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寺前委員 それでけっこうです。私はこの質問については、本人が調べてみないと答弁できないとおっしゃるんだから、引き続いて聞きたいことがあるので、これは留保をしておきます。
それで次に移りたいと思いますが、私が先ほどから言っている問題は、何としても
政治と
財界との
結びつきというのが、ここにいろいろな問題が起こるから、どうしたってそこは明瞭にしなければいかぬ。だから
政治資金も、
国民の目から見ても明らかにするようにしておかなければだめだ、こういう問題として、具体的な事実で話をしないことにはこれは明確にならないから、何度もこのことをやかましく言っているわけであります。
そこで、大体三十七、八年ごろからずっと
映画産業全体の斜陽化の中で、この
大映という
映画会社がずっと
累積赤字を年々つくっていく、こういう
過程にあるこの
会社が、これだけのいわゆる
政治献金をするというのは、それなりの私はねらいがあるだろうと思うのです。ねらいなしにこういうべらぼうなお金は出さないだろう。これは一般の人が当然考えるところの常識だと思うのです。見返りがあることを期待をする、これは私は常識だと思うのです。そこで、黒い霧という問題がいつでも問題になります。
私はここで話をちょっと発展させます。話を変えますけれ
ども、
昭和四十年の九月二十二日に、
大映の社長でありました
永田雅一さんというんですか、
永田雅一さんが、邦画
関係の五社長とともに、
昭和四十年九月二十二日というその当時は、
田中総理は
自民党の幹事長でした。
自民党の幹事長であったあなたが——時事通信社が出している「
映画年鑑」という本を調べてみたら、一九六七年版にこういうことが書いてある。ちょっとそこの項を読んでみましょう。「
映画輸出伸長のための政府による金融措置は、多年にわたる業界の要望事項であったが、六五年」四十年のことですね。「下期になって、
永田映連
会長以下邦画各社長と
自民党首脳部との間で急速に話が進み、六六会計年度から実現の運びとなった。」四十一会計年度から実現の運びとなった。「すなわち六五年」四十年のことです。「九月二十二日邦画五社長は
自民党三役(前尾総務
会長、
田中幹事長、赤城政調
会長)を招き、
年間三十億円の融資方について要望した。これは
永田映連
会長が
自民党筋に従来から働きかけておいたのが奏功して、党側から
映画界に意向を打診してきたのがきっかけとなったものである。」あなたたちのほうから
映画界に意向を打診してきた。「五社長の要望は、映連
会長名でまとめられた陳情書に輸出
映画製作についての融資方お願いの件に尽くされている。」ということで、輸出
映画製作についての融資方のお願いの内容がそこに書かれております。「以上の要望を受けた
自民党側は、十月五日、有志によって、
映画産業振興に関する懇談会を開催、同席上に邦画五社長が出席して促進方を要請した結果、
自民党政調会商工部会内に
映画産業振興小
委員会を設置することを決定した。同
委員会は十月十四日、二十九日と会合を重ね、十一月二十九日の第三回会合で、金融措置に関する次の四案を作成した。」ずっと四案が出ております。そして「
自民党政調会は右の方針のもとに六六年度」
昭和四十一年ですね。「政府予算への折衝を行なったが、政府は六六年度予算編成にあたっては、新たな項、公団、特殊法人などの設立は認めないとの基本方針を貫いたため、特殊法人設立案は結局断念せざるを得ず、折衝
過程において、第二案がかわって採用されることになった。」そしてその第二案の概要というのは、「
資金運用部は輸出用
映画の製作
資金として、六六年度に総額二十ないし三十億円の興長銀債を引き受ける。各
映画会社は協力して社団法人日本
映画輸出振興協会を設立する。
興長銀は各
映画会社の連帯保証のもとに日本
映画輸出振興協会に対し前記金額を融資し、同協会は
映画製作
会社に対し適正な方法による審査を経た輸出用
映画の製作
資金を融資する」というもの、こういうふうにして日本
映画輸出振興協会というのをつくっていくことになりました。五社全部の同意で連帯保証のもとにこれがやられるということにはならなかったけれ
ども、借り受けた
会社の有限責任ということで解決して、
昭和四十一年の三月二十八日、
自民党政調会承認の輸出
映画振興金融措置要綱にまとめられた四項目の線に沿って細目を決定していくことになった。そうして四十一年の四月十五日に日本
映画輸出振興協会の創立総会を開き、
理事長、設立代表者の選任などをやって、十六日、東京通産局あて社団法人認可の申請書を提出した。そうしてこの輸出振興
会社というのができている。こういう経過が「
映画年鑑」の中に示されております。
当時の幹事長であった
田中さんが九月二十二日に、三役の
皆さんとそろってお会いになってこの話の相談をして、輸出振興協会へのこのずっと
過程についてはよく
御存じのはずです、ここに書かれておるんだから。よく
御存じだと思いますので、私は次に、この問題をめぐっての話に変わりたいと思うのですが、
総理、この経過についてよく
御存じですね。