○沖本
委員 これはただ
ことばの論議をやっているだけのことなんですが、要は、この問題が
解決して、そして並行して、しかる後、かかることは再び起こさないということで初めて話が並行するわけなんです。
事件は未
解決のまま、法務
大臣一生懸命になってお
答えになっていらっしゃるわけですけれども、たらいの中で一生懸命言っているわけなんです。そこから
向こうへは話は全然出ないわけなんです。そういうことなんですね。お互いに言い合っても平行線をたどっているだけなんです。だから、問題が
解決して、しかる後こういうことが明らかになったのでこういう処分をしたとか、いやこれは絶対シロだったとかなんとかということがはっきりしてから、今後かかる問題は起こさないということになっていくと思うのですね。かかることは起こさないということは、あったということを認めていることなんですよ。それを認めていらっしゃりながら、うちはシロだ、
本人に聞いたらシロだった、こういうところが話が全く矛盾しているわけです。たとえば李厚洛情報部長ですか、一人でも
政府機関の
職員が
事件に
関係しておった場合には直ちに職を辞するということを公言していらっしゃるわけです。そして、むしろそういうことを言う
日本のほうが主権侵害じゃないかということをおっしゃっているわけです。その辺もあいまいもことしているわけです。これは
向こうの国内の問題ですから、こちらはどうしようもないかもわかりませんけれども、こういうことがつながって重なっていくから、疑惑、疑惑、疑惑となっていっているわけです。
そこで、これは
大臣にも聞いておいていただきたいのですが、あとで本はお渡しいたしますけれども、外務
委員会でも出たことなんですが、手のひらで空をおおうようなものだという表現で出ています。今度はもう少し詳しく読んでみます。鄭一亨、「五〇年に国
会議員に当選後、軍事クーデターによって一時追放された以外は連続して当選しており、野党の長老議員である。」学生革命後に成立した張勉政権の外務部長官でもあったという方なんです。この方が二十六日午後、
国会て
——九月二十二日に
韓国国会で、むしろ主権侵害は
日本だという議論があった後に、質問しているわけです。飛ばして読みますけれども、
日本の首都東京で白昼に
金大中氏を拉致して、ソウルのまん中に連れてさておいた犯
人たちが
韓国人だよ!
事件の
内容から見るか、規模から見るならば誰も犯人になることはできない!
また
事件発生国
日本の
政府当局者たちが、犯
人たちにたいする科学的根拠を提示している!
それにたいして、わが
政府は二箇月になるまで科学的反証を提示しえずに、無実な
金大中氏だけ軟禁しおきざりにしている!
西ベルリン
事件の時の前科もある!私の考えではわが中央情報部を始めとした
捜査機関がそれほど無能ではない!これぐらいだったら常識問題だよ!三尺童子も分るぐらいじゃないか!
外国では勿論のこと、多くの
国民たちがこの
事件を中央情報部の仕業と断定している!私の考えにもそのように見える!
金総理も肯んじたように、この
事件のために世界の輿論がわれわれを糾弾している!韓日
関係はいわずもがなであるが、韓米
関係までも最悪の状態だよ!特に今度の国連総会では
韓国問題が討議される時、この
事件が間違いなくあげられる!どうするつもりかね!押し通す所まで押し通す腹だろうが国のみえは何んになるのかね!
掌で空を覆う考えはやめなさいよ!金総理は時間がかかっても犯人さえ捕まえればいいじゃないかと言うだろうが、金総理よ!犯人をつかまえようと苦労しなさるな!犯人はすでに捕まえられている!わが
国民たちも捕まえておいたし外国
人たちも捕えておいたし、私にも誰かがわかるよ!
いま問題は、犯人を捕えるのにあるのではなく、わが
政府が科学的反証を提示して嫌疑から逃れるか、さもなければ捕えられている犯人の名簿を発表するだけで
事件は一段落つくのさ!
すべての耳目の焦点が犯
人たちに集っているのではなく、わが
政府の態度に集っているという話です。今からでも
事件の
真相を発表し、
金大中氏と梁一東氏そして
金敬仁議員を
日本に行って来られるようにしなさい。それでなくてはわが
政府が豆で味噌を作るといってもそのまま信じてくれないようになっているのだよ。
金総理が
金大中氏にあって
解決策を捜して見る
段階は過ぎたという話ですよ。いろいろずっとあるのですけれども、これぐらいの
内容のことが
国会で議論されておる。法務
大臣が先ほど触れられたのと大体似たようなことを
国会て
——この部分は削除されたそうです。そういうことになるし、いまむしろ
韓国内ではいわゆる学生の反
政府運動がだんだん起きてきている。内政の問題にからんで申し上げるつもりもないわけですけれども、そういう問題が起きている根本は何かというと、
金大中事件の
内容を、
真相を明らかにしろということと、
日本の経済的侵略を非常に疑いの目をもって見ているという
内容にあるわけです。そういうものがどんどんどんどんいま盛り上がっていっている。
日本の
国民もこの
事件を通して、そして政治的
解決をはかったという一言でこの二日に済んでしまったというかっこうにしてしまっておりますけれども、日韓
関係に対してはまだまだ
事件は
解決してないというふうにとられてもおるし、そういう関連から、
韓国に対する
日本の経済政策については
一つも疑問が晴れているわけじゃないわけです。そういう点を今度は政治的に配慮していくときに、このままでこの問題を押し通してしこりをそのまま残せば、先ほど週刊誌で読んだように
日本政府と
韓国政府だけの友好に終わってしまうんじゃないか、
国民同士は不信だらけになっていっている、その上妓生観光だという非難もどんどん持ち上がってきているというような、非常にまずいものが双方の間に持ち上がっている。
日本のほうは主権侵害という気持ちを多分に持っている。
向こうは経済侵略のほうを多分に持っている。そういう中で日韓閣僚
会議を急いで十二月十八日にやらなきゃならないということはないはずなんです。十二月十八日にやらなければならないのは、結局一月から
韓国の
国会が始まって予算を組まなければならない、
韓国に焦点を合わしてこの
事件とは切り離して問題を考えている。で、日韓閣僚
会議をやめたのは納得のいく
解決をはかるために無期延期したわけです。
国民は
一つも納得していない、
事件も
解決されていないということは
外務大臣もおっしゃっているわけです。そして再び閣僚
会議を開いて、この問題をおざなりにして、そのまま耳をおおうようなことがあっては大きなしこりを将来に残してしまって、そして反日運動がどんどんどんどん出ていくということになるわけです。
金大中氏も
日本の経済援助が
韓国の民生安定に使われるなら問題はないということを言っているわけです。そういうふうな
内容をいろいろはらんで、これからまだまだ問題がふくそうしていくような中にあるわけです。そういう中から
金大中氏が
アメリカに行くということも起きてきている。行かれるか行かれないかはまだ疑問的な
段階にあるわけです。こういう点を踏まえて考えていただくと、これはもう簡単なことで済むものじゃないということはだれもが容易にわかると思うのですね。
大まかな
ことばかり申し上げました。もう議論してみたってこれは平行線なんですから、ほんとうにたらいの中で
大臣と議論するに終わってしまうということ、ただ、将来にもっと発展したものが出てくるということを
大臣は予告をおっしゃっていらっしゃるから、それに大きな期待をかけてみますけれども、そういう
段階にあるわけですから、こういう問題を一括してお話ししましたけれども、
大臣から、いずれ私には発言の場でないものもあるとおっしゃるかもわかりませんが、閣僚
会議の御一人でもあるし、この問題に対しては大きな責任をお持ちの立場でもあるわけですからお
答え願いたいと思います。