をみずからがお金を出して買わなければならないというのが実態になってきています。議事録だってそうなんです。私は、国会の側もこれを反省しなければならない、政府機関もこれは反省しなければならないというふうに思うのですが、それに対する見解を聞きたいと思います。
  123. 山下元利

    ○山下(元)政府委員 御指摘の点につきましては、地方自治法なり図書館法なりのそれぞれの規定に基づく義務が政府にあるわけでございますが、その内容等につきまして、御指摘のとおりに、必ずしも十分でない点があるかと存じますが、ただ、その提供のあり方等につきましてはさらに勉強いたしまして、さらにまた実情も調査いたしまして、善処いたしたいと思う次第でございます。
  124. 知野虎雄

    ○知野事務総長 衆議院の会議録につきましては、本会議録と委員会の会議録がございます。本会議の会議録は憲法一般に公開をして頒布するということになっておりまして、これは官報に載せて一般に頒布をしておるわけでございます。委員会議録は、憲法で、一般頒布ということはございませんので、衆議院規則によりまして、委員はもちろんでございますが、委員のほか議員に配付するという法規になっております。  いまのはそういう規定とは別に、議会側が会議録を向こうに送ってやったらどうかということでございますから、法規的なことを申し上げるつもりはございませんが、これは衆議院予算をとって送るほうがいいのか、あるいは地方議会がみずからお金を出して買うのがいいのかということでございまして、現在のたてまえからいいますと、地方議会が必要があるならばこれを買っていただくということでなかろうかと思っておりまして、もしいまの衆議院規則等を改めるということになりますると、これは衆議院も参議院も共通の問題でございますから、将来の検討事項になろうかと思います。
  125. 寺前巖

    寺前分科員 地方の自治体からは納本せよと義務づけている。これは金を払うというわけじゃないのです。納本せよというのですよ。出版物を全部納本せよ、官庁も全部納本せよ、こういっているわけです。国会図書館の機能を強化するためにいっている。だから、同じことは、地方自治体の議会の機能を強化してやるというためになるならば、それは、ぼくは議事録を無料で送ってやるということはお互いにやらなかったら、それぞれの、国会は国権の最高機関としての機能を強化していくために、地方自治体は地方自治体としての機能を強化していくための、その議会の役割りのためにということで、これはぜひとも私は検討してほしいということをこの分科会で提起しておきたいと思うのです。  同時に、調整委員会の事務局を図書館長のほうでやっておられるのだったら、調整委員会をすみやかに開いて、この問題についても検討すべきだ、私はそういうふうに思います。  それから、副長官は、先ほどおっしゃったように、検討するとおっしゃっているんだから、ほんとうに地方自治体としての役割りを強化してやろうというんだったら、当然すみやかに検討しなければならないと思います。  私は、ある人の投書がここにありますので紹介しておきます。  前段は抜きにして、「ところが、毎年大量に発行される政府刊行物——その中にはまさに中央官庁ならでは収集できない統計その他の情報が載っているものも少なくないが——は、いっこうに公立図書館には無償配布されないのである。公立図書館こそは無料で、広く一般国民から情報を吸収できるところである。一体これはどうしたことか。政府が果して図書館機能を低く評価しているのか、政府刊行物が広く国民に読まれることを望んでいないのか。それならなんのために手間と金をかけて、数々の政府刊行物を発行するのか、私にはよくわからない。公立図書館が一般人と同じ値段で市販の政府刊行物を買っている姿は、政府と地方自治体との断絶を象徴しているような感じで、大きくは国民不在ということになるのではないか。」云々ということが、その新聞の投書の中に、図書館長をやっている人から出されております。私は、この声をすなおに関係機関がおくみ取りをいただきたいということで、この問題は終わっておきたいと思います。  それから、私は最後の時間を——この間図書館をいろいろ歩かせていただきました。現場も見せていただきました。そこで率直に感じた問題を提起して御検討いただきたい。あるいは御意見も聞かしていただきたいというふうに思うのです。  それは何かというと、図書館にはさっきもお話がございましたけれども、従来ここの職員には行(二)という体制と行(一)という給与体制があって、その行(二)の多くの部分の人たちを行(一)に移行するという給料体系の問題がありました。そこで私は、この間、館長さんにもお会いして、一体あなたのところの機能はどうなっているんじゃと聞いてみたら、二月二十六日現在員の表をいただきました。その表を見ると、あなたのところは全部で八百四十五名の人がおられて、そしてそのうち行(一)技術職員といわれる人、並びに行(二)の技術職員という人が全部で九十六名おるという数字になっています。そこで私は、それじゃこの八百四十五名のうちで九十六人が技術職、現場の人の声でいうならば現業というふうにいわれているけれども、これらの人たちが、一体どういう賃金水準にあるのだろうかということについてこの間お聞きしました。そうすると、事務職というのですか、行(一)の事務職といわれる人たち、あるいは指定職とか特例職、そういう人たち、あるいは一等級、二等級の人たち、こういう人たちの全体の数字はどのくらいになるのだというて聞いてみたら、五等級以上の人は三百五十人ぐらいはおりますというのが、この間寄せていただいたときのお話でした。そうすると、八百四十五人の人がおって、ざっと百人近くが現業の人たち、残りはといったら、したがって七百五十人ほどおられるそのうちで三百五十人以上、だから半数が五等級以上に事務職の場合はなっている。それじゃ現業といわれる人たちはどういう実態になっているのですか。行(二)職から行(一)職に移した。移したけれども、その人たちはそれじゃ五等級以上の人は何人おられますかといったら、十八人だ。百人低どの中から十八人ですから、まあざっと二〇%、二割の人しか五等級以上になれない。片一方の事務職のほうは五〇%からの人がなっている。しかも五等級以上のどこまで行きますのやと聞いてみたら、それは五等級までで、まあいろいろ配慮がちょっとありますというのがお話でした。片一方は二等級、一等級までずっと行く行政職がある。片一方は五等級どまりだ。一体これはどういうことなんだろう。  それじゃ、現業という人たちはどんな仕事をする人たちなんですかとここで聞いてみたら、私は現場も歩いてみたんですが、たとえばあの玄関を入っていくと、私は、初めは国会の衛視さんかいなと思った。それで聞いてみたら、いや、私は警務職ではございません、ここの監視といいます、こういうお話でした。それで班をつくって仕事をしていますのやけれども、館の出入りの問題とかそういう問題とか、あるいはこういう本を見たいのだけれどもどうだろうか。まあ都民相談室みたいな、あるいは図書館全体の相談室の相談員みたいな仕事もやっていますのや。聞いておったら、国会の警務職の人の仕事よりも、ああいうような仕事もしているかと思ったら、もっと図書館の中の全面的な仕事の中にまで入っておられる。そうですかということで、今度は控室まで入ってみた。控室というのか、たまり場へ行ってみた。そこにおられる人に、あなたたちは一体どういう賃金状態におるのですかと聞いたら、あの監視の人の一番偉くなっている人たちは、監視の中からなっていないのですね。事務職の人が来て保長補佐で、その人が一番偉い地位につく。そしてそのほかの人たちが、監視さんの一番古い人がやっと五等級までのところしかいかないのだ。月給も聞いてみたら四、五万円は、事務系統のほうに入っていかない人は古くなって差がついているというのが、どうも実態のようです。あの分野が、図書館については非常に重要な位置を占めたと私自身ずっと入っていってほんとうにそう思いましたよ。  このごろ地方自治体へ行ってごらんなさい。地方自治体の玄関口にどういう仕事がふえてきているかというたら、一番偉い人が入り口のところにすわりましょうが、いなかの市町村へ行ったら、一市長さん、町長さんがそこへ机をもってくるというのがはやっている。はやっているというのはどういうことかというたら、住民に、一番能力のある人が窓口へ出て、そしてそこでさいはいをして、あそこへ行きなさいという相談に乗ってやるというのが、一番民主的でみんなの期待を受けている。その仕事をやっているのが監視という人の仕事です。こんなりっぱな、図書館の中で一番権威のある仕事だなとそのときにそう思ったのですよ、入り口に入ったとき。ところが、その人たちの扱いというのは五等級どまりだ。なぜ監視の一番偉い人の地位にもつけないのだろうか、きわめて一般論ですけれども、私は、これについて館長さんの御意見を聞きたいと思うのです。
  126. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 現場と申しますか、現業の職員につきましてのだんだんのお話でございますが、私たちといたしましては、先ほど資料を差し上げましたが、九十六名という現業的職員があるわけでございますが、これらの点につきましては、行(二)から移行した職員、それら現場の職員の昇格問題については非常に努力はいたしておるのでございますが、何と申しましても、先ほど来もお話がありましたが、日本の給与体系におきましては、何といたしましても先生の御期待に沿うような抜本的な処置はできないわけでございまして、私といたしましては、そういう抜本的な改正の早からんことを期待しておりますが、いま現に九十六というこういう職員の現場をかかえておるものでございますから、そういうことは言っておられませんので、われわれといたしましては定数の確保、大蔵省へ定数をお願いするときにもこれらの点について大いに努力をして、一人でも多くの定数をちょうだいするということでやっておりますが、また一面、こういう職員が入るにつきましては、特別昇級のワク等も使えます場合におきましても、いま寺前先生のお話しになったようなことをよく頭に入れまして、これらの九十六の分野により多く配分をしていきたい、こういうふうな努力を重ねるわけでございますので……。
  127. 寺前巖

