○日野
委員 そこが問題ですよ。いまも横山君からも指摘されておりますが、この
法律が出れば一切が解決できるとあなたたちはいって今日まできて、われわれもそう思っていた。けれども、出てみればザル法ではありませんか。ひとつもそれは適用にならないで、それをちゃんと知ってか知らぬでか、実施の前に会社を解散して全部会社の中にもぐり込んで新規採用したと称して、依然として同じことをやって
犯罪を繰り返しているじゃありませんか。これを何とも取り締まれないという、そんなばかなことは、私は法治国にないと思う。新しい法の改正をやるとか何とか手段があるでしょう。こういう積極的な姿勢がひとつもないことを私は非常に遺憾に思うのです。
時間がありませんから次の点にいきますが、
警察庁の
室城さん、見えていますね。あなたが二月二十二日、参議院の社労の
委員会で
答弁した問題が、私ここにあると思うのですよ。いまなおこういう考えでおられるのか。このことが、私は今日の事態を発展させて、これは
警察庁の重大責任じゃないかと思う。こういうことを言っております。私はここに仮
処分の原本を持っていますが、これはこう解釈すべきものですか。これならば当然、県
会議員がかってに行ったのだから、けがしたって何でもないんだ、正当防衛でおれたちはやったのだから、あれをやれということになりはしませんか。この解釈のしかたでですよ。こういう解釈をしていますよ。第一項と二項と分けているが、これは分けて解釈すべきものですか、どうですか。ひとつこれは研究問題として残しましょう。
この解釈が今日の事態のエスカレートを呼んだ原因になると思う。
室城さんの説明が、もし宮城県警がこの見解をとって、おそらくこの見解が宮城県警の解釈と一致するでしょう。これによってガードマン連中を使嗾してやらせたと現地は見ているのですよ。現地はそう見ている。それで地方
行政の
委員会でも山本弥之助君がこういうことを言っている。これは重大じゃありませんか。
ここにこういうことをあなたは言っている。十二日の
事件にも「県議団などいわゆる支援
関係の方が御一緒に入ろうとされたというようなケースにつきましても、厳密に言いますと、仮
処分の
内容は組合員が入ってもいいということでございまして、支援
関係の方は組合
事務所に行くまでの間が妨害されないというような仮
処分の
内容になっておりますので、」と、こういうことで、「
警察といたしましても、この仮
処分の
内容につきましては十分尊重いたしまして、現場措置等において誤りのないように」ということを言っておりますが、この諸君が入って悪いという禁止規定がどこかにあるのですか。そう解釈すべきものなんですか。組合員が主催する会合に県議団あるいは支援
団体が行って悪いということは、この仮
処分の原本のどこを見てもないですよ。それが、組合員以外は入っちゃならない、組合員以外の者がかってに入ったのだからということになるならば、これを逆用して、そしてさっき横山君が言ったような、いなか県
会議員が一体何しに来やがったんだということでやるのはあたりまえじゃありませんか。こういう
指導をしていたのです。私、現地に行ってあの大会に参加したのです。そのときの、ガードマン、会社員、
警察もずっと立って見ておりますけれども、あの
態度というものはまことに癒着もひどい。むしろ積極的に支援した形跡があると私見るのです。大体全金の
労働組合なんというのは気の荒いことでなかなかたいへんなものなんですよ。しかも、全国の支援組織が出ていて、総評というバックもあって、
ほんとうならば、第二組合やガードマンなどをそこに入れて、そんなにいばってやれる筋合いのものじゃないのです。ところが、あそこは逆に、もう全金の組合が、自重するようにと押えているからでもありますけれども、そういう形で圧迫を受けて、争議を一挙にもみつぶそう。その背後に何か大きな力があってこれをやっている。そこで今日まで長引き、そして多くの負傷者を出す。全く許すべからざる事態を生んだ根本原因だ。これはひとつきょうここで、いま時間の催促をされていますから、私、全部を言いませんが、ひとつ
法務委員会を中心に、この解釈の統一をはかってこの点を明確なものにしましょうよ。そうでないと、いつまでたってもこの解釈が金科玉条に通用するとするならば、私は、ますます今後の事態発展を憂慮しなければならぬ、きょうすでに問題が起こっているのですから。いま
報告を受けたところによりますと、三月二十四日の早朝、会社の関川総務
課長が、組合員長谷武がカメラを持って入ったというので、これを取り上げてさんざん暴行を加えているという事実、こういうことが無制限に続いていくとしたら、これは重大であります。
法務委員会としてこれは無視できません。
そこで
委員長に伺いますが、本
委員長いないからあれですが、どうです、参議院の社労かどこかで現地
調査の計画があるようですが、これはひとつ
法務委員会でも現地
調査ぐらいやって、いままでのようなそんな消極的なことで
向こうの
調査の結果を待つというようなことじゃいけません。実際、行ってみなければこの実情はわかりません。おそらく
室城さんなども現場に行って見てないのでしょう。だろうと思います。やはり現地を見て、実情がそうならば、私も何もこれは争議をどこまでもエスカレートさせようとは思いません。横山君がいま言われたように、最後に何かこういう事態を収拾しなければならぬという観点でいるのでありますから、何とかひとつその点を考えてもらいたい。労働省が中心になるか、最後は
法務省が、やはり解散権も持っているのですから、
法務省が中心に積極的な動きを見せることがいいのだと思うので、これは
委員長とも相談して、
理事会にもかけて、現地
調査、それから各省を糾合してこの仮
処分の
法律の見解の統一をはかるというような積極的な姿勢をとる必要があるのでなかろうかと思うのであります。
あとまたもう一人
質問者もおりますし、私、いろいろ調べておるのでありますが、できるだけ
法務委員会を中心にやってもらいたいと思いますから、きょうはこの辺でとどめておきますが、労働省はどうですか。もっと積極的に、あなたも待っているだけでなしに、ひとつ争議の事態収拾について何か案があったら簡単にお答え願いたいと思います。