運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1973-04-26 第71回国会 衆議院 本会議 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年四月二十六日(木曜日)     —————————————  議事日程 第二十六号   昭和四十八年四月二十六日    午後二時開議  第一 中小企業信用保険法の一部を改正する法     律案内閣提出)  第二 国際経済上の調整措置実施に伴う中小     企業に対する臨時措置に関する法律の一     部を改正する法律案内閣提出)  第三 教育職員免許法等の一部を改正する法律     案(内閣提出)  第四 農業近代化資金助成法及び農業信用保証     保険法の一部を改正する法律案内閣提     出)  第五 農水産業協同組合貯金保険法案内閣提     出)     …………………………………   一 発電用施設周辺地域整備法案内閣提出)     の趣旨説明   二 国務大臣の演説(沿岸漁業等振興法に基     づく昭和四十七年度年次報告及び昭和四     十八年度沿岸漁業等施策について)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣   提出参議院回付)  日程第一 中小企業信用保険法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  日程第二 国際経済上の調整措置実施に伴う   中小企業に対する臨時措置に関する法律の一   部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 教育職員免許法等の一部を改正する   法律案内閣提出)  日程第四 農業近代化資金助成法及び農業信用   保証保険法の一部を改正する法律案内閣提   出)  日程第五 農水産業協同組合貯金保険法案(内   閣提出)  経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣   提出)  生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊   急措置に関する法律案内閣提出)  国民生活を破壊する違法ストライキ回避に関   する緊急質問山中貞則提出)  春闘に関する緊急質問角屋堅次郎提出)  国民生活擁護スト権回復に関する緊急質問   (津金佑近君提出)  交通ゼネストに関する緊急質問沖本泰幸君提   出)  国民生活を混乱させる違法ストライキに関する   緊急質問塚本三郎提出)    午後三時五分開議
  2. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) これより会議を開きます。      ————◇—————  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内   閣提出参議院回付
  3. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) おはかりいたします。  参議院から、内閣提出住宅金融公庫法の一部を改正する法律案が回付されております。この際、議事日程に追加して、右回付案議題とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案参議院回付案議題といたします。
  5. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 採決いたします。  本案参議院修正に同意するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、参議院修正に同意するに決しました。      ————◇—————  日程第一 中小企業信用保険法の一部を改正   する法律案内閣提出)  日程第二 国際経済上の調整措置実施に伴   う中小企業に対する臨時措置に関する法律   の一部を改正する法律案内閣提出
  7. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 日程第一、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案日程第二、国際経済上の調整措置実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
  8. 中村梅吉

  9. 浦野幸男

    浦野幸男君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、商工委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、中小企業を取り巻く最近の諸情勢に対処して、中小企業者に対する事業資金の融資の円滑化をはかろうとするものでありまして、そのおもな内容は、普通保険付保限度額を二千五百万円から三千五百万円に、特別小口保険付保限度額を八十万円から百万円に、それぞれ引き上げるとともに、公害防止保険てん補率を七〇%から八〇%に引き上げること等であります。  次に、国際経済上の調整措置実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、本年二月に実施されましたわが国変動為替相場制への移行に伴い、事業活動に支障を生じている輸出関連中小企業者について、経営の安定と事業転換円滑化をはかろうとするものでありまして、そのおもな内容は、新たに認定を受けました中小企業者に対しまして、中小企業信用保険特例措置を講じ、特に、無担保保険については、付保限度額を別ワクで四百五十万円に引き上げるとともに、税制上の措置として、欠損金の繰り戻し還付の特例を行なうほか、法律有効期間を三年から五年に延長する等の措置を講ずることであります。  中小企業信用保険法の一部を改正する法律案は、三月九日当委員会付託され、国際経済上の調整措置実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、四月十三日本会議において趣旨説明及び質疑が行なわれました後、同日当委員会付託されました。  両法律案は、四月十七日中曽根通商産業大臣からそれぞれ提案理由説明を聴取し、以来、慎重に審査を重ねてまいりましたが、両案とも昨日質疑終了し、まず、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  次いで、国際経済上の調整措置実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、自由民主党日本社会党公明党及び民社党共同提案にかかる、輸出中小企業関連保証特例のうち、無担保保険付保限度額を五百五十万円に引き上げる旨の修正案提出され、修正案並び修正部分を除く原案について採決の結果、本案全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。  なお、両案に対しそれぞれ附帯決議が付されましたことを申し添え、以上、御報告申し上げます。(拍手
  10. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 両案を一括して採決いたします。  日程第一の委員長報告可決、第二の委員長報告修正であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第三 教育職員免許法等の一部を改正す   る法律案内閣提出
  12. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 日程第三、教育職員免許法等の一部を改正する法律案議題といたします。
  13. 中村梅吉

  14. 田中正巳

    田中正巳君 ただいま議題となりました教育職員免許法等の一部を改正する法律案について、文教委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、最近における学校教育の実情にかんがみ、教育界に広く人材を求め、教員の確保をはかるため、新たな教員資格認定試験制度を設けるとともに、免許教科を設けるなど必要な改善措置を講じようとするものであります。  そのおもな内容は、  第一に、免許状授与特例として、文部大臣または文部大臣が委嘱する大学の行なう教員資格認定試験合格者に対し、教員免許状授与することができるようにすることであります。  第二は、高等学校教員免許状の種類に看護及び看護実習教科を加えることであります。  第三は、教員資格認定試験により授与される高等学校教諭免許状は、高等学校の各教科のうち文部省令で定める一部の領域についても授与することができるものとし、これらの免許状を有する者が他の教科免許状を取得する場合についての規定もあわせて設けてあります。  第四は、盲学校ろう学校または養護学校の特殊の教科のうち、養護訓練を担任する教員普通免許状を有する者は、当該学校以外の学校においても同種の養護訓練を担任することができるものとすることであります。  以上のほか、大学における一般教育弾力化に対応することができるよう一般教育科目最低修得単位数についての規定を改め、また、高等学校助教諭免許状授与の場合の所要資格に関する規定等を整備し、なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。  本案は、去る二月二十日本委員会付託となり、四月十一日政府より提案理由説明を聴取し、自来、慎重審議を行ないました。これらの詳細については、会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて、四月二十日本案に対する質疑終了、次いで同二十五日討論に入り、自由民主党を代表して深谷隆司君から、本案に対し賛成意見が表明されました。次に、日本社会党を代表して木島喜兵衞君、日本共産党革新共同を代表して栗田翠君、公明党を代表して高橋繁君から、それぞれ反対意見が表明されました。  次いで採決の結果、賛成多数をもって本案原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、林大幹君外四名から、教員資格認定試験実施にあたっては、教員免許の本質にかんがみ、適切な配慮をなすべし等の附帯決議案提出され、採決の結果、異議なく可決されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  15. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  16. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第四 農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 農水産業協同組合貯金保険法案内閣提出
  17. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 日程第四、農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案日程第五、農水産業協同組合貯金保険法案、右両案を一括して議題といたします。
  18. 中村梅吉

  19. 佐々木義武

    佐々木義武君 ただいま議題となりました両案につきまして、農林水産委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、両案のおもな内容について申し上げます。  内閣提出農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案は、最近における農業者等資金需要動向に応じ、その資本装備高度化及び経営近代化を推進するため、農業近代化資金貸し付け対象者範囲拡大及び貸し付け最高限度額の引き上げを行なうとともに、農業近代化資金等の融通の円滑化をはかるため、農業信用基金協会債務保証を受けることのできる者及び農業信用保険に付することができる資金範囲拡大を行なう等の措置を講じようとするものであります。  次に、内閣提出農水産業協同組合貯金保険法案は、農水産業協同組合貯金者等の保護をはかるため、農水産業協同組合貯金等の払い戻しを保障するための貯金保険制度を設け、これを行なうことを目的とする農水産業協同組合貯金保険機構設立等について定めようとするものであります。  委員会におきましては、農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案につきまして、四月三日、また、農水産業協同組合貯金保険法案につきましては、四月四日、それぞれ政府から提案理由説明を聴取した後、他の金融関係法案とともに一括議題に供し、四月四日以降質疑を行ない、特に四月二十五日には参考人より意見を聴取する等慎重審議の末、四月二十五日に質疑を終局いたしました。  かくて、四月二十五日に両案をそれぞれ採決いたしましたところ、両案ともいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に対しましては、附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  20. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  経済企画庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出
  22. 中山正暉

    中山正暉君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出経済企画庁設置法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  23. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  経済企画庁設置法の一部を改正する法律案議題といたします。
  25. 中村梅吉

  26. 三原朝雄

    三原朝雄君 ただいま議題となりました経済企画庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、物価に関する総合的な施策を強力に推進するため、経済企画庁に新たに物価局を設置するとともに、経済企画庁長官の権限の強化をはかること等をその内容とするものであります。  本案は、二月十三日本委員会付託、四月十二日政府より提案理由説明を聴取し、慎重審議を行ない、本二十六日質疑終了討論もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  27. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内   閣提出
  29. 中山正暉

    中山正暉君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出簡易生命保険法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  30. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案議題といたします。
  32. 中村梅吉

  33. 久保田円次

    久保田円次君 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本案は、簡易生命保険の加入に対する保障内容充実をはかるため、定期保険及び疾病傷害特約制度を創設するとともに、家族保険制度改善をはかろうとするものでありまして、そのおもな内容は次のとおりであります。  まず第一は、定期保険制度を設けようとするものであります。  近年、低廉な保険料で高額の保障が得られる定期保険需要はますます増大する傾向にありますが、個人を対象とする定期保険の普及は、いまだ十分でありません。そこで、今回、被保険者保険期間の満了前に死亡したことにより保険金の支払いをする定期保険制度を創設しようとするものであります。  第二は、疾病傷害特約制度を設けようとするものであります。  従来、簡易生命保険では、被保険者不慮事故等による傷害について保障する傷害特約制度を設けておりますが、これに疾病による入院に対する給付を加え、被保険者のかかった疾病及び受けた傷害について総合的に保険しようとするものであります。  この疾病傷害特約は、簡易生命保険契約特約として付加するものであります。被保険者疾病にかかり、もしくは不慮事故等により傷害を受けて、その治療のため入院したとき、または不慮事故等により身体傷害を受けて死亡し、もしくは一定身体障害となったときに、一定保険金を支払うものであります。  第三は、家族保険制度改善をはかることであります。  家族保険制度改善は、最近における保険需要動向にかんがみ、被保険者たる配偶者及び子にかかる保険金額を引き上げる等、家族保険の被保険者に対する保障内容充実をはかろうとするものであります。  なお、この法律施行期日は、昭和四十九年一月一日となっております。  逓信委員会においては、去る二月十三日本案付託を受けまして、慎重に審査を重ねたのでありますが、四月二十六日質疑終了し、討論もなく、採決をいたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対して、三項目にわたる附帯決議を付したことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  34. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する   緊急措置に関する法律案内閣提出
  36. 中山正暉

    中山正暉君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  37. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案議題といたします。
  39. 中村梅吉

  40. 山中吾郎

    山中吾郎君 ただいま議題となりました生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案につきまして、物価問題等に関する特別委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  本案は、現下における経済情勢にかんがみ、国民生活の安定をはかるため、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置を講じようとするもので、おもな内容は次のとおりであります。  第一に、生活関連物資価格が異常に上昇しまたは上昇するおそれがある場合において、当該物資の買占めまたは売惜しみが行なわれまたは行なわれるおそれがあるときは、政令で、特別の調査を要する物資として指定することができることになっております。  なお、指定された物資につきましては、内閣総理大臣及び主務大臣は、価格動向及び需給の状況に関し必要な調査を行なうことになっております。  第二に、内閣総理大臣及び主務大臣は、さきに指定された物資を多量に保有していると認められる者に対し、適当と認められる売渡先及び売渡価格を指定し、期限を定めて、当該物資を売り渡すべきことを勧告することができることになっております。また、勧告に従わなかった者に対してはその旨を公表することとしております。  第三に、内閣総理大臣及び主務大臣は、必要な限度において、指定された物資の生産、輸入、販売の業務に携わっている者に対し、その業務に関し報告をさせ、または価格調査官にこれらの事業者及び倉庫業者等の事務所、倉庫等への立入検査、あるいは関係者に対し質問をさせることができることとなっております。また、立入検査等を行なわせるため、経済企画庁及び主務省価格調査官を置くこととするほか、虚偽の報告立入検査及び質問に対する拒否等に対しては、所要の罰則を規定しております。  本案は、去る四月五日本委員会付託され、十日小坂経済企画庁長官から提案理由説明を聴取した後、熱心なる質疑がなされ、特に生活関連物資品不足価格の高騰及び買占め、売惜しみの実態並びに一般消費者が受けた影響等について、参考人から意見を聴取し、また、大蔵委員会農林水産委員会及び商工委員会等との連合審査会を開会するなど、慎重な審査を重ねたのでありますが、その詳細につきましては会議録に譲ることにいたします。  かくして、本日質疑終了し、討論を行ないましたところ、日本社会党日本共産党革新共同公明党及び民社党からそれぞれ反対意見が述べられ、採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)     —————————————
  41. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  42. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  国民生活を破壊する違法ストライキ回避に関する緊急質問山中貞則提出)  春闘に関する緊急質問角屋堅次郎提出)  国民生活擁護スト権回復に関する緊急質問津金佑近君提出)  交通ゼネストに関する緊急質問沖本泰幸提出)  国民生活を混乱させる違法ストライキに関する緊急質問塚本三郎提出
  43. 中山正暉