    寺前分科員 私はずっと歩いてみて、それだけじゃないのですね。というのは、図書館というのは古いりっぱなものが一ぱいありますよ。まさに日本の宝がいっぱいあそこにあるのです。日本の歴史をあそこでは全部知ることができるのだから。物が古くなっていったらいたむのだから、いたむものを永久に保存できるようにしていくということがまた大事な仕事だ。ところが、その仕事をやっている、そういう仕事をする能力のある人というのは、もう日本の国でも何ぼもないのですね。ほんとうにあの図書館の中にはそういうりっぱな能力を持っている人、失礼な話だが、あなたは一体賃金どうですか、聞いてみたら、これがやはり現業だということで五等級どまりだという話なんだ。私は、これは図書館にとって命だと思うのです。ところが、そういう人たちが技術職だという名前において、扱い方というのは低い位置をなぜとらなければならないのだ。いまの館長さんのお話だと、抜本的な問題だとおっしゃっている。そうだと思う。私は、抜本的に技術職を軽視するやり方というのを改善するために、これは一はだぬがなければならないということを思ったのですが、あなたの待遇は大臣職なんですから、そういうひとつ決意を私はここで示していただきたいというように思うのです。
  128. 宮坂完孝

    ○宮坂国立国会図書館長 ただいま実例をお引きになったのは製本の職員かと思いますが、この点につきましては、文化財同様な貴重な人的のものでございますので、これらの点につきましては、こういう公の席で申し上げるのもなんでございますが、先年三等級まで行った実例はございます。お示しのそうした技術職員につきましては、われわれといたしましては、その本来の貴重な技術にかんがみまして、将来十分処遇を与えていきたいというように努力いたす所存でございます。  また、先ほどちょっと申しおくれましたが、監視の点につきましては、これは法律論を申し上げますれば、両院の衛視は議長警察権の執行でございまして、公安職が適用されております。われわれの監視は、行(二)、それから行(一)に振り込みましても、公安職のような初年採用時におけると比較しますと多少劣ってまいりますが、これらはただいま先生お示しのとおり、単なる監視だけじゃないので、いろいろな仕事もあわせて行なっておるのでございますから、大蔵省ともよく御相談申し上げまして、処遇の改善に努力いたしたいと思います。
  129. 寺前巖

    寺前分科員 時間も本会議の始まる時間になりますので、これでやめますけれども、私はいまの監視の問題でいうと、監視の一番偉いポストを監視の中からなぜ選ばれないのだろうか、これも疑問に思いました。それから技術職という名前がついてしまったら、何で一せっかくの努力で三等級までというお話があったけれども、なぜそれじゃ三等級どまりにならなければならないのか。技術は技術の最高の形で、一番のところに持っていくというのがあたりまえだろう。それぞれの人があってこそ初めて図書館機能というのは運営されるのであって、事務の人が一番値打ちがあって図書館がもっておるというものじゃない。全部の人の力が合わさってできているのだから、技術職というのを差別的に扱っていくというやり方に対しては、基本的にやり直させるという、かたい決意を館長さん自身も持って、ひとつやっていただきたいということを要望して、私の質問を終わりたいと思います。
  130. 臼井莊一

    臼井主査 この際、暫時休憩いたします。     午後零時五十九分休憩      ————◇—————     午後三時四分開議
  131. 臼井莊一

    臼井主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  国会所管について質疑を続けます。山本政弘君。
  132. 山本政弘

    山本(政)分科員 きょうは四点についてお伺いしたいと思うのです。一つは宿日直の関係、それから一つは職員の昇給昇格、もう一つは増員の関係、あとは国会の土地の利用について、ひとつお伺いしたいと思うのです。  それで、初めにお伺いしたいのは宿日直のことですけれども、人事院の規則によれば、人事院規則の十五の九、第三条に、宿日直の定義として「本来の勤務に従事しないで行なう」業務となっているけれども、衆議院の宿日直の勤務に関する庁訓には、この「本来の勤務に従事しないで行なう」という部分がない。つまり、そのことは、国会職員の仕事というものが実は本来の勤務の延長ではないか、こういうふうに私は思うわけですけれども、衆議院の宿日直勤務に関する件では、これは庁訓の一号ですかね、これを宿日直だということで、私をして言わしむるならばこじつけたというようなことで、これは国会の職員に対して非常に不満があるわけであります。国会の仕事というのは皆さん御承知のようにたいへん忙しいし、そういうことに対して宿日直手当の若干の上のせで解決していいものかどうか。当然超勤というような形でやるべきじゃないだろうか。私はこう思うわけです。これが第一点。  もう一つは、私、初めて聞いたのですけれども、いま四日に一回という形で宿直勤務をやっている職場がある。ここに人事院の規則がありますけれども、これによれば、「宿日直勤務を命ずる際の注意」として、「当該勤務が過度にならないように留意しなければならない。」と、こう書いてある。ところが四日に一回という形になれば、一年間のうちに三カ月間実は宿日直をするということになる。これは、私は健康の管理上から見ても大きな問題になってくるだろうと思うわけです。  したがって、いま週休二日制などということがいわれておりますが、そういう時代に逆行する形ではないだろうか、こういう感じがしてなりません。したがって、その点についてどうお考えになっておるのか。この二点をまずお伺いしたいと思います。
  133. 知野虎雄

    ○知野事務総長 まず宿日直の問題でございますが、衆議院で宿日直をいたしまするのは会館、宿舎、自動車課というふうなところでございまして、確かに特殊な勤務情勢でございますから、宿日直についてはいま御指摘のような問題があろうかと思います。会館につきましては閉館時間というのがきまっておりますから、これは通常の宿日直の体制と見て差しつかえはございません。宿舎につきましては一応の門限というのがありますけれども、いわば国会議員の私的な生活でもございまするし、そういうふうな点で若干問題のあることは事実でございます。これは本来超勤でというお話もございますが、やはり宿日直の面もありますものですから、宿日直六百二十円に対しまして、七割の超勤をもって上のせをしておるという状況でございまして、私どもは宿舎の整備統合によりまして、できるだけこういう当日直の勤務というものを、何と申しますか、改善をしていきたいというふうに考えております。
  134. 山本政弘

