○山原
委員 私は、これは定期的その他いろいろの形で接触を保ち、
交渉も行なうという形をとってもらいたいと思うのです。そういう
方向へ向かっておったわけですからね。佐藤総理
大臣の発言を、ドライヤー
勧告が評価しているような状態があったわけでございますから、その点をぜひ強く要請をしておきたいと思うのです。
その際に、私はたとえば日教組に象徴されております
職員団体、労働組合というものに対する一定の誤まった見解というものは、これは払拭していただく必要があると思います。それは特に文部
大臣として、かなり公平な立場でこれを見るという目を持っていただかないと、ぐあいが悪いと思うのですよ。いままで率直に言いまして、文部
大臣がしばしば表明されております見解の中には、どんなに考えましても日教組に対する偏見があるように私は思うのです。
たとえばこの前の、どこでありましたか、
教育長
会議で行なわれました文部
大臣の日教組に対する批判ですね。これはついでにこの際述べておきますけれども、ここへ持ってきたんですが、これは新聞だけで申し上げて恐縮でございます。しかし各新聞が取り上げました文部
大臣の六月十一日ホテル・ニューオータニで行なわれました都道府県・指定都市
教育委員会教育長
会議における発言ですね。「日教組暴力事実なら遺憾」という見出しで書かれておりますが、その中で新聞は「日教組の
考え方、運動
方針を厳しく批判した。」それから「現状の改革、前進を目ざす筑波大学
法案、
教員の
人材確保法案などに反対する日教組、
先生たちの考えは理解できない。このままでは日本の将来は憂うべきものになる」、こういう発言をなされているわけです。それからさらに、これはちょっと私も理解に苦しむのですけれども、文部
大臣がその際、「雑誌に「日教組を斬る」「日教組解体論」など、組合内部で脅迫、脱会しようとする
先生に対する村八分などが書かれているが、これが事実とすれば、人つくりに励むべき日教組が暴力を使っていることになり、日本の将来は憂うべきものになる。」こういうような表現、さらには「左翼の人は現状の改革にことごとく反対するが、現在、改革を試みないでよいものを考えてほしい。」これは新聞の記事でたいへん不正確な部分があるかもしれません。けれども、ここで表現されておることは、これは私は一度文部
大臣に申し上げてみたいと思っておったんです。
というのは、
文部省・
政府が出してくる
法案に対して、私
たちは反対する場合があるわけですね。私学共済などについては、これは与野党お互いに賛成しました。しかし、筑波大学の問題、
人材確保の問題については、われわれ野党のほうは見解を持っていますから、だから、これは反対するわけですね。それをいわゆる左翼だというような見方ですね。左翼はすべて反対するというような表現、こういう表現のしかたも私は不正確だと思います。同時に日教組に対するこういう見解――文部
大臣が公式の場で発言をする場合には、たとえば政界裏話のような雑誌、これをもとにして発言をされては、文部
大臣の権威というものは失われると思うのですよ。だから、「日教組解体論」とかあるいは「日教組を斬る」などという原典を私調べてみたのです。読んでみますと、確かにそういう場面もあったかもしれませんね。しかし組合を脱会しようとするかあるいは組合の運動についていかない人に対して、つるし上げが行なわれたという記事が西日本新聞にある。これがもとになって「日教組を斬る」とか、「解体論」というのが出てまいるのですが、しかしその中でも、ちゃんと初めから終わりまで見てみますと、日教組の見解はそれでもやはり出ているのです。
たとえば、このことにつきましては、これは九州であったことでございますけれども、現在の日教組槇枝
委員長は、「スト不参加者にはとくに慎重に対処するよう指導している。あまりラディカルなやり方は逆効果。スト不参加の理由にはいろんな事情や立場があるだろう。その人
たちを組織の外に追いやらないよう、息の長い説得こそ必要だ」と言って、日教組自身としてはこれらの問題についても見解を述べているわけです。ところが、あなたが使われたのは、その前半の部分だけ、あるできごとを使われて、日教組批判にそれを持っていく、こういう形をとっておられます。これも私は正しくない評価だと思いますので、そういう点で申し上げておきたいのです。
要するに、日教組に対しては、頭から反撃をしていくという姿勢があるのです。自民党が持っておるならまだかまいませんよ。政党ですから、それぞれの見解があろうと思います。けれども、
文部省の長に立つ文部
大臣が、率直にいって、そういうあまり正確でない雑誌などをもとにして、しかも、全国の
教育長
会議で発言されるなどということは、これは不見識だと思う。誤りなんだから、しかもそういう
考え方が、あなたは、筑波大学に対して反対しておることに対して、他の大学にけちをつけるよりも勉強せよという発言になってあらわれてくる。だから、
文部省のやる方法が一番正しいのであって、これに対して反対するものは、全部間違いなんだという思想があるのです。これがあなたの論理になっておるのです。だから、そういうことではうまくいかぬのは
あたりまえなんです。
私は、そういう点については、文部
大臣の姿勢をはっきり変えていただかなければならぬ。もっと公平な立場でものを見る。少なくとも文部
大臣の席におる限りは、そういう立場で臨まないと、十六日に会合を持っても、ほんとうに腹から話し合える条件が出てこないかもしれません。どうですか。