    中山正暉君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、山中貞則提出国民生活を破壊する違法ストライキ回避に関する緊急質問角屋堅次郎提出春闘に関する緊急質問津金佑近君提出国民生活擁護スト権回復に関する緊急質問沖本泰幸提出交通ゼネストに関する緊急質問及び塚本三郎提出国民生活を混乱させる違法ストライキに関する緊急質問を順次許可されんことを望みます。
  44. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  まず、山中貞則提出国民生活を破壊する違法ストライキ回避に関する緊急質問を許可いたします。山中貞則君。   〔山中貞則登壇
  46. 山中貞則

    山中貞則君 史上空前の規模で行なわれつつあるゼネストを前にして、自由民主党を代表し、緊急質問を行ないます。(拍手)  最初に確かめておきます。田中総理わが国は厳然とした法治国でございますね。——法治国家であることを前提にして質問いたします。  政府は、二十三日、三公社五現業に対し賃上げの有額回答をされました。これは異例の決断といえましょう。すなわち、鉄鋼回答を待って行なわれていた感のある従来の方式を打ち破ったこと、さらに、四十一年以来ゼロ回答を続けてきた国鉄に、それも民間会社ならとうに倒産している年間三千億円をこえる赤字をかさ上げしているような経営状態の中で、しかも、今国会で運賃値上げ法案の審議中にもかかわらず、あえて有額回答をしたこと等を考えるとき、まさに勇断であり、有額回答を引き出すためといって、順法という美名のもとに違法ストに突入していた国労、動労等は、直ちにその闘争を停止しなければならなかったはすでありますが、(拍手)一部戦術ダウンがあったとはいえ、動労を中心に違法ストが続行されたことは、私どもには何とも不可解なことに見えてなりません。ましてや一般国民、それも直接被害を受ける国鉄利用者の方たちに理解されるわけがありません。だからこそ、一昨晩のような、各主要駅に発生した暴力的抗議も、起こるべくして起こったものといえましょう。(拍手)まず、この問題について総理の御見解を承りたい。わけのわからないことはこればかりではなく、むしろわけのわからないことが多過ぎます。この、世にもふしぎな物語に属することの二、三の例を伺ってみますので、国民にもよくわかるように説明してください。まずその一つ、スト権奪回ストというのは一体何ですか。スト権を奪回するということは、現在のわが国法律ではスト権がないということをみずから認めている何よりの証拠です。それが、禁止されている違法なストをやることによってスト権を得ようとすることは、違法な政治ストであり、その論理はナンセンスであります。(拍手)それから、順法闘争というのもぴんときません。ストが終われば違法運転をいつもやっているということでしょうか。乗客はいつも危険にさらされているのでしょうか。まず、ここらから総理、教えてください。さらに、ストをやった者を処分しないという約束をしなければストをやめないというのでは、まるでだだっこです。ストを禁止した公務員法、公労法が存在している限り、どだい無理な話ですか、それが条件だというのでは、国民は何のことだかよくわからないはずです。政府は、これに対しどのように解釈し、どんな基本姿勢を貫こうとしているのか、明確に御説明願います。  去る三月の動労の順法ストの際、政府と労働組合側幹部との間にある種の妥協が成立した。ところが、組合側の内部事情で三役一任を取りつけられず、違法ストは一方的に約束を破って続行されたといううわさがありますが、それは事実か。その妥協案の内容はどんなものだったのか、経過とともに御説明願います。これは、どうも労働大臣、あなたがくさいです。あなたは、その約束違反についてどういう措置をとったのか、あわせて御答弁願います。  いま一つ、これは運輸大臣です。去る三月十三日、上尾駅事件の際、磯崎国鉄総裁と目黒動労委員長との間でトップ交渉が行なわれ、順法ストの即時中止を合意したが、これまた動労の中央執行委員会で御破算にされ、ストが強行されたということがいわれております。当事者能力がないのは一体どちらなのか。所管大臣として、事実関係を御説明願います。  この二つの事例だけでも、労使の不信ということがよくいわれますが、不信の原因はどちらなのかという点に明確な答えを出したものといわなければなりません。  次に、国家公安委員長にお尋ねいたしますが、革マル派全学連大会に動力車労組代表が出席し、四月末七十二時間ストを支援する特別決議が採択されたこと。中核派は、二十六日から全国で動員をかけ、動力車労組を支援する態勢に入る。極左暴力集団が、上尾事件をヒントに一般乗客や、やじ馬にまぎれ込んで騒ぎを大きくし、駅長などの管理者や鉄道施設等を攻撃する。拠点職場への大量押しかけや国鉄信号用ケーブルの切断、線路上や沿線での古タイヤ燃焼、火炎びん投てき、陸橋への懸垂幕張り等のゲリラ的行動が予測される等の穏やかでない話が伝わっておりますが、治安を預かる者として、これらの事実や実情をよく把握しておられるはずですが、この際、その実態と対策を明らかにしてください。一昨晩の各拠点駅の暴力的抗議事件を、総評や野党の一部に、右翼の引き起こした組織的暴動だとの声明が見られるのでありますが、事実関係ははたしてどうだったのでしょうか、明らかにしてください。  さらに、七十二時間ゼネストに突入した場合、一般乗客の忍耐にも限度のあることを思えば、この心理に極左暴力集団のつけ込むおそれは十分あるといわなければなりません。職場内反戦青年委員会と極左暴力集団の関係を知っているならば、二度と一般乗客に逮捕者が出るような事態に立ち至らぬよう、事前に関係当局と密接な連絡がとられ、嘘の防止に全力を尽くさなければならない責任は国家公安委員長にあるはずです。これらの諸点を踏まえてお答え願います。  かつて、国鉄ストは労使なれ合いだと批判された時代がありましたが、いまや、先ほど述べた事実が裏づける極端な労使不信に加えて、国労と動労の冷え切った関係に見られる労労間の不信も芽ばえており、職場には陰惨とも言える暗さが漂い、昨年だけでも職場内のトラブルに基づく検挙者が三百八十九人に達し、そのうち実に二百六十二人が国鉄関係で占められております。この点も、国鉄問題をいよいよ混迷におとしいれている原因の一つであります。このまま放置すれば、乗客輸送という国鉄の公共的な使命より労使の闘争が優先し、国民不在の状態が継続し、果てしないどろ沼闘争になっても、どうせ国の機関だからつぶれるようなことはないし、俗にいう親方日の丸の甘えが一そう増大し、その飛ばっちりのどろは、国鉄利用者や納税者、国民に振りかかってくるだけであります。(拍手)この点、運輸大臣はどのように考えられ、どう対処しようとされているか、御決意のほどを承りたい。  ここで、二十五日の毎日新聞投書欄に掲載された湘南赤十字センター総務課長田島さんの一文を読んでみます。   国鉄当局ならびに労働組合のみなさんにお願いします。どうか月末に予定されているストライギをやめて下さい。もし決行されたときは、医療機関における輸血用血液の不足を来たし、多くの人命を失いかねません。   当血液センターでは、毎年献血のご協力の少なくなる連休対策のため二カ月も前から準備をし、三十日までの一週間に約千八百人の献血を予定しています。ところが、月末の国鉄ストの予定が伝わると、ご協力いただく役所、学校、工場等から続々と「当日ストだったら、残念ながら献血に協力することができません」との連絡がきています。その数がおよそ七百人分相当です。輸血用血液の深刻な不足の事態が発生します。   国鉄は、ストの際は通勤、通学を差控えて下さいと呼びかけていますが、この血液不足の穴を、一体だれが埋めてくれるのでしょう。スト当日、国鉄のみなさんで献血をしていただけるのでしょうか。   なんとかストライキを避けて、善意の献血によって多くの人命を救う、この運動をストップさせないで下さい。せめて献血だけは、だれもができる程度に電車を走らせていただけないものでしょうか。   今日もベッドの中から多くの患者が、そしてその家族が、国鉄ストの成行きを息をこらして見守っています。その人たちともども、お願いします。どうかストライキだけはやめて下さい。人の命にかかわる問題なのです。以上、原文のままです。(拍手)運輸大臣、これをどう感じられますか、お伺いいたします。  さらに、ことしの二月一日より四月十七日の年金サボタージュストに至る間だけでも、一般乗客の負傷者は百二十八名にものぼっています。今回は不幸なことに、もっとふえ続けています。中には入院を余儀なくされた人もおられます。国鉄はこれらの気の毒な方々に何かして差し上げていますか。知らぬ顔の半兵衛をきめ込んでいるわけではないでしょうね。運輸大臣、説明を求めます。国鉄ストは、その物資輸送に占めるウエートから、各方面に甚大な被害を与えます。米、鮮魚、冷凍魚、石油、セメント、木材、肥料、飼料等、かりにストが二十九日に終わったとしても、正常ダイヤ復帰は来月五日ごろまでかかると見られますが、これら主要物資はそれぞれ六日分にも達する量が滞貨となり、東京都の一日平均消費量だけで見れば、米で四十八・八日分、鮮魚、冷凍魚で八・六日分、石油は五十一日分、セメントは十六・二日分にも達します。この事実は、必然的に価格暴騰をもたらし、一般消費大衆はもちろん、ときには生産者も、あるいは八百屋、魚屋、肉屋さん等の小売り店等をも被害者にしてしまいます。  一例として、三月八日国労、動労の強力順法闘争突入前と、わずか五日後、上尾事件の起こった十三日とで、神田市場にあらわれた影響を見てみますと、タマネギが五十円から七十円へ四〇%値上がり、バレイショは五十八円から八十五円へ四六%、リンゴ九十四円から百二十三円に三〇%、サバが九十円から百二円へと一三%、それぞれ大幅な値上がりを来たしています。今回の交通ゼネストは、一般家庭の台所におそるべき打撃を与えることでありましょう。(拍手)  運輸大臣は、この点を心配してのことでしょう、災害救助や社会不安発生時に限られている、文字どおり伝家の宝刀としていまだ発動したことのない、道路運送法第三十四条に基づく運送命令を出して、トラックによる生活必需物資輸送を確保する決意を固め、鉄道とトラックの運賃差額を全額国費で持つべく約十億円の一般会計予備費支出を要請していると伝えられますが、他方では、大蔵大臣ががんとして承知しないとも聞きます。この構想は実現するのですか。そして、一億国民一人当たり十円ずつ負担するのは割り切れない気もしますが、大蔵大臣は、一方的な被害者である消費者を守るため、それを承知されましたか、運輸大臣から答弁してください。  また、総理はこの問題をどう決断されますか、お伺いいたします。  自治大臣、あすの午前中芝浦市場で東京都の職員が畜殺解体作業のストをやる予定のため、もろ二十日ごろから豚肉はすでに九%も値上がりしております。自治省が地方自治体に対して力がないため、他治省というひやかしもありますが、これを解決させるべくどのような措置をとられますか、教えてください。  文部大臣、あなたは各都道府県教育長を集めて、きわめてりっぱな、私もびっくりしたぐらいの堂々たるストに対する信念を述べられました。  ところが、過去の実情によると、東京都では、教育長からストは違法だからやらぬよう指導しろ、という公文書が出ることは出ました。しかしながら、去る三月十七日の一時間ストのときには、ストが終わってから学校に着いたそうであります。実にこっけいです。しかし笑うにも笑えないものがあります。教師といえども赤く染めることも黒く染めることも許されない義務教育の小中学生の心に、生涯その恩を忘れず尊敬し続けるはずの先生方が、みずからは法律を犯してストに参加する姿がどう映るでありましょうか。(拍手)授業を放棄して幼い子供心を傷つけることが許されるのでありましょうか。教育長を集めただけで、いま述べたようなことが末端における実態だとするならば、具体的にどうされますか、お伺いをいたします。  せっかくの田中総理の英断により、与野党が一致して四月二十九日に間に合わせるべく大急ぎで法改正した祝日と日曜のダブリを翌日にずらす善政も、このままでは水泡に帰し、それを当て込んでいた旅行業者や、キャンセルの相次ぐホテル、旅館等の被害はもちろん、家族連れの旅行や、観光を計画していたささやかな庶民の夢も打ち砕かれてしまうでしょう。  総理大臣、善政の第一歩がまさにつまずこうとしています。どうお考えですか、お伺いいたします。  さて、私は、国民の立場から疑問に思われることの数々を、国民に少しでもわかってもらうためにいろいろと質問いたしました。しかし、昨日の最高裁大法廷の判決は、非現業国家公務員に対する争議行為の禁止は違憲でないことはもちろん、全体の奉仕者としての地位の特殊性、職務の公共性からしても当然であるとし、争議行為の一律禁止、あおり等の行為の一律処罰を妥当とした明確な内容のものであり、私どもは当然のこととして受け取っております。(拍手)今後は、公務員等が関係法規を順守し、正常な労使関係が維持され、秩序ある労働運動が展開されると信じますし、本日より七十二時間にもわたる違法ストは、法の名において、法治国らしく整然とかつ即刻中止されることを信じています。しかし、春闘共闘は、これを不当な司法権力による弾圧だとして、スト権を実力でかちとると声明いたしました。これでは法治国とはいえないではありませんか。(拍手)また、一部野党の同調もあるようですが、総理はこれにどのような基本的姿勢をとられるのか、お伺いをいたします。共産主義や社会主義諸国においては、スト権どころか、意見の表明すら不可能であるはずです。(拍手)それに比べたら、わが国は、自分かってなわがままが放任されている天国だともいえましょう。  一刻も早く違法ストが終息し、国民みんながゴールデンウイークを楽しめることを切望し、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣田中角榮君登壇
  47. 田中角榮