    山本(政)分科員 宿日直の六百二十円プラス七割という話がありましたけれども、いまお話を聞けば、仕事によっては本来の業務の延長だと考えられる点もたくさんあるだろうと思うのです。特に会館の話がありました。これは議員個人のこともあるでしょうから、そのことに対して、やはり支障がないようにという勤務体制でなければならぬ、そうすると私はかなりの時間、本来の業務としてやはり考慮しなければならぬ問題があるのではないだろうか。同時に、率直に給与の点だけから申し上げても、超勤の時間と宿日直の問題とはかなり差があるような気がするわけですね。そうすると、そういう点に対して、私は十分な前向きの姿勢をとっていいのじゃないだろうか。この質問の始まる前にも分科会の委員の方とお話をしたのですけれども、それは当然のことだとこうおっしゃっておる。とすれば、ぜひそのことについてはひとつ前向きに考えていただきたい、こう思います。その点もう一度……。
  135. 知野虎雄

    ○知野事務総長 四十八年度予算におきまして超勤がかなりふえております。このふえております超勤を使いまして当日直、ただいまのような勤務体制にある人の改善を十分にはかっていく考えでございます。
  136. 山本政弘

    山本(政)分科員 再度押し返して申訳ないのですが、同時に、ひとつ正規に超勤の手当というようなことについてもお考えを願いたい。もう一ぺん、その四日に一回という点についてもひとつぜひ十分配慮をお願いしたい。  それと関連いたしましてもう一つお伺いしたいのは、確かに宿日直ということでいけば、あとで時間があればお伺いしようと思いますけれども、定員との関係もあって、労働条件としてはたいへんきびしいものがあるだろう、こう思うのです。その際、閉会中の会館の開館時間の短縮というものは考えられないだろうか、あるいは日曜祭日という場合に、私はときどき日曜も利用させてもらっているのですけれども、しかし、国会の職員のことを考えれば、日曜祭日については、あるいはやむを得ない場合には祭日でもいいと思うのですけれども、閉館という方向にいくことはできないものだろうか。この点、ひとつ事務総長が率先して動かれるというお気持ちはないか、この点いかがでしょう。
  137. 知野虎雄

    ○知野事務総長 まことにありがたい御配慮、感謝にたえない次第でございますが、本来議員会館は、国会法によりまして公的に議員の便宜に供された公の事務所でございまして、本来、日曜祭日というものは休むのが至当でございます。われわれは、前にも議院運営委員会にそういう提案をお願いしたことがありましたが、いままではいろいろの環境の不整備もありましていれられませんでした。これは私の年来の考えでございます。ただいまたいへんけっこうな御提案をいただきましたので、私は、直ちに議院運営委員会に向かいまして、日曜祭日の会館の閉鎖並びに閉会中における開館時間の短縮を提案を申し上げさせていただきます。どうぞ、党における取りまとめについて格段の御協力をお願いいたします。
  138. 山本政弘

    山本(政)分科員 たいへん前向きな答弁をいただきましてありがとうございました。その点については、私も党のほうに対しては努力してみたいと思います。  第二番目に昇格の問題でありますけれども、ここに資料がありますけれども、この資料によりますと行e表の三、四、五等級、それから別表の一、二等級の頭がたいへんひどいような感じがするわけです。しかも、その頭打ちがひどいということと、それから間差ダウンもありますね。そのために、昇格ができてもまた間差ダウンのところを歩かなければならぬという問題があるだろうと思う。これはある意味では悪循環を来たしておるのじゃないだろうか。衆議院の職員の組合員を見ますと千四百四十数人おりますけれども、この人員構成が実は四十歳を頂点にして、富士山といいますか、そういう形になっておるわけでありますけれども、これは将来の問題にわたっても深刻な問題になっていくんじゃないだろうか、こんな感じがするわけです。来年度予算で行〇二等級の定数を中心に若干の定数増というものはありましたけれども、しかし行き詰まりという点から見ればそんなにたいしたものではない。つまり、焼け石に水というのはオーバーかもわかりませんけれども、そういう感じがするわけです。ですからその点で、特に行(一)の表の三、四、五等級の定数増を大幅にはかって、行き詰まりを是正をしてもらいたい、これが一つであります。  これは前に私どもの党の分科会の委員がお願いしたかもわかりませんけれども、女子の職員について、特に五等級への昇格が男子よりかおくれているのじゃないだろうか、こういう感じもするわけであります。その点についてもぜひひとつ配慮をしてもらいたい。この点いかがでしょう。
  139. 知野虎雄

    ○知野事務総長 まず、二、三、四、五等級の定数増の問題でございますが、これは御承知のように、現在課長補佐、係長というところでございまして、課長補佐も二等級に行ける道が開かれております。これは、毎年山本先生から御心配をいただいておるところでございますが、実は衆議院の職員定数千八百名ございますが、二等級、三等級、四等級、五等級というところに、一般職並びに速記、警務合わせまして、それに相当する職員の総数が千二十名でございます。これは実は総職員の六〇%という数になっておりまして、私どもは、議会の職員が一般の行政官庁と違いまして、一般国民に底辺で接するということと違って、国会議員との関連においてこういう職員が非常に多い、多くなることは当然のことだということで、いままでふやしてまいったわけでございますが、この数がいかに二、三、四、五等級で多いかということは、もうはっきりしておりまして、そういう意味では、われわれは従来もかなり改善をしてきたと思います。  ことしも二等級につきまして十名から二十三名、三等級につきましては百二十七名から百三十五名、係長の四等級は五十五名から六十四名、主任が五等級で十九名から二十八名というふうに、実は非常に大幅な増加を示しております。この辺は議会職員の特殊性からいいましてかなりむずかしく、限度に来ているような状況もございますけれども、今後とも最も充実しなければならないところとしまして、さらに定数増ということには努力をしてまいりたいと考えております。  それから頭打ちという問題がございましたが、現在ほんとうの意味で頭打ちをしておりますのは、行(一)表の三、四、五等級では二名でございます。それから速記、警務でも一人でございますが、問題は、先生が先ほどおっしゃいました間差ダウンという問題でございます。この間差ダウンというのは、一般職の俸給表に準じてつくられました国会職員の各種の俸給表の正当な等級表に基づいておるものでございまして、どの俸給表にもそういう場所が若干あることはやむを得ないわけでございまして、それだからといって、間差がダウンするまでの間に全部上に上げてしまうということもなかなかむずかしい問題がございまして、今後とも御趣旨を体して、定数の増については努力をしたいということで御了承をいただきたいと思います。  それから女子につきましても、衆議院では女子の五等級への昇格というものをかなり大幅にやっておりまして、男子とまるまる同じというわけにはまいりませんけれども、そういう意味ではかなり前進的なと申しますか、そういうつもりでやっておるわけでございます。
  140. 山本政弘

    山本(政)分科員 ぼくはまるまる同じにしていっていいのではないかという感じがするのですけれども。  一昨年でしたか、私やはり同じように質問したわけですけれども、今度速記職員の主張でありました速記職表の一等級の頭打ちの解消がとられました。これは一応近いうちに結論が出てくるだろうと思うのですけれども、このことに対しては、事務総長たいへんお骨折りいただきまして、一昨年の意見がいれられたのだと私、感謝しておりますけれども、その事後処理の問題ですね。今後この施行に際しまして、行(一)の二等級の暫定定数の確保、それから行(一)の二等級の在級者と速記職一等級延伸部分の在級者との調整、そういう運用の面が多分にあると思うのです。そういう点について、ひとつ職員の意見を十分に反映をしてもらいたい、そういうことを申し上げまして、速記職表の二等級から一等級への昇格の問題についてちょっとお伺いしたいと思います。  速記職の二等級から一等級への昇格の資格があるのに昇格ができないという実態があるのではないだろうか。最近特にそれが目立っておるのではないかと思いますが、昇格が依然として困難である。そこで結果としては速二等級の上位号級に人員が滞留している、そういうことがあるだろうと思う。そして、それが速三等級から速二等級への昇格もおくらしておる、こういう事態を招いておるのではないだろうか。これは級別の定数で縛られているということもありますけれども、これをひとつぜひ拡大をはかってもらいたい。そうして、速一等級への昇格がスムーズに行なわれるようにぜひ配慮してもらいたいと思うのですが、この点についての総長のお考え方をぜひひとつお聞かせ願いたいと思います。
  141. 知野虎雄

