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横山委員 たいへんあなた楽観的なお話でございますが、そんな
状況であるならば^決してこんな、わざわざ
法務委員会までおいでを願って御
質問する
気持ちはありません。本質的に
マネプラというものが、時間
外労働も、休日も無視して無休で働かなければならない体質、
マネージャープランの中にはそういう
基盤があるのですから、その
基盤がある限りにおいては、何ぼ
調整規定を
云々と言ったところで、それを守られるはずはない。全
石連も
マネプラについて苦々しい顔をして横目で見ている、しかし、何ともしかたがない、こういう
状況なんですね。ですから、
調整規定が
お互いに円滑に守られるようにするためには、
マネプラの
改善をしなければ、この
調整規定は守られ得ない。ことばで何ぼ言ったところで、
お互いに同
業者間の
調整をしろと言ったところで、できないものはできないのですから、
マネプラ自身の
改善をしなければこれはだめなんだと思うのです。
それからもう
一つ、あなたの今後の三年間の
プランもお話しになりましたが、これもまた迂遠なことだと思うのです。私の感じるところによりますと、いまの石油業法というものは、もともと精製
業者、元売りの業法だと思います。決して、今日の全国至るところに
ガソリンスタンドがあるが、その
ガソリンスタンドを意識して石油業法はつくられたものでは毛頭ない。ところがその
ガソリンスタンドがいまや全国実にたくさんの数となり、そして消防法の改正により新しい規制がいろいろな形から加えられるようになった。そして
販売する石油価格についてもいろいろな不正の問題が内在をしておる。そして私
どもがふらっと
スタンドに行って、おい、満タン頼むと言うと、まあお金はちゃんと表示してある。けれ
ども、価格というものは、まあ言うならばめちゃくちゃだ。よそへ売っているレギュラーのお客さま、特に役所に売る価格というものは驚くほど安い。つまり役所に安く売っておいて、私
どもに高く売っている、そしてバランスをとっていると言ったら
過言でありましょうか。そういうきわめて矛盾を内蔵しておる。最近はあまりありませんけれ
ども、
ガソリンスタンドにおいて事故があった場合、火災があった場合においては、たいへんな事故になることは
御存じのとおり。LPガスなんかの
スタンドが爆発でもしようものなら、まさに地震と同じような
状況になることは
御存じのとおりであります。そう
考えてまいりますと、私は、いまあなたが両三年くらいかかって
云々と言っておられることは、まことに時宜に適せざるものだと思う。この際、
石油販売業法——石油業法、石油精製業法のほかに、
石油販売業法というものをつくるべきだとかねがね私は
考えておるわけであります。
石油販売業法によって、
一つには顧客に対する
サービス、顧客に対する安全にして低廉な石油の供給、そして元売りに対しては団体交渉権の付与、そういうことによってこの
スタンドにおける
経営の健全化と、それから庶民に対する
サービスの向上につとめるべきである、かねがね私はそう
考えておるわけであります。
私
どもが石油
スタンドへ参りますと、各社ともに
サービスはかなり、教育は徹底しています。石油
スタンドへ行きますと、きわめて機敏である。そしてあいそうがいい。いらっしゃあい、ということであいそうがいい。そういう経常的なあいそうのよろしい近代的
経営と、内部に隠れております封建性通達というものとが、全く目に見えない
スタンドにおけるさまざまな問題が
存在をしておると思うのです。その標本がこの
エッソのようなものでありまして、まことに私はこの
エッソの
マネプラ方式については、この際大いに根本的な
改善をすべきである。金もない、
資本もない、裸一貫、おれは何かやりたいというまじめな青年がおる。その青年を、土地は私が貸してやる、建物は私が建ててやる、そして
商品は私が貸してやる、だから大いに君、力をふるいたまえ、君は
経営者だ、ただ、しかし
保証人だけは置いてくれ、そういう甘言につられて応募し、自分は裸一貫で
スタンドの
経営者になれた。意気に燃えて盛んに
努力をする。どんなに
努力をしてもまず最優先、
エッソが債権を持っていくわけでありますから、
エッソは決して損はしない、
マネプラ方式で。
エッソが損をすることは、この
新々契約書によれば絶対にない。損をするとするならば、すべてこれ
マネージャープランの
マネージャーにかかるしかけになっておる。どこにそんな
経営があるでしょう。そうして、もうやめるときにはすべて
保証人に
責任が転嫁される。こういうやり方によりまして
エッソは決して損をしない。損はすべてマネージジャーがひっかぶる。常にそれによって
収益が確保される。そんなばかな、かってな
経営があるでしょうか。ここの燃料新聞の「きょうの市況」というところに出ておりますが、「
エッソとモービルの四十七年の決算が発表された。売上げ高は
エッソが一千八百三十八億円、モービルが一千八百八十二億円とほぼとんとんであるが、」同じであるがという意味ですね。「純利益をみると
エッソが十六億七千七百万円、モービルが五億九千八百万円とかなりの格差がでている。この純利益の格差はそれぞれお家の
事情かもしれないが、同じ東燃グループの主流として同じ売上げ高でこの格差がどうしてでたのか、素人には不思議でもある。」と書いてあります。
私は、
マネプラのような、わずか全国三百二十くらいの
マネプラによってこんなに格差が出たとは思いません。もちろん、それはあるでしょう。しかし、
マネプラの中に見える
エッソの
商法というものが
一つの指標としてこういう格差、同じ千八百億ベースの
売り上げ高で、
エッソが十六億、モービルが五億、どうしてそんなに格差が出るかというのは、
エッソの
商法だと私は思います。
エッソの
商法にも学ぶべきところはあるであろう。合理的近代化、アメリカ的な
商法は学ぶべきものもあるであろう。けれ
ども、それによって
収奪され、それによって
赤字を負わせられて、
エッソは損せず、
赤字の分だけは本人が負担をして、そして
保証人がかぶって、そうしておまえはもう出ていけというようなやり方の中でこの格差が生まれておる、その一端を私は思わざるを得ぬのであります。
通産省というところは、特にあなた方の所管のところは大
企業を
相手にしていらっしゃる。そして
スタンドの
諸君とひざを交えてお話をお聞きになるということはあまりないと私は思うのであります。この機会に、この
マネージャープランを中心にして、一回
通産省も
中小企業業界の苦悶というものについて直接触れて、そして根本的な
改善をはかるということをなさるべきではないか。
私のいま言った意見は、
一つは
石油販売業法というものをつくらなければ根本的な問題解決にならぬだろう、もう
一つはさしあたり当面の
マネプラについて思い切った頭の切りかえを行なって
行政指導をなさるべきではないか、こういう点でありますが、いかがですか。