    内閣総理大臣(田中角榮君) 山中貞則君にお答えをいたします。  まず、今回の有額回答の問題でございますが、国鉄労使が交渉の場で有額回答が行なわれたわけでございますが、それは昨年の裁定額と同額であり、八百億円余の財源を必要といたしますことは御承知のとおりでございます。昨四十七年度も、国鉄運賃法を提出、御審議をいただいておったわけでございます。国鉄財政の状態からいたしますと、仲裁の実施はしごく困難な状態であったわけでございますが、しかし、国鉄の持つ公益性を考えながら、あえて仲裁を実施をいたしたわけでございます。ともかく、今回の有額回答と合わせれば、ほとんど今年度の運賃値上げ分はそれをもってすべてが終わるというようなものでございます。(拍手)  そういう状態から考えますと、国鉄当局及び政府が、いかに真摯な態度で対処しておるかは理解ができると思うのでございます。(拍手)それは、国鉄の持つ公共性、国民生活に不可欠なものであるという国鉄の地位を考えながら、政府も誠意をもってこれに対処するとともに、労働者側の良識に訴えておるわけでございます。政府も誠意をもって対処いたしておるのでございますから、組合側の諸君も、その公的責任を十分心から自覚をせられるように期待をしたいのであります。  次は、スト権奪回を目的とした違法ストについての御質問でございますが、公務員等のスト権の問題につきましては、現在、公労使三者構成の公務員制度審議会において鋭意審議中であり、政府としましては、その結論を待って対処する所存なのであります。関係組合においても冷静な態度でその結論を待つべきだと思うのであります。もっぱらスト権奪還というような、本来国会において審議を尽くし、決定をすべき事項を目的として行なうストライキは、いわゆる政治ストでありまして、議会制民主主義に対する挑戦以外の何ものでもないのであります。(拍手)  先ほども御指摘がございましたが、最高裁が示した判例についても、自分の目的に沿ったものであればこれを尊重し、自分の目的に沿わないものであればこれを弾圧だというような考えをもととして、民主国家が成立をするわけはないのであります。(拍手)待遇改善など経済的要求に対しましては、政府としては従来から理解を示しておるところでありますが、政治ストに対しましては、特にきびしく対応せざるを得ないのであります。このような、法治国家を否定し、議会制民主主義を無視するような行為は直ちに中止すべきであります。(拍手)  ストをやった者を処分しないと約束しなければストをやめないという労組の態度等についての御発言でございますが、法律の明文による禁止に違反して争議行為を行なった者に対して、法律の定めるところに従い厳正な処分が行なわれることは、法治国家として当然のことであります。(拍手)国民の足である国鉄のストライキによって、何の罪もない乗客の生活を奪うようなことを続けるならば、労組といえども勤労者から手痛い打撃を受けることは、今回の暴動事件が痛切に教えるところであります。(拍手)組合員諸君の自粛、自戒を重ねて要望したいのであります。(拍手)  なお、ストにより不足をする生活必需物資の確保及び値上がり防止等の対策についての御発言がございましたが、本日以降、国鉄違法ストの激化が予想されるのでありますが、その場合には生活必需物資等の不足及び価格の上昇等が懸念されます。そのために、昨日政府は、違法スト期間中、必要に応じ、トラックによる生活必需物資の代替輸送を行なうことといたし、運送命令の発動及びこれに伴う所要の補償措置を講ずることにいたしたわけであります。生鮮食料品の需給状況に応じ、タマネギ及び冷凍水産物を放出する等、七項目の対策を取りまとめたところでございます。これらの対策によりまして、生活必需物資等の供給の確保と価格の安定を緊急にはかってまいりたいと考えておるのでありますが、いまからでもおそくありません。ストはやめることが国民生活を維持するために必要なのであります。(拍手)  次に、連休の夢を砕くストライキをどう考えるかということでございますが、二十四日の自然発生的な暴動事件が示すごとく、国労、動労がたび重なる順法闘争という名のサボタージュを行ない、違法ストを行なえば、国民の反感を買うだけではなく、国民から手痛い打撃を受けることになるのであります。私が申すまでもなく、労働運動は、その掲げる目標だけではなく、手段においても、国民大衆の共感を呼ぶものでなければ、一歩も前進するものではありません。(拍手)国民大衆の連休の楽しい行動プランの実現のためにも、組合員諸君の自戒を要望してやまない次第であります。(拍手)  最後に、春闘共闘のスト権を実力でかちとろうという態度についての御質問でございますが、公務員等の労働基本権の問題については、先ほど申し上げましたとおり、現在、公務員制度審議会において検討しておる段階でございます。したがって、同審議会の答申によって対処するのが筋であります。力によってスト権を獲得しようとする考え方は、議会制民主主義に対する挑戦であり、きわめて違法性の強いものであることは言うをまちません。これについて、政府としては厳正な態度をもって臨みたいと考えておるのであります。(拍手)   〔国務大臣新谷寅三郎君登壇
  48. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) お答えいたします。  私に対する質問の第一は、去る三月十三日のストの際に、国鉄総裁と動労の目黒委員長との間にストを即時中止するという合意があったのであるが、中央執行委員会でこれが御破算にされた事実を知っておるかということでございますが、その事実は存じております。私のところに参りました報告によりますと、国鉄総裁と目黒動労委員長は何回となく会見をしておったようでございますが、最終的には大体双方の間で、労使間に当面横たわっております問題の大綱についてほぼ合意ができたということを聞いたのでございますが、目黒動労委員長はそれを持って帰って中央執行委員会にはかってみますということを言い残して帰られたそうでありますが、中央執行委員会において協議の結果、その目黒動労委員長との話し合いは、これは御破算にされたという結果になったと聞いております。  次に、毎日新聞の投書欄にありました湘南赤十字センターの問題でございますが、その投書は私も了承しておる次第でございます。このような問題だけではなく、今回のようなストライキが行なわれますると、国民生活の各方面にわたりまして、この投書に載らないような、同じような事件で、非常にたくさんの問題が国民生活の中で起こっておると存じます。こういった問題を最小限度にし、これをなくするという方向で、労使ともこれは最大限の努力をしなければならぬということは言うまでもないところでございます。  私は、このようなことを踏まえまして、実は、先ほど総理からお述べになりましたように、国鉄が最近において前例のない有額回答をいたしましたが、さらにこれを受けまして、昨日は国鉄の労働組合、動労及び国労の委員長、副委員長、書記長に会見を申し入れました。私のところに来ていただきまして、今度のこのストは、第一に背景に非常に政治的な意図があるようであるが、これは、先ほど総理も仰せられましたように、われわれとしては了承はできない、これはすぐに中止してもらいたい、同時に、労使間の問題につきましては、国鉄が示しておりまするその熱意をくんでもらって、われわれも今後ともこの労使間で——ただいま公労委のほうで審議中でございますが、その結果を待ちまして、最大限の努力をするつもりであるから、一日も早くこういうストの状態を収束して国民生活及び国民経済を守ってもらいたいということをるる申しました。両組合ともそれは平行線で、私たちはそれには反対である、同意はできないという回答でございました。私は、今後もこのような会見は何回でも行ないたいと思っておりまして、国民的立場におきまして、そういうことのないようにあらゆる努力をしなければならぬと考えておるのでございます。  それから、国鉄の労使間の問題についてどう考えるかというお尋ねでございますが、今日の国鉄の労使間の問題は非常にたくさんの未解決の問題がまだ残っておりますが、これを解決いたしますためには、基本的には、やはり何と申しましても、労使双方の間の不信感を回復することが前提条件であると思います。さらに、この双方とも、問題点をもっとふだんから熱意をもって真剣に煮詰めて、そうしてこういった最終的な場面に直面しない前に、解決点を発見するという不断の努力が必要であると考えるのでありまして、これに対応するような体制をとることが必要であると考えるのでございます。  それから、過般来の争議行為の結果いろいろの事件が起こりまして、一般国民がけがをされた方が相当たくさんございます。国鉄は、病院に入れましたり、その医療費を負担したりして、国民には迷惑をかけていないということを聞いておるのでございます。  それから、最後には、緊急輸送の問題でございますが、先ほど総理が言われましたように、緊急輸送の問題につきましては、先般来この対策を講じておりまして、今日までに大体その方法がまとまりました。  総理から御報告がございましたように、道路運送法の規定によりまして運送命令を出しまして、一日に二千七百トン程度の貨物を——生活物資でございますが、それを大都市に運ぶということに、すべて手配は整っておるのでありまして、御質問のように、大蔵大臣が反対をしておられるというような事実はございません。それらの補償問題につきましても、すべて関係各省の間で合意を得ておる次第でございます。御了承いただきたいと思います。(拍手)   〔国務大臣加藤常太郎君登壇
  49. 加藤常太郎

    ○国務大臣(加藤常太郎君) 山中議員の、三月の順法闘争についての御質問に対しまして、お答えをいたします。  三月の国労及び動労の順法闘争に対しまして、私としては二度にわたり労使双方を招致いたしました。国鉄側に対しては、事の重大性を考えて、労使がよく話してやれ、また組合に対しましては、国民あっての組合である、そして、迷惑するのはほんとうに何ら関係ない善良な国民であるから、この際、やはり国民の立場になって十分よく考えて、実力行使を中止して、事態の早期かつ平和的な解決を申し入れたのであります。  この申し入れに対しまして国労は応じまして、ストを中止いたしました。順法闘争をやめました。ところが一方、動労は、遺憾でありますが闘争を続行したことは、私は残念にたえない次第であります。  なお、この労使紛争は運転保安の問題でありまして、私の直接の所管でありませんので、その内容には立ち入っておりません。  したがって、ただいま山中議員からお話しのように、政府と組合幹部の間においていろいろな内容がありたのでないか、妥協が成立した事実があるのではないか、かようなことは絶対にありませんことを申し上げます。(拍手)   〔国務大臣奥野誠亮君登壇
  50. 奥野誠亮

    ○国務大臣(奥野誠亮君) 教員につきましては、現在、その給与は一般の公務員に比較して優遇されなければならない、同時にまた、この措置は計画的に進められなければならないという大きな方針を、国権の最高機関であります国会において確定していただこうとしているさなかでございます。同時にまた、公務員の給与は国民の血税によってまかなわれるものでございますだけに、国民の理解なくしては、この方針をつくり上げることは困難でございます。そういう際でございますだけに、特に先生方の自重、住民の信頼を裏切らないようにお願いを申し上げているところでございます。  日本教職員組合では、現在、国会に提出いたしております、そしてまた審議していただいております法案を含め、文教三法案の撤回、粉砕などを理由にして、スト突入を指令されたわけでございます。だれのための組合であるかということに疑問を感じますと同時に、国会の運営に干渉を試みようとする態度につきましても、不穏当な感じを持っておるわけでございます。(拍手)  委員会における野党の方の質問を伺いながら、現場の先生方に文部省の考えをゆがめて伝えられている、理解されていないということに対しまして、たいへん私は驚き入っているものでございます。そういうこともございまして、できる限り先生方に文部省の考え方を深く理解してもらいたい、そういう意味で、さきに教育長さんにお集まりをいただきましたし、また、きのうは新聞に談話を出させていただいたわけでございます。日教組のいろいろな御意見、それにつきまして文部省から詳しく御説明をする。日教組の御希望に従いまして本日お渡しをしたわけでございまして、善処を求めたわけでございます。  私たちは、さらに先生一人一人の理解と自覚を求めるために、今後も最善の努力を払ってまいりたい、かように考えるものでございます。(拍手)   〔国務大臣江崎真澄君登壇
  51. 江崎真澄