    ○知野事務総長 速記職の一等級と申しますのは、御承知のように速記監督でございます。現在、速記者定数約百六十名のうちで三十名以上のものが実は速記監督でございまして、これは校閲、校正等でございますので、これをあまりふやしてまいりますと、実は書く人が減ってしまうというジレンマがございます。それで、資格があるといいましても、そういうふうに資格のある人というのは二十名ぐらい、見方によってはあるかもしれませんが、これをやってしまいますと、書く人がだんだんなくなって監督はかりになってしまったのでも困るという実情でございます。
  142. 山本政弘

    山本(政)分科員 私は、監督だという問題もあるかもわかりませんけれども、一つは昇格という問題が昇給という問題にもからんでくるだろうと思うのですね。それで、いまから五、六年前のあれを見ますと、約二分の一の人が昇格できている。ところが、最近は四分の一ぐらいになって、ごく最近には六分の一ぐらいの人しか昇格ができておらぬという実態があるのではないだろうかという感じがするわけですね。その辺を考えるとぜひ——私は速記職の実態というものをよく知りませんけれども、昇給、昇格、こういうことの関連を考えますと、そういう点はあまりそういうことにこだわらないで昇格というものをしていいのではないだろうか。しろうとですからよくわかりません。しかし、その点をやはり考えていただいていいのではないかという感じがいたしますが、この点についてもう一ぺん、すみませんが……。
  143. 知野虎雄

    ○知野事務総長 現在速記の二等級におります者が五十名ぐらいおりますが、暫定一等級といいますか、給与の面では一等級に行っている者がすでに二十名ぐらいおります。そういうふうなところは順次、少しずつでも改善はいたしますが、一等級に持っていって監督にするという点につきましては、ほぼ限度にきておるのではないかと考えております。
  144. 山本政弘

    山本(政)分科員 それでは議警のほうに移りたいと思いますけれども、議警職表の特一等級については、これは昨年私質問いたしました。そのときには十分配慮をしていきたいということでありましたが、今後その運用について、衛視長への昇任と同時に特一等級に昇格させるお考えがないのか、これがまず第一点。  もう一つは頭打ちの解消の問題ですけれども、議警職の二等級から一等級への昇格人員というのが、定数の関係もありまして、これがまた非常に少ないという感じが私はするのです。そういう問題について、今後の、総長として解消策をお考えになっておるのかどうか、この点をひとつぜひお伺いしたいのです。
  145. 知野虎雄

    ○知野事務総長 衛視長になりますと、まず一等級になりまして、それから特一等級ということになるわけでございまして、これは特一等級というものが新しくつけ加わりまして改善されたわけでございますが、衛視長になりましたら初めから特一等級にする考えはないかということでございますが、やはりこれは一等級、それから特一等級というふうに歩ませていきたいと考えます。  それからもう一つ、二等級の問題は、これは衛視副長がランクされておるわけでございますが、定数だけの問題でもございませんのは、衛視長のもとに副長がいるという、いわば警察体制といいますか、指揮系統がございますものですから、ある程度衛視長のもとに副長が何人かいるという形が一応考えられる形でございます。
  146. 山本政弘

    山本(政)分科員 なぜ私、申し上げるかといいますと、特一等級がつくられる前に比べると、行(一)の二等級への移行の一年かあるいは二年ぐらい実はおくれているのではないだろうかという感じがするのですよ。ですからあえて御質問を申し上げたので、あるいは問題があるかもわかりませんが、そういう点があるのでぜひお考えをしていただきたい、こういうことなんです。
  147. 知野虎雄

    ○知野事務総長 確かに御指摘のようなことがございまして、私も前に山本先生に、不利にならないような配慮をいたしますということを申し上げたわけでございますが、前に特一等級がありませんときに一等級から行(一)二等級に持っていきました——年数等にいろいろ問題がございますが、実は特殊な例でもございました。だれでもかれでもがやったということではございません。そういうわけで、従来よりは損をさせるつもりはございませんけれども、特別優秀と申しますか、特殊な事態をもってすべてに当てはめるというわけにまいらぬものですから、ただいま申し上げましたような答弁をいたしたわけでございまして、御趣旨はよくわかっております。
  148. 山本政弘

    山本(政)分科員 速記職の問題、それから議警職の問題、この別表関係について申し上げたのですけれども、ほかにも最近の行(一)表の動きを見ますと、五等級主任あるいは四等級係長、それから二等級の課長補佐というように、ランクアップの傾向といいますか、それが行(一)表各等級の行き詰まり是正のためのゆるみが出てきているように思います。そういう点を考えると、何かランクアップの措置が講じられていいのではないかという感じもするわけでありますが、何かその点について事務当局のほうでそういう点をお考えになっているのかどうだろうか。その点ひとついかがでしょう。
  149. 知野虎雄

    ○知野事務総長 この点は確かに行(一)のランクアップという問題がございまして、実はそのことにも関連をいたしまして、速記職の抜本改正ということを、御協力を賜わりまして今度果たしたわけでございまして、一等級の一番上にさらに六号を追加するということで、その点は速記者とも十分意見を聞いた上でやったことでございますので、そういう意味では見合ったかと思っております。  それから議警職につきましては、前にすでに特一等級というものが設けられております。  そういう点で大体の均衡はとれたのではないかと思いますが、いろいろ各給料表適用者のうちには、それぞれ独自の比較のしかたをすることもありましょうから、将来さらにそういう点の不均衡があらわれますれば、また前向きに考えていかなければなるまいと存じます。
  150. 山本政弘

    山本(政)分科員 私、四十四年にもお伺いをしたのではないかというふうに思うのですけれども、衆議院で分館ができましたね。分館ができてから会議時間の増加が特に多くなってきた。一日の速記時間が、ここに表がありますけれども、十年前の五割ぐらいふえているのではないだろうか。これからもそういう時間がふえてくるのではないだろうかと思うのです。しかも片一方では会議録をできるだけ早くつくれというようなこともいわれておる。それを比べてみますと、速記者の増員というものが昭和三十八年以降十年間で大体一割の増加と見ていいのではないだろうか、こう思うわけです。ですから、そういう意味では、十四、五本の委員会が開かれますと、いまの速記者の数でそれをカバーすることができるのだろうかというふうに実は私は疑問を持つわけです。  同時に、しかしそれは速記者だけではないのではないか。ほかのところにも人員増が当然あっていいのではないだろうか。あるいは欠員の補充があってもいいのではないだろうか。こういうふうな感じがしてなりません。  そういうことで、たしか一昨年の分科会だったと思います、知野事務総長にお尋ねをしまして、総長は、過重労働解消のために十分の配慮を行ないたい、こう私は答弁をいただいたと思うのですけれども、そういう意味で、ひとつ欠員補充といいますか、人員増といいますか、そういう点をぜひ考えていただきたい。  特に、聞きますと、印刷の技術者あるいは用務員等にも欠員がある、こういうことを聞いております。民間でも印刷の技術者なんというのはこのごろは非常に初任給よくなりまして、つまり改善をされて、そして人員を補充するというようなこともある。そういうことから考えてみても、当然事務当局としては配慮していいんではないだろうかというふうに思いますので、その点についてひとつぜひお伺いしたい。
  151. 知野虎雄

