○川島政府
委員 中間配当をなぜ認めたかということから申し上げたほうがいいかと思いますが、最初に
新聞記事をお読み上げになりましたようなことになるわけでございますが、要するに現在の大多数の
会社が営業年度を半年としている。半年としておりまして、したがって二回配当を行なっているというわけでございます。しかしながら、
会社によりましては上期と下期とによって収益の差がはなはだしいという
企業があるわけでございます。たとえば夏のレジャーに
関係のある事業を営んでおりますと、どうしても夏の売り上げが多くなって冬の売り上げが減る、こういうようなことで、一年のうちの上期と下期との収益の差がはなはだしくなる。そのために利益の平準化と申しますか、これをはかるためにある程度の
粉飾をするということが実際界においてはかなり広く行なわれておるわけでございます。こういった点から申しましても、年一回の決算に改めて、そしてそういった不当な経理が行なわれないようにするということは、
会社の安定のためにもきわめて必要なわけであります。それから年二回決算をいたしますと、そのつど決算書類の作成、
株主総会の招集といったようなことが必要になりますし、それに伴う決算書類の
監査、
株主名簿の閉鎖といったようなことが行なわれるわけであります。ところで、今回は
監査を少し厳重にいたしましたので、決算期における決算書類の
監査期間が延長されまして、それに伴って
株主名簿の閉鎖期間が二カ月から三カ月に伸長される、こういうことになります。さらに大
会社におきましては
会計監査人という専門の
ものが会計の
監査に携わる、こういうことになってくるわけでありまして、従来のとおり半年決算でこれを繰り返しておきますと、たとえば
株主の側から見ますと
株主名簿の閉鎖期間が現在は二カ月、それが年二回ということでありましたのが、今度は三カ月年二回ということになりまして非常に不便になるわけであります。そういうことから半期決算というのはどうも
会社の実情から見て適当でないというので、これを一年決算に改めるということにしたわけでありますけれども、一年決算に改めるという
会社がふえてくると思うわけでありますが、その場合に問題となりますのは、年二回配当をしておったのが一回しか配当できなくなるという点でございます。これを年一回の配当にしてしまいますと、現在の株価の決定などに影響が出てまいりまして、また
株主としても年二回の配当のほうを喜んでおるような実情でございますので、
株主の立場からいっても困る。
会社としてもその希望に沿えないという事態が生じますので、その中間において決算期ではないけれども一定の時期に配当をするということにしようということで、中間配当の
制度を認めたというわけでございまして、このような例は外国などにもあるわけでございます。実際界の要望も相当あったわけでございますし、われわれも今回の
監査制度の
改正に付随いたしましてこれも必要なことであろうということで、中間配当の
制度を認めることにしたわけであります。先ほど
会社によっては中間配当を行なうことが非常にむずかしい
企業があるということをおっしゃったわけでございます。
企業の種類によりましてはそういう場合も出てくるかと思いますけれども、たとえば一般的に理屈の上で申し上げますと、一年に配当すべき利益を二回に分けて配当するというのと実質的にはほとんど異ならないわけでございまして、移行の際に若干の問題が出てくるということと、特定の業種によってはほかの
関係で若干問題が出てくるところもあろうかと思いますけれども、一般的な
制度として
考えます場合に、これが特に
会社にとって運用のしにくい
ものとなるというようなことはあり得ないというふうに
考えておる次第でございます。