    ○国務大臣(江崎真澄君) 御質問の順序に従いまして、先に、国家公安委員長の立場からお答えを申し上げます。  御指摘のように、革マル派、中核派において、動労スト支援の動向が確かにあります。現在ただいまも、浜松機関区に約百名の革マル派が支援に行っておりまするほか、今夕、革マル派及び中核派が、東京及び千葉などにおける動労スト支援の動きを示しております。  これらの支援行動をめぐりまする違法行為やゲリラ的行動につきましては、警察として、関係機関とも緊密な連係をとり、所要の部隊編成を行ない、迅速的確に対処し得るよう体制を整えているところであります。(拍手)かりそめにも暴力行為や違法行為等に出る場合には、厳正に取り締まりをいたしてまいるつもりであります。(拍手)  第二点、一昨日の乗客の騒ぎは右翼の引き起こした組織的暴力ではないか、この真相はどうか、こういうお尋ねでありまするが、現在まで警察において厳重捜査をいたしておりまするが、ただいまの捜査段階においては、特定人あるいは特定グループが計画的にやったという形跡は全然認められません。逮捕をいたしました被疑者は、ほとんど身元が判明いたしております。その中にも、右翼あるいはまた政治的色彩のある者は見当たらないというふうに報告を受けております。むしろ、引き続く順法闘争による列車ダイヤの混乱に対する一般乗客のふんまんが爆発したものであるという見方が強いのであります。(拍手)  第三点の、七十二時間ストが強行された場合に国民の不満が一段と高まる、その虚に乗じて組織的、計画的に政治的な分子が破壊活動や混乱活動を引き起こすことはないか。  警察といたしましては、当然、国民のふんまんが高まることは予想されまするので、十分な警戒体制をとりまして、厳正な取り締まりを行ない、治安の万全を期してまいりたいと考えております。(拍手)  次に、自治大臣としてお答えを申し上げます。  御指摘の屠殺場の問題でありまするが、自治関係には、屠殺場の従業員ばかりか、いわゆる自治体病院があります。また、救急業務があります。これらの重要性にかんがみまして、もとより地方公務員の人事管理というものは、これは本来、地方公共団体の責任において行なわれるものでありまするが、自治省といたしましては、機会あるごとに地方公共団体当局に対して、厳正な人事管理を行なうよう指導をしておるところであります。  ごく最近におきましても、全国都道府県の責任者を集めまして、諸般の状況、特に明日に控えておりまするこのストをめぐる諸情勢等を詳細に分析、説明いたしまするとともに、人事管理を厳正にし、地方公務員の違法スト回避につとめるよう、しばしば注意を喚起して今日に至っております。また、自治労の代表者にも私は会いまして、その違法性を説くとともに、違法行為にわたらないよう要請をしてまいったところであります。  過ぐる九日には、自治大臣談話を発表して、公務員諸君が特に違法ストに参加することのないよう、強くその自重を要望したところであります。  もし、不幸にして違法ストが行なわれた場合は、これは法に照らし厳正に処置し、地域住民にその責任の所在を明らかにするよう、今後とも指導をしてまいりたいと考えております。(拍手)     —————————————
  52. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 次に、角屋堅次郎提出春闘に関する緊急質問を許可いたします。角屋堅次郎君。   〔角屋堅次郎登壇〕   〔発言する者多し〕
  53. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 静粛に願います。
  54. 角屋堅次郎

    角屋堅次郎君 私は、日本社会党を代表して、重大な段階に直面しておる今次春闘の解決について政府としていかに対処せんとするのか、確たる所信のほどを田中総理大臣にお伺いしたいと思うのであります。(拍手)  質問に先立ち、一言触れておきたいのは、今回の緊急質問自由民主党の強い要請によって行なわれることになったことであります。  わが党は、今次春闘の重大な段階において、自由民主党の意図する緊急質問のねらいが、田中総理の行動を縛り、激しいスト攻撃による労働者と国民の分断をはかることにあるとすれば、春闘の早期解決に重大な支障が生ずるおそれありとして、これが中止方を強く求めてまいったのであります。(拍手)ただいま、昨年の春闘の際、総理府総務長官として、公務員共闘の賃上げ要求に対し前向きの答弁をして、公務員共闘から評価を受けた山中議員の、攻守所を変えた、まるで別人のような激しい論調を聞き、これが春闘解決に何の効果ありやと疑わざるを得ないのであります。(拍手)しかしながら、緊急質問が行なわれます以上、わが党はこれを受けて、筋道を通し、基本論について質問を行ないます。(拍手)今次春闘における問題の焦点は、労働者の要求をいかに受けとめ、田中内閣としていかに対処するかに今日かかっておるのであります。総評、中立労連を中心に結集された春闘共闘委員会は、今次春闘にあたり、大幅賃上げ、時間短縮、年金の改善、労働基本権の回復、不当処分の撤回を要求して戦っております。われわれは、これらの諸要求を当然かつ正当なものと考え、全面的に支持し、今次春闘においては、トップ会談等を通じ政府の誠意ある回答を期待しているのであります。(拍手)しかし、ただいまの質疑経過、いまの段階において、私は、残念ながら、政府が事の解決に誠意をもって当たるという態度を感ずることはできがたいのであります。(拍手)第一に、賃金問題から入ります。三公社五現業が今回有額回答をしたことは、労使自主交渉の中において確かに一歩前進として評価できるものでありますが、その内容は昨年と同額という、常軌を逸したものであります。  今年は、商社の不当な買い占め行為も手伝い、物価は、卸売り物価も含め記録的な高騰を続けております。それは、ほかならぬ田中内閣の国民不在の政治そのものがもたらしたものであり、それゆえにこそ民間では、日経連の警鐘にもかかわらず、昨年を大きく上回る回答が続々と出されております。これらの事情を無視し、昨年と同額回答というのは、労働者を納得させるものでないことは、田中総理自身も十分御承知のはずでありましょう。(拍手)  本日、三公社五現業の当局が労働組合の反対を押し切り、一方的に調停申請をいたしましたが、今後政府としていかにこの問題に対処されるのか、具体的に明らかにしてもらいたいと思うのであります。(拍手)  第二に、私は、政府が今日の緊迫した事態に対し高圧的姿勢をもって臨もうとしている態度を許すことはできません。(拍手)すなわち、賃上げ、時間短縮、年金改善スト権回復という労働者の統一要求を分断し、労働者の正当な権利行使を政治ストとして弾圧しようとしていることがそれであります。  労働者の生活は、もちろん賃金を基本としていることは申し上げるまでもありませんが、賃金以外にも、労働者の要求は山積しておるのであります。今日、みずからの生活を向上させるためには、高騰する物価を押え、みずからの住宅を手に入れ、公害をなくし、税を軽減し、老後生活の不安をなくするための年金の充実などを、労働者は強く望んでおります。(拍手)これはまた同時に、国民的要求でもあります。  これらの諸要求に、政府はどれだけ今日までこたえてきたのであるか。遺憾ながら、政府がこれらの解決を放置しているために、当初田中内閣に寄せた庶民の期待はもろくもくずれ、国民の不満はうっせきしておる現状にございます。  例を年金にとるならば、元気に働いている間は何とか生活できるとしても、定年になり働けなくなったときには、年金は老後の生活をささえるよりどころであります。しかし、現在の年金では、とても老後の生活をささえることは不可能でありましょう。  今次春闘の中で、四月十七日、年金の改善を求めて労働者が統一ストに立ち上がったことは、今日の情勢から見て、けだし当然のことといわなければなりません。(拍手政府はこれに対し誠意をもってこたえるべきであります。政府は、これら労働者の正当なストライキ行動を、単に違法スト呼ばわりすることに終始しておりますが、問われているのは、政府がこれらの要求に対し何をなしたか、何をなすつもりであるかということが基本的に問題であります。(拍手)   〔発言する者多し〕
  55. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 静粛に願います。
  56. 角屋堅次郎

    角屋堅次郎君(続) 第三に、労働者は、要求の一環として労働基本権の回復を求めております。  由来、ストライキは、労働者に与えられた基本的な権利であります。自由主義経済社会において、労働者は、みずからは生産手段を持たず、資本家などに雇われることによってのみ生活のかてを得ております。経済的には弱者の地位にありながら、労働組合として団結し、団体で交渉し、ストライキを行なうことは、社会的に認めらるべきものであります。(拍手)これが民主主義の基本であり、憲法に保障された権利であります。この大原則を理解することなしに、長い間労働者が求めているストライキ権回復に対し正しい回答を打ち出すことはできないのであります。  今日、労働者の権利に対する政府の対応は、国際世論の注目するところであります。ILO結社の自由委員会は、公労協、公務員のストに対する政府の処分について強い疑問を投げかけ、また、一生経済的不利益を与える処分は誤りであると指摘したのは御承知のところであります。(拍手)ジェンクスILO事務総長は、日本政府が国際世論の敵になる前に、労働者代表と直接問題解決の話し合いに入るよう提案したのでありますが、政府の関係閣僚が、あるときはスト権を与えると発言をし、その後簡単にこれを取り消すという食言行為によって労働者の不信を招く結果に終わっているのが、残念ながら今日までの状況であります。(拍手)  また、公務員制度審議会は第三次を重ね、それも九月末に任期切れを控えながら、何ら進捗が見られないことはまことに遺憾であります。その原因が、使用者である政府側が何らの態度も表明しないことにあることは、審議経過から見て明らかなところであります。(拍手田中総理、今日まで政府が、労働者の求める長年の懸案に対し、誠意をもってこたえようとしないところに今日の混乱があることを銘記し、政府の基本姿勢を明らかにするよう要求いたします。(拍手)  スト権は、労働者がみずからの生活向上の手段として与えられた権利である以上、賃上げであれ、時間短縮であれ、年金であれ、労働者の生活にかかわる諸問題の改善のために行使されるのはきわめて当然の姿といわなければなりません。(拍手)むしろ、近年労働者が、賃金のみならず、年金をはじめ社会的政策の諸分野にまで目を向け、ストライキをもってこれを獲得しようとする姿は、国際的に見て、民主主義社会の成熟を示すバロメーターともいえると思うのであります。(拍手)  その意味で、公務員、公企体労働者の労働基本権について、従来の判例まで否認した昨日の最高裁判決は、その内容から見ても、その時期から見ても、司法の反動化と最高裁の政治への従属というべきであり、(発言する者あり)まさに民主主義への挑戦と解すべきものと思うのであります。(拍手)   〔発言する者あり〕
  57. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 静粛に願います。
  58. 角屋堅次郎

    角屋堅次郎君(続) 米軍占領下、マッカーサー書簡によって不当に奪われた公務員のストライキ権は……   〔発言する者多し〕
  59. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 机をたたくことをやめてください。——静粛に願います。——静粛に願います。
  60. 角屋堅次郎

    角屋堅次郎君(続) 米軍占領下、マッカーサー書簡によって不当に奪われた公務員のストライキ権は、現在では前世紀の遺物であり、すみやかに清算すべきであります。(拍手)そのことが今日の労使関係の正常化をもたらすゆえんであると信じます。  いま重大段階にきております統一ストライキを解決する道はただ一つ、単に自民党のようにストライキを違法と言うだけでは問題は解決しません。(拍手)田中内閣が従来の高圧的な姿勢を改め、労働者、国民の要求を解決しようという誠意を持つかいなかということにあるのであります。その決意さえあれば、労働者代表との率直な話し合いを通じて、それぞれの問題を解決する方法はおのずから見出されるものと確信をいたします。(拍手)現に労働組合は、政府が誠意を示せばストライキを中止してもよいと言っているではありませんか。私は、何よりも総理みずからの決意をただしておきたいと思うのであります。(拍手)  次に、一昨日の首都圏における国鉄の混乱は、まことに遺憾な事態であります。私は、現場にいた一部の人々が、一時的にせよ暴動的行為に出たことについて、その根底に、政治あるいは社会に対する国民のうっせきした不満、怒りが潜在していたと感ずるものであります。(拍手)異常な高騰を続ける物価、激化の一途をたどる公害、絶望的な住宅事情、老後生活の不安、国民生活は日々次々と破壊されているのであります。田中内閣が今回の国鉄の混乱に正しく対応するつもりがあるのであれば、まずみずからの政治姿勢を省み、深刻な反省がなければなりません。(拍手)  私は、しかし、今回の事件が、単なる群集心理のみによって引き起こされたとは必ずしも考えておりません。昨日行なわれた社会党の調査によって、事件発生当日、各駅頭では、自民党のスト批判を内容とする機関紙自由新報がまかれ、また、右翼集団のビラが春闘妨害の挑発行為の形でまかれております。(拍手)  事件発生の状況を見れば、上野、赤羽などの主要駅において、電車がホームに入ると同時に、数人の男が運転室にかけ寄り、乗務員をとらえるとともに、運転席前面のガラスを割り、ブレーキハンドルをはずし、電源スイッチを切り、緊急制御装置を作動させるという、そのどれをとっても、列車運行を不可能ならしめる専門的行為をすばやく行なっているのであります。(拍手)これは、明らかに一般乗客の偶発的行為ではなく、破壊工作が意図的、計画的に行なわれたことを示しており、その結果を、スト批判という形で労働者に向けさせようとするきわめて悪質な妨害行為といわざるを得ません。(拍手)  政府は、かかる行為を厳重に取り締まるとともに、事態の真相究明に全力をあげ、われわれの疑問にこたえるべきであります。(拍手)  最後に、田中総理に申し上げたい。  わが国が敗戦の廃墟の中から雄々しく立ち上がり、今日、国民総生産自由世界第二位の位置を占めた原動力は、働く人々の血と汗の結晶といっても過言ではないと存じます。(拍手)かつて総理自身も、若きころ、新潟の農村から、ほとんど裸一貫で上京し、労働者の中でそれこそ悪戦苦闘、もみ抜かれた経験を持っておられるわけでございます。初心忘るべからず。働く人々八百二十万人を結集する春闘共闘委員会の今回の切実な要求に耳を傾け、進んでトップ会談に応じ、人間田中の真骨頂を発揮すべきときであります。(拍手)自民党のタカ派の金縛りの中で行動する限り、田中内閣誕生の真の意味はないというべきでございましょう。(拍手)  田中総理春闘解決のための決断と実行を強く要求し、誠意ある御答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣田中角榮君登壇
  61. 田中角榮