    ○知野事務総長 まず速記者の増員問題についてお答えをいたします。  ただいま山本先生、十年前に比べて五割増しというお話でございました。確かに十年前というのは非常に少ない時間、私も覚えておりますが、千七百時間ぐらいしかないのでございますね。これは、実はそのときの議会が会期末にちょっとした混乱がありまして、閉会中審査というものができませんで、まるまる閉会中の委員会というのはゼロでございました。それから、秋になって臨時国会が開かれましたら解散でございまして、私どもは覚えておりますが、いわば、ここ十数年来のうちで一番議会がそういう意味ではひまだった時期でございまして、このときをもって五割増しというのはちょっと私も異論がありまして、その翌年になりますと二千五百時間というふうな膨大な時間になっておりまして、現在、ここ二、三年よりははるかに多いわけでございます。  そういう古い話は別にしまして、四十四年を基準に、四十四年に新しく委員会の庁舎ができましたときを基準にして見ますと、その前の三年間というのは大体二千百時間くらいでございます。それから四十四、四十五、四十六年というのが二千三百時間くらいでございまして、大体一割ぐらいの増でございます。それで、四十七年になりますとまた二千百時間というふうに下がってございます。そういうことで、大体四十四年を基準にしまして、前後三年間を見ますとちょうど一割でございまして、速記者の増員の一割とぴったりと見合うわけでございます。私は、当時委員会の庁舎ができましたときには、もっと委員会の時間数がふえるんではないかという心配もございまして、そういう場合には、様子を見た上で速記者の増員をはかりたい、こういうことを申し上げたわけでございますが、その後、委員会にはやはり定例日等もございまして、時間がむやみにふえていくという趨勢にはないようでございます。現在、そういうふうな推移を見ながらまいりますと、大体四十四年以降十五名の速記者を増しましたところで何とかやっていけるのではないかというふうに考えております。
  152. 山本政弘

    山本(政)分科員 四十三年二千百時間、四十四年、お話しのように二千四百時間になっておるわけですね。そして四十五年が二千三百時間、四十六年が二千四百時間、時間からいえば大体三百時間ぐらいふえているんではないだろうか。そして一日当たりの最高時間というのは、やはり六十時間から七十一時間ぐらいの間ではないだろうかということになると、私はやはり一割では少な過ぎるんじゃないかという実は感じがするわけです。数字を一割というふうにお出しになったので、あえて私申し上げるのですけれども。  それともう一つは、これは私の個人的な考えですからあるいは普遍的でないかもわかりませんけれども、やはり速記が、会議録が、私自身はできるのがかなりおそいという感じを受けているのです。そういう点を考えますと、やはり人員増というのが必要ではないんだろうか。これは私の感じですからよくわかりません。しかし、昭和四十二年といまと比べると、かなり会議録の作成というのがおくれているような感じがする。これも私は人手の不足のせいではないだろうかという感じがするわけです。ですから、そういう点では、ことばを返すようですけれども、やはり人員増というものをひとつぜひ考慮してもらいたい、こう思います。
  153. 知野虎雄

    ○知野事務総長 速記の諸君にはたいへん御苦労をかけておりまして、忙しいときには一ぺんに十五も委員会を受け持たれるという場合もございます。過去三年間、一ぺんに十五、十四、十三などというのは実は非常に少のうございまして、平均をいたしまするとそれほどでもないのでございますが、そういうときには速記監督にも出ていただく、それから速記者養成所の研修生にも出ていただくというような、ピーク時における非常措置もとるような手配をいたしております。  これは委員部の諸君も同じでございまして、分科会なんかがありますと、現に庶務部あたりから、委員部の経験者その他が何名か応援に出てこなしておるということでございます。  なお、速記者にはやはり適正な一日の負担量というものがございましょうから、今後の推移を見ながら、なお必要があります場合には増員をしていかなければならない場合があろうと思います。  それから、先ほどちょっと申し落としましたが、一般職員の増員問題がございましたので……事務量が増加しておるかどうかということの認定というものはなかなかむずかしい問題がございまして、われわれの経験で、もっと忙しい時期にもっと少ない定数でさばいてきたこともございます。それから施設を拡充をいたしましたが、機械類の複雑化によりまして人が多くなったものもありますけれども、逆に設備が近代化したことによりまして管理要員が少なくて済むという場合も、たとえば昔は第一、第二、第三の木造の会館がございまして、これには百五十名ぐらいの人間が従事しておりましたが、現在第一、第二合わせましても百名ぐらいのものでございます。それから、やはり事務機械等がずいぶん進んでまいりまして、その中で浮いてきたものもかなりあるわけでございます。それから、たとえば会館でございますとか別館でございますとか診療所、自動車課、それから警官詰所、供待と、広範な範囲で清掃関係を外注いたしております関係で、その分からも浮いたものもあるわけでございまして、私どもはそういうものを有効に別のところに転換をいたしまして、議会の職員の配置転換、そういうことも考えてやってきたわけでございますが、ただ数だけふやせばいいというわけにもいかないところもございまして、やはり質の向上でございますとか、優秀な人を入れるとか、そういうふうなことをやる必要もございます。  それからさらに、ことしの六月には九段に新しい議員宿舎ができまして、それに伴いまして宿舎の整備統合が行なわれまして、さらにまた人が浮くというふうな問題もあるわけでございます。  そういうふうに、私どもは良心的に、われわれの手でやるべきものは全部やるという体制をとりまして、なお将来議会の審議を充実するためにほんとうに人が必要であるならば、遠慮なくこれはもらってくるというかまえでおりまして、ことし、来年あたりはいまのところはそういう定員でもってやっていける、したがって定員の増は要求はいたしませんでしたわけでございます。
  154. 山本政弘

    山本(政)分科員 総長がそういう意味ではたいへん心配なさっていることは、私はわかるのです。ただ、二年前に分科会で私がお伺いしたときに、やはり過重労働は解消するということであったわけです。二年前の時点といまの時点の中で、そう私は大きな変化というものはなかっただろうと思う。したがって、そういう意味ではひとつもう一ぺん……。それはもちろん事務が簡素化をされたとかあるいは機械化されたという点もあるのでしょうけれども、しかし、そんなに二年間の間に変革があったとは私は思いません。そういう意味で、ことばを押し返すようですけれども、やはり過重労働の解消のためにはぜひひとつお骨折りを願いたい。ということは、職員がもし不満があれば、そういう不満というものは解消するということが事務当局の責任においてなされなければならぬだろう、こう私は思うのです。ですから、そういう点について、ぜひ配慮をしてもらいたい、こう思うわけであります。  最後にお伺いしたいのですが、これもおととしでしたか、私、土地の問題でちょっとお伺いしたことがあります。それは、もし新たに建物を建てるような場合には、職員の健康のことも考えてひとつそういう設備を整えてほしい、こういう要望を申し上げたことがありますけれども、今度はお話に聞けば、国会周辺の土地を買収なすったということも聞いております。そういうことに対してお償い入れになった土地の将来の利用計画を一体どういうふうに事務当局としてはお考えになっておるのか。これは、先ほどの話と関連をしまして、十分なやはり配慮をしていただかなければならぬだろう、こう思いますので、将来の利用計画についてぜひ、何かお持ちであれば聞かしていただきたいと思います。
  155. 知野虎雄