    内閣総理大臣(田中角榮君) 角屋堅次郎君にお答えをいたします。  まず第一は、給与改善について、今後いかに対処するかという問題でございますが、各公共企業体当局は、去る二十三日、昨年仲裁額と同額の有額回答を行なったのでございますが、特に、先ほども申し述べましたように、財政上の困難に直面しておる国鉄当局につきましても、他の公共企業体並みの回答を行なったわけでございます。このことは、各公共企業体当局が賃金問題に対する熱意を示したものであります。  政府としても、経済的問題については、誠意をもって最大限の努力をしておるところでありますが、すでに賃上げ問題は、公労委の調停段階に入っておるので、労使が公労委の場で事態の早期かつ平和的な解決をはかることを期待しておるのであります。  政府が有額回答をいたしたからといって、それが最終的なものではないのであります。公労委の場もあるし、仲裁の場もあるのであります。法制は完備をしておるのであります。労働者の権利は守られるようになっておるのであります。(拍手)これが民主体制下における完備された制度なのであります。でありますから、この制度の運用も待たずしていろいろな行動に訴えられることは、間違いなのであります。(拍手)処遇改善や賃金の引き上げ等の問題に対して理解を示されることに対しては、私たちも理解を示しております。しかし、年金制度やスト権の問題は立法事項なのであります。それは労働行為の中では解決できない問題なのであります。  その意味で、与野党を問わず、議会制民主主義を守ろうという考えを前提にしておる以上、事を分けて対処しなければならぬことは言うをまたないのであります。(拍手)私は、その意味において、労働組合員の諸君が違法行為を行なわずして、制度の中で理想を達成せられることに努力せられることを切に願いたいのであります。(拍手)  何も労働組合は野党だけのものではありません。日本のよき労働慣行をつくるために、そして労働組合員諸君が安んじて職場に働けるような状態をつくろうというのは、あに野党のみならんや、自民党も人後に落ちないのであります。(拍手)そういう意味で、やはり議院が行なう職務と、労働行為で行なわなければならないこととを、おのずから区別をすべきであるとこの際申し上げておきたいのであります。(拍手)  第二は、年金制度の問題でございますが、老後保障の柱となる年金制度充実が最も重要な国民的課題の一つであることは、十分承知をいたしております。国民年金、厚生年金を通じた年金制度改善については、現に国会に提案をし、改正案を御審議をいただいておるのであります。老後をささえるに足る年金の実現をはかっておるわけでございまして、ストライキと年金の問題をからませることは適当でありません。(拍手)  労働者代表と率直に話し合いをせよという問題でございますが、公務員等のスト権の問題については、現在、労使公益三者構成の公務員制度審議会において鋭意審議をいたしておるのでございまして、政府としては、その結論によって対処をする所存でございます。関係組合においても、冷静な態度でその結論を待つべきであると考えておるのでございます。  また、待遇改善など経済的要求に対しましては、先ほどから申し上げておりますとおり、政府は、誠意をもって対処をいたしておるのでございますが、何ぶんにもスト権奪還というような問題は、国会の御審議の問題でございますので、私といえども云々できないのでございます。しかし私は、国民的な利益を守るために、スト回避のためには、可能な限り最善の努力をいたしたいと考えておりますことを申し上げておきます。(拍手)  それから次には、今回の、上尾事件その他の事件についてのお話でございますが、国鉄順法闘争に伴う一連の事件については、目下警察において鋭意捜査中でありますし、その問題に対しては江崎自治大臣から先ほど詳しく申し上げたから申し上げません。  しかし、この際、私は申し上げておきたいことは、上尾事件をはじめ先般の事態等に対しまして、一部の者が意図れたものであるというような考え方や発言は、遺憾なことだと考えておるのであります。(拍手)そういうものの考え方や発言は、ものの解決にはならないのであります。起こった事態を直視をして、なぜこんなことが起こったのか、また、これから起こらないようにするにはどうしなければならないかという問題と取り組むことのみが、国民の支持と理解を得られる唯一の道なのであります。(拍手政府は、謙虚に真摯な態度でこの問題に対処してまいりたいと考えるのであります。  最後に、最高裁裁判に対しての問題でございますが、山中君に対してお答えを申し上げたとおりでございますが、与野党の別なく、判示をされた問題に対しては尊重すべきであると思うのであります。従来、政府の発言や政府の考え方と反する判断が行なわれた場合もございますが、政府は、当然のこととしてこの判断に従い、この判示を支持しておるのであります。(拍手法律制度を守るということが議会制民主主義を育てる基本であることは、言うまでもないのであります。自分の考え方と違うから、気に食わないからというような考え方で実力行使に訴えるようなことは、民主政治のワク外であることを、この際申し上げておきたいのであります。(拍手)     —————————————
  62. 中村梅吉

    議長中村梅吉君) 次に、津金佑近君提出国民生活擁護スト権回復に関する緊急質問を許可いたします。津金佑近君。   〔津金佑近君登壇〕   〔議長退席、副議長着席〕
  63. 津金佑近

    津金佑近君 私は、日本共産党革新共同を代表いたしまして、去る二十四日夜半、首都圏の国電各駅で発生した異常事態並びに目前に迫った統一ストライキについて、田中総理大臣及び各関係大臣に、緊急質問をするものであります。(拍手)  まず第一に、こうした事態を招いた根本的な原因をどのように見るかという問題であります。  政府・自民党は、もっぱらその根源は労働組合の順法闘争や違法な政治ストにあると述べ立てております。しかし、これは、まさに原因と結果を取り違えた本末転倒の議論であります。(拍手)  いま、わが国の広範な労働組合は、激しい物価の値上がりなどの中で、みずからの生活と国民の生活の安定のために、大幅な賃金の引き上げと物価値上げ反対などを強く要求いたしております。とりわけ、国鉄労働者は、日本経済の動脈をなす国鉄の安全輸送のため、設備の改善や要員確保など、国民的な立場で、その要求の実現を目ざし、運動を発展させておるのであります。(拍手)しかも国鉄労働者は、長時間、不規則労働を余儀なくされ、また、平均三十九・二歳の高い年齢構成にもかかわらず、賃金は平均八万七千三百二円という低い状態にあるのであります。  田中内閣と自民党の大企業奉仕の高度成長政策と日本列島改造計画によって、異常なまでの物価の上昇、公害の拡大、地価の暴騰は一そう激しさを増し、国民生活全体が抑圧されているもとで、国鉄労働者が掲げている基本給二万四千円の賃金の引き上げ、国鉄の安全性確保のための諸要求は、きわめて当然の要求といわなければなりません。(拍手)  わが党は、こうした問題は、本来、国鉄当局と政府が、労働者の切実な要求に誠意をもって対処することによって、正しく解決さるべきものであると主張してまいりました。(拍手)にもかかわらず、政府・自民党が、みずからなすべきことを怠りながら、正当な要求を掲げた労働者を敵視し、国会本会議場を労働者非難の場と化すことは、問題の解決に何ら役立つものでないことを、この際、強く指摘しておかなければならないと思うのであります。(拍手)  国鉄当局が、今回、国鉄労働者に対して有額回答を出したことは、いままでに当然やるべきことをやったにすぎないだけでありまして、しかも、その内容は、労働者の要求とはほど遠いものであって、政府、国鉄当局の誠意と努力のあかしとは、とうてい言いがたいものであります。(拍手)  私は、ここで、今回の事態を招いた最大の原因が政府、当局にあることを強く指摘するとともに、田中総理並びに関係大臣が、労働組合の正当な要求に対し、どのようにこたえようとしているか、具体的な答弁を求めるものであります。(拍手)  第二の質問は、労働者のストライキ権に対する政府の態度についてであります。  周知のように、憲法第二十八条は、労働者の団結権、団体交渉権及びその他の団体行動の権利を明記しており、久トライキの権利こそ、言論・出版・結社の自由とともに侵すことのできない国民の基本的権利であります。(拍手)このことは、憲法の精神に忠実でありさえするならば、だれの目にも明らかなことであります。(拍手)  ところが、政府並びに自民党は、国際的にも広く認められ、いまや常識とさえなっている正当な要求のための当然の権利行使を違法ストと非難し、ストが行なわれた場合には厳正に対処すると、強圧的態度をもって臨んでおります。  政府・自民党が、そのただ一つの根拠となすものは、言うまでもなく、公労法十七条であります。そもそも、この公共企業体等労働関係法なる法律は、一九四八年七月、アメリカ占領軍司令官マッカーサーの一片の書簡によって、官公労働者のストライキ権が一方的に剥奪されたことによって設けられたものであります。  このように、公労法それ自体がまさにアメリカ占領軍の遺物であり、憲法違反の法律なのであります。(拍手)  これをただ一つの口実に、二十五年間の長きにわたって官公労働者のストライキ権を奪い続けてきたこと自体、歴代自民党内閣の対米従属の根深さと、反民主主義的性格を端的に示すものといわざるを得ないのであります。(拍手)  労働者には低賃金、低生活水準、無権利を押しつけ、その結果生まれてくる当然の要求の解決には誠意ある態度を示さず、一方、労働者がみずからの要求を実現するためのストライキを違法ときめつけ、これを圧殺しようとしていることは、まさにファッショ的やり方といわなければなりません。(拍手)  私は、憲法の規定に従って、当然の権利である公務員、公共企業体労働者のストライキ権の保障を強く要求するものでありますが、田中総理並びに関係閣僚の明確な答弁を要求するものであります。  第三の質問は、田中内閣と自民党が、みずからの失政には何ら反省を示さないばかりか、逆に、労働者の切実な要求を受け入れず、労働者の統一闘争を違法呼ばわりし、これに弾圧をもって挑戦しようとしていることについてであります。  このことは、政府・与党である自由民主党が、二十四日都内各所に十四台の宣伝カーを繰り出し、「絶対許すな春闘スト」などという自由新報号外を大量に配布し、労働者の行動を犯罪視し、混乱をあおり立ててきたことによっても明らかであります。(拍手)これに呼応するがごとく、狂信的右翼集団である悪名高い国際勝共連合なるものも、労働組合をはじめ、共産党や社会党にいわれなき非難を集中し、大量の宣伝物を配布したのであります。  こっけいなことに、自民党機関紙はその中で、物価値上げの元凶は春闘ストであると声を大にして叫んでおります。しかし、皆さん、自民党の諸君は、このことによって、相次ぐ公共料金の値上げ、大商社の不当な投機を野放しにして物価値上げをもたらし、そして現在、国鉄運賃値上げ法案を強行しようとしている田中内閣と自民党の責任を免れることができるとでも思っているのでしょうか。  物価値上げの原因が政府・自民党の政策にあることは、もはや隠れもない事実であり、国民の多数が怒りをもってそれを指摘し、批判をしておるのであります。(拍手)みずからの責任をごまかして労働者の責任になすりつけようとするこのような態度は、まさに天に向かってつばするものだといわざるを得ないのであります。(拍手)  さらに見のがせないことは、わが党議員団の調査によって明らかにされている状況によっても、また、現場における多数の目撃者の証言によっても、二十四日夜半の国電各駅での混乱は、政府・自民党の主張するように、国鉄労働者のストライキに反対する一般乗客ではなく、明らかに一般乗客とは区別される、ごく一部の集団によって、計画的に行なわれた疑いがきわめて濃厚であるということであります。(拍手)  また、二十四日午後九時四十分から十時にかけて、国電山手線高田馬場駅で電車が停車中、「この駅には駅長も運転手もだれもいない。幾ら待っていても電車は動かないから、皆さん線路伝いに歩きましょう」というにせの放送が二回以上行なわれたことも、多くの人たちによって確認をされているところであります。  また、当日午後八時五十分、国鉄当局は、上野駅での混乱の発生を理由に、通知運転に切りかえる指令を出しましたが、この結果、その時間に全体的にスムーズに動いていた山手線が、十分後にはほとんどとまってしまうという事態になりました。この場合の国鉄当局の処置がはたして適切であったと言えるかどうか。もっと事態を正確かつ総合的に把握をして、慎重に対処すべきではなかったか。国鉄当局の冷静さを欠いた処置が、全体の混乱を助長させる結果となったのではないか。運輸大臣はじめ関係閣僚、あなた方は、これらの問題を含め、二十四日の事態をどのように考えているのか。一部の分子による挑発行動ということも起こり得ると考えないか。事実を直ちに調査し、事件の真実をすみやかに明らかにすべきだと思うが、責任ある答弁を求めるものであります。(拍手)  最後に、私は、今日の事態を正しく解決する道は、何よりも、次のことを田中内閣及び国鉄当局が実行する以外にないと考えるものであります。  それは、まず第一に、政府・自民党の反労働者的態度を改め、労働者と労働組合の切実な要求に、誠意をもってこたえることであります。(拍手)  第二は、憲法二十八条に明記された基本的権利であるストライキ権を、労働者と労働組合に正しく保障することであります。(拍手)第三は、労働者と労働組合に対する一切の弾圧政策を直ちに中止することであります。  この問題にこたえるかいなか、これが問題の核心であります。この解決に真剣に努力しない限り、問題の根本的な解決は、決してあり得ないことを重ねて強調しておきたいと思うのであります。(拍手)  私は、以上の点を重ねて強調し、田中総理の責任ある答弁を強く要求し、質問を終わるものであります。(拍手)   〔内閣総理大臣田中角榮君登壇
  64. 田中角榮