    ○知野事務総長 これは、都市計画によりまして国会周辺が中央官衙地区に指定をされまして、そこにあります土地を四十五年から順次買収をしてまいったわけでございますが、この買収いたしました土地の将来の利用のことでございますが、一つは議事堂、衆議院の南側に当たる部分がございます、いま総理府それから記者会館が建っておる下のところに。これは将来衆議院庁舎と申しますか、事務局庁舎と申しますか、それを建築する予定でございまして、これには、実は将来の衆議院の定数是正問題に関連しまして、現在会館の部屋をふやさなければならないという問題がございます。ここに現在間借りと申しますか、おります事務室というものの移転をする必要が考えられます。  それから、現在印刷局の国会工場というのがこの地下室にあるわけでございまして、これをどうしても日の当たる場所に出してやらないと、何十年もこういうことで御苦労をかけておりますし、大蔵省の印刷局長からもたって要請がございますから、それをまた移さなければなりません。  それから、地下三層にわたる駐車場もそれに持つ必要がございます。  さらに、電話交換の新しい設備を入れなければなりません。  それから、先生お話がありました国会周辺から国会職員のそういう運動施設というものがなくなっております。これは議員につきましても同じでございますが、もう少しそういうふうなものも確保しておきたい。  さらに、私どもが考えておりますのは、議員の健康検査センターというものをどうしてもワンフロアーを取らなければならぬというのがございます。これは議員さんの現状というものが、実は非常に過激でございまして、委員会、本会議のほかに党務がある。それから夜行でもってトンボ返りをされて、いなかに行けば選挙区ではまたたいへんだ。こういうことで議員さんの心臓、それから肝臓といいますか、高血圧といいますか、いわば過労病ばかりでございまして、これは事務総長としてはどうしても看過できない問題でございまして、それで病院においでになって検査をするとなれば半日、一日飛んでしまいますものですから、つい医務室かなんかで簡単な注射でやる。それで手おくれになる。そのために、どうしてもまとまった医療健康センターと申しますか、そういう検査施設を置いて、国会議員の健康管理ということには将来ともやっていかなければなるまいというふうなことで、ここに衆議院庁舎というものを、地下三、四脚、それから地上六階くらいのものを建てまして、国会周辺の整備を完成したいというのがわれわれの考え方でございまして、九段の第二期工事の議員宿舎のために若干おくれておりますけれども、それらと並行してこれを完成したいと思っております。  それから、図書館側にございます衆議院が買収しております土地の一部分は、図書館の将来地下倉庫、書庫がございます。それにやはり分けてあげなければなるまい。  それから、いま議員会館のほうの側に買収いたしておりますもの、あるいはこれから買収します予定地のものでございますが、暫定的には職員集会所なんかができるわけでございまして、けさもその答弁をいたしたわけでございますが、私どもがいろいろ考えておりますものの大きいのは、実は、現在国会周辺と申しまして、冷暖房の施設が各建物ばらばらにあるわけでございます。議事堂本館、それから衆参両院の会館、それから憲政記念館、さらにちょっと近いところでは総理官邸、総理府、記者会館、それから自民党本部、社会党本部というふうに、国会周辺だけでも、みんなそれぞれの冷暖房の煙突から煙が吹き出しておるというふうな状況がございます。これはやはり将来国会周辺の公害というふうなことを考えたり、燃料の問題を考えたりいたしますると、そう遠くない将来におきまして、国会周辺あるいはもっと広い範囲で、地域集中冷暖房の問題というものをどうしても取り組まなければならぬ時期がくるのではないか。そういうことのために、われわれはせっかく苦労して買収いたしました土地を有効に使っていただきたいというふうに現在考えております。  なお、そのほかにも高輪宿舎をつぶしたあと地なんかはございますけれども、単に職員とか衆議院だけのことでなくて、もっと大きい見地から、少ない——この辺で持っているのは衆議院ぐらいのものでございますから、大きい見地から、ひとつ皆さまにこれらの土地の有効な利用についてお考えをいただくようにと思っております。
  156. 山本政弘

    山本(政)分科員 計画としてたいへん何といいますか、環境を考えた計画がなされているようで、それは私はけっこうだと思います。同時に、議員の健康を考えることもたいへんけっこうだ。同時にしかし、きょうの質問の中で、私は土地利用を含めて四点のことを申し上げたと思います。そういう点では、土地の利用についても国会の職員のことをひとつぜひ考慮の中に入れてほしい。  それからもう一つは、前三段の質問に対していろいろ前向きの御答弁をいただいたことが多かったと思います。しかし、まだまだというところもあったと思います。そういう点について格段の当局の配慮をひとつぜひしてほしいと思うのです。  以上申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
  157. 臼井莊一

    臼井主査 以上をもちまして国会所管の質問は終了いたしました。     —————————————
  158. 臼井莊一

    臼井主査 次に、昭和四十八年度一般会計予算会計検査院所管を議題とし、会計検査院当局から説明を求めます。石川事務総長。
  159. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 昭和四十八年度会計検査院所管歳出予算について説明申し上げます。  昭和四十八年度会計検査院所管一般会計歳出予算の要求額は、三十四億五千百三十六万四千円でございまして、これは、会計検査院が、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づきまして、会計検査を行なうために必要な経費であります。  いま、要求額のおもなものについて申し上げますと、職員の俸給、給与、手当等といたしまして三十億四万九千円を計上いたしましたが、これは総額の八七%に当たっております。これらのうちには、会計検査の充実をはかるため、参事官一人及び調査官十二人を増置する経費も含まれております。  次に、旅費といたしまして二億六千百六十六万八千円を計上いたしましたが、このうちおもなものは、会計実地検査旅費が二億五千百八十万九千円、外国旅費が四百四十四万四千円でございます。  次に、施設整備費といたしまして三千八百三万六千円を計上いたしましたが、このうちおもなものは、庁舎内部塗装補修工事費でございます。  次に、ただいま申し上げました昭和四十八年度歳出予算要求額三十四億五千百三十六万四千円を前年度予算額三十億三千百三十二万八千円に比較いたしますと、四億二千三万六千円の増加となっておりますが、その内訳について申し上げますと、職員の俸給、給与、手当等におきまして三億六千百九十二万円、旅費におきまして六千六百四十八万五千円、その他におきまして五百十八万二千円、計四億三千三百五十八万七千円の増加でございますが、施設整備の経費におきまして一千三百五十五万一千円が減少となりますので、差し引き四億二千三万六千円の増加となっております。  以上はなはだ簡単でございますが、昭和四十八年度会計検査院所管一般会計歳出予算要求額概要説明を終わります。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  160. 臼井莊一

    臼井主査 以上で説明は終わりました。     —————————————
  161. 臼井莊一

    臼井主査 質疑の申し出がありますので、これを許します。田澤吉郎君。
  162. 田澤吉郎

    田澤分科員 二、三会計検査院長に御質問申し上げます。  御承知のように、国の予算が年々膨張いたしまして、たとえば一般会計を見ましても、昭和四十六年度は九兆四千百億円、四十七年度で十一兆四千六百億円、四十八年度は御承知のように十四兆二千八百億円になって、年々膨張いたしておるわけでございます。加えてその内容も複雑化し、あるいは高度化しているわけでございまして、国民はこの予算のあり方というものに対して大きな関心を持っている。同時に、この予算がどういうような結果をおさめるだろうかということに対しても大きな関心を持っているわけでございます。というのは、予算が大きいというと国民の税負担というものは非常に大きいものでございますから、どういうような形で予算が結論づけられるのだろうか、予算のときはえらいみんな大騒ぎをするけれども、結果が一体どうなるのかという報告が国民にはあまり知らされていないということが、よくいわれるものでございますので、そういう関係からいいますと、会計検査院に対する国民の期待というものは非常に大きい。今日はもちろんでございますが、将来ますます大きい期待となるものであろうと考えますので、この際、ひとつ会計検査院における検査活動の状況について、会計検査院長から御報告を願いたいと思うのでございます。
  163. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 御指摘のとおり、会計検査の対象も広範でございますし、また財政規模もますます増大しているわけでございます。  そこで、その検査の状況でございますが、職員およそ千二百人のうち、実際に検査の第一線に立ちまして、書面検査、実地検査を行なっておる者が約九百名ということになっております。  そこで、多少数字を用いまして検査の結果についてお話し申し上げますと、書面検査につきましては、四十六年度の検査の結果でございますが、歳入歳出等に関しまして相手方から提出されました計算書二十三万一千余冊、その証拠書類六千六十八万余枚につきまして書面検査を行い、また検査個所のうち約二千八百カ所につきまして、四万余人日をもちまして実地検査を行なっておるような状況でございます。  その検査の結果でございますが、不当と認めた事項、歳入につきましては租税の徴収過不足、歳出につきましては不経済な事項等、およそ金額にいたしまして十五億余万円が不当事項として検査報告に掲記し、国会の御審議に供しているような状況でございます。  なお、その他会計検査院法三十四条の規定によりまして、将来に向かいまして是正改善の処置要求をいたしたものが十四件ほどございます。  検査活動の状況は、概略以上でございます。
  164. 田澤吉郎

    田澤分科員 会計検査院法の第二十二条によりますと、「会計検査院の検査を必要とするものは、左の通りである。」ということで、一から六まであるわけでございますが、たとえば第一の「国の毎月の収入支出」を検査するとか、「国の所有する現金及び物品並びに国有財産の受払」を扱うとか、いろいろあるわけでございますが、ただいま会計検査院長からのお話で、大体この線に沿うて検査をしているのだ、そういうための人員を千数百人を配置しているのだということはよくわかりますが、最近の行政の複雑化、予算が膨大になっている、それから高度化されているというこの現状からいいまして、こういうような検査だけを進めておるだけでは、国民は納得しない。国民はもっと予算の投資効果というものを非常に期待しているものでございますので、この程度の検査だけをやる会計検査院であるならば、国民ほんとうに納得しないということなのでございます。  一例をお話し申し上げますと、この予算委員会で、きのうも公明党の岡本委員から話題になったのでございますが、農林省の国営開拓パイロット事業でございます。ちょうど私の県の岩木山ろくの地区が話題になったわけでございますが、この地区は、昭和三十八年から四十三年まで六カ年かかって、工費が二十一億五千二百万で完成された一つのパイロット事業なんでございますが、当初は御承知のように、昭和三十七、八年と申しますと、日本の人口がもうほとんど本州に集まって、・次三男対策をどうしようかということで始まったパイロット事業でございますから、確かに高い地域に開拓をするということは国策として当然やらなければならない仕事だったわけで、それで事業計画も酪農と果樹でこの地域を進めて、次三男をあの地域へ送ってやろうということで進めたわけでございますが、六年間の間に国の経済というのは、御承知のように大きく変貌いたしまして、だんだん今日の高度経済成長の姿があらわれてくるような昭和四十三年ころになったわけでございます。そういう関係から、昭和四十一年ころにもうすでに、酪農と果樹だけじゃこの営農計画が成り立たない、事業計画を変更しなければならないという事態に、農林省は追い込まれているわけでございます。  それで、今日いま問題になっているのは、もはや岩木山ろくというものは営農というよりも観光を中心とした、ですから、ゴルフだとかあるいは地下資源をおもに考える、いわゆる石油だとかその他のいろいろな今日の高度経済成長に合うような形のものをつくろうとするものがぼつぼつあらわれてまいりまして、この間つくったばかりの開拓パイロット事業というものに、ゴルフをやる人がもうすでに土地を買ったとか、あるいは石油会社がその土地を買い占めたとかいうようなことに相なっているわけなんです。ということになりますと、せっかく二十数億かけた開拓パイロットというものが、国の一つの経済的方向が変わったことによって、国の一つの政策の変更によって、経済的効果といいますか、予算的効果といいますか、投資効果というものが全くゼロに近い状態になっているわけですね。  これを先ほど申し上げました第二十二条の規定からいいますと、あなた方が検査をいたしますと、国の毎月の支出なり現金及び物品並びに国有財産の受け払いの点からいいますと、これは間違いない事業で、会計検査上からいうと間違いございませんというデータが出てくる、報告が出てくる。しかし、実際に現地に行ってみて、この開拓パイロットというものをながめてみますと、過疎ということも加えて、非常にさびしい一つの地域が生まれているわけなんですよ。こういう地域が単に青森だけでなく、現にやっている兵庫県の北淡路地区、これは三十七億一千万というもので現にいま発足しているわけでございますが、こういうこともある。これは単に農林関係だけじゃなくして、商工の面でもあるいはまた教育の面でも、他のいろいろな役所にこういうものが出てきておると思うのです。こういう点をあなた方は一体どう扱おうとしているのか、どうしなければならないかということを、あなた方はお悩みになったことがあるか。あったとしたならば、今後こうしなければならない、確かにありましたというようなことを、ひとつお聞かせを願いたいわけでございます。
  165. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 御指摘、まことにごもっともであると存じます。会計検査院の検査、むろん計数的な検査も必要でございまして、決算書にあらわれた、表示されました数字が正当であるかどうか、事実を反映しているかどうかという点についての検査をゆるがせにすることは、むろんできないわけでございますが、その実質面にわたりまして国費が効率的に使用されているかどうかという点についての監視も、また十分検討しなければならないものと考えているわけでございます。  そこで、先ほど申し上げました不当事項というものも、要するにこれは不経済事項でございまして、今後同種の事例を繰り返さないようにという期待をもちまして掲記をいたしているわけでございますが、さらに、先ほど最後に触れました会計検査院法三十四条によります改善の処置要求、これは単に個々の不当事項を指摘するにとどまらず、さらに将来に向かって予算が効率的に使用されるよう、そういう意味合いをもちまして十四件の処置要求が出ているわけでございます。  それで、御指摘の国営のパイロット事業でございますが、岩木山ろくにつきましては、記述はございませんが、検査をいたしました北淡路の開拓建設事業の実施につきましては、昨年の十一月十四日付をもちまして近畿農政局長あて、今後の事業計画を再検討いたしまして予算を効率的に使うよう、注意をいたしている次第でございます。
  166. 田澤吉郎

    田澤分科員 そこで私は、さらに御質問を申し上げるのは、たとえば防衛の予算を見ましても、三次防からいいますと、自動警戒管制、バッジシステムというのがありますね。それから地対空ミサイル、ナイキJ、ホークの導入というようなこと、四次防からいいますと、F4EJファントム戦闘機の配備というようなこと、あるいはまたT2超音速練習機の導入だとか、ヘリコプター搭載護衛艦の建造だとかいう問題が、現に防衛庁の問題でもあるわけです。それから社会資本の、公共事業の面でも、最も新しい新幹線の電車をつくるとか、あるいはまた関門トンネル。現にいま青函隧道も進められておりますよ。それから四国の三つの架橋というものも、これからできてまいります。さらにまた、原子力利用のための大きな事業というようなものも、これから進められていく。また現にただいまも進められている現状でございますので、こういうようないろいろな科学的な、また非常に専門的な知識を必要とするいろいろな仕事が、防衛庁をはじめ各省で現に行なわれておる。また、将来もっと高い次元のものが実施されようとしているわけですが、それに見合うようないわゆる会計検査院の体制というものを整えていかないと、国民ほんとうに期待している、会計検査院の方がほんとうに正しく会計の検査をしていただいて、われわれの税というものが有効に使われているかどうかということを検査してもらう機関が弱体化したとするならば、国民が大きな失望をするものであろうと考えますので、こういう点に関してさらに会計検査院が——会計検査院設置法からいうとおよそこういうものは書いておりませんけれども、将来やはりこういうものをやるという体制がどうなっているのか、ひとつお示しを願いたいと思うのでございます。
  167. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 御指摘、まことにごもっともでございます。近年の科学技術の向上に伴いまして、いよいよ専門化、細分化されているのが現状でございます。ただ、会計検査院といたしまして、これらの細分化された各部門ごとに技術系職員を採用するというようなことも、努力はいたしておりますものの、やはり待遇その他の関係で十分であるとは申せませんが、そういう努力をいたしまして、現在技術系の職員といたしましては九十九名、約百名の陣容をもちまして御指摘の防衛庁の検査であるとかその他に配置をいたしているわけでございます。そのほか技術専門官というものを、これはわずか一名でございますが、現在設置されておりまして、万般の相談に応ずるような体制をかまえているような次第でございます。
  168. 田澤吉郎

    田澤分科員 ただいま千二百十二名の職員のうちで会計検査に出向く人が九百名、そのうちの百名が専門的なことに携わる職員だ。さらに技術の専門官というのは一、二名よりないという状態では、これからますます予算が膨脹してくる、また高度化する、専門化する、こういう時代にそぐわないと私は思いますので、どうかひとつ、そういう点は、今後私たちも皆さま方に御協力いたしますので、ぜひともこれは思い切った改革をしていただきたいと思うのです。  何さま、皆さま方は御存じないかもしれませんが、私たちが外部からながめておりますと、会計検査院というのは、ほんとうにこまかいところに、重箱のすみっこをつっつくような形でやっておる。だから、おっかないものだということは、各お役所の方は知っております。そういう点では非常に効果のある役所でございますが、一たん、行政の効果、投資効率がどうかということになると、ただいまあなたからお話がありましたように、非常にさびしいものがあると私は思うのでございますので、今後さらに一そうこれに対処する対策を考えてほしい、またそういう気持ちがありますかどうか、さらにひとつお答えを願いたいと思うのでございます。
  169. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 最初の技術的な職員の充実でございますが、これは今後ますます充実していきたいと考えておりますが、そのほか部内におきましても、研修その他によりまして、土木なり建築なりという面におきましては、そういう検査に携わる者の知識は年々向上しているものとわれわれ考えているわけでございます。さらに、そのほかの機械でありますとか電気、これらも機会をとらえまして研修を行なうとともに、さらにそういった職員の配置、充実ということを考えてまいりたいと考えております。  それから投資効果の点につきましては、先ほど一つの事例で申し上げましたが、これは毎年の検査報告に、四十六年度につきましては北淡路の件が、検査の結果相手方に処置要求をいたし七おりますが、さらに四十五年度におきましては新線の建設につきまして、もっと予算を効率的に使うよう改善の意見を表示したものもあるわけでございまして、そういった点についての関心は、検査院としても近年ますます高まってきているわけでございますが、さらに御趣旨に沿うよう十分な努力をしてまいりたい、かように考えております。
  170. 田澤吉郎