    内閣総理大臣(田中角榮君) 津金佑近君にお答えをいたします。  労働者の要求にどうこたえるのかとの問題でございますが、政府としましては、勤労者の福祉向上のため、積極的に努力をいたしておるところであり、国民経済の発展に応じて、賃金、労働条件が全体として改善されていくことが望ましいと考えておるのであります。  しかしながら、具体的な問題については、本来、労使の自主的な話し合いによってきめらるべきものであり、これによって解決することが困難な場合には、労働委員会の調整によって、平和的に解決をせらるべきものなのであります。  政府としましては、公企体等における経済問題については最大限の努力をしており、二十三日には誠意を尽くした有額回答を行なったわけでございます。もうすでにこの問題については、公労委の調整段階に入っておるので、公労委の場で事態の早期かつ平和的な解決がはかられることを、期待いたしておるのであります。  それから、官公労のスト権の問題については、これはもう間々申し上げておりますとおり、公務員制度審議会において審議中なのでございますから、これを待つべきであります。この第三者のものを待てないということは、民主制度を否定することにつながるのであります。(拍手)待つべきなのであります。国会の議決がないからといって、政府がかってにものをやれるわけはありません。ちゃんとした制度の結論を待たないで、どうして一体民主政治が育つのでありますか。  なお、労働権自体の問題についての御質問がございましたから申し上げますと、勤労者の労働基本権は憲法の保障するところであり、政府としては、今後ともこれらの基本権を尊重してまいることは言うまでもありません。しかし、労働基本権といえども絶対的なものではなく、国民生活全体の利益を確保する要請から、制約を受けるものであります。特に公務員等については、その担当する職務や地位の特殊性に応じて、法律により制約が設けられておることは、言うまでもないことでございます。  四月二十五日に、最高裁が官公労働者の労働基本権の制約と刑事罰との関係について、明確な判断を示す判決を言い渡したのでありますが、その内容は適切なものと評価をいたしておるのであります。  もとより、今回の判決が出たからといいまして、政府がにわかにこれら官公労働者の争議行為を抑圧するようなことは、全く考えておりません。しかし、現行法上看過し得ない悪質重大事犯と認めるときは、厳正な態度で対処してまいりたいと考えます。(拍手)  それから、二十四日の暴動状態についての発言がございましたが、先ほどもお答えをしましたとおり、今回の国鉄の順法闘争に基づく一連の事件については、目下警察において捜査中でございます。  しかし、いままでの報告によりますと、順法闘争による列車ダイヤの混乱に対する一般乗客のふんまんが爆発したものと考えられるのであります。この国民のふんまんを、一部分子の扇動だとか挑発行動などと断ずることは、善良な国民を侮辱するものではないかと考えるのであります。(拍手)念のために、私の感想を申し述べておきます。  なお、問題の根本的解決策につきましては、先ほど申し上げたとおり、労使関係の秩序ある確立に対して、これからも努力を続けてまいります。(拍手)   〔国務大臣新谷寅三郎君登壇
  65. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 私に対する御質疑は、国鉄労組の要求を受け入れる用意があるかということが第一点だったと思いますが、国鉄労組の経済的な要求につきましては、先ほども申し上げましたように、国鉄の高い公共性、社会的な責任を認識いたしておりまして、国鉄当局が、財政状況が非常に悪いにかかわらず、御承知のように、七年ぶりに有額回答に踏み切るなどの誠意を示して交渉に当たっておるのでありまして、私も今後とも、公労委の結論が出ました場合には、誠意をもってこれが実現に努力をするつもりでおります。  経済要求以外の政治的要求につきましては、ただいま総理からお述べになったとおりでありまして、それぞれ法律の定めるところによって処理せらるべきものと考えます。  昨日の事件についてのお尋ねでございますが、私も、総理がいまお述べになりましたように、国民の立場を無視した違法な争議行為の連続に対しまして、国民のうっせきした不満が爆発したことによるものと考えるのでありまして、公安委員長報告のように、他にこれの誘因はなかったと思います。国鉄の調査によりましても同様でございます。  国鉄のその当時とった処置がよかったかということでありますが、国鉄はこの事態を見まして、この紛乱を最小限度にとどめるためにあらゆる努力をいたしました。  国鉄は事件の発生とともに、代替バスの輸送の手配とか、私鉄に対する深夜運送の要請とか、あらゆる方法を講じまして、被害を最小限度にとどめたのでありまして、その措置は適当であったと考えておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣江崎真澄君登壇
  66. 江崎真澄

    ○国務大臣(江崎真澄君) お答えを申し上げます。  警察では鋭意目下捜査中でありまするが、現在までの捜査では、右翼その他特定のグループが計画的にやった、こういう形跡は、御指摘もありましたが、全然認められない。特に逮捕された者の中にも、政治的なグループ、そういう色彩を持った者はないという報告を受けておるのであります。これは先ほども申し上げましたように、やはりダイヤの混乱に対する一般乗客のふんまんが爆発したものであるという見解が強いことを重ねて申し上げておきます。  なお、この重大性にかんがみまして、本件についてはあらゆる角度から慎重に検討をして、厳正な捜査を継続して、結論を得ました暁は、真相を明らかにいたしてまいる予定でおります。(拍手)   〔国務大臣加藤常太郎君登壇
  67. 加藤常太郎

    ○国務大臣(加藤常太郎君) 総理からもう十分話しましたので、重複いたしますので省略いたします。  経済問題に対しましては、もう政府は経済の成長に見合っていろいろこれは考えております。また、今回のいろいろな公共企業体の経済問題についても、先ほど総理から申し上げましたとおり、最大限の努力をいたしておるのであります。そして公労委にこれが移っております。どうかしばらくのごしんぼうを願いたいと思います。  また、スト権の問題でありますが、もうこれはしばしば申し上げたとおり、公制審の結果待ち。そして公制審に対してわれわれが圧力とかそういうようなことはしておりません。どうか御信頼願って、公制審の結論を待っていろいろ対処いたしたいと思います。  先ほど、かような事態が起こったのは政府の責任だと言うが、これは政府の責任でありません。やはり何といっても法治国家の国民でありますから、国民の一部である組合も、やはり法治国家の国民として違法ストをやめたら、これはもう簡単に解決いたします。どうか理解ある行動をとられることを心から望みます。(拍手)     —————————————
  68. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 次に、沖本泰幸提出交通ゼネストに関する緊急質問を許可いたします。沖本泰幸君。   〔沖本泰幸登壇
  69. 沖本泰幸

    沖本泰幸君 私は、公明党を代表いたしまして、あすに予定されておりますゼネスト回避することについて、総理並びに関係各大臣に緊急質問をいたします。(拍手)  二十四日の夜、首都圏の主要駅で発生した混乱状態は、直接その状態の中にいた人とそうでない人とを問わず、先ほどからの論争はありますが、私は、自民党政府の失政に対する庶民の気持ちを端的に表明したものであると考えるものであります。(拍手)  したがいまして、われわれはこのことを重大に考え、政治に携わる者の立場から事態を認識しなければならないのであります。  総理並びに閣僚は、政府に集まった情報により実情を把握し、また、各紙の報道等によって事態を分析されているとは思いますが、乗客や群衆は一体何をおこって駅や電車を破壊し、ごく少数ではあるが放火、略奪までやったかを、深刻に考えなければならないと考えるのであります。  都内の各駅で取材に当たったマスコミの記者は、騒動の中で思ったこと、感じたことを率直に報道しております。新宿駅の地下構内では、こわせるものはみなこわされて、以前の過激派学生による新宿駅騒動事件のとき以上の状態であり、しかも略奪さえ行なわれ、上野駅でもほぼ同じようでありました。  これらを通じて言われていることは、群衆は、ごく少数の行動派、その中の多くはほろ酔いの若い男性で、ときには若い女性もいた。この行動を声援する一群と、さらに声なき群衆の中年のサラリーマンなど多数の人たちが、これを黙って見守っている。これは、足を奪われて閉じ込められた駅構内という社会で、暴発した怒りの渦の中での現代社会人の種々相をあらわしていると思うのであります。  この順法闘争下において発生した、駅構内という限られた社会の混乱状態が拡大された場合にどうなるか、これは国民のひとしく感じた率直な恐怖でありましょう。ただ、連日の通勤電車に押し込まれ、順法闘争でいらいらさせられただけではない。超過密都市東京を働く場所として、通勤、住宅、物価、公害等々、息詰まる思いの生活の中で押えてきた不満といらいらした気持ちが、きっかけさえあればいつでも爆発する、その爆発が現実になったんだと、こう言っております。また、あの騒ぎを見て、現代の社会に住む人間の異常さを見る思いがした。民衆の怨念とえたいの知れないエネルギーを目の前に見た不気味さを語っております。(発言する者あり)新聞記者が言っているんだ、新聞記者が。私が言っているのではないのです。  これらは、混乱状態に身を置いて、冷静に率直に話し合った記者のなまなましい声でありますが、その結論は政治への不信と怒りであり、その火種まで掘り下げねば、今後の事態の解決の糸口はつかめないと思うのであります。(拍手)  国民の怒りは、物価高、土地をはじめ生活物資の買い占めなどの投機、重税、公害、交通禍など、国民生活への圧迫を加えた政府の大企業優先、国民大衆犠牲の政策に対する激しい不満にその淵源があり、これが国鉄の不正常状態を契機として起こったというべきであります。(拍手)  まず、田中総理にお聞きいたしますが、あなたは政治の最高責任者として、首都東京という超過密社会のメカニズムの中で働く平凡な市民が、国鉄順法闘争をきっかけにして起こした悪夢のような混乱状態、むしろ起こるべくして起こったこの事件に対し、どのように責任を痛感しておられるか、あわせてお答え願いたいのであります。  この事件の翌日の昨二十五日来、国民は真剣に政府の態度を見詰めております。この深刻な憂慮の中で、政府のとった態度は、先ほどからいろいろ答弁はありましたけれども、関係各大臣から労組に対する形式的な呼びかけだけであったと思うのであります。そうした中で国民の頭の中に残ったのは何かといいますと、政治的要求と経済的要求を分離するという政府の基本的方針の強化であり、何ら事の解決への姿勢が見えないことであります。  さらにきわ立ったのは、最高裁大法廷における全農林警職法事件、国鉄久留米駅事件、全農林長崎事件の判決を通じた官公労働者に対するスト権全面禁止であります。  二十三年のマッカーサー書簡により官公労働者の団結権、スト権を奪われて以来、普遍的な労働者の労働基本権を要求し、わが国社会の民主的な発展を築くため、長年にわたる官公労働者の基本的な権利要求の長い歴史の中で、さきの都教組事件、全逓中郵事件の最高裁大法廷では、基本的にはスト権を認め、刑罰からの解放を判決したもので、これは、わが国の公労法の後進性を指摘したドライヤー勧告や、先進諸国が官公労働者のスト権を認めている現状からも当然であります。それを百八十度くつがえしたのが、昨日の大法廷判決であります。しかも、僅少差でこの判決を下しておる。国民が最も信頼せざるを得ない最高裁におけるこの判決が、司法の安定性を著しく欠き、時を合わせたかのように既成の判例をくつがえしたことは、国民のだれもが、司法の中に手を突っ込んだ政治のにおいを感じ取っておることは当然であります。(拍手)  もし、総理がこの判決をたてにとって、官公労働者のスト権剥奪をどこまでも押し通すならば、今回のゼネストはとうてい回避することはできませんし、正常な労使関係は生まれないと思うのであります。あるいは、あくまで政治権力をもって事態を解決しようとするならば、労使間の対立と混乱は助長されると考えざるを得ないのであります。  春闘の背景や本質を見ますときに、日本経済発展の陰に犠牲にされた、劣悪な労働条件、年金や健保など社会保障制度の貧困さ、さらには、国民生活の随所に吹き出しておる公害、物価及び住宅不足など、不十分な社会環境の中で献身的に働く労働者によって築かれたものであり、この過酷な労働条件が、生産性を向上せしめ、大企業を太らせ、日本経済をささえてきたのであります。  また、日本の資本は、社会保障における資本側分担額はきわめて低い上に、労働災害対策費が少ないなど、間接的労働コストも低く、さらに加えて、公害防除に費用をかけず、公害をたれ流しにしております。それにもかかわらず、政府、大企業は、生産性の向上をうたい文句に労働者を酷使しておるのであります。労働者、国民大衆は、生活を切り詰め、貯蓄を増強させる異常なまでの勤勉さを強要されながら、かえって衣食住全般にわたり貧困をしいられ、物価の上昇する中で、交通難や公害の激化で生存の権利すら脅かされている現状であります。  そういうことのために、社会福祉をやりますと、総理はやっと言い出したわけです。政府は、これらのいわば反民主主義、非人間的な土壌の上に立って、反福祉政策を強行しようとしているのであります。  こうした認識に立てば、春闘七三年の要求事項である官公労働者の労働基本権を認め、政府物価政策の破綻、労働政策の失政を補うための実質賃金の大幅引き上げや労働時間の短縮、生活できる年金の確保、こういうような要求は当然であり、これを全面的に受け入れるべきであります。  総理並びに各大臣の誠意ある明快な答弁を求めるものであります。  かつて、ケネディ大統領は、鉄鋼ストによる国民生活の危機があったときに、みずから率先して労働組合と話し合い、国民生活の危機を訴えて事態を解決したことがあります。  今日の事態は、すでに労使間の紛争の段階をこえて、国民生活の危機、社会的荒廃の危機へ進む可能性を持っていると判断すべきであります。私は総理に対し、みずから先頭に立って労組側と話し合い、誠意を尽くして、ゼネスト回避するために全力を尽くせよと強く要求いたします。(拍手)  田中総理とのトップ会談も、結論的に言いますれば、政治的要求、すなわちスト権と処分問題について、総理の前向きの決断を要求していると理解すべきであります。この話し合いの余地のある現時点において政府がとるべき態度は、違法な政治ストをただ一つのよりどころとして、国民生活の実情から目をそむけた、権力的な傲慢な硬直姿勢であってはならないと思うのであります。(拍手ゼネスト回避は国民的な要求であります。であればこそ、事態収拾は労使の共通目標として一致しているのであります。現状は、かかって総理の姿勢と決断にあることを私は訴えたいわけです。だから、きょうの本会議があったのです。  いまこそ総理は、率先してトップ会談を開いて、みずから共通の場を掘り起こして、事態を収拾すべきであります。  総理の決断を強く求め、明快なる答弁を要求して、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣田中角榮君登壇
  70. 田中角榮