    田澤分科員 そこで、先ほども事務総長から御報告がございましたが、実地検査の浸透度から見て、現在の会計検査院が検査報告に掲載している不当事項というものはあるわけでございますが、私も調べまして、昭和四十四年度の決算では百五十三件の十九億円、昭和四十五年度決算で百四十六件の十二億円、昭和四十六年度決算で百九十九件の十五億円ということになっているわけでございまして、これはおそらく氷山の一角だと思うのでございます。今回も二千八百件実地検査を行なっているということでございますから、私は、やはりこの実地検査というものをさらに徹底して進めるのが至当だと思いますので、そういう点についてのお考えを承りたいと思うのでございます。
  171. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 毎年検査報告に掲記いたします件数、金額、これはそのときどきの予算の内容によりまして、あるいはその結果によりまして一件で十億円というようなものが出ますれば、これは金額は非常に上がるわけでございますので、そういった特殊事情は除きまして、ほぼ最近は同じような状態であろうかと存じます。  検査の個所二千八百カ所でございますが、これは検査対象といたします検査個所の約七%ということでございまして、一見非常に少ないような数字でございますが、この全体の検査個所の中には、たとえば特定郵便局でありますとか国鉄の駅でありますとか、あるいは法務局の出張所というような、比較的単純な業務をいたしている個所もございますので、そういったものを除きまして、重要と認められる個所につきましてはおよそ三〇%、ということは三年に一回は必ずこれを見るという状況になっているわけでございます。その三〇%に該当いたします検査個所の中でもさらに重要と認められる個所につきましては、毎年検査を実施しているような状況でございます。
  172. 田澤吉郎

    田澤分科員 先ほどちょっと触れましたけれども、この四十八年度の検査院所管予算は、人件費が八七%でございますから、いずれも職員に対する——最近の科学技術の長足な発展に伴ういわゆる知識の向上というのが、一番私は必要だと思うのでございますので、ただいま職員数の千二百十二人に対して九百人が大体会計検査に出ていく、そのうち百名がいわゆる技術を持った人で、専門官が二、三おるというような状態でございますが、現在おられる陣容で、ひとつ専門的な知識向上のために努力してもらうと同時に、実際はどのくらいの陣容でどうすれば、理想的なまでいかぬでも、ややこれで満足に会計検査院としての仕事ができるのですよというような人員がどれくらいなのか、なかなか言いにくいことでしょうが、もし御説明でき得ますならば、お話し願えればよろしいと思うのです。
  173. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 非常にむずかしいお尋ねでございまして、これは一般の行政官庁でございますと、行政需要がありますればそこへ直ちに人員を増加するということができますけれども、会計検査というようないわば批判官庁と申しますか、そういう役所におきまして、何人が適正な人員であるかということは、非常に困難なことであろうかと存じます。要するに会計検査というものも、悉皆検査ということはもとより物理的に不可能でございまするし、また、検査のために相手方行政官庁の行政事務を阻害するようなことは、もとよりこれはあってはならないわけでございまして、そういう意味におきまして、要するに抽出検査というものをいかに合理的に行なうかということに問題はあろうかと存じます。私ども、過去の検査実績とかあるいは予算の内容を分析いたしまして、毎年どういう個所にどれだけの人間を投入するかということを検討しているような状況でございます。  現在の状況がこれで理想的かどうかということになりますと、直ちに確たる御返事はいたしかねますが、旅費等につきましても年々増額を見ておりまするし、およそ現状におきましても検査の上で、全体の状況を見る上にそう支障があるとは考えられませんが、さらにそれらの点につきまして努力をしてまいりたい、かように考えております。
  174. 田澤吉郎

    田澤分科員 旅費に関しては、会計検査院の性格からいいましても、これはやはり普通のあり方とはちょっと違うと思いますので、そういう点は今後十分配慮していただきたい、こう思います。  さらにもう一つお伺いしたいのは、どういう法令にのっとっているのか知りませんけれども、たしか、かつて会計検査院に顧問を嘱託することができる、また現に置いたことがあるということを聞いておるのでございますが、たとえば戦前でございますが、大正七年から十四年までには三名、東大の工学部教授等が顧問として委嘱されているようでございます。また大正十四年から二十二年まで、これまた五名、やはり顧問として嘱託されているようでございますが、二十二年の十一月十三日以降、これが実施されていないようでございます。  そこで私は、先ほどもいろいろお話し申し上げたのですが、こういうように高度化されあるいは専門化され、また予算が膨張してくる、そして専門的なものを必要とするような時代になってまいりますと、必然的にこの顧問制なり専門委員制なりというものを置きまして、国全体の一つの施策なり、国全体の一つの方向なりというものをある程度相談を受けながらいわゆる会計検査をしていくということが、今後ますます必要になってくるんじゃないか、こう思います。原子力利用関係の仕事をした場合に、原子力の専門的な知識を持った人がかりに会計検査院の中にいなかったとするならば、大きな間違いを生ずるということになりますし、先ほど申し上げましたように、開拓パイロットを進める場合に、日本の経済の動向というものをほんとうに認識しなかったならば、やはり大きな間違いになりまして、それが資本投下の効率が非常に弱い、悪いという結果になるわけでございますから、今後、そういうような意味においてこの制度を活用する考えがないか、また専門的な人を委嘱していろいろ進めてまいる考えがないかどうか、ひとつお教えをいただきたいと思うのでございます。
  175. 石川達郎

    ○石川会計検査院説明員 御発言の御趣旨はまことにごもっともであろうかと存じます。顧問を嘱託することは、会計検査院法の規則におきましてこれができることになっておりますが、先ほどお話がありましたように、最近の科学技術の進歩に伴いまして、先ほどもちょっと触れましたけれども、非常にそれが専門化され、細分化されている。でありますから、そのすべての分野にわたりまして顧問を置くということになりますと、これは非常に多人数を要するわけでございます。これは常設的に置くというようなことは、いま特には考えておりませんが、臨時的に、コンサルタント的な意味で顧問を委嘱するというようなことは、十分に考えられることでございます。顧問につきましては大体そういうような考えを持っていますが、科学技術の面にどう取り組むかというような点につきましては、先ほどの技術専門官でありますとか、あるいはこれも検査院法の規定によりまして、必要のある場合は研究所、試験所なりに鑑定等を依頼することもできることになっておりますので、そういった面の活用をもあわせ考えてまいりたい、かように考えております。
  176. 田澤吉郎

    田澤分科員 これで私の質問は終わりますけれども、どうかひとつ、国の所有する現金及び物品並びに国有財産の受け払いの事務を会計監査するというだけにとどまらず、やはり国の予算が効率的に使われているかどうかということは、結局投資効果というものがほんとうにあらわれているかどうかということを国民が期待しているものでございますので、今後どうかひとつそういう点に留意されまして、会計検査院のあり方をつくりあげていただきたいということを希望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  177. 臼井莊一

    臼井主査 以上で会計検査院所管の質疑は終了いたしました。  次回は明三日、午前十時より開会し、内閣総理府所管について審査を行なうことといたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十四分散会