    内閣総理大臣(田中角榮君) 沖本泰幸君にお答えをいたします。  まず第一に、四月二十四日の事件についてでございますが、わが国の国有鉄道というものは、定時運行で安全であるという点で、世界最高の企業として、長く、高く評価をせられてまいったわけでございます。国民の国鉄に対する評価も、これと同じように、定時で安全であるという評価に立っておるわけでございますが、それが、今度の順法の名による違法ストライキは、出るのか出ないのか、日本人の性格にほんとうに合わないやり方でございまして、(拍手)国民はもう、こういうものは大きらいなのであります。(拍手)そういう意味で、今度のストライキは、過去のストライキよりもきびしく国民に批判をされておるという事態は、われわれは真に認識しなければならないことでございます。(拍手)  このような事態は、真に遺憾なことでございまして、政府は、このようなことが起こらないように、また、その前提であるストを避けるために、最大の努力をしてきたわけでございます。その意味で、去年も、法律が通らなければ仲裁裁定はできませんと国会に言っておったにもかかわらず、しかし、何とかしてということで、誠意をもって仲裁の実施をしたわけでございます。  今度も、国鉄運賃法がまだ審議中であるにもかかわらず、有額回答をしておるのでございます。しかも、有額回答が少ないというならば、公労委の場もあるわけであります。その上また、裁定もあるわけでございます。そういう問題に対して政府も国鉄当局も誠意をもってこたえます、こういう姿勢に出ておるにもかかわらず、なぜ違法のストに訴えなければならないのでありましょう。(拍手)  それは、政府にも全然責任ないとは考えておりません。しかし、その大半の責任というものは、ストライキをやっておる人が負ってもらわなければなりません。政府がほんとうに責任ありとするのは、運賃改正法でも、もっと早く通していただいて、もっと労働者の要求に応じられるようにする努力に欠けたということに対しては、はなはだ遺憾かもわかりませんが、その他の問題は、順法の名において行なう違法ストの当事者が非難をされることは当然のことだと思います。  また、勤労者の労働基本権の問題につきましては、先ほども申し上げましたとおり、憲法の保障するところでありまして、政府としては、今後これらの基本権を尊重してまいることは当然でございます。  しかし、労働基本権といえども絶対的なものではなく、国民生活全体の利益を確保する要請から制約を受けるのであります。国家公務員が制約を受け、官公労働組合が制約を受けるということはやむを得ないのであります。官公労働組合よりも電力や石炭の企業、私企業でありながら、スト規制法のもとにちゃんとして責任を果たしておるじゃありませんか。(拍手)そういうことを考えるときに、公務員である限り、担当する職務や地位の特殊性に応じて法律で制約を受けることはやむを得ないのであります。ですから、その体制の中で、労使がお互いに理解をし合いながら責任を果たす、しかも目的を達成するように努力するのが真の労使の交渉だと私は考えるのであります。(拍手)  最後に、私も、ゼネスト回避のためには政府も責任を痛感いたしておりますので、最善の努力をいたしたいと考えます。(拍手)   〔国務大臣新谷寅三郎君登壇
  71. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) ただいま総理がお答えになりましたとおりでございますから、私からの答弁は省略させていただきます。  ただ一つ申し上げたいことは、そういうことでございますから、私は、昨日も、組合の幹部の方々に来ていただきまして、るる私の心境を説明をし、自重を求めたのであります。いかなる運動でありましても、国民を忘れた運動であってはなりません。そういうことでは国鉄の、全体の国民からの信用を失いますから自重してくださいということを、るる申し上げたのでございます。(拍手)   〔国務大臣加藤常太郎君登壇
  72. 加藤常太郎

    ○国務大臣(加藤常太郎君) お答えいたします。  総理からもいろいろお答えがありましたので簡潔に申しますが、労働省としては、福祉国家の実現のためには、生活の改善、福祉の向上、これは十分今後ともやる所存でありますし、やっております。  いろいろ待遇の改善の問題でありますが、これは順序を踏んでできておるのであります。やはり経済が成長すると、賃金の向上、処遇の改善、これはもう政府も、先ほど総理から話があったように、望んでおるのであります。そして、この賃金の問題は、御承知のように労使が十分話し合って、相手方を信頼して、良識をもって合理的に解決する、こうなっておるのでありますが、これができない場合には、いろいろ中労委、公労委があるのでありますから、ここでやっておるのであります。それを一方ではやっておるのに、違法なストライキをやる、かようなことは私はどうも納得いたしません。  スト権の問題がありますが、これは関係組合においても冷静な態度で、どうか結論を待っていただきたいのであります。先ほどから再々お答えいたしましたように、公制審で、公労使三者構成の審議会でやっております。そして、この結果を待ってひとつ対処いたしたいと思うのでありますから、組合側も冷静な態度でお待ちを願いたいのであります。  以上のとおりであります。(拍手)     —————————————
  73. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 次に、塚本三郎提出国民生活を混乱させる違法ストライキに関する緊急質問を許可いたします。塚本三郎君。   〔塚本三郎登壇
  74. 塚本三郎

    塚本三郎君 去る二十四日の春闘出発の夜は、首都圏で荒れに荒れて、予想され、おそれられていた乗客の怒りの爆発、それがとうとう火を吹いて山手線、京浜東北線沿いの主要駅に相次ぎ起こる群衆の怒声、罵声、たたき破られる電車の窓、こづかれ逃げまどう駅員。興奮しきった群衆は、駅の売店や地下のショーウインドーを次々に襲って品物を奪うなど、半ば暴徒と化し、あちらこちらで火を放ちながら、電車をよこせと叫んでおります。  やむことのない順法闘争に乗客の忍耐はついに限界を突き破ったのか、史上空前ゼネストを控えた春闘は、幕明け初日の夜から激動の暗黒を予告いたしております。  二十四日午後十時半ごろ、新宿駅西口の料金精算所を襲った群衆は、駅員を追っ払い、ガラス窓をたたき割り、ロッカーや机をひっくり返し、定期券や切符を、血に飢えたけもののようにさがし回る。地下街のショーウインドーのガラスや電車の発車時刻を書いたプラスチックの板も、あとかたもとどめぬほどで、よし、これをこわせと、十人余りが地方物産即売店を襲い、とびらをたたき破ると、ウニやスルメ等を次々に道路に投げ出す。そのかたわらで、サラリーマン風の二、三人が、コーラの自動販売機を横倒しにし、コーラを引き出そうとする。どの顔も善良そうな市民である。群集心理とはこんなにもおそろしいものだろうか。二百人余りの機動隊は、約五千人の暴徒化した乗客に圧倒され、西口派出所を守るのが精一ぱいであった。  これは、昨日朝刊の記事の一部であります。差し迫った交通ゼネストの二十七日を前にして、動かない国電、動かなくなる国鉄に対する民衆の怒りが暴徒と化したことは、疑う余地がありません。(拍手)  わが民社党は、このことあるを危惧し、再三にわたって、政府にこれが善処方を具体的に申し入れてまいったことは、総理並びに運輸大臣も御承知のはずであります。にもかかわらず、その危険を回避することができず、今回の暴動を招き、さらに明日の違法ゼネストを迎える最悪の事態に直面したことは、まことに遺憾といわなければなりません。(拍手)  私は、この機会に、民社党を代表して、これら最悪の混乱を避けるために、政府の所信をたださなければなりません。(拍手)  質問の第一点は、すでにひんぱんに行なわれているいわゆる順法闘争なる行為についてであります。  政府は、これを違法ストだとしばしば言明し、そのつど、国労並びに動労に対して中止勧告をしてまいりましたが、一向に中止されたことがありません。違法ならば、なぜ違法者に対して法的制裁が加えられないのでありましょうか。(拍手)まさか、一定の政治目的を持つ労働組合の政治行動に対して、政府が中止勧告という精神訓話をなさっておられるとは思われません。  およそ法治国家においては、相手方を違法と断定する以上は、確たる法の裏づけと、それを守らせる強制力の発動がなければなりません。(拍手)  さらにまた、それ以上に、現行法律によって守られている国民大衆が違法によって受ける損害を防止するために、被害者の立場に立って事態を解決する姿勢がなければならぬことは、当然過ぎる事柄であります。(拍手)  しかるに、政府の国鉄に対する態度は、およそ法治国家としてはまことに恥ずかしい限りであり、優柔不断であり、あいまいであり、その上、これを解決する見通しさえ持ち合わせない。国民のいら立ちと不信感がいつ、どこででも爆発する飽和状態になっていることを知らなければなりません。(拍手)  一体、政府は、この順法闘争なるサボタージュを事前に中止させる手だてがあるのかどうか、政府の確たる所信のほどをお伺いいたします。  質問の第二は、去る二十四日夜のすさまじい破壊力は、一体何に向けられているとお思いでありましょうか。  当面は、何でもこわせばよい、憎いのは国鉄であり、国労であり、動労であったといたしましても、この種の怒りは、この日だけのものと受け取ってはならないと信じます。連日、満員電車にすし詰めにされ、その上に、わけのわからない順法闘争というサボタージュにゆさぶられ、それに恨みつらみが重なっていると見なければなりません。日常生活の中で、みんないらいらしどおしであり、過密都市、過密電車、住宅難による通勤地獄、それに加うるに物価高、何とかならぬかという思いにかられた群衆は、爆発寸前の状態に置かれております。民衆のえたいの知れないエネルギーが、怨念という怒りをたくわえて交通一揆となりつつあります。  事件は、すべてこれで終わったわけではありません。二十四日の事件は、上尾駅事件にさらにスケールを拡大され、さらに、国民の不満のエネルギーをさらにさらに蓄積されたものと見なければなりません。  今回の事件はともかくとしても、一体このように、不満の上に政治目的が加わったことを想定するとき、それが右翼であろうと左翼であろうと、革命への導火線とならぬとだれが保証できるでありましょうか。(拍手)  いまや民主政治の危機的様相であると心配することは、はたして杞憂と言い切れるでありましょうか。これら一連の暴動的世相に対処する政府施策がどのようなものであるか、所信のほどを伺わねばなりません。  質問の第三は、国民の財産である国鉄を私物化して、これを闘争の具に供し、年間の三分の一は順法闘争と称するサボタージュや違法ストに終始している国労、特に動労の不法行為への政府当局の対処のしかたについてであります。  一昨年来の生産性教育の挫折から、それら労組の暴走を放任し、一部暴力集団の狂気のような威圧に屈して、職場における法と秩序を根底から崩壊せしめた国鉄当局の責任は、きわめて重大であります。(拍手)なかんず好戦的集団に迎合して、職場の管理能力までも失わしめ、ひより見的態度で国鉄の将来の方向を誤らしめた国鉄当局の無責任体制が、いわゆる順法闘争を助長させてきたものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  よって、この際、国鉄経営陣の人心一新の時期と考え、国鉄最高首脳の責任を明らかにすべきだと思いますが、総理の所信をお伺いいたします。(拍手)  質問の第四は、政府は去る二月十日のスト権回復スト、四月十七日の年金スト等の政治ストを容認するがごとく、何の対応策も持たず、政治ストを解決するため労働大臣などが労組と会見して、国政や法秩序を飛び越えて、当面を糊塗するがごとき優柔不断な解決策を改め、正は正、邪は邪と明確に区分をなし、信賞必罰の精神をもって、法秩序の確立に全力を尽くすべきが当然でありましょう。(拍手)  国鉄労働者の中には、民主的労働運動の発展を通じ、国民のための国鉄再建を念願しているまじめな労働者や管理職がたくさんいることを忘れてはなりません。(拍手)それらまじめな労働者は、左翼労働運動のたび重なる暴行、脅迫、いやがらせに耐え忍び、悪法といえども法は法としてこれを順守し、鋭意国鉄再建のために努力を続けてきております。その諸君までが、一昨日のごとき激高する国民からは、同じ国鉄労働者として批判され、ののしられるという事態に立ち至っております。政府は、これらまじめな労働組合運動と、違法を承知しつつあえて国法に挑戦する不当な労働運動との取り扱いについて、どう区別し、対処していかれるおつもりか、明確なる答弁を求めるものであります。(拍手)  質問の第五は、およそ官公労働関係における正しい秩序の確立は、国民全体の利益擁護と、官公労働運動の正常な発展の双方にとって欠くことのできない重要課題であります。  そこで、この際、公務員法並びに公労法を抜本的に改正し、官公労働関係の正しい秩序を制度的に確立することが絶対に必要だと考えるものであります。  されば、現行の公務員法並びに公労法は、公共の福祉を強調するあまり、必要以上にこれら労働者の労働的基本権を規制する結果となり、ために官公労働者は法そのものに対して不信感を抱き、順法の精神を欠く結果となっております。同時に、この法に対する不信の態度が政府当局に対する不信感となってあらわれ、労使の円滑なる話し合い及び解決の基盤がそこなわれているものと見なければなりません。したがいまして、労働基本権の規制については、これを最小限にとどめ、官公労働者が持つ不信感を一掃することがすべての前提でなければなりません。  わが国における公務員法、公労法上における労働基本権の制約の度合いは、西欧諸国の水準に比べ、またILOの国際的水準に比べても、下回っていることは否定できません。近代国家たるわが国の労働基本権が、国際水準を確保することは当然といわなければなりません。  労働基本権の拡大は、すなわち公共の福祉を阻害することになるとする政府の判断は、誤っておるといわなければなりません。それは、労働運動の現状と相対的関係において判断すべきものであります。労働基本権の行使は、国民世論の支持なくしては有効に行使し得ないものであり、公共の福祉はこの面で十分にカバーされるものと考えられるものであります。  最後に、今回行なわれんとしているゼネストは、交通関係のほか、日教組、全林野、全逓なども参加し、ベースアップのみならず、政治的要求から公務員のスト権回復をも目的としている模様であります。  わが民社党は、公務員のスト権回復及び労働基本権の拡大については、以上の見解を述べて賛成の意を表し、それが決して公共の福祉に反しないという論拠と限界をも明らかにしてまいりました。しかし、だからといって、現行法律に違反し、挑戦する違法ストには、断じてくみするわけにはまいりません。(拍手)悪法もまた法なりとの精神は、現行法律によって生きており、かつ、働いておる数知れない大衆の利益を守ることが公党としての責任であるからであります。(拍手)また、これを破壊することによって犠牲を受ける人々を見捨てるわけにはまいらないからであります。  あえて申し上げます。労働者の権利を狭めている公務員法並びに公労法は、良識あるわれら国会議員の手で法改正を行なうべきものであり、かつ、憲法違反のそしりは、最高裁を通じ違憲立法審査権で争うべきものとわが党は主張いたします。(拍手)それが議会制民主主義を貫く真の革新の道であり、労働者に味方をする親切でもあると信ずるからであります。(拍手)  政府は、この際、公務員制度審議会の審議を促進し、公務員、公共企業体職員の要求に沿うよう積極的に働きかけることを要求いたします。  今年二月以来、たび重なる争議によって、すでに百数十名の重軽傷者を出し、さらに今回予定される大規模なるゼネストによって、国民一般に空前の被害を与えるものと心配されております。それは単に通勤、通学の足を奪われる被害にとどまらず、物資不足による物価上昇に拍車がかかり、日常の食生活に欠くことのできない農産物の輸送に対する混乱の結果とその被害は、ことごとく弱い庶民大衆にはね返ることを憂えないわけにはまいりません。(拍手)  いまや無政府状態とさえいわれる国鉄労使間の乱れと輸送の危機は、物価高とやるせない国民の不満やうっぷんを上乗せして暴走しつつある現状を政府は冷静に受けとめ、いまこそ決断と実行の実をあげられることを要求し、政府の所信をただして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣田中角榮君登壇
  75. 田中角榮

    内閣総理大臣(田中角榮君) 塚本三郎君にお答えをいたします。  違法ストを直ちに中止せよという問題でございますが、公共企業体におきましては本来すべての争議行為が禁止をされており、これに反して違法な争議行為を行なった場合には、法に照らして処分が行なわれることは御承知のとおりでございます。しかし、これを承知であえて違法ストを行なう者に対して、政府は、これを事前に強制的に中止をさせる有効な手段は持っておらないわけでございます。  法治国家の国民としては、現存する法律に不満がありましても、御指摘のとおり、これに従って、良識を持つべきであります。政府としましては、関係労組に対し、再三にわたり争議行為の中止を申し入れたところでございますが、これが聞き入れられなかったことはまことに遺憾であり、法に照らして厳正な措置がとられるものと考えておるのであります。  先ほどから申し上げておりますが、二つの問題があり、経済行為に対しては誠意をもって対処しておるのであります。なおこれからも対処をすると言っておるのであります。  しかし、第二の問題は、国会の問題であり、公制審の問題であり、これは、労働行為の範疇にはない問題であります。しかも、それらの問題に対して言うことを聞かなければ、イエスかノーか、これをのまなければストライキをやるんだということに対しては、政府は解決する手段を持っておらないのであります。ですから、良識に訴える以外にはないと申し上げておるのでございます。  なお、先ほども申し上げましたように、職員の処遇改善等の経済問題につきましては、有額回答を行なったり、公労委に調停をお願いしたり、最大の努力をいたしております。にもかかわらず、闘争を続け、政治目的を有する違法ストを行なうことは、国民の生活権を奪うことになるだけではなく、民主主義体制そのものに対する挑戦であります。スト権を奪うとか奪わないとかいうことではなく、民主主義政治そのものの大本に対する挑戦行為である、そう認めざるを得ないのであります。(拍手政府もこれを黙って見過ごすわけにはまいりません。  それは、そんなことを申し上げなくとも十分御理解いただけるとは思いますが、同じ公務員であっても、裁判官には政治活動の自由が禁止されておったり、いろいろ一般国民とは別な制約があるのであります。憲法にも定めておるとおり、国民全体の利益を守るためには、奉仕者である公務員というものは、それ相当の制約を受けるのであります。同時に、官公労、三公社五現業というものは、純民間的なものではないのであります。公益企業であり、公共企業である。そこに職を奉ずるものが、一般労働者よりも限られた制限を受けることはやむを得ないわけでありまして、法律制度の中で、お互いが理想達成に努力をしなければならぬことは、御指摘のとおりでございます。御発言に敬意を払います。(拍手)  第三は、国鉄の最高首脳部の責任についてでございますが、国鉄における違法な争議行為に対する国民のふんまんが爆発して暴動事件が発生したことは、真に遺憾であり、政府としても深くこの事態を憂慮しているところでございますが、現段階では、違法ストの回避に全力投球することが責任を果たすゆえんだと考えておるのでございます。  最後に、正常な労使関係を一部の者が阻害をしておる問題に対してどうするかということでございますが、正常な労使関係を暴力によって阻害したり、職場で暴力行為が行なわれる等のことがあれば、政府は厳にこれを取り締まります。暴力の排除によって、真の理想的な労使関係が確立、育成せられるように努力を続けてまいることを明らかにいたしておきたいと思います。  以上。(拍手)   〔国務大臣新谷寅三郎君登壇
  76. 新谷寅三郎

    ○国務大臣(新谷寅三郎君) 違法な争議行為に対しましての質問につきましては、ただいま総理から非常に詳細に御答弁になりました。これにつけ加えることはございません。  私も、法秩序を守りますために、違法な争議行為に対しましては、特に厳正な態度をもって措置すべきものであると考えております。  国鉄の経営陣についての問題でございますが、ただいま総理からも所信を申し上げられましたが、このほかに私は、国鉄における労使間の問題では、いま非常に数多くの問題が残されております。これらの問題につきましては、先ほども申し上げましたが、労使がもっとふだんからお互いに意見を出し合って、そうしてこういった事態になる前に、真剣にこれらの問題の解決に不断の努力を払うことが非常に必要であると考えます。経営陣も、国鉄の重大な使命に徹しまして、これに対応するような体制を整えるように指導をしてまいらなければならないと考えておるのでありますが、当面はこのような事態でございますから、これを処理するために最善の努力をさせたいと考えておるのでございます。  それから、正しい労働組合運動と違法な労働組合運動とをどうして区別して対処するかということでございますが、これは言うまでもございません。不法な運動に対しましては、法律の命ずるところによりまして、これは厳正に対処するべきことは、もとより言うまでもございません。(拍手)   〔国務大臣加藤常太郎君登壇
  77. 加藤常太郎

    ○国務大臣(加藤常太郎君) 総理から大略、もう全部話がありましたので、私は簡潔に補足の答弁をいたします。  憲法二十八条が保障する労働基本権、この基本権に沿ってストをやる、かようなことは、もうこれはもってのほかであります。いろいろの法律で判然と禁止いたしておるのであります。ところが、そのストをいろいろ計画する。また順法闘争という名前、名前は順法、これは国民がたまりません。そしてストよりはこれは悪質であります。国民に対する迷惑は、これはたいへんなものであります。さような意味で、どうしても公労法十七条は公共企業体の職員の地位の特殊性と職務の公共性から、これら職員の争議行為を禁止しているところであります。この公労法十七条が憲法二十八条に違反しないものであることは、すでに最高裁判所の判決においても明らかであるところであります。  先ほどから、との問題につきましても総理から十分な話がありましたので、私は省略いたしますが、どうか冷静なる組合の判断と、私はこれはこの際、順法であろうがストであろうが、冷静な立場で、国民的立場でストの中止を申し入れておるところであります。  以上。(拍手)   〔国務大臣坪川信三君登壇
  78. 坪川信三

    ○国務大臣(坪川信三君) お答えいたします。  塚本君の御意見を交えての御質疑に対しましては、全幅とは申しませんけれども、共感を深くいたしながら傾聴いたしてまいったような次第であります。(拍手)  公務員の労働基本権に関しましては、田中総理がたびたびお述べになりましたごとく、国政並びに国民生活にかかわる重大な国民的課題でもございますので、御承知のとおり、公労使の三者構成による公制審が、目下意欲的に、積極的に審議、討議を続けられているような次第でございます。その結論を踏まえまして、これに対する政府の対策をば決定いたしたいと考えておるような次第でございますので、これに対する審議の期限を制するとか、あるいは審議の方向を拘束するというような考えはないことを御理解賜わりたいと思います。  以上。(拍手)   〔国務大臣江崎真澄君登壇
  79. 江崎真澄

    ○国務大臣(江崎真澄君) 塚本さん御心配のように、一部の、ためにする者が組織的、計画的に一般乗客のふんまんを利用して政治的な暴力的破壊行動、これを計画することは、これはやはり考えておかなければならぬ重要な御指摘だと思います。  そこで、警察といたしましては、十分それらを考慮に入れて、警戒体制をもって臨みますると同時に、厳正な取り締まりを行ない、治安の確保に万全を期してまいる所存であります。(拍手)      ————◇—————
  80. 中山正暉

    中山正暉君 本日の議事日程に掲げられた議案の趣旨説明並びに国務大臣の演説は延期し、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
  81. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時一分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  田中 角榮君         文 部 大 臣 奥野 誠亮君         農 林 大 臣 櫻内 義雄君         通商産業大臣  中曽根康弘君         運 輸 大 臣 新谷寅三郎君         郵 政 大 臣 久野 忠治君         労 働 大 臣 加藤常太郎君         建 設 大 臣 金丸  信君         自 治 大 臣 江崎 真澄君         国 務 大 臣 小坂善太郎君         国 務 大 臣 坪川 信三君  出席政府委員         内閣法制局長官 吉國 一郎君         総理府人事局長 皆川 迪夫君         運輸大臣官房審         議官      原田昇左右君         運輸省鉄道監督         局長      秋富 公正君         労働省労政局長 石黒 拓爾君      ————◇—————